日下部覚吾

登録日:2020/04/13 Mon 12:43:40
更新日:2025/03/15 Sat 09:43:41
所要時間:約 9 分で読めます





「これまで色んな下種野郎を見てきたが、吐き気を催すほど汚いと思ったのはお前だけだよ」


日下部(くさかべ)覚吾(かくご)とは、ヤクザ・サド看守・メカ・カルト宗教めいた道徳が頻発する漫画タフ・シリーズに登場するキャラクター。


【概要】

初登場はTOUGH30巻。
2部において宮沢静虎宮沢鬼龍宮沢尊鷹の誰が宮沢熹一の父親なのか二転三転する中、唐突に出現したキー坊の実の父親。
忌憚の無い言い方をするとぽっと出キャラっス。

灘神影流と流れを同じくする幽玄真影流の当主であり、首元に赤い布を巻いているのが特徴な老齢の男。
高弟達も自分も20年ぐらい自流派を放ったらかしにして世界を旅してたがそこそこ知名度はある模様。なんでなんスかね。

「軽やかさ」「しなやかさ」「力強さ」を全て兼ね備える剛脚「玄腿(モンスター・フット)」の持ち主であり、
手を組んだ状態のままで遠く離れた相手に打撃を当てられる究極の当身技・幻突を使う。
さすがに老齢なので身体能力は全盛期よりは落ちてはいるが、その圧倒的な強さから「拳聖」の二つ名で敬われている。


【戦闘力】

幽玄真影流の技を収めた幽玄最強の存在。ただし弟子たちの中には明らかに特異体質のようなものも混ざっているため一部使え無さそうな技もある。
玄腿から繰り出される破壊力だけでなく速度、タフネス、攻撃力全てが狂っており後述の正体から呪術も粗方習得しているであろう反則的オールラウンダー。
特に速度は朦朧拳、攻撃力は多彩な攻撃手段で判りきっているが意外と注目されていないタフネスはなんと頭の中に直接衝撃を叩きこまれ脳にダメージを喰らいダウンしても起き上がるほどのもの。

【使用技】


  • 朦朧拳
周辺視野を利用して相手をすり抜けるような動きを可能にする幽玄の基本的な技。
上位技として残像を起こす「霧霞」が存在し、覚吾の場合はこれを使い空中に残像を置いての回避や不意打ち合戦をキー坊と可能にした。

  • 弾丸滑り(仮称)
本来は灘神影流を代表する防御技だが、全く同一の技を過去に使いそれを「幽玄真影流ならば可能」と言っているため幽玄にもあると思われる技。*1
覚吾の場合は空中にフックを刺され吊り下げられ痛めつけられたボディ・サスペンション状態から至近距離で撃たれたライフル弾をいなすと言うもう何もかも狂った不利な状況での生還を可能としている。

  • アキレス腱固め
最大級の痛みをもたらすオーソドックスな関節技。
覚吾のそれは水中においても冷静にかけられるほど洗練された動きで手慣れている。

  • 象塊
体重操作能力。小鳥程度の重さから象の重さまで自身の体重を操作できる。
どうやら錯覚ではなく実際に変化しているらしいが、タフの世界では多少の体重操作能力はそれなりに前例があるため今さらである。
覚吾の場合は滑る足場で体重を瞬間的に増加させ踏み込みを固定、幻突の発射体制を整えるという応用をしてのけた。

  • 双手穿孔拳
太極拳の双峰貫耳に類似した技で、相手の側頭部を両拳で挟み込んで破壊する。頭の後ろへ回り込んでも使用可能。

  • 腹筋を貫き臓物を引きずり出す技
正式名称は不明。腹筋を貫手で貫通させた後、傷口に手をつっこんで内臓を引きずり出すオーバーキルそのものな技。*2
覚吾は大きさ4.8mの大熊に対して手斧で腹を軽く斬りつけた後に実行していたため、武器との併用も可能な技と考えられる。

  • 幻突
最強の足腰である玄腿の使い手にしかできない「入神の一撃」とも言われる究極の打撃。いわゆる遠当ての一種で、遠距離の相手を殴り飛ばす。

  • 陰陽互根の術
幽玄真影流そして灘神影流が「かげ」を冠する由縁。相手の『陰』つまり心の隙や闇を捉え、己と相手の魂を繋いでダメージを共有してしまう。呪術じゃねえのかこれ
高度な「陰使い」にしかできない技らしい。
この技を無効にするには自身の迷いや闇を取り払い攻撃するという対処法以外にない。

【活躍】

幽玄真影流の奥義であり、何故かキー坊が放つ事の出来る「幻突」。
しかしこの技は玄腿の持ち主にしか放つ事が出来ず、「幻突」唯一の使い手である日下部丈一郎はとっくに死去していた。

そんな中、尊鷹にボコボコにされたラーメン・ジョーの髪を引っ掴んだ鬼龍の口から「玄腿を受け継いでいる熹一の父親候補」として丈一郎の息子の存在が示唆される。
そしてつい3ページ前に存在が仄めかされたばかりで、まだ本編に登場してもいない人物の過去回想が唐突にスタートする

