アルゴノゥト(ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

登録日:2020/08/22(日) 09:50:00
更新日:2024/09/23 Mon 18:36:29
所要時間:約13分で読めます







『アルゴノゥト』

それは一つのお伽話。

英雄になりたいと夢を持つただの青年が、牛人によって迷宮へ連れ攫われた、とある国の王女を救いに向かう物語。

時には人に騙され。

時には王に利用され。

多くの者たちの思惑に振り回される、滑稽な男の物語。

友人の知恵を借り。

精霊から武器を授かって。

なし崩しに王女を助け出してしまう、滑稽な、英雄の名前。


◆概要


ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』に出てくる童話の一つ。
ミノタウロスにさらわれた美しい王女様を、何の取りえもない青年が助けにいく物語。
歴代の英雄の中でも圧倒的に弱く、冴えない英雄の名前。
実在したかも定かでなく、『道化』とよばれることもある。
しかし、ある学者の論文によると、『アルゴノゥト』を端緒にして、『古代』の『英雄時代』は幕を開けたのだという説もあり、アルゴノゥトが『始まりの英雄』と呼ぶ声もある。

作中では、ティオナが片角のミノタウロスに戦いを挑むベルの姿にアルゴノゥトを重ね、ベルのスキルの一つとして名前が刻まれ、ベルとアステリオスの再戦を見ていたフィンがアルゴノゥトを思い浮かべるなど、ちょくちょく話に出てくる。
また、ベルの義祖父ゼウスは『アルゴノゥト』が一番のお気に入りの物語で、幼いベルに「まだまだコイツはこれからよ」と笑いながら教えている。

そしてダンまちメモリア・フレーゼ2周年イベント『英雄譚アルゴノゥト』で遂にアルゴノゥトの詳細が明かされることになる。
大昔の物語だがダンまちの原点とも言うべき話であり、本編と繋がる所もある為、ダンまちファンなら是非見ておくべき話。
作者によると当初から決まっていた裏設定で、本編の1巻が出るより前にアルゴノゥトのプロットが出来ていたとの事。

ダンメモ五周年イベント『ナイツ・オブ・フィアナ』は『アルゴノゥト』の10年後・20年後の物語となっており、
『アルゴノゥト』の登場人物の一部が再登場している。

本編の主人公ベルのルーツが明らかになる物語で、評価は高く書籍化やアニメ化を望む声も多かったが、2023年に前編・後編で書籍化が決まった。


◆ストーリー


「アルゴノゥト」ー
それは、小さき少年が手にした、理を吹き飛ばす切符(スキル)の名。
それは、戦いに明け暮れた少女が愛した、お伽噺の題目(タイトル)。
それは、少年が想い、少女が愛した英雄の名ーー

時は古代と呼ばれるほどの昔日。

地上に神々の姿はなく、その存在すら信じられていなかった時代。
迷宮(ダンジョン)は大穴と呼ばれ、
尽きることなく魔物が地上に這い出ていた時代。
強大な魔物に抗う事など、無意味とされた世界。
諦めと絶望が支配し、緩やかな滅びに向かわんとする世界。

かの物語は、歴史家が綴ることなき、小さな男の話。
かの物語は、吟遊詩人が謡い繋いだ、忘れがたき道化の話。

その物語は時を超え、
場所を超えて民草に愛され続けた『英雄譚』-

真の詩に触れた時、語り部は静かに告げるのだ。
『さあ、喜劇を始めましょう—』

(公式より引用)


◆登場人物


  • アルゴノゥト
「嘆きと絶望の時代は終わった! これより始まるは、英雄の時代!!神々よ、ご照覧あれ!!私が、アルゴノゥトだ!!」

CV.松岡禎丞          
白い髪に赤い瞳と兎を思わせるような風貌をした青年。親しいものからはアルと呼ばれている。
アルゴノゥトと言う名前には『英雄の船』という意味を持つ*1

口癖のように英雄になりたいと言いながらも逃げ足以外戦いの素質は皆無。後世に自伝を残すべく「英雄日誌」を常備し、滑稽な毎日を記録する。
歌劇のような口調で話すことが多く、道化のように振るうが、本当は絶望に染まった世界を嘆き、人々が絶望に立ち向かう『英雄時代』の到来を望んでいる。
バカな言動も周りの人たちが笑ってほしい気持ちからやっている事であり、本来は思慮深い性格で、本音を話す時だけ一人称が「私」から「僕」に変わる。

