キングジョー ストレイジカスタム

登録日:2020/09/12 Sat 19:38:00
更新日:2025/02/14 Fri 23:45:25
所要時間:約 21 分で読めます







コジロー「…フォースゲート、オープン!!」



ヘビクラ「キングジョー ストレイジカスタム、出撃!!」



・・・・



キングジョーストレイジカスタムとは『ウルトラマンZ』に登場した人類の新兵器である。
公式での略称は「キングジョーSC」


CV:福原かつみ(AI担当)




【プロフィール】


別名:特空機3号(対怪獣特殊空挺機甲3号機)
身長:58m
体重:5万トン
タイプ:火力重視型
装甲材質:ペダニウム合金
動力:ペダニウムエンジン(ペダニウムイオンバッテリー)
出身地:地球
パイロット:ナカシマ ヨウコナツカワ ハルキ


【概要】

形式番号「SC-3」
第9話で倒したバロッサ星人が所有していたキングジョーの残骸を防衛軍とストレイジが鹵獲し、独自に改造と調整を施し完成させた特空機3号。三男。
令和に入ってまさかのキングジョーがウルトラマンと並び立つ絵面が実現する事となった。

全体的なフォルムはキングジョーのままだが、隅々まで改造されており、オリジナルのガワがほぼ残っていない。
カラーリングも全体的に金から白黒のモノトーン風に変更。カメラアイに関してはオリジナルとは異なり4つに増設され、空を飛ぶ時は背中に増設されたバーニアを噴かせて気を付けの姿勢で無理矢理飛ばす。

地球外文明の高度なオーバーテクノロジーを丸々利用しており、立ち位置的には『ウルトラマンメビウス』のメテオールと同等の代物。
オリジナルとの相違点として3つの形態への変形システムを搭載しており、怪獣の能力に応じて様々な戦術や作戦行動を取れるのが最大の特徴。

ちなみに機能停止に陥ると勝手に直立不動の姿勢になってそのまま前のめりに倒れる。


【機体性能】

キングジョーの動力源を解析して再構築したメインエンジン「ペダニウムイオンバッテリー」を搭載しており、その性能は『特空機2号』ウインダムと比較して出力は5倍、反応速度は3倍という超ハイスペック。
実用行動時間は不明だが、一切アラームや通告音が出ていないことから実用行動時間自体がそもそも存在しない。*1
圧倒的な出力故に機動力も高く、鈍重そうな見た目に反してウインダム同様機体の向きや姿勢を一切変えることなく滑るように高速移動しながら攻撃する事が可能。
武装もウインダムとは比較にならない高火力を誇り、屈強なレッドキングと互角に殴り合えるパワー、メツボロスの荷電粒子砲を超至近距離で直撃を受けても中破程度のダメージで抑え込む驚異的なタフネスを持つ。
パワー、タフネス、戦闘可能時間の全てがこれまでの特空機とは一線を画しており、ハルキからも「戦う武器庫」「浪漫の塊」と称される正真正銘のスーパーロボット。


ただし問題が無い訳ではない。
最大の問題点は基本ベースがオーバーテクノロジーの塊なため、スペックが高すぎて操作性が致命的に悪いという点。
あまりに反応が早すぎるため、出力の高さと相まってタイミングよくパンチを当てる事すらもパイロットの慣れが必要となる。
更に「どれも性質が全く異なる6種の機動兵器*2」を自在に操縦できなければ本領を発揮できないため、パイロットのマルチタスク能力に戦闘力が著しく左右されてしまう。
おまけにコクピットはコアシップに単座型の物が一つあるだけなので、
  • 分離と合体の状況判断
  • 各モードへの変形の判断
  • 分離後のパーツも含めた機体制御
  • 戦闘時の情報処理
の全てを1人でリアルタイム処理しつつ臨機応変に怪獣相手に戦わなければならないなど、やれることが多すぎるが故に要求されることも多すぎるのも欠点。求められる操縦技術はサイコミュ系MSとほぼ同じなので、数回の出撃でほぼ乗りこなしたヨウコ先輩にはニュータイプ疑惑が半ばネタ的に囁かれている。
その他、右腕が丸ごと大砲になり左腕はクレーン風の3本爪と、戦闘以外の作業には向かない構造であるため、そうした面での汎用性は逆に最低レベル。

