登録日:2015/12/16 Wed 09:08:30
更新日:2025/05/17 Sat 13:52:59
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光だったんです
オレの頭の中の片隅に残っているのは光なんです
その光の中の人たちの笑顔を守りたい
オレは光を守りたい
♣概要
上城睦月(かみじょう・むつき)は特撮ドラマ
『仮面ライダー剣(ブレイド)』の登場人物。
同作品で
不死生命体・アンデッドを封印する使命を持った戦士・
『仮面ライダー』である4人の主要キャラクターのひとりであり、
クラブのスートを司る仮面ライダー、
レンゲルに変身する。
演者は北条隆博氏。『剣』放送当時は設定・実年齢共に
『歴代最年少の仮面ライダー』であり、
高校が舞台となる
仮面ライダーフォーゼの前に登場していたシリーズ史上初の『高校生ライダー』でもある。
その一方で
前期OP映像ではレンゲル未登場の間は睦月が帽子を目深にかぶって顔を明かさないなど、
謎のライダーであるというアピールもあり、視聴者の注目を煽る展開となっていた。
名前は本作のライダー変身者全員に共通した『名字=トランプのスート』+『名前=エース="1"にまつわる言葉』という法則に従い、
・上"城"→しろ→シロツメクサ→クローバー→クラブ
・睦月=旧暦における"1"月の名称
…で『クラブのエース』を表している。
♣評価
故に睦月が中心となるシナリオでは彼の精神状態の変遷、己の内にある闇をいかにして克服するかに焦点が当たっており、
これは物語前半のライダーバトル要員であったギャレン=
橘朔也の物語が
『内に巣食う恐怖心の克服』をテーマにしていたことと重なる。
また、『剣』本編で登場する4人のライダーのうち、ブレイド/カリス組が人間とアンデッドという異種間の心の交流を通して
世界全体の運命に関わっていくという
『外に向かう』物語を担っているのに対し、
ギャレン/レンゲル組は自身の心と向き合うという
『内に向かう』物語を展開する……と主役エピソードの性質はきれいに分かれている。
しかし、現実にはストーリーがかなり進んでも
持ち直したと思ったらまた闇堕ちして敵になるという煮え切らないスタンスや、
他のライダーのような
判り易いパワーアップイベントが無いために『最強』という売り文句がいまひとつ実感出来ない微妙な戦歴、
3人の先輩ライダー(及びその演者)に見られた
オンドゥル語のような強烈な個性描写が乏しい
……と当時はキャラ人気や評価で伸び悩んだ感もあり、定番の
最強(笑)ネタや後述の
\フロート/のように
地味で影が薄いことが逆にキャラ立ちを支えるといった側面もあった。
しかし、番組終盤~完結後に『剣』という作品そのものが再評価される機会を多く得たことに伴い、現在では熱心なファンが多くつくようになった。
4人で1セットのライダーという強みから後年のオールライダー関係の企画でも比較的コンスタントな登場を果たしており、
オリジナル強化形態がピンで立体化されるなど、評価については遅咲きの人気キャラクターと言える。
♣人物
17歳。あかつき学院高校に通う高校生。
バスケットボールが好きで部活動もバスケットボール部所属で背番号は9番。
このほかにスーパーでレジ打ちのアルバイトをしている様子が描かれており、
のんびりしてるように見えて結構忙しい青春を謳歌している。
やや内向的で大人しい少年。部活で他のメンバーにスタンドプレイを咎められた時やバイト先での客のクレームに対しても
真っ先に自分から頭を下げることで場を収めるなど、他者との摩擦やトラブルを好まない。
年の割に人間が出来ているとも見られるが、積極的な主張や覇気に欠けているとも取れる。
実際、熱しやすく冷めやすいところがあり、物事には形から入って一度は熱心になるも、
事が上手いように運ばないとすぐに諦めて
投げやりな態度になってしまい、なあなあで流そうとする悪癖がある。
立派な目標を口にしながら訓練で根気の無さを露呈した時は、師である橘からも
「直ぐに諦めてしまう。その弱い精神がカテゴリーAに取り付かれるんだ!」と苦言を呈されている。
もっとも、シュルケストナー藻に浸からなきゃいけないほどヘタレていた人が言える言葉ではない。第一取り憑かれる原因自体ちゃんと封印出来なかった橘のせいである。
そうした小さなことで一喜一憂し易い彼を支えてくれる『睦月の応援団長』が幼馴染にして同級生の山中望美。
彼女には物語全編を通して助けてもらうことになり、最終的には相思相愛の関係に。
色々と不遇な目を見ることも多かった睦月だが、異性運は良かったようである。
一見目立たない平凡な高校生に見える睦月だが、実は幼い頃に誘拐事件に遭いコインロッカーに閉じ込められたという過去を持ち、
その時味わった『暗闇の恐怖』と、そこから救い出された時に見えた『光への憧れ』のふたつの記憶は強烈なトラウマとなって今も焼き付いている。
現在もその影響で暗所/閉所恐怖症を患っており、ふとしたはずみでパニック状態に陥ってしまうこともあった。
この睦月の過去だが、劇中の描写から見る限りではあくまで攫われて救助されただけであり、
かつて望美が睦月から聞いたという「俺は暗闇の中から生まれた」という台詞とは若干矛盾がある。
当時公式からの声明は一切なかったが、ファンの間ではまことしやかに
『睦月は当初コインロッカーベイビーという設定でキャラが造形されたが、諸般の事情で取り消しになってしまったのではないか?』
…という説が語られていた。『剣』前半〜後半が脚本交代に伴いかなりバタついた印象なのも遠因だろう。
後年、ドラマCDにおいてこの説は公式の設定として拾われている。やはり対象年齢の問題からアウトになっただけのようだ。
そして、闇の記憶がもたらす
『閉塞感から脱出して違う自分になりたい』という変身願望は
偶然
アンデッドに襲われた窮地を救ってくれた青年=剣崎/ブレイドとの接触を経て
都市伝説に謳われる謎のヒーロー『仮面ライダー』への強い憧れへと転化。彼自身の運命も大きく変えていく原動力となっていくのだった。
♣最強!レンゲル変身!!