ミノタウロスとの決戦では、大精霊ジュピターが武器化した『雷霆の剣』とクロッゾ謹製の『炎の魔剣』を装備して戦いを挑み、視力は失うもアリアドネの協力もあり、ミノタウロスの討伐に成功する。
偉業を成し遂げた事で世界中の人々に希望を与え、『英雄時代』の到来を告げる『始まりの英雄』になる。

ダンまち本編の主人公ベルと瓜二つの容姿をしている事や言動、ゼウスの発言などから間違いなくベルの前世。
ちなみにベルのスキルは、アリアドネに瓜二つのアイズに一目ぼれして【憧憬一途(リアリス・フレーゼ)】、英雄になりたいという強い思いから自身の前世の名である【英雄願望(アルゴノゥト)】、ミノス将軍の生まれ変わりであるアステリオスとの死闘の中で【闘牛本能(オックス・スレイヤー)】が発現するなど、前世からの縁を強く感じるものになっている。


  • フィーナ
「兄さん アル兄さん」

CV.木村珠莉
アルゴノゥトの義妹で、強力な魔法を扱うハーフエルフの少女。
この時代は種族間のいざこざの多さからハーフは肩身が狭く、両親もフィーナを家から出さなかったが幸せな生活を送っていた。
しかし、魔物の襲来によって家族を殺され、誰にも助けてもらえず途方に暮れていた所をアルゴノゥトに救われ、それ以来兄妹として暮らしている。
バカをやらかすアルゴノゥトによく振り回され、強烈なツッコミとお仕置きをよくするもアルゴノゥトとは強い信頼関係で結ばれている。

【ロキ・ファミリア】のレフィーヤと種族こそ違うが瓜二つの容姿をしており、恐らくレフィーヤの前世と思われる。
現世でも前世と同じように、アルゴノゥトの生まれ変わりであるベルを追っかけまわしている。


  • ユーリ
「私の誇りに踏み入るなよ、『半端者』」

CV.岡本信彦
狼人の青年。北方の地、『狼』の部族長の息子。一族をラクリオスに避難させるため、英雄選定に挑む。冷酷な言葉をかけることもあるが、本心は相手を思いやる優しい人物。
過去に妹を失っている事や弱っていく一族の為に自分を押し殺し合理的な判断に徹していたが、理想の為に戦うアルゴノゥトに感化され、アルゴノゥトと共に世界そのものを変えるためにミノタウロス討伐戦に参加する。
迷宮の中の戦いではアルゴノゥトを妨害する為に出現したモンスターに獣化して戦いを挑み重傷を負うがクロッゾに助けられ事なきを得た。

後世では、人類反撃の礎を築いた亜人(デミ・ヒューマン)の誇りにして、『古代』の英雄の一人、「狼帝ユーリス」としてその名が歴史に刻まれる。

【ロキ・ファミリア】のベートによく似た容姿をしており、恐らくベートの前世と思われる。
過去に妹を失っているという共通点を持つ。


  • アリアドネ
「運命だというのなら 私はそれを受け入れる」

CV.大西沙織
金髪碧眼のラクリオスの第一王女。本作のメインヒロイン
ずっと王宮から出られず、ほぼ軟禁状態だったが、ミノタウロスの生贄になるという王族の使命に絶望し、街へ逃げ出した所を偶然アルゴノゥトに出会い助けられる。歪んだ環境で育ったため感情を押し殺していたが、アルゴノゥトとの交流の中で、年ごろの少女に変わっていき、笑顔も見せるようになる。
アルゴノゥトに少しでも長く生きてほしい気持ちから自ら生贄になる決意をしてしまうが、ミノタウロスの食われる直前でアルゴノゥトに救われ、好意を伝える。
ミノタウロスとの戦いの中で視力を失ったアルゴノゥトの助太刀に入り、惨劇を生み出してしまった王族の一人としてアルゴノゥトと共に『雷霆の剣』でミノタウロスを討ち決着をつける。

アルゴノゥトをミノタウロスとの決戦の場に導いたこともあって、現代では、アリアドネという言葉は『道標』という意味で使われている。

ダンまち本編のメインヒロインの一人であるアイズに瞳の色以外瓜二つの容姿をしており、恐らくアイズの前世と思われる。
ベルがアイズに一目惚れしたのは前世の影響があるのかもしれない。


  • ガルムス
「俺はまだ十八だ」

CV.乃村健次
強靭なドワーフの戦士。モンスターに奪われた故郷と一族の仇を討つために、英雄選定に挑戦する。
十八歳なのだが老け顔のせいで老兵と思われることが多く、本人はそれを気にしており、年齢を勘違いされるたびに「俺はまだ十八だ」と叫ぶのがお約束。
最初は軟弱なアルゴノゥトを馬鹿にしていたが、心の内にある強い信念を認め、アルゴノゥトと共に戦うことを選ぶ。
迷宮での戦いでは、ユーリと共に襲い掛かるモンスターを退治し、リュールゥの協力のもと邪魔をするエルミナを倒すなどの活躍を見せる。