こうした「高すぎて扱い辛い機体性能」「選択肢の多さに比例した処理すべき情報の多さ」から、
シンプルゆえに扱いやすさ・安定性・汎用性に優れていたセブンガーとは性能も機体特性も全てが真逆に位置している。
故に当初のシミュレーションで高成績を叩き出してパイロットとなったヨウコですら、実任務の際は「じゃじゃ馬」と毒吐き操縦に難儀していた上級者向け機体。最終的には(作劇上の都合もあり)セパレートモード・タンクモードは殆ど使われることはなくなっている。
なお瞬間的な機動力や小回り、精密動作性という点ではスピード型のウインダムには一歩劣る。


武装

特筆が無い限りはロボットモードの物を扱う。

  • ペダニウム粒子砲
正式名称「26口径750mmペダニウム粒子砲」
右腕に搭載された…というより右腕と一体化した主砲。
超強力ビームを撃つ「ペダニウム粒子砲」「750mm榴弾砲」の2種類の弾種を使い分けられるのが強み。
通常攻撃用である榴弾砲はライフル感覚で運用可能。連射も可能で、威力も凶暴化しているレッドキングを怯ませる程度にはある。
切り札のビームはキングジョーSC唯一の光学兵器であり破壊力抜群の必殺技だが、撃った瞬間オーバーヒートにより機能停止する重篤な欠陥も抱えている。
しかし後に制御システムの改良によりこのデメリットが軽減。最大2発までなら最大出力のペダニウム粒子砲を撃っても戦闘継続が可能となった。


  • ペダニウム誘導弾
背中のバーニア部と一体化した筒状の大砲「多連装ペダニウム誘導弾発射システム(略称:MPLRS)」から発射される誘導ミサイル
なお「大砲」と銘打たれているが、実際は5連装ミサイルランチャー。
最高射程距離100kmを誇り、高速移動しながら発射して爆撃したりと使い勝手も良好。牽制用の武装として優れる。


  • ペダニウムハンマー
正式名称「近接鉄拳攻撃システム」
格闘戦用の武装として機能する伸縮可能な左腕で、「Z」の様に折り畳まれた腕が発条のように勢いよく伸びて超強力パンチを叩き込む。
射程が大幅に短くなった代わりに単発式じゃなくなった硬芯鉄拳弾であり、撃っても腕を縮めれば元通りになるため継戦能力も改善された。
分かりやすく言えばズームパンチ
『トリガー』客演時には拳でなく爪で挟み込むようにして相手の喉元を捕らえ、エネルギーを相手に流し込み電撃でダメージを与えるという戦法も見せた。


  • ペダニウムシールド
22話で使用した、胸から発生させるオレンジ色の六角形のバリア
ウルトラマンゼットのゼスティウム光線の直撃を防ぐために使ったが完全に耐え切ることはできず、その後機能停止した。


  • D4レイ
殺し屋超獣バラバから採取した角を解析し開発された「異次元壊滅兵器D4」をさらに改良し、キングジョーSCのペダニウムランチャーに搭載できるまでにダウンサイジングした新兵器。
バラバの次元を操るエネルギーを攻撃に転用した地球防衛軍の最終兵器であり、超強力光線という形で発射される。
発射すれば意図的に次元崩壊を引き起こし、怪獣をガラスのように粉々に粉砕して消し飛ばす恐るべき威力を持つ。
しかしエネルギー制御が現行人類の技術力ではまるで追いついておらず、放たれた際はエネルギーが制御しきれず周囲一帯に次元崩壊を引き起こし危うくキングジョーSCを中心とした広範囲を崩壊させてしまうところであった。

