グルジオライデン

登録日:2020/09/30 Wed 17:37:30
更新日:2025/02/22 Sat 22:30:09
所要時間:約 5 分で読めます




グルジオライデンとは、『ウルトラマンZ』に登場する怪獣である。

データ

別名:爆撃雷獣
身長:60m
体重:7万2千t
出身地:宇宙

概要

第12話「叫ぶ命」に登場。
かつて『ウルトラマンR/B』に登場したグルジオキングに酷似した姿をしているが、体色は金色であったあちらと違って黒にも見える暗緑色で、目の色は青になっている他、体中にはイカの発光器官を思わせる青く細長いエネルギーケーブルが巻き付いている。
また、背中にはグルジオバレルと同形状のキャノン砲が背負われている。
一種のサイボーグ怪獣らしく、表皮には人工的な配線や金属片等が見られる。

何か思うところがあったのか退治後に肉片を見たヘビクラは顔をしかめていた。


戦闘能力

得意技は口から放つ青い超高熱火炎「ライデンブレスター」で、直撃すれば特空機二体が機能停止する程の威力を誇る。
また、背中のキャノン砲から放たれる強力ビーム「ライデンデストロイキャノン」はガンマフューチャーのシールドすら通じない破壊力を持つ*1等の極めて強力な火力の持ち主。

更に鉄くずなどのスクラップゴミを食べてエネルギー補給できる特性を持ち、仮死状態となればストレイジの探知すらも掻い潜りながら潜伏・移動可能という高い隠密能力も持つ。

弱点はキャノン砲にある青く輝くコア。ここを破壊されると即死する。


背景と生態

10年前、冬眠状態で地球に落下し発見された後は防衛軍の手で厳重に秘匿された上で防衛軍日本支部の基地の地底深くに収容。
「コードネーム:グルジオライデン」と名付けられた上で地球防衛軍の厳重な管理の元データ収取が行われていた。

このグルジオライデンのデータ収集と研究の末に生み出されたのが、ストレイジの運用する対怪獣ロボット「特空機」
言うなれば特空機0号とも言い換えられる存在であり、クリーンと思われていたストレイジや『Z』の世界の地球防衛軍の抱える闇を一気に深くした怪獣でもある。
このようにストレイジの闇のような存在である故か、グルジオライデンは無力化が前提だった怪獣達とは違い、完全な抹殺対象とされた。*2

また、表皮を解析したユカ曰く遺伝子操作の痕跡も見られた為、異星人が改造して生まれた生物兵器の可能性も示唆された。
後に討伐されたグルジオライデンの解剖の結果、地球上の生物と比べると染色体の数が異常な程多いことが判明しており、ユカの独自考察では
  • ある怪獣をベースに幾つかの怪獣を合成している
  • 人と同じくXXの染色体が存在していたとなると、雌の怪獣だったのではないか
  • 生殖する動物と同じ形で繁殖が可能かもしれない
と考えられている。


活動

12話「叫ぶ命」

防衛軍日本支部の監視下に置かれながらデータ収集されていたが、突如覚醒。
山梨県の山中から出現し、憂さ晴らしと言わんばかりに猛威を振るった。
圧倒的な力でハルキが乗るセブンガーとヨウコが乗るウインダムも寄せ付けなかったが、セブンガーから乗り捨てたハルキが変身したウルトラマンゼット(ガンマフューチャー)と対決。
M78流・竜巻閃光斬を食らって怯んだところへゼスティウム光線を発射される…と思われたが、ハルキが前回のレッドキング戦におけるトラウマを思い出したことで不発になり、そこへライデンデストロイキャノンを発射して反撃し、地中へ逃走する。

その後仮死状態となって潜伏しつつ、再び地上の産業廃棄物処理場に現れ、産業廃棄物を貪り食ってエネルギーを補給していた所をヨウコが操縦するキングジョーSCのセパレートモードによって山中へ移動。
ハルキが操縦するウインダムによってワイヤーに拘束され、弱点のコアに狙いをつけられるも、バカ力でワイヤーを破壊し、両者を圧倒。
さらにエネルギーを補うためにウインダムの装甲を食い破り、直接ウインダムからエネルギーを経口摂取で吸い上げるグロテスクな戦法まで見せたが、そこで再びハルキが変身。
アルファエッジのゼットライザーによる斬撃で追い込まれ、再びゼスティウム光線を放たれる…と思われた時、ハルキが見たものは……。

グルジオライデンが涙を流しているかのように見えた様子だった。

それによって、先ほどは決心したもののやはり心の迷いを断ち切れなかったハルキはまたも戦意を失くしてしまい、その影響でゼットはオリジナルに戻ってしまう。
弱体化したのをいいことに、ライデンブラスターで一方的に攻撃するも、再起動したキングジョーSCのペダニウム粒子砲によってコアを破壊され、ついに大爆発した。

こうして、ハルキのメンタルはますます不安定になってしまうのだった……

しかし、その迷いは、ある人物(?)との交流や、ハルキの父親に関わる大怪獣との戦いを機に回復し始めることになる...。

後にグルジオライデンが地球に飛来するよりはるか昔に生息していた怪獣がいたことが判明しているが、(後述のように)その怪獣もセレブロに利用されたことで、グルジオライデンよりさらに凶悪な怪獣が誕生する事態を招く事になった...

更に物語終盤、異次元からの脅威が地球に飛来した後、防衛軍が人間が利用するには危険な力を開発。しかしそれが後述するように最恐最悪の悪魔へと変貌したことも踏まえると...

24話「滅亡への遊戯」

後に第24話で回想の形で予想外の再登場。
回想ではセレブロ『文明自滅ゲーム』の第1段階「文明を持つ星への恐怖の植え付け」を語る際に第12話の休眠状態の姿が映っており、一連の騒動に関与していたことが仄めかされている。
これによりグルジオライデンが地球に襲来したのは「セレブロが地球で文明自滅ゲームを楽しむためのゲームの駒」という最低最悪の理由付けがされてしまった。
恐らく「文明自滅ゲームを円滑にプレイするための下地作り」としての役目も兼ねていたと考えられる。


特別編「リ:ストレイジ」

グルジオライデンが地球に到来したのは「セレブロが送り込んだ」と断言され、前述通り文明自滅ゲームの下地であることが確定した。

なお後に発売された超全集にて、そもそも長く休眠状態のグルジオライデンが突如覚醒したのもセレブロの仕業だったと解説された。
徹頭徹尾セレブロにとってグルジオライデンの存在はゲームの駒でしかなかったのだろう。


  • 『R/B』に登場したグルジオ型怪獣の出自が惑星O-50で力を授かった人間型の宇宙人が変身した姿だったこと
  • 「人間で言うと雌の染色体を持つ」というユカの台詞。
  • 何者かの改造を受けていたこと。
  • セレブロの文明自滅ゲームの駒だったこと
などから様々な推測が立てられていたのだが……。


小説「ジャの道は蛇」



余談

スーツはグルジオキングの改造。ボーン→キングの改造を前提とした差し替えギミックがライデンになっても残っており、後にネオメガスに改造された際、スフィアネオメガスへの改造にこのギミックが応用された。
ちなみに劇中でライデンが食べていた廃材には、ガンプラのパーツとランナーが使われている。

これまでのグルジオ系と違い、ソフビ人形は未発売となっている。



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最終更新:2025年02月22日 22:30

*1 ギガキングキャノンとは違い、連射はできない模様

*2 とは言え、基本的に巨大怪獣の無力化=殺害であり、「殺すんだ!」と指示を出したクリヤマ長官も被害が拡大することを念頭に置いていたため、完全な保身のための指令とも言い難い。