後世では、人類反撃の礎を築いた亜人(デミ・ヒューマン)の誇りにして、『古代』の英雄の一人、「大戦士ガルムーザ」としてその名が歴史に刻まれる。

【ロキ・ファミリア】のガレスと年齢こそ離れているが似た風貌をしており、恐らくガレスの前世と思われる。


  • リュールゥ
「私はエルフ さすらい人ならぬ さすらい妖精」

CV.早見沙織
世界を旅するエルフの吟遊詩人。希望のために歌を紡ぎ、英雄たちの栄光を遠い場所にも伝えることを神命としている。いつも飄々としているが、人類を立ち上がらせる希望の歌のため、アルゴノゥトたちへ協力していく。
性別不明で、そのことを尋ねてものらりくらりと逃げているがアルゴノゥトに胸が薄いと言われた際は静かに怒っていたので女性だと思われる。
ちなみに若々しい容姿をしているが実年齢は87歳と仲間たちの中で断トツの年上。

アルゴノゥトがミノタウロスを倒した後は、アルゴノゥトの偉業を世界に伝えるために再び世界を巡る。
後世では、三大詩人の一人にして彼女の真名である「ウィーシェ」として多くの英雄を世界へ伝えたとされている。
ウィーシェはレフィーヤの故郷の名前と同じだが、これはリュールゥを慕ったエルフたちが彼女の故郷をモンスターから取り返し、里を開いた際にリュールゥの名前をもらった事が理由。

【豊穣の女主人】のリューに似た容姿をしており、恐らくリューの前世と思われる。


  • オルナ
「ほら… 私、笑っているわ」

CV.村川梨衣
世界に絶望している占い師の少女であり、王国の客人。アリアドネに並ぶもう一人のメインヒロインというべき存在。
厭世的で常に皮肉や意味深な発言が多く全く笑わない。絶望に満ちた世界に抗うアルゴノゥトに最初は苛立っていたものの、次第に放っておけない存在へと変わっていく。

ミノタウロスとの戦いの中で視力を失ったアルゴノゥトの代わりに「英雄日誌」を綴ることを約束し、涙を流しながら初めて笑顔を見せ、ミノタウロスとの決着を見届ける。

本名はオルナティア・ラクリオス。ラクリオス王の娘でありアリアドネの異母姉。王が愛した妻に瓜二つだったために生贄にされなかった。
全てが終わった後は王と完全に決別を告げ、けじめをつける。
その後は、英雄譚を書くことで世界に希望を伝えることにし、後世では、三大詩人の一人「語り部のオルナ」と呼ばれることになる。

【ロキ・ファミリア】のティオナと似た容姿をしており、恐らくティオナの前世と思われる。
ティオナ自身、童話の『アルゴノゥト』の大ファンで、アルゴノゥトを思わせるベルを「アルゴノゥト君」と呼び、応援者を自称している。


  • エルミナ
「殺しすぎた ただそれだけの事」

CV.高橋未奈美
オルナの姉を名乗るアマゾネス。その強さはユーリやガルムスをも凌ぐほど。感情を殺した暗殺者だが、正面からの『殺し合い』でも凄まじい力を発揮する。
王都を守ることこそがオルナの幸せと信じ、王命を着実にこなしていくが、そのやり方は完全に善意の押しつけであり、オルナからは嫌われている。

正体はアマゾネスの聖地『テルスキュラ』で最強と呼ばれた戦士。あまりにも強すぎたため故郷から追われ、刺客に襲われ続けていたところをオルナに救われ、彼女を自分の妹と思い込むことで心の均衡を保っていた(実の妹もいたが、他ならぬ彼女の手で殺している)。
最後まで王の命令に従いアルゴノゥトの邪魔をするが、上述の正体をリュールゥに看破され、心を乱したところをガルムスに倒される。

アルゴノゥトがミノタウロスを倒した後はオルナに今までの事を謝罪し、無事許され、姉さんと呼ばれるようになる。

後世では、人類反撃の礎を築いた亜人(デミ・ヒューマン)の誇りにして、『古代』の英雄の一人、「争姫エルシャナ」としてその名が歴史に刻まれる。

ティオナの姉であるティオネに似た風貌をしており、オルナがエルミナに言った「生まれ変わったら本当の姉妹になれたらいいね」という願いが叶ったと思われる。ちなみに『テルスキュラ』はティオナとティオネの生まれ故郷。