当初地球防衛軍側は「アンダーコントロール下にある」として兵器運用に全く問題がないという考えだったが、
実際はまるで制御できていない危険極まりない兵器であったため、ヘビクラ隊長に「確かにアンダーコントロール*3だ」と吐き捨てるように痛烈に皮肉られた。


【各形態】


ロボットモード


タイプ:高機動二足歩行型
身長:58メートル
体重:5万トン

当機の基本形態である巨大人型ロボット。出撃の時もこの形態で出撃し、状況に応じ分離・再合体を行う。
ウルトラマンゼットと同等の高速飛行・高速機動・格闘戦をこなせる形態であり、怪獣との直接戦闘を担当。
力任せの戦い方だけではなく、上半身と下半身を分離させて攻撃を回避したり、上半身だけで行動しペダニウム粒子砲の砲撃により仕留めるといったトリッキーな戦術も可能。


セパレートモード


タイプ:戦術分離戦闘型

当機の分離形態。及び当機を構成する4機の機動兵器。
元々あった分離機能を踏襲したものだが、流石にペダン星人の科学力は再現できなかった為か変形合体機構を簡略化。
全体的に地球人でも整備・運用しやすい形に改造されているのが特徴で、各パーツの配置や構造も大きく違う。
3機のマシンを遠隔操作する事による多角的な攻撃や、広範囲の警戒能力が売り。
上述した通り操縦系統はコアシップの単座のみなので、使いこなすのは非常に難しい。

  • ヘッドファイター
頭部と背中を構成する無人攻撃機。
キングジョーの頭部部分にキングジョーの頭部よりも大きな馬鹿デカいミサイルランチャーがそのまま載った斬新すぎるビジュアルが特徴。物理法則もあったもんじゃねぇな
武装は多連装ペダニウム誘導弾発射システム。地味にストレイジ初の戦闘機型サポートメカでもある。

  • ブレストタンク
胸部と腕部を構成する無人装軌自走砲。
キングジョーの胸部を上下ひっくり返して戦車に見立てた造形であり、ヘッドファイターに隠れがちだがこっちも中々に斬新なビジュアルの重戦車である。
腕部武装(ペダニウムハンマー、750mm榴弾砲)をそのまま使えるが、流石にペダニウム粒子砲は撃てないので基本的には榴弾砲による砲撃で戦う。
またヘッドファイターとの連携を前提として設計されている様子。

  • コアシップ
腹部を構成する指令船。
何処となくビジュアルはメガドライブやスーパー32XっぽいUFO
武装はないが唯一コックピットを内包しており、他の3つのパーツをファンネルの様に遠隔操作する、キングジョーSCの中枢部にして空飛ぶ司令塔。
但しコントロール自体はマニュアル操作で実行する。
上記の通り、当初は武装は無いとの触れ込みだったが本編後に改装されたのか、『トリガー』での客演登場時に機銃が増設されていた。

  • レッグキャリアー
腰から下を構成する無人装軌輸送車。
怪獣に体当たりして怪獣を作戦区域に運搬・輸送することが可能。キングジョーSC「出荷よー」
フロント部分の左右には3連装砲をそれぞれ2門搭載。実弾だけでなく煙幕弾の発射も可能と多目的に活躍する。
タンクモードの土台となる役目も担っており、ロボットモード時には車首部が爪先となり、後部側が折りたたまれて股関節や大腿部を構成する。(変形方式は円谷プロ繋がりで「電光超人グリッドマン」のゴッドタンクに似ている。)


タンクモード


タイプ:自走多目的兵装型

当機の陸戦形態となる有人式巨大戦車。
土台であるレッグキャリアーの車首にヘッドファイターが、後部にブレストタンクがドッキングし、ブレストタンクの上にコアシップがドッキングすることで完成する。
縦長の車体に火砲を満載したルックスは、どちらかと言えば戦車よりも陸上を走る戦艦といった趣がある。
搭載された全火力を前面に集中した火力特化の形態であり、切り札の「全兵装一斉射」による飽和攻撃は極めて高い火力を誇る。
この形態でもペダニウム粒子砲は発射可能。