遙かなるアフリカ編

アフリカ東部某国難民キャンプ

難民への支援物資をくすねる太った警察幹部に捕まり、後ろ手に拘束され目隠しされたヒゲ面の男。
この男こそが若き日の日下部覚吾であった。

拘束された状態から汚職警官らを半殺しにし、そのまま略奪された物資をトラックで運び出すと、難民に届ける覚吾。
難民を支援するバーレ医師との世間話の中で「弱者救済のために動かないのは武道家の精神に反する」との理念を口にし、医師から家族を聞かれるも、

「恐らく日本では…私は死んだ事になってるはずですから」

と死人扱いされてる事を告白。日本で死人扱いになってる理由は最後まで不明。
この程度の謎がこの後にポコポコ出てくるのが怖いっス
難民の子と散歩してる最中に拉致され、冒頭の汚職警官の上司である署長カブドゥルよりクサカベ・カクゴを死刑に処す事を言い渡される……も。

「銃弾の軌道を読んでかすらせたんだ」

「できるさ」

「幽玄真影流ならばな!」

そのまま大立ち回りをし自力で脱出を果たす。その際に、生命ギリギリの修羅場を楽しむためにやってきたとの本心が明かされる。
なお、無理やり覚吾の死刑執行役にされた難民の子イッサは覚吾の鬼の形相を見て逃げ出した。人生の悲哀を感じますね。
さすがに無理があったのか途中で倒れるも難民キャンプの医師に助け出されたが……

「薬物で私を殺そうとしているんですか」

軍の最高幹部であるアリー国防大臣の親族だったカブドゥル署長を殺してしまった覚吾を殺すために、家族を人質にされた医師は毒物で殺そうとする。
しかし、覚吾はそれを受け入れもう終わりにしたいと思ってたと内心を吐露する。
その結末は……






プラハでの出会い

「鬼龍さん?ですか?」

(プラハのカレル橋で運命的な出会いがあった)

いやちょっと待て

なんスかこれ?いきなり話ぶった切って別の回想に入ったんスけど


この後話しが進んでも、あの後どうなったかは不明。悔しいだろうが仕方ないんだ。
話を戻すと、さすがに血みどろの戦いばっかには嫌気が差したのか癒しを求めるためにプラハにやってきた。
その時に会ったのが宮沢熹恵である。

「日下部さん安らぎが欲しいなら争いは避けなきゃダメですよ」
「君子は危うきに近寄らず。ってね。危険な所には近づかず、もし危険な目に逢ったら逃げちゃえばいいの」
「平和を守るために戦争をする。なんて言う人がいるけど、それって平和や正義のためなら殺戮してもいいってことでしょう、そんなのありえない」
「だいたい殺伐とした世界に自分から飛び込んでおいて、安らぎが欲しいなんて虫が良すぎます」

熹恵に癒されつつも愚弄されるという超高度なSMプレーをされるも、プレーの口実たる似顔絵の作成も済んで一旦別れるが、女衒のライリーという男に熹恵が捕まり、闇のオークションとかいう所で売られかけてるのを救出、
この時に覚吾は建物を爆破、ガス栓と電子レンジの組み合わせではあり得ない爆発を起こす。
安全を確保し去ろうとする覚吾だったが、恐怖に震える熹恵はそれを拒否。

「心配しないでください、私はここにいますから」

「あなたのそばにずっといますから」

「熹恵さん、あなたは私が守ります」

こうして覚吾のはちゃめちゃな回想は終わりを告げた。
「どうせこいつもキー坊の親父とは違うっス」と、当時のマネモブが冷たい目で見たのは言うまでもない。

現代にて

続いての出番は、体長4.5m・体重800キロを超す山の主として恐れられてきた鬼熊退治。
この力に一番戸惑っているのは俺なんだよね
ここに来てようやく現代の時系列で初登場する。

「鬼熊よ、人々を襲ったお前を人間は決して許さない」

「いかなる理由があろうとも、一方的にお前は殺されるんだ、悔しいだろうが仕方ないんだ」

何か妙に老けている。回想の頃の静虎や鬼龍とそう変わらなかったろうがよえーーーっ!

さすがに人間の限界なのか熊には苦戦するが最後には勝利、腸をぶちまけた。すごくない?
どうでもいいんスけど羆が本州に居るっぽいのは何故なんスかね。
怪我もそのままに熊を軽トラに載せると、先に再開・集結していた幽玄死天王の元に運んで人間を喰った熊の肉をご馳走するのだった。

「生命を…いただきます!」

グッチャグッチャと汚い食い方をしてる中で、今の世に殺人術など必要あるか?と死天王を愚弄。
なんか俺達のこれまでの人生を全否定されてるようでムカつくんスけどと怒りも露わにする死天王の一人・木村大観を諌める事も無く、
横山春草が「後継者を選ぶ方法は我々で決めます。灘狩りをやります」などと勝手に動き出してしまったのを黙認。
尊鷹と死天王の一人・菱田観山の戦いを観戦したり、弱き者を狩りかけた菱田観山を病院の中だから止めておけと注意したり、キー坊と四天王の戦いを密かに観戦したりしていた。

