桐生豪(仮面ライダー剣)

登録日:2020/03/08 Sun 01:09:00
更新日:2025/03/03 Mon 19:34:13
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BOARD DX桐生ベルト おっさんライダー とっても意志の強い人 なりそこない もっとバカになれ やるせない ギャレン三大名勝負 ゲストキャラ ヒゲ 井上キャラ 井上キャラの集合体 井上敏樹の本気 仮面ライダー 仮面ライダーになるはずだった男 仮面ライダーになれなかった男 仮面ライダーになろうとした男 仮面ライダーギャレン 仮面ライダーレンゲル 仮面ライダー剣 先輩 処刑 処刑人 増沢望 増澤ノゾム 夢は呪い 希硫酸 平成ライダー 平成ライダーさん付けリンク 悪役ライダーリンク 悲劇の男 手袋 故人 暴走する正義 桐生さん 桐生豪 橘さんの先輩 正義の味方になりたかった男 歪んだ正義 歪んだ正義の執行者 犯罪者 独善 私刑 義手 運命を狂わされた男 闇堕ち 隻腕 電流



貴様に生きている資格は無い!


桐生(きりゅう)(ごう)とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダー剣』の登場人物である。

演:増沢望(現・増澤ノゾム)




【概要】

第17話~第19話に登場。
元BOARD職員で、橘朔也/仮面ライダーギャレン広瀬栞の先輩にあたる面の男性。
栞からは「とっても意志の強い人」と評されている。

当初は仮面ライダーギャレンの変身者候補だったが、融合係数が低過ぎたのか、変身実験中にオリハルコンエレメントの通過に失敗し、その時の衝撃で右腕を酷く損傷し、機械の義手に頼らざるを得なくなってしまった。ライダーシステムに不備はない。
普段から両手に嵌めている黒い手袋も、その義手を隠す為のものである。
なお、ファンからは「この時の事故の一部始終を目撃した事で、橘は無意識の内にライダーシステムへの恐怖心を抱くようになってしまったのではないか」と考察する声もある。
事故以来、橘や栞とは殆ど会っていなかったようで、2人よりも更に後からBOARDに加わった剣崎一真は桐生の名前しか知らなかった。

しかし、BOARDを離れた後の桐生は行き場の無い正義感と仮面ライダーになれなかった無念から暴走。
人に危害を加える犯罪者を見つけては、ベルトのスイッチと連動した義手から高圧電流を流して殺害する私刑を繰り返すようになっていった。
相手が犯罪者とはいえ、彼らを殺害して回る事を橘に「あんな事が……あんな事が許されるはずがない!」と咎められると、「どうせゴミの様な連中だ。掃除をして何が悪い?」と開き直っている。
これには橘も「違う!!……あなたは間違ってます……。桐生さん、あなたのしてる事は犯罪だ!」と断じ、橘から一部始終を聞いた栞も「でも、信じられない…。桐生さんがそんな事を……」と彼の変貌を信じられなかったほど。
とはいえ、現在に至ってもその正義への執念そのものに関しては橘も認めており、
「でも、圧倒されたよ…。あの人の執念に……。やはりギャレンには…桐生さんのような人が、相応しいかもしれない……」とまで零している。

やがて桐生は4本目のベルト・レンゲルバックルの魔力に魅入られ、念願の仮面ライダーの力に執着。
レンゲルに変身した後も同時期の上城睦月に比べて人格をスパイダーアンデッドに乗っ取られる描写は少ないが、
他のライダーへの異様な敵意や街中で無差別に支配下のアンデッド達を暴れさせた事などから、やはりその影響を少なからず受けていた事が窺える。



【劇中での活躍】

覆面パトカーの警察官を鉄パイプで襲う逃亡犯の男の前に、バイクに乗ったまま出現。
逃亡犯が鉄パイプで殴りかかってくると右腕で攻撃を防ぎつつ、普通の身体では有り得ない異様な感触に驚愕した逃亡犯の喉元を掴み返すと、本項目冒頭の台詞と共に左手でベルトのスイッチを押して高圧電流を流し込み、逃亡犯の男を殺害。
桐生はすぐにその場から去ったが、彼の後姿を見た橘は一目でバイクの運転手がかつての先輩であると気付いていた。

一方の桐生も電話で橘を港に彼を呼び出すと、「伊坂を封印したものの、戦いに迷いを持った橘の力になって欲しい」という烏丸啓からの言伝を伝えた一方、
「情けない奴だ……。やはりギャレンには俺がなるべきだったようだな。烏丸所長には悪いが、俺はお前を助けたりはしない……!」と今の橘を一蹴した。