【物語での活躍】

特別編『特空機シークレットファイル』

総集編の最後のトリとして初お披露目。
ストレイジの頼もしい新たな仲間として紹介された一方で、「キングジョーが人類の手で改造され、人類の手で動かされる人類の味方になる」というイレギュラーな事態になったためか、
「自分の意思が無いロボットは乗る人によって良い奴にも悪い奴にもなる」「強い力を使うには強い心が必要だが、ハルキやストレイジのみんなならちゃんとそういうことも考えてくれる筈だ」と若干不穏な心配もされた。


第11話「守るべきもの」

深間市に出現したレッドキングAに対処すべく出撃。
ゼットと共にレッドキングに立ち向かい、高すぎる機体性能に振り回されながらも何とかレッドキングAと互角以上に渡り合う。
しかし採石場からもう1匹のレッドキングであるBが出現し、そちらの迎撃に追われるようになってから自体は急転。
レッドキングAを仕留めたゼットが加勢した際、穴の中にレッドキングの卵がある事を知ったゼットがレッドキングBを庇った為、
ペダニウム粒子砲をゼットに発砲してしまい動揺。
その後レッドキングBはゼットに見逃される形で倒される事なく去っていき、キングジョーもオーバーヒートを起こして停止した。

結果、満を持しての初陣も華々しい物とはいえない成果となり、オーバーテクノロジーの扱いの難しさを知らしめることになった。


第12話「叫ぶ命」

前話でのオーバーヒートの修理と出力回路の改修をしており、グルジオライデンが最初に出現した時は留守番していた。
しかし、グルジオライデンの強力なライデンデストロイキャノンに対抗出来るのはキングジョーSCのペダニウム粒子砲しかないと言う事で作業を急がせ、2度目の出現に何とか間に合わせる事に成功。
まずはグルジオライデンを市街地から引き離す為にセパレートモードへ移行し、ヘッドファイター・ブレストタンクの攻撃で怯んだ所をレッグキャリアーが突撃しグルジオライデンを載せたまま郊外の森林地帯まで運搬。
そのままタンクモードに合体し、グルジオライデンのライデンブラスターを耐え抜いて一斉射撃で反撃、更にはライデンデストロイキャノンをペダニウム粒子砲で相殺し、その隙に控えていたウインダムがワイヤーでの拘束に成功する。
更にロボットモードに変形して追い詰めようとするも拘束を破ったグルジオライデンのライデンブラスターの不意打ちを喰らって転倒してしまう。
その後、ハルキがトラウマを再発してゼットが倒れた際に彼を庇う様に再起動。
空中へ飛び上がってからの射撃でグルジオライデンの注意を上空に向けさせ、ライデンデストロイキャノンを上半身と下半身を分離させて回避。そのまま弱点であるコア目がけてペダニウム粒子砲をゼロ距離で叩き込んで撃破し、見事初勝利を飾った。


第13話「メダルいただきます!」

格納庫に立ち寄ったヘビクラ隊長の回想において、キングジョーSC及び特空機達の回想で登場。
グルジオライデンとの戦いで獅子奮迅の活躍を見せ、遂に単独で怪獣討伐を成し遂げたためか「ようやっと怪獣を倒せるところまで来たか…」と感慨深く感傷に浸っていた。
しかし同時に、「この調子で開発が進めば、そのうちウルトラマンを超える力を…」と裏の本音ともとれる意味深な発言を一人呟く姿も垣間見せている。