『剣』序盤を引っ張っていた要素に
人類基盤史研究所『BOARD』の所長・烏丸の行方と
ラウズカードに封印することで装着者を仮面ライダーに変身させるパワーソースとなる
『カテゴリーAのアンデッド』の存在がある。
烏丸所長はカードから解放されたアンデッドを再封印するための力として、機械的な装置を介して人体とアンデッドを擬似的に融合させ、その能力の一部を行使可能とする装備『ライダーシステム』を開発。
幸運にも未開放だったダイヤとスペードのカテゴリーAをベースに1号ライダー・ギャレン、2号ライダー・ブレイドが誕生した。
また、同じ頃ハートのカテゴリーAで変身する謎の仮面ライダー、
カリスも出没するようになったが、
残るクラブのスートのカテゴリーA
スパイダーアンデッドは野放しの状態であり、このアンデッドを封印した者こそ最後の仮面ライダーを誕生させるカギを手にすると目されていた。
カテゴリーAは例外的にJ・Q・Kの上級アンデッドにも匹敵する知性と強さを有する強敵。
その封印も一筋縄ではいかない難行であったが、
『戦いへの恐怖心が破滅のビジョンを植え付けてしまう』という
ライダーシステムの弊害を受けて乱心した橘が「力をくれてやる」という
上級アンデッド・
伊坂の誘いを受けて悪の手先に堕ちたことから状況が動く。
橘(と純粋な使命感でA封印に臨む剣崎)の執拗な追撃を受け、14話にてついにカテゴリーAは封印された。
そして行方不明の所長は伊坂の手に落ちており、他の研究員諸共マインドコントロールされ、新たなライダーシステム開発を強いられていた。
烏丸と同じように洗脳した適合者を変身させることで、自身の意のままに制御できる手駒として新たなライダーを用意させることこそ、
伊坂=ピーコックアンデッドの目論見だったのである。
変身に適した『アンデッドとの融合係数が高い若者』を求め、拉致と調査を繰り返す伊坂。その被験者の中から選び出されたのが睦月であった。
一度は変身実験に失敗し、見込みなしとして記憶を消去されたうえで睦月は他の被験者達と共に放逐される。
しかし、実は睦月はカテゴリーAが封印前から直々に目を付けていた適合者で、カードに封印されたはずのカテゴリーAは彼を己のものとするべく、罠を張り始めるのだった。
「「……変身!!」」
「そんな……それじゃお前が……! お前が睦月って奴だったのか!?」
「違う」
「オレの名はレンゲル……最強の仮面ライダー……!」
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♣【仮面ライダーレンゲル】
身長:205cm
体重:111kg
パンチ力:300AP
キック力:490AP(4.9t)
ジャンプ力:ひと跳び30m
走力:100mを5秒
睦月がレンゲルバックルにクラブのカテゴリーAのカードを装填し変身する第4の仮面ライダー。
仮面ライダーカリスは始が自身の能力で他のアンデッドの姿を借りているだけなので、
実質上は1号機ギャレン・2号機ブレイドに続くBOARD製ライダーシステム3号機にあたる。
レンゲルはアルファベットでは
"LEANGLE"と綴り、これはアボリジニ語で
『杖』を意味する。
クラブのスートとクラブのカテゴリーAである
『クモ』をモチーフとしており、
いの一番にぶち殺されるのが伝統の怪人モチーフであるクモが仮面ライダーのモチーフに選ばれるのは非常に稀なケース。
後に
仮面ライダーキルバスが登場するまでは唯一のクモライダーだった。
設計及び開発を担当したのもギャレン・ブレイドと同様にBOARD所長の烏丸をはじめとする複数の元BOARD職員だが、
レンゲルはバトルファイトを勝ち抜くための手駒としてダイヤのカテゴリーJ、伊坂ことピーコックアンデッドが
未だクラブのスートのカテゴリーAを元にしたライダーシステムが存在しないことに着目し、
拉致した烏丸らに暗示をかけ、その精神を支配下に置いたうえで強制的に『造らせた』もの。
即ち、本来開発計画には無かったイレギュラーな仮面ライダーである。
また、この時水面下では
橘の手による封印が不完全だったためにカードの中から外界に干渉する力を残していた。
クラブのカテゴリーA、
スパイダーアンデッドがバトルファイトを戦い抜くための新たな身体としてレンゲルを欲し、烏丸に精神干渉を行っており、所長は二重の譫妄状態に陥っていたと考えられる。
このプランから推察するに、伊坂はバトルファイト早期の段階で今回のバトルファイトは『統制者』の力が及ばず、
ライダーでなくてはアンデッドを封印出来ない仕掛けがあることを見抜き、その上で自分の自由に動かせるライダー=自分の力の一部という解釈で勝ち残りを見出したのだろう。
強化服自体の名称は『レンゲルクロス』。
アンダースーツにあたる『ミスリルローブ』の色はボトルグリーンで金色の装甲と赤紫色の複眼が特徴。
面相は比較的昭和ライダーに近いオーソドックスなものだが、
仮面全体のシルエットは顔に脚を拡げたクモがはりついて多角形を構成するという独特なもの。
ローブ・装甲ともに新素材である超金属『スピリチアエメラルド』で製造されており、
旧型のブレイド/ギャレンアーマーを超える強度を誇る。BOARD製ライダー共通の機能である自己修復機能も有し、
戦闘で負った損傷は変身を解除している時に徐々に復元される。
また特筆すべき特徴として変身を境に起こる異様な体格の変化が挙げられ、
エレメント通過に伴い、手足や首・胴回りといった全身の筋肉がモリモリと膨張し、
華奢で少年らしい体格の睦月とはまるで別人のような分厚い体躯となる。
最新式なだけあり、性能・機能両面においてはギャレンやブレイドの純粋な上位互換ともいうべき高いスペックを持ち、『最強の仮面ライダー』の看板には偽りはない。
その一方で最初期からいるカリスに部分的には身体能力で劣るという点はよくツッコまれる。
しかし、剣におけるライダーの強さの真髄は結局『融合係数』なので(ライダーシリーズはだいたいそうだが)、額面上のスペックにこだわる意味は薄いとも考えられる。
