雪緒・ハンス・フォラルルベルナ

登録日:2020/06/04(木) 20:25:03
更新日:2025/02/12 Wed 21:59:56
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その様子(スコア)じゃ、SSランクはあげられないね

せいぜいBが良い所かな



雪緒・ハンス・フォラルルベルナ    
雪緒 Hans Vorarlberna

[肩書き]完現術者(フルブリンガー)
[所属]XCUTION(エクスキューション)会員番号005

 [身長/体重]154cm/40kg
 [誕生日]12月23日
 [完現術(フルブリング)]インヴェイダーズ・マスト・ダイ
 [CV]市来光弘



BLEACH』の登場人物の一人。


 概要



完現術者」で構成された組織「XCUTION」の一員。

黒い帽子とコートを身に纏った金髪の少年であり、いつも携帯ゲーム機を手にしてゲームに興じているのが特徴。
XCUTIONのリーダー銀城空吾のことは基本的に「空吾」と呼ぶ。
メンバーでも随一の資産家であるため、アジトの改修や修繕などの費用は基本的に彼が出している。*1

性格としては、皮肉屋で周囲を小馬鹿にしたような言動が多く、特にリルカとは犬猿の仲である模様。
生まれつき感情の起伏に乏しかったようで、かつての自身の境遇も相まって物事を冷めた目で見ていることが多い。

一方で得意げな笑みを浮かべてリルカをからかったり、銀城を相手に駄々をこねたりと年相応の無邪気さも持ち合わせている。
また、帰りが夜遅くなってしまった一護に対して「妹さんが眠い中でも目をこすって待ってるだろうから帰ってあげな」と声をかけるなど他人を気遣える一面も見られる。

しかし、本性は倫理観や仲間意識といった感覚が希薄な歪んだ人物だった。



 能力



◇─ 完現術「インヴェイダーズ・マスト・ダイ」


悪いけど、あんたを“セーブ”するには充電が足りない


標的を電脳空間の中に閉じ込めて、ゲーム画面でコントロールする能力。この完現術はゲーム機を媒介にして発動される。
霊圧が遮断されるため、一部の例外を除いて外部の者から内部の状況を感知されることはない。

仮想世界の地形、建築物、物品、重力、温度、湿度などのような環境は雪緒の調整次第で自由に変更することが出来る上、ライフゲージや脱出条件などを中の人物に付与して一定のルールで戦闘や修行を行わせることまで可能。
作中ではXCUTIONの仲間達が能力を最大限に発揮出来るように泥沼のフィールドやぬいぐるみ山盛りのフィールド、更には空座町のビル街そっくりなフィールドなどを生み出した他、織姫とリルカが間食を取る際にはテーブルと椅子を出現させたりもしている。
時間を「早送り」することによって、空間内で数日過ごしても現実世界では90分しか経過していないという信じ難い現象までも引き起こした。*2

加えて、アイコンを対象の体に付着させることにより現実世界にて互いの位置を確認し合うという使い方も出来る。この力で廃ビルの中に隠れ潜む銀城と一護を見つけ出した。
総じてサポート面では汎用性の高い完現術と言えよう。

ただし雪緒の発言からして、相手の霊圧もしくは戦闘力によっては、ゲーム機の充電が不十分だと能力で閉じ込めることが出来ないものと考えられる。


◇─ 画面外の侵略者(デジタル・ラジアル・インヴェイダーズ)


「てきを たおした!」じゃなくて
「しかし かわされてしまった!」だよ!


一護から力を奪ったことで開花した追加能力。
能力を身に纏って外へ放出する装衣型(クラッドタイプ)の完現術を吸収したため、インヴェイダーズ・マスト・ダイの侵略値が画面外にまで拡大されており、ゲーム空間に入っていない人間に対しても様々な影響を与えることが可能となった。
なお外見に関しても、ヘッドホンを着け、腕にアンテナ付きのコントローラーをセットした姿へと変貌している。

この能力を利用して、現実でも自分や仲間への攻撃を回避したり、敵にエネルギー弾で反撃を仕掛けたりしてみせた。
そして、完現術者と死神がそれぞれ1VS1で思う存分戦えるように「どちらか一方の霊圧が消えるまで出られない」というルールを設定した空間を現実世界に幾つも発生させて、部屋分けする役目を果たす。

