深沢小夜子

登録日:2020/10/16 Fri 17:32:50
更新日:2024/09/16 Mon 08:04:24
所要時間:約 6 分で読めます




小学生みたいな答えだからいいのよ!純粋なのよ、子供は。
あたしね、純粋さって、ずっと忘れたくないなぁ...。


深沢(ふかさわ)小夜子(さよこ)とは、『仮面ライダー剣』の登場人物。

演:粟田麗

ファンからの愛称はザヨゴ。


【概要】

優し気な雰囲気の女性。25歳。
橘朔也/仮面ライダーギャレンと同じサウスハービー大学の出身で同級生。
帰国し診療所を開業して以降も親交があり、表面上は友人として付き合っていたが、傍目には立派な恋人同士として映っており、両者も共に内心ではその想いを認めていた。

嫌いなものに戦争・ウソ・偽り・暴力と答えるなど橘から小学生みたいだと評されたこともある。
なお橘さんの中の人である天野浩成には「永遠の幼稚園児」という別名もあるが。
冒頭の台詞はその際の返し。
ギスギスしていた剣序盤の貴重な良心ともいえる。
「そのパズルのピースは俺が飲み込んだ」のパズルは元々橘が卒業祝いに彼女にプレゼントしたもので、大学の卒業式での二人の写真がプリントされている。また、彼女の方からはお礼と就職祝いを兼ねて腕時計を送っている。

余計な心配をかけたくないという理由から橘はアンデッドとの戦いの事については話さずにいたのだが、恐怖心が募るにつれて、彼女の診療所が唯一心安らげる場所となっていき、小夜子の方も橘を気にかけつつも自分を頼ってくれる事を嬉しく思っていた。
しかし、アンデッドたちの活動が激化するにつれて、彼女もその運命に巻き込まれていく…。



以下、本編のネタバレを含みます。



【劇中での活躍】

6話にて橘を診療所に残して帰宅しようとしていた時、伊坂/ピーコックアンデッドのもとから逃走中だった烏丸からライダーシステムについての言伝を頼まれ、その事を橘に伝える。

8話で、恐怖心で戦えないのならせめて普通の生き方をしようと感じた橘にデートに誘われ、
束の間の安息を楽しむが、二人がいたショッピングモール街をゼブラアンデッドが襲撃する。
まともに戦える状態でないと分かっていながらも襲われる人々を見過ごせない橘はギャレンへと変身し戦うが、融合係数の低下から劣勢に立たされ、剣崎一真/仮面ライダーブレイドが救援にかけつけた事でなんとか難を逃れる。
橘が噂に聞く仮面ライダーの正体であり、傷付きながらも戦っていた事を知った小夜子はせめてこれからを支えようとするも、彼女を待つ患者達がいる事を知っている橘はそれ以上頼ろうとしなかった。

ところが、9話にて突如橘が回復した旨を伝えにやってくる。
半信半疑ながらも表面上は嬉しそうな様子を見せ一緒に出かけようとするが、その直前橘の首筋にウンコ何かついているのに気付くがこの時は橘にせかされ特に気に留めていなかった。
しかし、程なくして突然人が変わったようになった橘に小夜子は無理矢理下車させられ置き去りにされてしまう。
困惑したまま診療所へと戻るが、そこでふと先ほど橘についていた植物の切れ端に目が留まる。
それが原因ではないかと考えた小夜子は植物の分析を知人に頼む一方自身はBOARDについての情報を調べ始める。
…そう、本編視聴済みの人は既にわかっているだろうが、この時橘は伊坂の策略によってもずくシュルトケスナー藻を投与され、その作用で豹変してしまっていたのだ。

10話でBOARD研究所の跡地を訪れた際、同じく橘を捜しにきていた剣崎と出会い、事の発端である植物について話す。
白井邸からの帰り道、ジャガーアンデッドの襲撃に巻き込まれ手を負傷するも、剣崎が駆け付けたためなんとか事なきを得るが、凄惨な戦いを目の当たりにし橘への不安を一層募らせる。

11話で偶然橘に再会し説得を試みるも聞き入れられず、スパイダーアンデッド出現の報せを受けた橘は去ってしまう。
さらにこの時、伊坂によって橘の周囲を嗅ぎまわっている事をれ気付かれてしまう。

12話でシュルトケスナー藻の鑑定結果が出ると急ぎ橘の留守電に伝言を残すが、直後に伊坂に診療所を襲撃され、これ以上関わると容赦しないと警告される。

13話で剣崎達にシュルトケスナー藻の危険性について伝えるが、彼らに心配をかけたくないという思いもあってか伊坂に襲撃された事については隠してしまう。
そして診療所でいつものようにパズルを組み立てていると、無くしたと思っていた1ピースを見つける。