そもそもカリスは最強のアンデッド・ジョーカーの能力の一環でしかない。ライダーシステムでもないものと比較するのは筋違いだろう。
∴スピリチアリグレット
上腕/大腿部に装着されたリング状のパーツ。怒りや憎しみといった負の感情のエネルギーを打撃力に転化させる、
いわば融合係数によるパワーアップを攻撃面に指向させる装置。その威力はブレイドやギャレンを上回る。
∴カイザーストーン
胸部のクローバーの意匠を取り入れた3つの円形パーツ。装着者の闘争心を高める機能を司る。
ギャレンが一時期依存していたシュルトケスナー藻の効果に近いが、より手軽に得られるという利点がある。
また、別作品では『
仮面ライダー555』の登場ライダー、
デルタに搭載されている装置、
『デモンズスレート』にも似ている。
∴ジェネラルスコープ
1000倍ズーミング機能による望遠視と透視機能を持つ。
∴スパイダースピリチア
額にある3つの宝石のようなパーツ。実はカテゴリーAの邪悪な意志を装着者に注入する(この際赤く光る)装置であり、序盤のレンゲル登場のシーンで鈍い金属音を放っている。
当然ながら、スパイダーアンデッドが完全に封印され、外部に干渉する力を喪失してしまったなら無用の長物となる。
∴ソナーピボット
頭部の左右にある聴覚を司る部分。10㎞先の針の落ちる音さえ聞き分けられる。
∴マスク・オブ・モノリス
『統制者』のねじれコンニャクは関係ない。毒素やガスを瞬時に浄化する機能があるマスク。
∴パワーリベット/ブレイカーソウル
手の甲と足の裏にそれぞれ設けられた攻撃補助パーツ。アンデッドめがけ強烈なエネルギーを流し込む機能がある。
足の裏はクモの巣とクラブを取り入れた意匠となっており、スリップ防止のマジックサッカー加工が施されている。
また、ギャレン・ブレイドには後付けの拡張パーツ『ラウズアブソーバー』が用意されたが、
単純に開発が間に合わなかったか、はたまた烏丸がカテゴリーAを危険視していたからか、レンゲル用ラウズアブソーバーは本編では用意されなかった。
登場初期はカテゴリーAが睦月の精神と肉体を乗っ取って変身していた。
初登場シーンはのしのし歩いてくるレンゲルの頭上を暗雲が猛スピードで横切っていく謎の演出も相まってかなりの威圧感。
この状態は時々声が睦月のものから邪悪でドスの利いた低音(CV:
梁田清之)に変化する。
また、睦月本来の意識は休眠状態となって一切の記憶は残らない。
ライダーシステムの性能はカードから引き出しているアンデッドの力と装着者の融合係数が高い程上昇するが、
この状態のレンゲルにおいてはカテゴリーAが仮面ライダーという新たな『鎧』を纏っているも同然なので融合係数もクソも無い。
劇中でレンゲルの装着者は睦月本人の状態変化を含めて複数存在するが、『本当に強いのは人の想い』だとか『仮面ライダーの資格』といった
観念論を無視して純粋にスペックの高さだけで強さを測るのなら、文句なしにこの状態が最強である。
種族の繁栄に懸ける本能のみで戦う姿勢から引き出される力は圧倒的で、初陣では早送りのような異常なスピードで接近しカリス・ブレイドをそれぞれ一撃でダウンさせた。
武器を用いた接近戦でもカリスを一方的に押しまくり、これまで格段の強さを誇っていた始が良いようにやられる姿は、剣崎にも大きな衝撃を与えた。
唯一の弱点として支配力が長時間持続しないことが挙げられ、睦月の自我が覚醒し始めると戦いの最中でも苦しみだし、戦線から離脱してしまうことがあった。
これを反省してか、以降カテゴリーAは自身が表面に出張るのではなく、睦月の中にある力への渇望を煽ることで
彼が自分の意志で積極的に戦いに臨むよう仕向けるというより狡猾なやり方を選択するようになった。
また、中盤でカテゴリーKことタランチュラアンデッドが敢えて自ら封印されたことで
カテゴリーAの支配力そのものは大きく抑制されることとなった。
桐生変身時には桐生の素質からか高い戦闘力とリモートで解放した
アンデッドを統率しながら共同作戦を披露しており、戦い慣れした適合者がシステムを使いこなせば、かなりの実力を持つライダーシステムであろう。
ネット上ではファンから睦月ともども(0H0)の顔文字で表現されることが多い。カワイイ。
♣装備
♣レンゲルバックル
ライダーシステム『レンゲル』の核となる変身ツール。
バックル内部から引き出したトレイにクラブのカテゴリーAのラウズカード『チェンジスパイダー』を装填することで
バックルからカード状のベルトが射出展開し変身ベルトとして機能する。
サイズはギャレンバックル・ブレイバックルよりも一回り大きく、変身起動ギミックはカードを装填した部位が表裏回転する『TURN UP』形式から、
バックルに設けられた左右スライド式のシャッターを手動で開いて機能を発動する『OPEN UP』形式に変更されている。
変身時の最大の特徴は、ギャレン・ブレイドは放出した光のゲート『オリハルコンエレメント』に自ら突入しなければ変身できなかったが、
レンゲルの場合、展開した『スピリチアエレメント』が自動的に装着者の側に引き寄せられ、黙っていても変身が完了するという点。
また、蒼白い光を放つオリハルコンエレメントに対し、スピリチアエレメントは紫色に発光している。
変身ポーズは左右の腕を逆L字型に組んで左手で顔を覆うという
邪気眼臭全開なもの。
前期OPで見せていた帽子を目深にかぶる仕草を取り入れたものだそうだが、ファンからは『厨2なムッキー』を構成する大事な要素として大変人気である。
なお、劇中で睦月はベルトと一緒に寝て
「助けてくれ……」と依存心を剥き出しにしているので
さもバックルに魔性が宿っているように見えるが、ベルトは単なる覚醒機で、本当に
ヤバイのはそこに入れるカードである。
♣醒杖レンゲルラウザー
レンゲル専用の武器兼
ラウズカード覚醒機。その名の通り錫杖型をしている。
杖と言っても棍棒のような打撃武器ではなく、先端部にクローバーの三葉を思わせる環状の刃
『クローバー・エッジ』を備えた
斬撃や刺突による攻撃を主体とする