直後に桐生のバイクから、警察無線を盗聴したと思しき音声が響くと、橘を連れて事件現場のアミューズメント施設に向かうと、そこでは女の子を人質に取った男が警察から逃げていた。
桐生は黙々と犯人の男に迫ると首筋を掴み上げ、女の子を逃がすとすぐにベルトを操作し、男を持ち上げた右手に高圧電流を発生させて相手を亡き者にしてしまった。
完全に動かなくなった男を尻目に桐生は立ち去ろうとするが、一部始終を見せられた橘に非難されると、「貴様に何が分かる!?ギャレンである事を捨てた貴様に!」と激昂し、嘗て自分がギャレンに変身しようとした結果、右腕を失った事故に触れた。


あの事故で俺は右腕を失った……。

だが、それだけならまだいい。

俺の心には、行き場の無い正義への憧れが残っちまった……!

お前に分かるか?
……ギャレンである事を捨てた腰抜けのお前に…!この俺のどうしようもない気持ちが……!

桐生は事故以来、行き場のない正義への憧れを燻ぶらせていたのだ。

橘と別れた後も桐生はバイクでパトカーから逃げる別の犯人を追跡するが、犯人のバイクを足止めした車から上城睦月が現れ、高校生らしからぬ体術で犯人を無力化してみせた。
睦月の身体には無数の子蜘蛛―――封印されてなお影響を及ぼし続けるスパイダーアンデッドの眷属が纏わりついていた。
桐生は睦月の様子を窺うべく、しばし彼を尾行。
やがて睦月は仮面ライダーレンゲルに変身すると意識を完全にスパイダーアンデッドに乗っ取られてしまう。
レンゲルは仮面ライダーブレイド仮面ライダーカリスに対し、以前テイピアリモートで再解放したボアアンデッドローカストアンデッドディアーアンデッドジャガーアンデッドの4体を率いて交戦。
4体のアンデッドと共に2人を追い詰めるレンゲルだったが、幼馴染である山中望美の「止めて、睦月!」という言葉がフラッシュバックし、動きが鈍った隙を突かれてブレイドのライオンビートを食らい、変身解除。
この時を待っていた桐生は睦月の手元から離れたレンゲルバックルと♣A・CHANGEのカードを手に自らがレンゲルに変身すると、4体のアンデッドを使役して自身もブレイドとカリスを攻撃。
この時カリスを執拗に攻撃して追い詰めているが、レンゲルはスパイダーアンデッドの声で、「人間の臭いがするぞ、カリス!アンデッドでありながら人間に魂を売り、腑抜けになった様だな!」と批判している。
つまり、初変身にして桐生もまたスパイダーアンデッドの呪縛に囚われてしまっていたのだ。
レンゲルとアンデッド達がブレイドとカリスを攻撃する様を呆然と見つめていた橘が戦いを止めるよう叫ぶが、今度は桐生の声と人格で「ならばお前が戦え、橘!ギャレンとして、お前がな!」と自分が戦うように伝え、
一頻りブレイドとカリスを翻弄した後は、自動走行するグリンクローバーを呼び寄せて乗り込むと、そのまま姿を消した。

遂に俺は手に入れた…。最高の力を……!俺は最強の仮面ライダーだ……!

剣崎達から離れた後は川原で人知れず変身を解除し、その力を実感すると、今度はあろう事か自分以外の全ての仮面ライダーを倒そうと決意するのだった。

橘は意を決して桐生を港に呼び出すが、彼と戦う事までは決意しておらず、精神を蝕むレンゲルバックルの返却を訴えるも、レンゲルの力に呑み込まれてしまっていた桐生はこれを拒否。


ふざけるな!!

やっと手に入れた力だ…!今の俺に悩みは無い…。俺の意思とベルトの意思は完全に一つだ!

俺は全ての者を倒す!俺以外のライダーもな。それが俺とお前が戦う理由だ!

それどころか、「あなたの……あなたの正義はどうなったんです!?」という橘の問い掛けにもこう吐き捨てている。


……そんなものどうでも良かったのさ。

……レンゲルの力を手に入れて、俺は初めて気が付いた…。
『正義』なんてな、ただの言い訳に過ぎない……。

俺はただ、力が振るいたかっただけなんだ…!

