ネオメガス

登録日:2022/09/24 Sat 00:00:25
更新日:2025/02/15 Sat 00:07:34
所要時間:約 5 分で読めます






『怪獣を倒しては去る』という
行動を繰り返すネオメガス

理由を調査する中、
カイザキ副隊長はかつての恩師の言葉を思い出す……。

次回、ウルトラマンデッカー。

(ひと)怪獣(かいじゅう)

みんな、見てくれよな!








シゲナガ・マキ「ネオメガス。ウルトラマンを倒しなさい……お前の力を見せるのです!」


ネオメガスとは、特撮ドラマ『ウルトラマンデッカー』に登場する怪獣である。
本項目は、派生怪獣についても説明する。

スーツアクター:梶川賢司




データ

別名:新創獣
身長:60m
体重:2万5千t

概要

第10話「人と怪獣」に登場。
怪獣研究家・シゲナガ マキが、過去に発見した怪獣の化石に複数の怪獣の遺伝子を組み込むことで誕生させた改造怪獣。

ベースは直立二足歩行で長い尻尾を備えた黒い体の典型的な怪獣の姿をしているが、その上から珊瑚を思わせる赤い装甲が被せられ、頭頂部と側頭部、そして背中には鰭が生えており、どこか海洋生物のような印象がある。
また、両胸には青い結晶体が埋め込まれている。

脳内にはコントロール装置が埋め込まれており、シゲナガが持つペンダント型デバイスによって、彼女の意のままに操られている。


戦闘能力

主な武器は、胸部の結晶体をスパークさせた後に口から放つ青い光線。
怪獣らしく、持ち前のパワーに物を言わせた接近戦や力比べを得意としており、戦闘スタイルそのものはごく普通だが、
戦うことに特化して生み出されただけあってそれは非常に強力で、並の野生怪獣ならいとも簡単に一蹴してしまう。
また防御力も高く、ウルトラデュアルソードの斬撃を受けても平然としてすぐに反撃に出ている。

生体兵器としての性能は申し分ないが、その分ネオメガスそのものの闘争本能も非常に高く、野放しにしていると勝手に暴れ出してしまうのが短所。
先述のペンダントは、その闘争本能を抑え込む一種の抑制剤でもあり、それを失えば最後、生みの親であるシゲナガを持ってして「誰にも止められない」と言う程の猛威を振るって暴走する。


活動

その性能を世間に見せつける為のデモンストレーションとして、シゲナガに操られて町に複数回襲来。
野生怪獣であるサドラキングゲスラに戦いを挑み、それらを倒す度に地中に潜って撤退しては、駆け付ける新生GUTS-SELECTから身を隠していた。

当初GUT-SELECTは、ネオメガスを野生の怪獣だと考え、体に付着していた土や岩石を解析してそれが含まれる地層がある場所を探していたが、あまりに広範囲に渡り、その居場所を特定できずにいた。
しかし、ネオメガスが撤退する直前、暴れ出そうとするも不自然に動きを止めていたことをリュウモンに看破され、更にはその際の脳波の波長が殆ど同じであったことも発覚したことから、人為的にコントロールされていることに気付かれる。
加えて、過去に同様のことを目論んでいたシゲナガを知るカイザキが、彼女の行方を調べたことで、その全貌が明らかになった。

キングゲスラ戦以降、シゲナガの秘密基地で休眠していたが、彼女の手で再覚醒し、そこへ乗り込んできたカナタとカイザキに襲い掛かろうとしたところで、カナタの変身したウルトラマンデッカーと対峙し、標的をそれに変更した。
そのままデッカーと激闘を繰り広げ、怪力や熱線を活かして互角以上に立ち回るが、カイザキがシゲナガのペンダントを破壊したことで戦意を抑えられなくなり暴走。
闘争本能に任せて猛攻を仕掛け、セルジェンド光線すらも熱線で押し返してしまうが、HANE2が操るガッツホークがデッカーをウイングコンバイン掬い上げたことで仕留め損ない、ストロングタイプにチェンジしたデッカーの空中からの接近を許す。
それでも、組み伏せてくる右腕に噛み付いて抵抗するが、最期はゼロ距離からのドルネイドボンバーを胸部に受けて爆散した。

その研究データは、TPUが突き止めたシゲナガのスポンサーを通じて回収し、飛び散った細胞も全て処理されることになったため、再びネオメガスが生み出される可能性は無くなった。

だが、爆破されたネオメガスの棘の一部がその場に残されていたことに気付く者は、この時誰も居なかった……。


シゲナガ マキ



所詮は怪獣、人間がコントロールしなければ……。


演:野村真美

元TPU怪獣研究室室長にして、カイザキの大学時代からの恩師。56歳。
5年前、怪獣兵器の開発に手を出したことで組織の服務規律に抵触し、組織を去っている。

嘗ては、純粋に怪獣の生態に興味を持っていたのだが、研究を進める過程でその人知を超えた力を恐れるようになっていき、更にはその恐怖心を拗らせた結果、「平和の為には人間が怪獣を支配しなければならない」という歪んだ思想に辿り着き、怪獣兵器やそれをコントロールする技術の開発に執心するマッドサイエンティストに成り果ててしまった。
そして、そんな研究を推し進めようとするも、それに反対したカイザキがTPU上層部にこのことを暴露したことで上記に至る。