ポールウェポンである(西遊記の沙悟浄が持ってる禅杖みたいな感じ)。
どちらかというと槍に近い。新世代ライダー・ランスの戦闘スタイルもレンゲル由来だろう。
初期APは6000でBOARD製のライダーシステムの中では最高。最大コンボ数のリミットは3枚まで。
シャフト部は内部収納による伸縮機能があり、手槍程度の長さに留めてクローバー・エッジを一重に重ねたダガーモードと
最大までシャフト部を伸長させたうえで、エッジを3枚に展開して扱うザッパーモードの2種類の形態がある。
劇中では専らザッパーモードがメインであり、ダガーモードはTV版では2回しか使っていないマイナーな機能。しかし、ちゃっかり小説版で拾われていたりする。
ギャレンやブレイドのように武器と一体化したオープントレイは存在せず、カードはベルト脇のケースから取り出して扱うカリスに近い形式。
石突きに当たる箇所がカードリーダーとなっており、取り出したラウズカードをスラッシュさせることでアンデッドの力を解放する。
S.I.C.オリジナルのジャックフォームでも引き続き武器として使用可能で、ジャックフォーム共通の強化ポイントとして
カードリーダー部の側面に鋭利な刃
『ディアマンテエッジ』が付き、クローバーエッジと穂先のサイズが逆転・薙刀のようなフォルムとなる。
……ジャックフォームの拳がごつすぎて、斬りつけるよりぶん殴った方が強そうに見えるが。
キングフォームではブレイドとギャレンのキングラウザーほど大きく姿は変わらないが、ジャックフォームと同じくカードリーダー部に刃が追加される他、クローバー・エッジが1枚増え、幸運を表す四葉のクローバーを彷彿とさせる姿となる。
正式名称は不明だが、他の2人の命名法則に則るなら『重醒杖キングラウザー』といったところか。
なお、設定上は重量1.8㎏と意外に軽い。
♣グリンクローバー
ベース車:HONDA XR250
全長:2060mm
全幅:840mm
全高:1300mm
最高時速:320km
最大馬力:470馬力
レンゲル専用のスーパーバイク。伊坂がライダーシステムと同時に烏丸らの手で設計・開発させたもの。
クラブジェネレーターと呼ばれるブラックボックス化されたエンジンを搭載しており、
他のライダーのマシンと比べると最高速度では劣るが、馬力やジャンプ力は群を抜いている。
また、特殊素材・エンペラーレジンで成型されたボディは突撃能力に長けており、
タンクの両脇に計8門、後部に計4門のウェポンコンテナを搭載・生体ホーミングマイクロミサイルを発射可能と、
戦闘車両としての性格が強い設計であることが見て取れる。
レンゲルによる遠隔操作も可能でそのリンクには生体コンピュータ バイオブレインケースが機能し、自律走行する。
ブルースペイダーやレッドランバスの開発ノウハウが応用されていることから、
ライダーシステムの一環としてマシンのラウズ機能となるモビルラウザーを搭載している。
なお、これらの機能はほとんど劇中未使用。惜しい…ゲーム版ではカテゴリー6をラウズさせ、
吹雪を巻き起こして突貫するブリザードクローバーが使用可能。
レンゲルとお揃いの緑・金・紫を基調としたカラーリングで、
市販車に擬態できるシャドーチェイサーやパッと見違和感が無い程度には無難なデザインのブルースペイダー/レッドランバスと比較すると、
丸いカウルにデカデカとクローバーを模したヘッドランプのついたデザインはかなり目立つ。
♣ラウズカード
アンデッドを封印したカード。レンゲルの場合はクラブのスートのラウズカードが中心となっているが、
実際は全ライダー間でスートに関係なく互換性が設けられており、基本的に入手したカードは全て使える。
『カード集め』という分かりやすい『強さの増加指標』に射幸心を煽られた睦月は終盤までカードの入手に拘り続けることになる。
参戦時期がやや遅れたこともあり、予め封印済みのカードが大目。
これらはおそらくBOARD壊滅前にせっせとギャレン・ブレイドのダブルライダーが封印したものを
伊坂が洗脳時の烏丸に命じて差し出させ、入手したのだと思われる。
∴カテゴリーA
『CHANGE』。ライダーシステムを起動し、使用者を仮面ライダーに変身させる要のカード。
使用者を仮面ライダーレンゲルへと変身させる。
……が、上記のように不完全な封印を施されたスパイダーアンデッドが絶えず精神操作を仕掛けてくる魔性のカード。レンゲル絡みのトラブルの元凶たる存在である。
当初は図柄のクモの背中に刻まれたクラブの紋章と背景の地色が毒々しい紫色だったが、
睦月の手でスパイダーアンデッドの完全封印を成し遂げた際、クラブの紋章は黄金、
地色は琥珀色という神々しさを感じさせる色合いに変化し、真なるラウズカードとなった。
ただし、これは本編では終盤も終盤のイベントであり、その構想が影も形も無い時期に
『前倒しの後日談』として製作された劇場版『MISSING ACE』においては
当然この演出も反映されておらず、睦月は紫のカードで変身して正気を保っている。
嶋さん=クラブのカテゴリーKを始めとした上級アンデッド達が単なる化け物扱いなことも含めて、劇場版の睦月はかなりTV版とは異なるIFの経緯を辿って闇から解放されたのかも知れない。本人は黒歴史にしている事から、あまり良い結末は迎えられなかった可能性もあるが。
∴カテゴリー2
『STAB』。装備する武器の攻撃を強化するカード。
当初から所有。ビーアンデッド(ハチの始祖)が封印されている。
レンゲルラウザーによる『刺突』の威力を上昇させる効果がある。
カテゴリー2は使い勝手に優れ、コンボにも幅広く応用できるカードであり、
先輩両名もよく使っているのだが、レンゲルは単一・コンボ両方とも未使用で終わっている。
∴カテゴリー3
『SCREW』。パンチ力の増強を司るカード。手軽なコンボに組み込みやすい。
モールアンデッド(モグラの始祖)を封印することで手に入った。
睦月が初めて正義の仮面ライダーとしてアンデッド封印に成功・入手した記念すべきカードである。
ラウズすることで螺旋軌道で捩じり込むように対象を穿つコークスクリューパンチを撃てるようになる。