やがて桐生はレンゲルに変身すると4体のアンデッドを従え、挑発するかのように街中で無差別に人々を襲わせつつ、橘が来るのを待っていたが、彼の下にギャレンバックルを持ってきたのはなんと睦月だった。
レンゲルの力に執着する睦月は白井邸から盗み出したギャレンバックルと交換してもらおうと目論んでいたのだが、桐生は「無駄だ。ギャレンのベルトを持つ資格のある者は、この世でたった一人……。それは…俺ではない!」とにべもなく拒否。
それでもなお食い下がる睦月を突き飛ばすと、そこに剣崎達が現れ、そのまま彼が変身したブレイドと交戦。
レンゲルの強さに苦戦するブレイドの呼び掛けに対し、その様子を見つめていた橘は未だに迷いを見せていたが……


頼む…。俺の代わりに戦ってくれ、ギャレンとして!

……お前なら出来る……!


お前なら出来る……。

実験失敗後に病床の桐生を見舞いに来た際にギャレンを託された時の事を思い出し、遂に迷いを振り切った橘。
桐生の待機指示に痺れを切らし、襲い掛かってきたアンデッド達の襲撃を華麗に躱しつつ、睦月からベルトを回収した橘はギャレンに変身。


待っていたぞ、ギャレン!


橘さん!

手を出すな!この決着(ケリ)は俺がつける!!

桐生と決着をつけるべく、ブレイドを押しのけたギャレンは接近戦でレンゲルを圧倒し、更に容赦ないギャレンラウザーの銃撃で追い詰める。
ギャレンが3枚のラウズカードをラウズすると、レンゲルもまた♣10・REMOTEのカードを取り出してアンデッドの解放を目論むが、それすらも右手を狙った精密なピンポイント射撃によってカードの使用そのものを阻止されてしまう。
恙なくバーニングディバイドを発動したギャレンにより、レンゲルは操車場の車庫まで吹っ飛ばされ、車庫の柱で凭れ掛かった所で変身が強制解除されてしまった。

桐生が手放したベルトは睦月の手に戻り、無数の子蜘蛛も彼の元に移動すると、そのまま彼(の意識を支配したスパイダーアンデッド)はレンゲルに変身し、4体のアンデッドを使役すると桐生に差し向ける。
機械の義手を持つとはいえ生身、それも重傷を負った桐生では最早相手にならず、絶叫と共に成す術無く貪り食われてしまう。
桐生の悲鳴を聞いて駆け付けたブレイドとギャレンの活躍でアンデッド達は再度封印され、橘と剣崎は変身解除しながら駆け寄るが、彼は既に虫の息だった。
泣き顔の橘に対し、憑き物が落ちたかのような表情の桐生はこれまで伝えられなかった事を優しく語る。


……なんて面してんだ?情けねえ……。

俺はな、昔からお前に言いたい事があった……。

……はい?

……もっとバカになれ……。真面目過ぎるんだよ、お前は。つまらねえ奴だ……。

ここで初めて笑顔を見せた桐生だったが、


これで良かったんだ……。

結局、お前には勝てなかったって事さ……。

……なりたかったよ、俺も…仮面ライダーに……。

ライダーに……。

と無念そうにそう呟くと息を引き取ったのだった……。
死に際の台詞から察するに、本心では自身の行いの虚しさを感じていたらしく、誰かが暴走を止めてくれるのを望んでいたのかもしれない。

死後は物語に絡む事は無かったものの、彼の遺言を受けた橘は世界の命運を賭けた一戦でとあるアンデッドに「馬鹿だなお前は……」と呆れとも嘲笑ともつかない捨て台詞を吐かれた時には彼を思い出したのか、苦笑を浮かべていた。



【余談】

『剣』第17話~第19話の脚本は、あの井上敏樹が手掛けているが、その結果桐生は、
…など、井上脚本のエッセンスがこれでもかと詰め込まれたキャラクターとして登場する事となった。

桐生は右腕を義手にし、『剣』における4人目の仮面ライダーに変身するが、これは『仮面ライダーV3』に登場する結城丈二/ライダーマンを彷彿とさせる描写である。

また、「バックルについた機械のスイッチを押して電流を流す(≒必殺技を発動する)」という描写が非常に(オモチャとしての)ライダーベルトっぽく、一部ファンの間では彼のベルトを指してDX桐生ベルトなどと称する事もあるとか。
尤も、後に本当の意味での桐生ドライバーが出てくるが。




頼む…。俺の代わりに追記・修正してくれ、Wiki篭りとして!

……お前なら出来る……!


お前なら出来る……。



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