第14話「四次元狂騒曲」

グルジオライデンの一件でストレイジの装備として制式採用され、各国の防衛組織からも注目を集めたお祝いの席にブルトンが出現。
ブルトンの発生させた四次元空間に惑わされて中々出撃出来なかったが、ユカのアドバイスで四次元空間を攻略したヨウコの手で出撃に成功。
しかし、ペダニウム誘導弾を煙ごと消し去ったかと思えばキングジョーSCの背後に移す形で跳ね返したり、ペダニウム粒子砲の直撃を受けても転がって受け流しつつワープして脱出、装甲を無視した機体内部へのダメージと拘束を同時にこなすリング状の光線と言ったブルトンの変幻自在な四次元殺法に大苦戦。
途中から加勢に入ったゼットがピンチに追い込まれた時に助けに入るが、反撃を食らった挙句にダメージが蓄積しすぎた為に行動不能に陥ってしまう。
それでもゼットがピンチから脱する隙を作る事には成功したので勝利に貢献した形となった。
尚この戦いのダメージが相当大きかったらしく、次回のグリーザとの戦いには駆り出せなかった。


第16話「獅子の声」

暴れ回るメツボロスに苦戦するゼットを助ける為に参戦。
組み付きながらペダニウム誘導弾を連射するが、荷電粒子砲で誘導弾を撃ち落とされた上、ゼロ距離で荷電粒子砲の直撃を喰らい転倒。
大ダメージを受けた挙句、中に居たヨウコも気絶してしまい戦闘不能となった。
修理が必要な程のダメージを受けたのか、直後に現れたバロッサ星人(二代目)との戦闘には参加出来なかった。
ただ、メツボロスと互角のパワー勝負をしているあたり、やはり出力はかなりものである(メツボロスの強化前であるホロボロスですらベータスマッシュと互角以上であった)。


第18話「2020年の再挑戦」

パゴスの出現に際してウインダムと同時に出撃。
しかし、ケムール人の暗躍によりパゴスが転送されてしまったので碌に戦闘をしないまま出番は終了した。


第19話「最後の勇者」

ベムスター出現を受けてウインダムと共に交戦を開始するものの、攻撃を腹の口で吸収され、角からのビームで倒れている隙に、空が割れて超獣出現を察知したベムスターに逃げられてしまう。
その後、出現したバラバにウインダムと共にセパレートモードからの一斉射撃を喰らわせるが怯ませる事すら叶わず、ロボットモードからの全砲門一斉射も異次元送りからの反撃の稲妻でダウンしヨウコも気絶してしまう。
ヨウコが目覚めた後も援護すら行わなかった為、戦闘不能に陥ったと思われる。
まともに戦わなかったベムスターはともかく、今回のバラバはあの執念深いヤプールの怨念が実体化した存在である事を考えるとむしろ健闘した方とも言えるか。
セパレートモードでの都市部の警戒中に、ブレストタンクとレッグキャリアーだけという地味に珍しい合体をして地上で待機している場面がある。


第20話「想い、その先に」

巨大化した人工生命M1号の元へ急行。
その場は麻酔弾で収めたが再び目を覚ますのは時間の問題であり、市街地が近い事から上層部からは駆除命令が下されてしまう。
しかし、ハルキの訴えもあり市街地から1000m以内に到達する前に捕獲して細胞分裂促進剤を撃ち込むどこかの防衛チームみたいな面白作戦に取り掛かる。
ウインダムと二体がかりでも力負けするM1号の怪力に苦戦するも、ベータスマッシュの援護により完成した細胞分裂促進剤が到着。
薬剤の入った弾頭とバズーカを装備したバコさんを連れてゼットの元へ向かい、デルタライズクローのデスシウムクローで動きを封じ込められたM1号に対してバコさんが薬剤を撃ち込んで無事無力化に成功した。
ウインダム・M1号と並んで太鼓のリズムに合わせて踊るシーンはシュールだが、「怪獣を殲滅する為のロボット」であるキングジョーSCが(作戦の為とは言え)怪獣と仲良く踊っていると言うのは微笑ましいシーンにも見える。