∴カテゴリー4
『RUSH』。射程距離や移動力など、戦闘時の間合いの調整。ネタ要素が多い。
当初から所有。ライノセラスアンデッド(サイの始祖)が封印されている。
ラッシュ……といってもレンゲルが
「オラオラオラオラァーッ!!」と相手をぶちのめすのではなく、
『殺到する』という英単語の意味通り
武器を構えての突きの高速化を付加する。
武器の有無を除けば(0w0)の(当たらないことに定評のある)タックル・ボアとほぼ同じか。
劇中ではレンゲル初のオリジナル3連コンボ、『ブリザードべノム』の一翼を担った。
∴カテゴリー5
『BITE』。キック力の増強を司るカード。コンボの要。
当初から所有。コブラアンデッド(コブラの始祖)が封印されている。
空中に跳びあがり、股を拡げて両脚で相手を挟み砕くという独特のフォーム。
…後年、同じコブラライダーの
オーズ・
ブラカワニコンボも開脚キックを披露している。
王蛇のバタ足キックといい、顎を開く動きに見立ててコブラ=開脚のイメージなのかも知れない(ただし
エボルは回し蹴り)。
∴カテゴリー6
『BLIZZARD』。自然の属性による攻撃。コンボの要。
当初から所有。ポーラーベアアンデッド(ホッキョクグマの始祖)が封印されている。
ラウズすることで
氷属性の力を得て、標的を瞬時に凍結させる吹雪を放出出来るようになる。
ラウザーの先端から魔法の杖よろしく放つのが基本だが、
身体から直接放出して接近してくる相手へのカウンターに用いることも可能。
バトルファイトの掟的には氷漬けにされた相手は生殺与奪を握られたも同然という扱いなのか、
相手が閉じ込められた氷塊にブランクのカードを投げつけることで簡単に封印出来てしまう。
一応ファイヤフライアンデッド(ホタルの始祖、♦️6。劇中未登場)は能力で自力脱出出来るだろうし、口や手から火球を放つ連中も多い(特に上級アンデッドに)ので、プロレスのカウントよろしく氷漬けにされても氷を溶かして脱出すればノーカンかも知れない。
∴カテゴリー7
『GEL』。肉体の組成を変化させるカード。どちらかというと防御向け。
ジェリーフィッシュアンデッド(ラゲの始祖)を封印したことで入手。肉体をゲル化させる。
身体を金属化する(0w0)のカテゴリー7と比べると、剛に対する柔の防御手段といったところか。
劇中未使用。
∴カテゴリー8
『POISON』。攻撃的な間接効果。敵の動きを制限する、いわゆるデバフ。橘曰くカテゴリー8は(0M0)「オモシロイ!」らしい。
本来はスコーピオンアンデッド(サソリの始祖)を封印することで入手出来るはずなのだが、
肝心のスコーピオンが
人工アンデッド・ティターンの素材にされてしまったので
ティターン封印時にもう片方の素材、カメレオンアンデッドのカード共々ライダーズの手に入った。
アンデッドポイズンという猛毒を生成して敵を冒す。その効能は
闘争心を過剰に増幅させ、殺し合いを促すというもの。
アンデッドは不死なのでこういう搦め手を使って同士討ちをさせた方が有効なのだろう。センチピードアンデッドの毒はなんだったのか。
睦月が純粋な闘争心に支配されて勝手が利きやすくなったのか、カテゴリーAの支配力も増強され、
毒に冒されて暴走する睦月は一時スパイダーアンデッドそのものの姿となってしまっていた。
劇中でレンゲルが使用したのはコンボの一環としてであり、単体では未使用。
∴カテゴリー9
『SMOG』。防御的な間接効果。戦闘の補助を行う。
当初から所有。スキッドアンデッド(イカの始祖)が封印されている。
ラウザーの先端から黒煙を噴射して煙幕を張る。地味だが退却や闇討ちには活用出来る効果。
劇中ではVS虎姐さん戦でこれを使った目くらましを仕掛け、次いでライノセラスラッシュで追い討ちを狙ったが
余裕で見切られてしまい、「アンデッドの力を借りるだけでは私に勝てない!」と一蹴された。
劇場版ではグレイブによってスキッドアンデッドが封印された。
ちなみにスキッドのスーツアクターはブレイドなどの主役でお馴染み高岩さん。
余談だが現実のイカのスミは自身を模した囮として用いるもので一所に固まって拡散しない。
拡がって目くらましになるのはタコのスミである。
∴カテゴリー10
『REMORT』。他のどれにも属さない特殊効果。癖は強いが、強力な武器となる。
当初から所有。テイピアアンデッド(バクの始祖)が封印されている。
ラウズするとカードから照射される光線により、他のラウズカードに封印されたアンデッドを再解放してしまうという驚愕の効果を持つ。
さらに解放されたアンデッドはレンゲルの思念によって操ることが可能で、ライダーバトルにおいては敵の手札を剥奪すると同時にこちらの手駒を増やせるという良いこと尽くし。
解放対象に制限はなく、上級アンデッドやジョーカーに到るまで有効。
当初は単に攪乱に用いていたが、心を通わせれば心強い味方になる。
レンゲルを象徴するカードとして度々用いられ、猛威を奮った。
手ごろな再生怪人を用意してバトルの尺を稼げる、という意味ではメタ的にも都合の良いカード。
睦月が覚醒した後も
カプセル怪獣の如く
「一緒に闘ってくれ!」とアンデッドを呼び出したことがある。
ハイパーバトルビデオではブレイドも睦月から借り使用した。
ただし、『バトルファイトというルールの枠内』でのみ機能するある種論理的な力なようで、全てのアンデッドが封印され、
バトルファイトが終了してしまった際には発動出来なくなるという仕様がある。
この事さえ知っていれば、物語最終盤、ジョーカーが最後のアンデッドになる前に嶋さんなり光姐さんなり解放して、最高のハッピーエンドを迎えることも夢ではなかったのだが。
これに関してはライダーサイドに開示されていたバトルファイトの情報が少な過ぎたので仕方ないかも知れない。
桐生と睦月はカテゴリーAの悪意に干渉されていたとはいえ、このカードで再解放したアンデッドによる二次被害も相当なものである。このカードで最も解放されたアンデッドがよりにもよって解毒剤の入手が恐ろしく面倒臭いセンチピードアンデッドであり、第20話では幼稚園バスが襲撃されるというシャレにならない事態が起こっている。