しかしながら、やはり作り出した空間の強度には限界があるのか一護が内部で卍解しただけで容易く崩壊してしまい、術者たる雪緒は驚愕のあまり取り乱した
もっとも相手が相手なので仕方が無いのかもしれないが。



 過去



僕がこんなにも若く こんなにも未熟であるということが

老いさらばえ完全無欠である大人達には

どうにも許し難いことのようなのだ

(BLEACH53 The Deathberry Returns 2 より)



雪緒・ハンス・フォラルルベルナは裕福で何一つ不自由の無い家庭に生まれた。

会社経営者でもあった雪緒の父親は、我が子に自分を「パパ」と呼ばせようと幾度となくその言葉を息子の前で口にしていた。
だが雪緒は、その単語が自分の父を指していると理解してはいながらも、それを口にして見せることに殊更意味を見出せなかった。故に彼は物心付く頃になっても自分から両親に呼びかけるどころか言葉を喋ることさえ無かったのだという。
自分達の期待通りに育たない息子に失望した雪緒の「パパ」と「ママ」は「広く」「何でもある」「退屈」な「部屋」へ彼を閉じ込める。

雪緒は孤独を紛らわすため自分が理想とする家族に見立てたゲームキャラを完現術で作り出す。その架空の両親に対してなら彼は笑顔で言葉を交わすことすら出来たのだ。
本物の両親は、時折部屋を覗いては自分達の前でだけ全然喋ろうとしない我が子を責め立てる始末。彼らが雪緒のことを理想の子供だと思っていないように雪緒もまた彼らを理想の親だと思っていないのだという事実に二人が気付くことはなかった。

大人(あんたたち)がそのことに思い至らないのは
子供(ぼく)のことを対等の人間だと思っていないからだ

こうしてずっと一人で放ったらかしにされている間に知恵を付けたという雪緒は、ハッキングして父親の金を全て自分の名義に書き換えると共に父の会社まで潰してしまった。
…後日、両親が失意の余り自殺したことを彼はニュースで知ることになる。


リルカがXCUTIONの構成員達の境遇について語っていた一幕で、彼女は雪緒のことを「捨てられて心も力の使い方もねじ曲げてしまった奴」と評していた。
その瞬間に描かれた過去の雪緒は目に涙を浮かべて佇んでおり、彼が両親に抱く複雑な感情が垣間見える。
彼ら家族が心を通わせる未来も存在し得たのかどうか…もはや今となってはそれを確かめる術は無い。



 本編における活躍



【死神代行消失篇】


すぐに…まともに戻してあげるよ

他のXCUTIONのメンバー達と同様、最初は一護が新たな力を手に入れることを目的とした完現術の修行に協力していたが、
彼の完現術が完成したのを機に森の奥深くにある洋館に誘導して、本性を現した銀城や月島さん達と一緒に一護を追い詰め、完現術を奪い取ることに成功する。

ルキアの介入で一護が死神の力を取り戻し、護廷十三隊の死神達が援軍として参戦した時には、戦闘の舞台となる空間を雪緒が能力で作り出して、自身は日番谷と戦うことに。
召喚したモンスターやミサイルなどで攻撃しつつ日番谷(というか護廷十三隊の隊長全員)を温室育ちで可愛がられたエリートと決め付けて罵倒を浴びせていたが、日番谷はそんな雪緒の発言の数々から彼の抱える苦悩を見抜き、非情な一言を突き付ける。

そうか、お前捨て子か

違う!!!捨てられたんじゃない!!
バカな親を僕が捨てたんだよ!!僕が自分で選んだんだ!!

パニックを起こした雪緒は、自分こそが親を捨てた側なのだと証明しようとするかの如く、のべつ幕無しに過去を語り始めるが、そこで生じた大きな隙を突かれて日番谷に傷一つ付けることすら叶わないまま敗北。
当初は勝負に敗れてもどうせ殺されることは無いと高を括ってはいたものの、ほぼ全身を氷漬けにされた挙句、能力を解除しなければ命は無いと脅されて恐怖に怯えながら自分と日番谷を異空間から解放した。

それから幾許か後、リーダーの銀城が戦死したことにより死神と完現術者の抗争が終結してから雪緒がフラフラと道を歩いていた所、同じXCUTIONの一員だったジャッキー・トリスタンと偶然鉢合わせた。
完現術こそが自分達を繋いでいた絆だったのかもしれないと感傷に浸る彼女の言葉に「馬鹿馬鹿しい」「自分はそんなものを感じたことはない」と吐き捨て立ち去ろうとする雪緒だったが、それでも何か思う所があったのか歩みを止めて宣言する。