第21話「D4」

バラバの剣を解析して開発され、実験段階ですら中ノ鳥島*4の実験場の半径1kmを空間ごと消滅させた異次元壊滅兵器・D4を応用した「D4レイ」が防衛軍上層部の意向により搭載される事が決定。
ストレイジの面々は
  • まだメカニズムが解明されてない次元操作技術は次元崩壊を引き起こす危険性を孕む
  • キングジョーSCが耐えられるか分からないしそもそも砲身が耐えられない
  • そもそも過剰な火力すぎる
と反発するものの、地球防衛軍日本支部作戦部長であるユウキ・マイに「理論上は問題ない」「完全にアンダーコントロール」と半ば強引に押し切られる形で搭載される。

その後は試験射撃する予定であったが、実験で発生したD4のエネルギーに引き寄せられる形でケルビムが中ノ鳥島へ襲来。
D4レイを狙ってストレイジの基地へ進撃して来たのを受け上層部からD4レイを即時実戦投入し撃退せよ、と命令が下ったと話すどこか様子のおかしい*5クリヤマ長官に強制的に単機出撃を強いられる。

続々とケルビムの卵が飛来する中、ウインダムも出撃させるなど命令に反発してでもストレイジの面々がD4レイを使わない様に戦い、アルファエッジも参戦してケルビム達に立ち向かうが、次から次へと卵から孵るケルビム達に苦戦を強いられる。
何とか増援の秘密を解明したストレイジの情報を受けてゼットが宇宙空間のマザーケルビムの下へ急行した為、ヨウコは孤独な戦いを強いられ続け、奮闘虚しくケルビムの大群を前にD4レイ以外の武装を使い切ってしまう。
頼みの綱であるゼットは未だ戻らず、長官からの罵声を浴び続けていたヨウコは焦燥感から遂にD4レイを発射してしまう。

…その一撃は確かにケルビムの大群を一瞬にして壊滅させた。
が、エネルギーが制御を失い暴走、発射したキングジョーSCの砲身だけでなく機体全身のダメージレベルが80%を超え行動不能となり転倒し、実験の時よりも規模の広い次元崩壊が発生すると言う大惨事を引き起こした。
その余波は宇宙空間からでも見る事が出来るレベルで、マザーケルビムを倒したゼットは大急ぎで帰還。
最早世界の終わりと言われても不思議ではない光景の次元崩壊を見たゼットの全力のゼスティウム光線で崩壊を押し返した為に次元崩壊は収まったが、街は消滅してとんでもない深さのクレーターが出来てしまった…
巻き込まれたキングジョーSCとヨウコはゼットによりお姫様抱っこ(おジョー様抱っこ)で救出された。
ケルビムとの戦闘でのダメージが蓄積していたにもかかわらず、次元崩壊を引き起こす兵器の反動を受けてもダメージレベルを80%に留め、次元崩壊を押し返した際の余波に巻き込まれても原型が残り中のパイロットも気絶で済んだ上に数日で戦線復帰した辺り、流石はペダン星人のオーバーテクノロジーの結晶と言った所か。


第22話「それぞれの明日」

バロッサ星人(三代目)と交戦するゼット(とセブンガー)の下へゼナ先輩防衛軍のパイロットが搭乗して参戦。
バロッサ星人ではなくゼットにフォーカスを当てていた為、ゼスティウム光線のデータを取る為に参戦したと思われる。

「誰の許可を得ている」とセブンガー(ヨウコ)を牽制しつつバロッサ星人との戦闘を開始するが、
パイロットの経験不足からか射線を確保出来ず狼狽たり、ペダニウム誘導弾を上手く当てられなかったり、バロッサ星人の芝居に騙されて不意打ちを食らったりと苦戦。
更にトライキング盾にされてゼスティウム光線の直撃を食らう。