《上級アンデッドのカード》
カテゴリーJ・Q・Kに相当するアンデッドは特に高い知性と強力なパワーを有する。
しかし、ラウズカードに封印すると通常のラウザーでは真の効果が発動できず、単にそれぞれ違う数値だけAPを回復させる効果に留まる。
レンゲルは本編中ではラウズアブソーバーを所持していなかったため、この効果しか利用できなかったが、カードを多用するスタイルなので決して無価値ではない。
∴カテゴリーJ
『FUSION』。ジャックフォーム変身時の要であり、ライダーの強化服と融合し新たな力を授ける。
面倒くさがりの
大地さんことエレファントアンデッド(ゾウの始祖)を封印することで入手。封印したのは剣崎だが、後に睦月の手に渡る。
ラウズすることでAPを2800チャージする効果がある。
『ABSORB QUEEN』『FUSION JACK』
♣仮面ライダーレンゲル ジャックフォーム
原型製作:安藤賢司/五島純
身長:205㎝
体重:131kg
パンチ力:370AP
キック力:580AP
ジャンプ力:ひと跳び25m
走力:100mを6秒
バンダイのフィギュア『S.I.C.』シリーズのオリジナル作例にて登場したレンゲルの重装強化形態。
後に予約注文制の限定通信販売という形で世にリリースされた。商品化に伴い、細部のデザインは変更されている。
IFの存在であるが、ジオラマではギャレンのジャックフォームを踏みつけており、
やはりカテゴリーAの影響下にある悪の戦士という設定のようだ。
レンゲルのラウズするクラブのカテゴリーJは飛行能力を有するブレイドやギャレンの対応スートと異なり、
鈍重だが絶大なパワーとタフネスを誇るエレファントアンデッド。
ゆえにレンゲルジャックフォームはブレイド・ギャレンの高機動飛行形態とは真逆の
重装甲・大出力に振り切れた設計となっており、
上半身から両腕にかけてが異常に肥大化。
全体のシルエットは同シリーズの
アクマイザー3の
ガブラや、
同じくゾウをモチーフとする仮面ライダー、
オーズ・サゴーゾコンボに似た雰囲気。
両肩からはゾウの牙を模したオリハルコンタスクを生やし、
全身各部の装甲はディアマンテゴールド製の追加装甲で厚みを増している。
胸にはクローバー型の像のハイグレイドシンボルが刻印されているほか、
肩や背面にはスパイダー・スピリチアと同じ形状のクローバー型に並んだ宝珠が埋め込まれている。
腕部はそれ自体がゾウの前脚を象った重厚な打突武器と化し、
殴りつける右腕と握り潰す左腕に機能が分かれ、左右非対称な造形となった。
ラウズアブゾーバーは左肘の装甲の中に収納され、必要な時のみ引き出すという仕組み(に見える)。
武器はカードリーダー部に黄金の刃・
ディアマンテエッジを増設した
強化型レンゲルラウザーと、
エレファントアンデッドも用いていた
鎖つきの鉄球。このうち鉄球は左掌部中央に設けられたハードポイントに
鎖を繋ぐことで振り回すことが可能という設定。
強い!絶対に強い!!
素のレンゲル自体も同シリーズでフィギュア化され、こちらは市販されているが
ジャックフォームは新規造形。体格のバランスも再調整されているので、並べると実は素のレンゲルより背が低かったりする。
∴カテゴリーQ
『ABSORB』。強化フォームに変身する際の下地となる重要なカード。
おにぎり大好き虎姐さんこと
城光/タイガーアンデッド(トラの始祖)を封印することで入手。
ラウズすることでAPを2000チャージする効果があるが、それとは別に劇中では封印後も睦月の心に語りかけ、彼の真なる覚醒に貢献した。
∴カテゴリーK
『EVOLUTION』。ライダーを更なる段階に進化させる。
ラウザーにスラッシュすることでAPを4000チャージする効果があるが、ラウズアブゾーバを用いてもカテゴリーK単体との融合フォームになるだけであり、
剣崎のようなことにはならない。
烏丸所長の協力者、チベット帰りの嶋さんこと
嶋昇/タランチュラアンデッドが睦月をカテゴリーAの呪縛から解放すべく、
自らの意志で彼に封印されることを決断。結果的に睦月が最も早くカテゴリーKのラウズカードを入手することとなった。
しかし、
・カテゴリーQと揃えて使わなければ意味が無い
・使用にはラウズアブゾーバーが不可欠だがレンゲルは持っていない
……と諸々の条件が揃わずにいた。
しかし、カテゴリーQ封印時彼女が所持していたギャレンのラウズアブゾーバーを同時に入手し、
「俺のキングフォームを見ろ!」と変身を試みる。
この変身自体は嶋さん&光姐さんが睦月を呪縛から解放するために内側から働きかけたことで失敗したが、
2人の尽力でスパイダーアンデッドを追い出すことに成功した睦月は、
外見は生身だがカテゴリーKの力と一体化した特殊な状態・いわば上城睦月 キングフォームとなった。
そして……
「キング……お前を許さない!」
『ABSORB QUEEN』
「力を貸して下さい……城さん……嶋さん……!」
『EVOLUTION KING』
「これが俺の、キングフォームだ!」
♣仮面ライダーレンゲル キングフォーム
2024年より開催された『剣』20周年記念ステージイベント『仮面ライダー剣 20th Anniversary STAGE & TALK』第一部のライブステージにて遂に登場した、正真正銘のレンゲル最強形態。
ギャレンのキングフォームと同様、カテゴリーKとのみ融合した本来のキングフォームであり、全身にタランチュラの意匠が色濃く反映された、ヒロイックながらも何処か禍々しいデザインが特徴。
元から金色が使われていた通常形態と印象を変えるためか、ブレイド、ギャレン両名は銀色になっていた部分にも緑が多く取り入れられ、
また全体的なフォルムも西洋の甲冑を思わせるあちらに対して日本の鎧武者風の姿となっている。
ラウズアブソーバーはいつの間にか用意されていた3つ目を使用。本作での睦月はチベットで研究を行なっていたらしいので、そこで開発したのだろうか?