その後、とうとう宮沢一族と四天王が揃い踏みする中で姿を現し、鬼龍が丸太前蹴り一発で縦に割り、本物の玄腿を見せ付けた。どう見ても蹴る前と比べて丸太が巨大化してるんだよね
キー坊との蹴りの当て合いにより、細胞レベルでのシンパシー・魂の同調を行い、互いに実の親子である事を理解する。
しかし……

「あんたもそうやと思うが、今さら新しい父親と言われても正直ピンとこんからな。」

「もうワシや灘の者には構わんで欲しい」

とド正論を言われてしまう。
さすがにそれが堪えたのか、幽玄道場で一人寂しく幻突で巻き藁を粉砕していた。この至高の技を継ぐ者がいないなんて、あまりにも勿体ない。
なお次の当主を決めるために灘狩りをやっていたはずの死天王だったが、

春草「あのなー、俺にはブラジルに愛する嫁さん子供ともっと愛する三人の愛人が待ってるんだよ、はなっから幽玄の継承者になるつもりはなかったんだ」
春草「…ただお前たちともう一度、真剣に暴れてみたかっただけなんだ」
武山「俺は灘の宮沢熹一に負けてしまったから、当主になる資格も資質もないと思ってる」
大観「そんなこと言ったら俺もそうだ、またお気楽で退屈な役人に戻る」
春草「だとしたら残るは…」
観山「嫌だ。みんなが嫌がってなりたがらないものにはなりたくない」

こいつらクソっスね

その後は死天王を帰し、朧山で書道をやってる最中に静虎の果し合いを申し込まれる。
未熟児で産まれたキー坊の生い立ちなどを語る静虎の精神攻撃により危ない所もあったが、乾坤一擲の菩薩拳をも幽玄の技で避けつつ反撃を打ち込みダウンさせる。
約定を破ったのは静虎からではあったが、敬愛する育ての親をボコられたのにキレたキー坊に殴りかかられるも姿を消した。
その後は鬼喰島という場所で真魔流体術総帥の竹神栖鳳という偽名を使って修行をしていたのだが……
間違いなくこのキャラは最初は覚吾とは別人だったと考えられる。編集からの打ち切り拳をくらって、話を纏めるために設定を変えたとしか思えないんスけど。

それは置いといて、1部の高校鉄拳伝の頃に戻った悪く言うと退化したかのようなキー坊にモンスター・フットでちょっかいを出しつつも、
御来光だあッ修羅場くだりだあっを乗り越えたキー坊と対面……しなかった。なめんなごらあっ

不知火御殿にて待つ

そこにあったのは置手紙と人形だけであった。日下部覚吾って奴は結構お茶目だな。

不知火御殿での死闘

タフシリーズにおいて一体何人出てきたか分からない裏社会の大物の一人である不知火の屋敷においてようやく対面する。
ここから2巻ぐらい続く長い長い戦いが始まるっス。宮沢三兄弟や幽玄四天王よりマネキンモブ三人組が目立ってたりもした
ネット中継で、風のミノル、容姿が大幅に変わった高石義生、何でこいつが再登場したんスかね高阪剛眼が見守る中でキー坊優勢。
所々においては盛り返すも若さというハンデの前にはさすがの覚吾と言えども苦戦をし続けていた。
そして回想がまた差し込まれるのであった。
インドに幾つあるかも分からん安宿から覚吾を見つけ出す恐ろしい執念を見せる熹恵
妊娠を察しながらもキー坊が産まれ出てくるのを望まなかった覚吾
熹恵の死を知って日本に戻った後もキー坊を見ているだけだった覚吾
恐ろしく情けない姿っスね。

回想終わってもキー坊にボコボコにされる覚吾だったが、攻撃くらったらその傷を相手にも返すという究極のオカルト技・陰陽互根の術を使い、一旦戦況を仕切りなおすと渾身の幻突を行う。
だが、幻突をも凌駕するキー坊の幻突返しをくらい完全にダウン。

「参りました」

キー坊が育ての義父に続いて実の父を超えた瞬間であった。
その後は灘神影流と幽玄真影流の統合、灘・真・神影流の襲名式に参加した。ラーメン・ジョーは猿空間に消えたよ。キー坊「経営に失敗して道場を潰したんやがなブヘヘヘ」

龍を継ぐ男

3部の『龍を継ぐ男』においては未登場。
尊鷹でも老化で全盛期には及ばない設定になったうえに、トダーとかGKドラゴンなどスー・パーロボットが跋扈する中では出てきてもどうしようもないと考えられる。



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いかなる理由があろうとも 一方的にお前は追記されるんだ 悔しいだろうが修正なんだ

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最終更新:2025年03月15日 09:43

*1 技名自体は作中に出ていなかったため別名称の可能性はある

*2 当の覚吾すら弟子に「こんな殺人技が必要か?」と例のひとつに出していたほどである。