ゼスティウム光線をその身で受ける事を想定来ていたのかバリアを張っていたものの、耐え切れず戦闘不能となってしまう。岩田さんに倒される岩田さん
パイロットは何とか脱出に成功したものの、合体を解除された各機体はその場に放置された。
しかし、完全に戦闘不能になった訳ではなかった為、ヨウコの指示でコアシップに載ったユカの遠隔操作でレッグキャリアーが起動。
足のバランサーに異常が出たセブンガーを上に載せたまま爆走し、すれ違い様に挑発に乗ったベリアロクで斬りつける「セブンガー波乗りスペシャルスラッシュ」でバロッサ星人の撃破に貢献した。

バリアがあったとは言えゼスティウム光線を喰らっても合体解除する程度に留まり、
それ程のダメージを受けても完全には戦闘不能にならない辺りは流石はペダン星人のオーバーテクノロジーの結晶(ry


第25話「遥かに輝く戦士たち」

メインパイロットであるヨウコがデストルドスの内部に囚われている為、初めてハルキが搭乗して決死の救出作戦に挑む。
途中、右脚部の異常で立ち上がれなくなってしまい、エラーでセパレートモードにも分離出来ないピンチに陥るも、セブンガーの援護により何とか体制を立て直す事に成功。
その後は機動力確保の為に爆炎に紛れてタンクモードへ移行。セブンガーとウインダムが抑えている内にペダニウム粒子砲でデストルドスの主砲を破壊し、煙幕で目眩ししてからロボットモードに変形。
ペダニウムハンマーで主砲の奥にあるコックピットを掴み、腕を縮めながら距離を詰め、デストルドサンダーブラストを喰らいながらも自慢の装甲で耐えつつジェット噴射で空中への飛び上がり、その勢いとデストルドスの自重でコックピットを引き摺り出す事に成功した。
セレブロはコックピットブロックを切り離されてもデストルドスを動かせるよう、直前に慌ててデストルドスに憑依したため、正気に戻ったヨウコのみをデストルドスから切り離すという予想以上の成果を得ることになる。
直後にセレブロが苦し紛れで放ったデストルドサンダーブラストでヨウコを取り落としてしまったため、ハルキは機体を乗り捨てて救出を行ない、当機はそのままフェードアウト。
着陸がどうなったのかは不明だが、特に大破した描写もないため、機体は無事だったことだろう。

敵を殺すための兵器としてデビューした彼の最後の活躍が人命救助と言う熱い展開であり、更にウルトラマンゼットを一度倒したデストルドスの攻撃を食らっても目立った損傷が右脚部の異常程度で済ませる辺りは流石はペダン星人(ry
ハルキが操縦する描写は初めてだったが、ハルキとてコックピットが同じ規格のセブンガーやウインダムを操るプロのパイロットであり、機転も効くので不慣れゆえの苦戦というものはなかった。


【客演での活躍】

ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA

第7話から第8話にかけて再登場。

第7話「インター・ユニバース」

出だしから既にバロッサ星人四代目に奪われてしまい、成り行きでトリガー世界の地球に持って来られてしまった。
7話の終盤でバロッサ星人はゼットとトリガーに倒されるのだが、ハルキとゼットも持ち帰れず、しばらく放置されることになった。

第8話「繁殖する侵略」

放置されていたところをパワードダダ(PDO-3)によって操られ、暴走してしまう。
キングジョーを止めるべくトリガーとゼットは応戦するが、分離変形機構を駆使して2人のウルトラマンを苦しめる。
ダダ自体はGUTS-SELECTのメンバーが力を合わせて倒したが、キングジョーの暴走を止めることはできなかったため、
トリガーとゼットはやむを得ないと判断して、必殺光線を浴びせることで破壊するのだった。
ハルキにとって苦渋の決断ではあったようで、トドメを刺す前に「ごめんなキングジョー、また直してやるからな」と述べている。
結果的に破壊されはしたものの、残骸は各関節部が壊れた程度で原型は留めていた。さすがはペダン星人のry
残骸はゼットの力でウルトラマンの片手サイズまで縮小して、ベリアロクの力で次元を超えることで元の次元へと運ばれて行った。