身体への負荷が非常に強く、剣崎ほど融合回数が高くない睦月では短時間しか変身を維持出来なかったが、その強さは圧倒的であり、ブレイド、ギャレン、カリスと共にキングや複製アナザーブレイドを相手に獅子奮迅の活躍を繰り広げた。
キングフォームの登場は完全なサプライズであり、公演初日に事前情報なしでこれを目撃した観客席のファンからは歓声すら通り越して悲鳴が上がったという。
同日午後6時の正式発表までは厳重な箝口令が敷かれ、第二部のキャストトークにおいても「6時までは黙っていて下さい」というキャスト陣からの要望により、多くのファンが語りたい衝動を必死に堪えることに。
余談だが、初演の際はよりにもよってデビュー戦で右肩の装甲がアクション中に脱落するアクシデントが起きてしまった。
映像作品に登場していないためか、今のところ正確なカタログスペックは公表されていない。
♣必殺技
♣3+4=スクリューラッシュ
AP消費値1400AP。レンゲルラウザーを高速回転させながら突進し繰り出す刺突技。
♣3+6=ブリザードゲイル
AP消費値1800AP。突き出した手から冷気を放出し、離れた相手を凍らせる。
ギャレンのファイアアッパーを見る限り普通この組み合わせなら吹雪を纏った高速回転パンチになるはずなのだが、劇中では吹雪を収束して射程を伸ばすのに利用された。
オーキッドアンデッド戦で使おうとしたが、橘の「カードは慎重に選べ」という言葉を聞いた隙を突かれて逃げられた。
ジェリーフィッシュアンデッド戦でようやく使用。ちなみに上記の通りブリザード単体で既に封印が簡単に出来るため、スピニングダンスは明らかにオーバーキルである。
♣5+6=ブリザードクラッシュ
レンゲル初期のキメ技。AP消費値は2400AP。
ダイナミックな跳躍から冷気を浴びせかけ、氷漬けにした相手を両足で挟み砕く。
しかし、タイガーアンデッドに仕掛けた時には閉じようとする両脚を掴まれて妨害され、仕損じている。
更には仮面ライダーブレイドやジョーカーに繰り出した際は氷漬けに至らず、行動の阻害に留まるなど相手の強さによって効果が増減する描写がる。
なおガンバレジェンズなどのゲーム作品では他の剣ライダーが3枚コンボ必殺を使うのに対し3枚コンボがキックでは無いからかこちらが必殺技として扱われる場合も多い。
♣4+6+8=ブリザードベノム
待望の3枚コンボ。AP消費値は3800AP。
冷気を纏ったレンゲルラウザーを突き刺して相手を凍結させつつ、ダメ押しに猛毒を流し込む。
血流とかそのまんまにした方が毒の廻り早いんじゃないのか?とかいうツッコミは無用。
他のライダーはあくまで3枚コンボもキック主体だったが、レンゲルは武器攻撃にシフトしている。
番外・♥4+5+6=スピニングダンス
バトルファイトのかき回しを愉しむキング/コーカスビートルアンデッドが所持していたものを譲られたことで、
一時期ハートスートのA・3~10・Qのカードを所有していたために使えた技。内容はカリスの繰り出すスピニングダンスと同じで、
空中に浮遊した後、竜巻を身に纏った
ドリルキックで敵を貫く。
劇中では(0H0)「スピニングダンス……(キリッ)」と当時「技名叫ぶなんてリアルじゃねーよ! 電子音声にでも言わしとけ!」的なスタンスが主流だった平成ライダーでは超珍しく技名を発声してから使ってる。
なお残念なことにカリスのカードはDXレンゲルラウザーに対応しておらず、フロート共々玩具での再現は出来ない。
むしろそうだからこそ、劇中でも技名のコールが行われず自己申告することになったとも考えられる。
♣強くなりたい……レンゲル復活!!
新ライダー・レンゲルの誕生と、その力が本来戦いとは無関係な少年の手に委ねられたことを知った
剣崎らは、睦月からベルトを引き離そうと奮闘する。しかし、結局何をどうしてもベルトは睦月の元に戻る運命にあり、
睦月自身も自分を暗闇の中から連れ出してくれるかも知れないライダーの力への未練から抵抗する。
ふとしたきっかけで望美を殺しかけてしまい、一度はベルトを捨てようとするも、結局力への誘惑には抗い切れなかった。
この間、一時ベルトは睦月の手から離れ、カテゴリーAに認められた男・
桐生豪がレンゲルに変身していたことも。
桐生の手から離れたベルトを再び手に入れた睦月だが、結局カテゴリーAに弄ばれてライダーの力をモノにすることは出来ず仕舞いに終わる。
そこでベルトから逃れられないなら睦月が心身共に強くなるしかないと剣崎らも決断。
ギャレンに復帰した橘が睦月の師匠役となり、基礎訓練を課すのだった。
ここから睦月に『弟子キャラ』・『未熟な後輩戦士』属性がつくことに。
トラウマを振り切って暗中の戦いを制し、人々の生命を救うなどヒーローらしい成長劇も見せたが、
未だ根本的な解決には程遠い状態。結局戦いに身を置き続けたことでカテゴリーAの影響に呑み込まれてしまい、
先輩である剣崎や橘を煙たがって反抗的な態度を取ったり、
「とにかくアンデッドを倒してカードを手に入れれば良い」
と粗暴で好戦的な言動が増えていった。
そんな折、チベットから烏丸所長の協力者である嶋昇が来日。彼の正体はクラブのカテゴリーK/タランチュラアンデッドであったが、
アンデッドには珍しくバトルファイトに関心がないばかりか、人類に友好的ですらある彼は
同族である
スパイダーアンデッドが睦月を支配している様を知り、睦月とカテゴリーAを引き離そうとする。
これに危機感を覚えたカテゴリーAは睦月を煽って自身を守らせようと抵抗。
最終的にカテゴリーAと同じように内面から睦月の精神に干渉すべく嶋はその身をあえてカードに封印される。
睦月は一人姿を消すが……結局ワルのままだった。
一応カテゴリーKの加護でカテゴリーAの支配力は弱まったのだが、今度は睦月自身の精神が長い荒んだ戦いの影響で悪化してしまい、
最強ライダーであることにしか関心のないガチ厨2病患者として負のベクトルに突っ切ってしまったのだ。この状態の睦月は本当に最低で、
借り物の力を自身の実力と履き違え、無謀な挑戦と無様な敗北を繰り返し、その事実から目を背けて自分は強者だと空しい主張を喚き続ける姿は
およそ戦いに身を置く者としては下の下以下と呼ぶに相応しい惨状であった。正直言ってモズク決めてた橘と同レベル、下手したらそれよりも酷い。
今なお根強く残るレンゲル=自称最強(笑)のイタい邪気眼ライダーという風評はこの時期に確立したと見て間違いない。
一応独力で
アンデッドを封印したりもしているが、アンデッドの中でも正々堂々の武闘派・タイガーアンデッドから
ラウズカードの力を湯水のように乱発し相手をごり押しで叩き潰す睦月の戦法は
「最低の戦い方」と酷評されている。
しかし、そんな弱さやイタさも睦月が本当にカテゴリーAそのものになってしまったなら持ち得ないものであり、
悪堕ちしようとも