  • クロッゾ
「友のため」

CV.細谷佳正
精霊の力を宿したさすらいの鍛冶師。
王女を攫ったと言われるアルゴノゥトを見に来たが、兵士の方が明らかに悪党に見えたため助け、そのまま最後までミノタウロス退治に付き合う義理堅い男。
過去に精霊を守った際、瀕死の重傷を負うが、助けた精霊の血を取り込んだことで復活。
それ以降、エルフでもないのに魔法が使えるようになり、打った武器は魔剣になるといった人間離れした能力を発揮する。

ミノタウロスに戦いを挑むアルゴノゥトの為に『炎の魔剣』を造る。
ちなみに最初は、『ミノタウロスを倒すために誕生した剣』を縮めて『ミノタン』と名付けようとした。
この通り武器のネーミングセンスが最悪で、これが理由で造った武器はなかなか売れなかった。

ベルの専属鍛冶師であるヴェルフの先祖。その為、見た目も性格もヴェルフとそっくり。
武器のネーミングセンスの悪さも引き継がれており、武器が売れなかった理由も全く同じ。
ちなみにヴェルフも最初、ベルの『牛若丸』を『ミノたん』と名付けようとした。

ダンメモとストライク・ザ・ブラッドのコラボイベントで何とクロッゾの使っていた剣が登場する。
ダンジョンの未開拓領域で突き刺さっていた所を発見され、ヴェルフによって『暁の魔剣』へと打ち直される。


  • ミノス将軍
王都ラクリオスを守護する英雄。
重厚な鎧と雷の紋章が入った大兜を身に纏っている事から『雷公』の異名を持つ。
しかしその正体は、生贄と引き換えにラクリオス王に操られるミノタウロス。
数え切れない魔物と人間を食らい続けた結果、通常のミノタウロスを遥かに回る強さになり、生贄が途絶え制御を失ったとたんラクリオスを亡ぼしかねないほどの存在になってしまう。

アリアドネを助けに来たアルゴノゥトと戦うことになり、笑みを浮かべながら臆することなく自分に立ち向かうアルゴノゥトを初めての『敵』とみなし、戦いの中で意思を交わす。
死闘の末、アルゴノゥトは視力を失い、アリアドネの助けを借りることで決着をつける事になるが、「生まれ変わり、次にまた巡り合った時は、今度こそ一対一で決着をつけよう」というアルゴノゥトの約束に笑みを浮かべながら『雷霆の剣』で討たれる。

このミノタウロスが生まれ変わり、ベルの好敵手であるアステリオスになった事が後に確定。
『英雄譚アルゴノゥト』を見た後にベルとアステリオスの戦いを読み直した人は多いはず。


  • ラクリオス王
最後の楽園と謳われる『ラクリオス』の現王。巷では賢王と謳われるが実際は陰鬱で不気味な雰囲気を纏った老人。
国を守るためにミノタウロスを操り続けたが、親も兄弟も妻も子供たちも生贄に捧げ続けた事で人としての正気を完全に失い、娘たちからも『魔物』と呼ばれるほど狂気じみた人間になってしまう。
国の真実を知ったアルゴノゥトを始末するためにアリアドネ誘拐の逆賊に仕立て上げて追い詰めるが、アルゴノゥトに逆に状況を利用され、ミノタウロスも討伐されることになる。
全てが終わった後は、ミノタウロスがいなくても人の手で国は守られるという自分のしてきたことを否定されるという罰を与えられることになる。
主要キャラの中で唯一本編の誰にも似ていない。


  • ジュピター
アルゴノゥトが契約した雷の大精霊。
見た目が筋肉質な爺だった上に女好きでいい加減な性格だった為、アルゴノゥトは契約を断ろうとしたが、話を聞かず勝手にアルゴノゥトと契約を交わす。
契約した後は『雷霆の剣』になり、アルゴノゥトに力を与える。
性格と雷の力を宿すことから恐らくゼウスに属する大精霊。ちなみにジュピターはローマ神話でのゼウスの呼び名である。


  • ゼウス
天界の主神であり、ベルの義祖父。
本編には出てこないがアルゴノゥトを天界から見守っていたらしく、ヘルメスによると当時はかなり興奮していたらしい。
表向きは冴えない童話の『アルゴノゥト』をかっこ悪いと言う幼いベルに「アルゴノゥトの冒険はまだこれからであり、出会った時から今度は何をするのか、何を起こすのか楽しみなんだ」と言った所で物語は終わる。
この時のベルとゼウスの会話は本編4巻でベルの回想の中にも少しだけ出ている。