ウルトラマンデッカー

第11話「機神出撃」にてテラフェイザーの解説をする傍らでアサカゲ博士が話題に挙げた。
上記『トリガー』時代の出来事は当時まだ子供だったカナタ達にも印象に残り、TPUの教本にも載っている程の出来事だった模様。
回想映像は『トリガー』第7話の流用。

また、左右逆とは言えテラフェイザーの両腕の武装が「伸縮機構のあるクローアーム」と「ビーム砲」である事から、キングジョーSCの存在がテラフェイザーの開発に影響を与えたのでは?と考察する視聴者の声もある。


【余談】

「人類に鹵獲され改造されたキングジョー」という点では『ウルトラセブン1999最終章6部作』に登場したキングジョーⅡと言う前例が存在する。
ただしこちらは最終的に暴走して人類並びにウルトラセブンと敵対する結末を迎えており、
また『ウルトラマンコスモス』に登場したキングジョーのオマージュとも言える侵略兵器ヘルズキングもほぼ同様の経緯(鹵獲⇒暴走)を辿った事から、
視聴者間では「キングジョーSCはどうなる?」と若干不穏な危惧が抱かれていた。
結果としてはそれはほぼ杞憂に終わり、そうした負の面は特空機の四男坊に全振りされた訳だが……
なお、YouTube公式チャンネルでは第12話の放送後、応援配信としてキングジョーⅡの登場する「模造された男」が無料配信された。
過去に『ウルトラマン列伝』第92話として短縮版が放送・配信されたことはあったが、フルでのYouTube配信は初となる。

また「分離時の分割パターンがオリジナルと異なるキングジョー」には、これまでにもウルトラマンマックスに登場したゼットン星人の送り込んだ個体という前例がある。

撮影時の着ぐるみは左腕が付け替え式になっている。取っ組み合いで戦う時はスーツアクターさんの腕が入り、ペダニウムハンマー発射のシーンではスーアクさんが腕を引っ込めてギミック仕込みの腕を付けている。

玩具はソフビシリーズで2020年9月19日に発売されており、今回はソフビではなく電動式の玩具として発売。
各武装、分離機能、変形機能が完全に再現されており、ソフビと一緒に遊ぶことを目的にした玩具となっている。
バネでビヨヨンと伸びるペダニウムハンマーで怪獣を引っ叩こう!
ただし、サイズは現行のウルトラ怪獣シリーズよりは一回り大きめなので、そこが気になる場合は2012年以前のシリーズやウルトラ怪獣DXと組み合わせるとよい。
2021年9月には『ウルトラマントリガー』での再登場に併せて、ウルトラ怪獣シリーズ規格のソフビも販売された。

プレミアムバンダイ限定でS.H.Figuartsも販売。2022年3月発送。
キングジョーSCの造形を再現しているだけでなく、ペダニウムハンマー再現用の交換用左腕が付属。
また、造形上、交換用手首などが付属していない*6、付属品がペダニウムハンマー用の左腕のみと、近年のフィギュアーツにしては珍しく少ないものとなっている。

2022年のウルトラマン全投票ではウルトラメカ部門第5位にランクイン。令和メカ・特空機としてはセブンガー(特空機)の第1位に次ぐ人気である。




追記・修正は、キングジョーストレイジカスタムを乗りこなしてからお願いします。

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最終更新:2025年02月14日 23:45

*1 後に超全集に記載されている仕様書にて無制限と明記された。

*2 各パーツ+ロボットモード+タンクモード

*3 全く制御下に置けていない。「コントロール未満だ」と言った皮肉を込めたニュアンス

*4 勿論架空の地名だが、明治時代に太平洋上・日本の最東端に位置すると報告されその後の調査で存在を否定された幻の島でもある。

*5 D4レイ搭載時には「私だってこんな事したくない」とぼやいていたが、この時はD4レイを積極的に使う様命令するなど、D4レイに対する態度が変化している。

*6 通常の左腕も指が稼働するため表情がつけられる