そして運命の14話。
再び橘を見つけた小夜子は必死に説得を試みる。

道端の花みたいにでいい。そんな風に生きていきたいの。あなたと。

だが、戦いに充実感を覚え始めていた橘はなおも聞く耳を持たず立ち去ってしまう。

ごめん。生き方が違ってしまったんだ。君とはもう一緒に生きられない。

なおも橘を探す小夜子だったが、そこへ伊坂を乗せたリムジンが乗り付ける。

警告したはずだ。“これ以上橘の邪魔をすると容赦しない”と

現れた黒衣の男の声が診療所を襲撃した犯人と同じだと気付いた小夜子は慌てて逃げようとするも、伊坂が放った衝撃波を受け川岸に吹き飛ばされてしまう。
朦朧とする意識の中、倒れた先で咲いていた花に橘の面影を重ね手を伸ばすが…。

同じ頃、スパイダーアンデッドを追い詰めた橘は遂にその封印に成功した。
程なく現れた伊坂は♣Aのカードを差し出すよう迫る。だが、小夜子の言葉が脳裏をよぎった橘は新たなライダーの適合者に過酷な運命を強いる事を望まず、この申し出を拒否し交戦する。
…そう、振り返るのが遅かっただけで小夜子の言葉はたしかに橘に届いていたのだ。
しかし、シュルトケスナー藻の効力が切れるのを見計らっていた伊坂はギャレンをたちまち返り討ちにし♣Aを奪い去る。
なんとかその場を立ち去る橘だったが、その途中で乗り捨てられた小夜子の車を発見。まさかと思い辺りを捜すと虫の息となって横たわる小夜子を見つける。
急ぎ医者へと連れて行こうとするも自分がもう助からない事を、医者である彼女自身が既に悟っていた。

そう言えば、パズルのピース見つけたよ。“飲み込んだ”なんて、冗談ばっかり……。

喋るな……。

……ごめんね、橘君……。

小夜子!?死ぬなよ、小夜子!!

他愛のない会話を僅かに交わすと、恋人を救えなかった事を謝りながら小夜子は橘の腕の中で息絶えた。

小夜子ーッ!!

本当に大切な者を失った橘の慟哭が夕暮れの河原にこだまする。


皮肉な事に、小夜子の死がきっかけとなり橘は真に恐怖心を克服する事となる。
15話、恐怖心を振り切った橘は葬儀直後と思われるスーツ姿で伊坂の研究施設に現れギャレンに変身すると、シュルトケスナー藻の水槽を破壊する。
かつての不調が嘘のような攻勢を前に、伊坂も這う這うの体で逃げ出さざるをえなかった。

そして、レンゲルの適合者を集めていた海岸にて遂に決戦の火蓋が切って落とされる。
猛攻でピーコックアンデッドを圧倒する橘の脳裏には小夜子と過ごしたかけがえのない日々の思い出がよみがえっていた。


小夜子。君との思い出は、数えるほどしかないが…君を思い出させるものは、数え切れないぐらいある。

そして何より……何より君の笑顔が忘れられない。

遅いかな?今頃になって言うのも……。

俺は……。俺は…… 俺は君が好きだった!

君の事を大切に想っていた!



ドロップ!ファイア!ジェミニ!

バーニングディバイド!

小夜子ォォォォォォ!!!

橘の想いが反映されたかのように、それまで幻影に過ぎなかったバーニングディバイドの分身は実体となってピーコックに猛火の蹴りを叩き込む。

何故……?俺が……俺が、やられる……!?

最後まで自身の敗因を理解できなかった伊坂は力尽き怪人態となって倒れ、♦Jへと封印された。

小夜子を失った悲しみと自責の念からその後橘は、一時ライダーの資格を返却しようとするも再び立ち上がる事となるが、それはまた別の話

また橘は、上城睦月/仮面ライダーレンゲルの彼女である山中望美に小夜子を重ねており、睦月が闇落ちしそうになった時も「彼が唯一心安らげる場所であってほしい」と語っている。

死後は物語に絡まないが、広瀬義人が橘の愛する者も蘇る、と語りかける形で存在に言及されている。
しかしながら様々な戦いを経て心身共に成長した橘はそんなことは望んでない、と啖呵を切って広瀬に反抗したのであった。


【余談】


  • 番組開始当初は、霧島美穂/仮面ライダーファム以来女性ライダーの立場が確立されつつあったため、てっきり自分もライダーになるものだと思っていたらしい。


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最終更新:2024年09月16日 08:04