3年だ…3年の間に会社を大きくしてみんなを僕の下で働かせてあげる
どうせみんな僕のお金が無いと生きられない不適合者(ミスフィッツ)なんだから

特異な能力故に社会のはみ出し者となってしまった完現術者達の居場所を今度は雪緒が作ろうと言うのだ。
ひねくれた物言い自体は相変わらずであれど、先程まで恋次に負けたジャッキーを平然と彼共々始末しようとしたり、仲間への情など欠片も持ち合わせていなかったはずの雪緒に一体どのような心境の変化があったのだろうか。

復讐のためとはいえ、曲がりなりにも自分に居場所を与えてくれた銀城の死が彼の心に何らかの影響を及ぼしたのか、あるいはまた別の理由か…それは定かではない。


【千年血戦篇】


負けるの?

リルカと共に浦原夜一に呼び出されて「見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)」の滅却師と戦う一護達に助力する。

リルカの能力で小さな叫谷*3を丸ごと箱に入れて運び、雪緒の能力でそれを部屋とレールに作り替えることによって、霊王宮への即席エレベーターを作り上げることに成功した。
人間や死神は元より、破面グリムジョーネリエルも問題無く使用可能である。
一護達を上まで送り届けた後は、自分はこれ以上巻き込まれたくないから残ると発言したことで志波岩鷲と喧嘩になりかけたが、一護がフォローして事無きを得る。
(実際ついていっても一護達との戦いを考慮すると能力で身を守れる見込みも薄く、危険なだけだったので正論だった)

ユーハバッハを倒した後すぐに脱出できるようリルカと待機してくれと一護に頼まれ、最後の戦いに赴く一行を見送った。
その後、今度は応援として駆け付けた月島さん達を霊王宮に搬送したことで一護は無事に窮地を脱したのだが、それはまた別の話。



 最終決戦後



…ここから先はリトライはできないから
真面目に答えた方がいいと思うよ


ノベライズ作品『BLEACH Can't Fear Your Own World』にてメインキャラの一人として登場。

ゲーム事業を礎として娯楽業界を中心に急成長しているという会社「ワイハンス・エンタープライズ」の社長を務める。人呼んでフォラルルベルナ社長。
元は父親から奪うような形で引き継いだ会社であり、以前はどうでもいいとまで思っていたが、一護や死神達との闘争を経て現在は会社を拡大することが人生の目的の一つになったと雪緒は述懐している。
亡き銀城に代わり、いずれ自分と同じ完現術者のはぐれ者達を受け入れる体制を整えるべく邁進しているらしく、既にリルカをデザイナーとして雇っているとのこと。更に彼女を通してジャッキーにも声をかけようとしているようだ。

そして本作の黒幕に当たる綱彌代時灘から命令を受けた完現術者の道羽根アウラが接触してきたことで、現世、尸魂界、虚圏を揺るがす新たな騒動の渦中に巻き込まれることになる。
アウラが教祖として導いているという新興宗教団体の名はなんと「XCUTION」。雪緒にとっては絶対に無視出来ない名前であり、腹の探り合いをしながらも彼女の提案すなわち時灘の陰謀に力を貸すことになるのであった。



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  • 12月生まれ
  • 12月23日生まれ
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最終更新:2025年02月12日 21:59

*1 銀城が完現術を一護に説明するために床のタイルを壊した際には銀城本人が弁償を迫られていたので流石に全てを雪緒が支払っているわけではないものと思われる。

*2 現世と尸魂界を繋ぐ「断界」では一護が藍染を倒すため2000時間(約3カ月)修行しても現実では1時間しか経っていなかったので、それに比べると控え目な範疇ではある。

*3 断界の周囲に無数に存在する霊子空間。

*4 彼女は固有の完現術を持たない代わりに完現術者としての基礎能力が極めて高い。雪緒曰く魂魄や霊子の使役にステータスを全フリした完現術者。

*5 パソコンなどで使用される言語コードを使い、ブロックノイズのように見せかけて情報を伝達した。なお浦原は雪緒の会社で使われているオリジナルの言語コードで返信して彼を若干ドン引きさせた。