多くの英雄達の偉業を天界から見届け、それらを絵本にして幼いベルに教えてきたゼウスだが、アルゴノゥトの真実だけはベルに教えていない。
これは、アルゴノゥトが英雄として称えられる事など望んでなかった事。そしてゼウスが言った通り、ベルの生き様こそがアルゴノゥトの冒険の続きだからだと思われる。


◆用語集


  • ”神秘の鎖”『天授物(アーティファクト)
天から落ちてきた魔物を操る能力を持つ鎖。
しかし、代償に鎖を使用した者の系譜から定期的に生贄を差し出さなければ操る効果が消える。
今回はラクリオス王家がミノタウロスに使用したが、ミノタウロスが強くなればなるほど鎖による制御の時間が短くなり、生贄となる王族が残り二人になるまで追い込まれてしまう。
犠牲を生み続ける仕組みになっている事から、オルナは意地の悪い神が戯れに落としたのではないかと推測している。

5周年イベント『ナイツ・オブ・フィアナ』の作者のtwitter解説で、悪辣な代償と引き換えに強力な能力を有するこれら天授物は、性根の歪んだ邪神達が戯れに下界にばら撒いたことが判明。オルナの予想は当たったことになる。

  • 王都ラクリオス
雷公・ミノス将軍によって魔物からも他国からの侵略からも守られ最後の『楽園』と呼ばれる国。
しかし、ミノス将軍の正体は上述の通りミノタウロス。
しかも生贄が尽き、いつ制御不能になってもおかしくないので物語が始まった時点で滅びが約束された国になっていた。
ちなみに世界中が魔物に襲われている中で他国と戦争を続ける理由は、敵国の兵士をミノタウロスの餌にするため。
この行為をアルゴノゥトは、国を守るために人類そのものを犠牲にしていると憤慨した。

  • 精霊
この時代には神々が降臨していないので【神の恩恵(ファルナ)】がなく、精霊と契約することで力を得ていた。
精霊の力も武器化や獣化など様々で、今作では大精霊ジュピターが自らを武器化して『雷霆の剣』になり、『雷霆の剣』を手にしたものに高い身体能力と雷を操る力を与えた。

  • 古代三大詩人
多くの英雄たちの偉業を世界に伝えたとされる3人の詩人。
オルナとリュールゥがこれに該当する。
彼女たちの綴った詩が、絶滅しかけていた人類に希望を与え、種族の垣根を取り払い、一致団結に導いたとされている。
残る3人目の古代三大詩人は『アルゴノゥト』では明かされなかったが、ダンメモ4周年イベント『アエデス・ウェスタ』でアルゴノゥトと思わしき盲目の吟遊詩人が登場した為、彼こそが3人目の古代三大詩人だったのではないかと考察されていたが、後に作者のtwitterでこの盲目の詩人こそが古代三大詩人の最後の一人であることが確定した。


◆余談

タイトル

アニメのダンまちシリーズでは一番盛り上がる話のタイトルにアルゴノゥトが使われるようになっている。
特に1期8話の『英雄願望(アルゴノゥト)』と3期12話の『英雄回帰(アルゴノゥト)』はベルとミノタウロスの決闘であるため、アルゴノゥトの生き様と約束の話ともいえる。
『ソード・オラトリア』のコミカライズ版でも、ベルと片角のミノタウロスの戦いが描かれた35話と、ベルとアステリオスの再戦が描かれた95話のタイトルが『英雄(アルゴノゥト)』になっている。
ちなみに95話のベルとアステリオスの戦いでは、スキル【英雄願望(アルゴノゥト)】を発動させたベルの背後にアルゴノゥトが描かれるというファン必見の演出がされている。

愚者の物語

ベルの転機となった異端児編は、ベルが人間の悪意に振り回され、汚名をかぶり、真実を知らない者達から非難されながらも自分の信念を貫き、最後はミノス将軍の生まれ変わりであるアステリオスとの戦いで名声を取り戻し、戦いを眺めていた多くの者に影響を与え、世界の運命を大きく変える事になるなど、何処かアルゴノゥトの物語を彷彿させる内容となっている。
また、異端児編のベルの行動とアルゴノゥトの行動にはたびたび『愚者』という言葉がテーマとして出てくるが、『愚者』はタロットカードで「始まり」「冒険」「純粋」などを意味しており、ベルとアルゴノゥトの生き様にピッタリのカードと言える。



時が流れ、神々が降臨した神時代、アルゴノゥトの伝説は再び始まる。







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最終更新:2024年09月23日 18:36

*1 恐らくギリシャ神話のアルゴナウタイが元ネタ