組織を去った後も、カイザキへの一種の復讐の為、怪獣兵器の技術を欲しがるスポンサー達から資金援助を受け、5年の歳月の全てを研究を注ぎ込んだ末にネオメガスを誕生させた。

最終的には、秘密基地をGUTS-SELECTに突き止められた末にネオメガスもデッカーに倒されたことで、自身も拘束された。
それでも、持論を曲げる事なく、「人の命も怪獣の命も無駄な争い無しに守れる道を探したい」というカイザキの主張を綺麗事と断じ、「怪獣と人間の戦いは終わらない」「完全に滅ぼすか、支配しない限り、永遠に……永遠に続く……」と主張し、それに対する彼女の言葉にも耳を傾けず、連行されて行った。



スフィアネオメガス



破砕されたネオメガスの細胞片から肉体を再現……
何でもありですね、スフィアは。


別名:新創合成獣
身長:65m
体重:3万t

第12話「ネオメガスの逆襲」に登場した、スフィア合成獣。
第12話冒頭でTPUが監視する中、ネオメガスの肉片にスフィアソルジャーが融合して誕生した。
ネオメガスの頃よりもパワー・耐久力が増加しており、デッカー ストロングタイプでも太刀打ちできない強さを見せつけている。光線の威力も同様で、リュウモンとイチカの盾となったデッカーを変身解除させるほど。
頭部と胸部がスフィアソルジャーと同じ白色に変貌しており、胸部もネオメガスの頃のような水色の結晶体らしき箇所も見えなくなるほどスフィアに侵食されている。
破損された箇所もスフィアソルジャーの援護により再生可能。さらに、それらと融合することで両腕部をスフィアザウルスに似た巨大な形状や、一対の鉤爪状のに変化させることも可能。

地中に深く根を張り、エネルギーを送り込むスフィアネオメガスの脅威に立ち向かうため、新生GUTS-SELECTは総力戦を決める。
HANE2(ハネジロー)が操作するテラフェイザーで迎撃、それを援護する地上の指揮はカイザキが務めることになった。
複数のスフィアソルジャーが襲い来る中、次々と倒れるTPU隊員。
ハネジローはTRメガバスターのチャージ時間を稼がせるため、強引に倒れ込みカナタを再びデッカーに変身させる。
TRメガバスターの発射に気付いたスフィアネオメガスは光線を発射するが、デッカーのミラクルスカイスクラムによる光の剣に阻まれ、TRメガバスターの前に消滅するのであった。

しかし、スフィアネオメガスの真の目的はより巨大なバリアを包み込ませるスフィアザウルスの復活であり、第14話「魔神誕生」にてその目的は達成されることになる。

そんなスフィアネオメガスは第23話「絶望の空」にて過去にも登場したスフィア合成獣であるスフィアゴモラスフィアレッドキングとともども再生怪獣として再登場。
スフィアソルジャーが合体してデッカーに襲い掛かるという合体ロボのような奇襲攻撃で追い詰めていき、3対1の状況で変身解除まで追い込んだが、ダイナミックタイプにチェンジしたデッカー渾身の回転剣戟でスフィアゴモラ&スフィアレッドキングに大打撃を与えられ怯んだ隙に、デッカーミラクルダイナミックで三体まとめて斬り伏せられるのであった。


余談

  • モデルは『ウルトラマンダイナ』に登場したネオザルス
    鰭のある体や、胸部にある青い結晶といった外見的特徴の他にも、劇中のマッドサイエンティストと関係がある点が共通している。
    一方、コントロールされる前にその人物を殺害したネオザルスに対し、ネオメガスは一時期は完全に支配下に置かれていた点が異なる。

  • スーツはグルジオライデン改造。当初はグルジオレギーナを改造する案もあったが、グルジオボーンからグルジオキングへの改造を前提とした差し替えギミックがライデンにも残っていたため、スフィアネオメガスへの改造に応用できることからこちらが選ばれた。
    ネオメガスは生体の改造でなく化石からの再生であったとはいえ、グルジオシリーズ同様に他者に改造・利用される役回りでの登場となった。


  • ウルトラ怪獣シリーズでは強化体のスフィアネオメガスのみが発売された。

  • スフィアネオメガスは前半戦の山場を作った怪獣なのか、第12話本編終了後の「カナタのウルトラディメンションナビ」でも紹介。
    デッカー初めての敗北を振り返ったカナタは「ああ~……まさか負けちゃうとはな……」と悔しがるが、ハネジローに「次負けないようにすればいい!」と気遣われている。
    このコーナーではいつもハネジローに辛辣なツッコミを入れられてばかりのカナタは、この珍しい言葉に「今日は優しい~!!」と感激していた。アスミ家の家訓「負けた理由を探すより、勝てなかった自分を超える努力をしろ」とはこのことか。


追記・修正は、怪獣との共存について答えを見つけてからお願いします。

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最終更新:2025年02月15日 00:07