- ジョーカーを誘い出す人質とはいえ、一時的に失明した天音を保護する
- 剣崎や橘への「さん」付けが抜けきっていない
- トライアルGの襲撃で負傷したタイガーアンデッドを夜通し看病する
- 望美を巻き込むまいとわざと自分から遠ざける
睦月本来の優しさは完全には消えてはおらず、その心の奥には確かな光が宿っていた。
そして睦月も遅まきながら自分は強くなどなっていないという事実を受け止め、
戦士としての在り方を巡りタイガーアンデッド/城光と奇妙な心の交流を築いていく。
睦月の葛藤を余所に、アンデッド封印は着々と進行していたが、一方でアンデッドの解放の裏には、
人為的なバトルファイトを起こすことで自身の望みをかなえようと企むBOARD理事長・
天王路の存在があった。
統制者のモノリスの力で天王路が創り出した対ライダーの刺客、
合成アンデッド・ティターンの襲撃を受け、
闘争本能を暴走する毒を打ち込まれてしまう睦月。睦月の内にあるカテゴリーAも凶暴化し、融合の進んだ睦月は見境なく暴れ出す。
天王路の策略で自身の求めるバトルファイトが永遠に失われたことを悟った光は
いずれ誉れなく狩られるだけの獣になってしまうだろう睦月に戦士の誇りを取り戻させるべく最後の戦いを挑み、自らの意志で封印された。
これと前後しての望美の命がけの説得で睦月は僅かに理性を取り戻していたが、未だ歪んだ闘争心は醒めず、探しに来た剣崎と橘に襲い掛かる。
レンゲルを止めるべく変身したダブルライダーとの戦いが始まった。
戦いの最中、キングフォームとなったブレイドに対抗しレンゲルも光の落としたギャレンのアブゾーバーを使ってキングフォームになろうとする。
しかし、これは直前に光と接触した橘が彼女の決意と覚悟を信じたうえでその策に乗り、渡したものだった。
力を求める睦月はカテゴリーQのカードとアブゾーバーを手に入れれば確実にそれらを使ってキングフォームへの変身を試みる。
だが、それはカテゴリーQ=光とカテゴリーK=嶋、両名の意志と融合することを意味し、
彼らが力を合わせて睦月を闇から解放する最大のチャンスを作り出すことができるのだ。
苦しむレンゲルから切り離されたカテゴリーAが飛び出し、変身を解除された睦月は精神世界で『彼ら』と束の間の邂逅を果たす。
「やぁ……久しぶりだね、睦月くん」
「あなたは……!」
「やっと私の力を使いこなしてくれた。彼女のおかげだ……」
「俺はどうなったんですか……?」
「君を、カテゴリーAの呪縛から解放する」
「え……?」
「睦月……カテゴリーAを封印しろ」
「光と闇に操られるな! 自分の中に両方抱えて戦い抜け……! 自分との戦いに……終わりはない……」
「嶋さん!」
カテゴリーQの仲立ちでカテゴリーKの力と一体化を果たした睦月は、自身の闇の象徴・
スパイダーアンデッドと対峙する。
最早睦月は傀儡として使い物にならないと見切りをつけたカテゴリーAは睦月に容赦なく牙を剥く。
しかし、睦月も嶋に託された力を揮い互角の戦闘を展開。その姿にはクラブスート最強の戦士・タランチュラアンデッドの姿が重なっていた。
戦いは一進一退。しかし、ブレイドが場外から投げ入れた重醒剣キングラウザーを受け取った睦月は
迫るカテゴリーAにカウンターの一太刀を打ち込み、見事この悪鬼を封印。真の封印を経てその手に戻ったカードは黄金に輝いていた。心の闇に打ち勝ったことを象徴するように……。
この時、師である橘からも本当の仮面ライダーの称号を送られている。
正気に戻った睦月は、自身を闇から救うためにその身を犠牲にした光の想いを知り、
「俺がもっと強ければ……」と落涙するのだった。
かくしてついに4人のライダーが団結。睦月も自分の犯した過ちに委縮していた時期こそあったものの、先輩ライダー達と共に
黒幕・天王路との全面対決に臨む。……仲間入りしてすぐ次の話が偽物を使った仲間割れ作戦だったりしたが。
ブレイド・キングフォームやワイルドカリスといった超絶戦士と比べるとやはり実力的には一歩譲らざるをえないものの、
人間をやめた天王路が変身した人造アンデッド・ケルベロスⅡとの決戦では3枚コンボ技・ブリザードベノムを炸裂させ形勢を一気に味方側に傾けるなど活躍を見せた。
しかし、始=ジョーカーが最後のアンデッドとなってしまった時、世界は滅亡するという事実を前にライダー陣営にも動揺が走る。
一度は始を信じてジョーカーの封印を避けようとした睦月だが、残るもう1体である
ギラファアンデッドを
睦月と同じく始を『仲間』として守ることを選択した橘が不可抗力で封印してしまったことからついに世界の破滅が始まってしまう。
橘が行方不明となり、始も失踪した状態で、剣崎と睦月はダークローチの大群に果敢に立ち向かうが、無限に湧くダークローチとの終わらぬ戦いに次第に疲労して行く。
頼みの綱のリモートによるアンデッド解放も無効となってしまったことからついに睦月は剣崎の心情を慮りジョーカーを封印する決断を下し、
始に戦いを挑む。しかし、やはりその圧倒的な力には太刀打ちできず、敗れ去ってしまうのだった。
事態が決着し、人類が救われたのは彼の知らぬ間に剣崎が自らを犠牲にし、仲間たちの前から姿を消した後だった。
その後は無事復学し、望美の応援のもと再びバスケに打ち込んでいる様子。
振り返ると、覚醒が遅すぎて善玉転向した後の活躍の機会に恵まれなかったのが終盤におけるレンゲルのネック。
この点は多くのファンに惜しまれている。
とは言え、橘が行方不明になった後、ダークローチの大群から人類を守り、剣崎と2人で戦い続けた最終盤の勇姿は立派であったと言えるだろう。
♣後日談にて
『剣』は印象深い
最終回からか、後日談となる外伝の製作に恵まれた作品であり、睦月も成長した姿で登場し、真のライダーとなった時には既に終盤で活躍に恵まれなかったことの補完にもなっている。
なお、それぞれの後日談はあくまでTV版とのストーリーに対応しているだけで、
個々の世界観がリンクすることは無い(例外あり)し、
同じ時系列で一直線に並ぶものでもないことを留意しておきたい。
バンダイから発売されている人気フィギュアシリーズ『
S.I.C.』のジオラマと小説によって語られる
石ノ森ヒーローたちのドラマ『
HERO SAGA』の『剣』編。
このシリーズ自体があまり原作との整合性を考えずに『異聞』として仕上げることをコンセプトにしているため、
原作を一通り見ていればまずやらかすはずもないポカ描写が平気で描かれていたりするが、
「『剣』の連中ならありえるかもな……」と受け取る向きもあるのは人徳……と言って良いんだろうか? 詳しくは項目にて。
なお、時系列は最終回から数年後、とあるが睦月が高校卒業となるとわずか1年足らずである。これで受験はキツイ……。
また、原作の設定をもとに独創的なオリジナルライダー/フォームが飛び出す
S.I.C.だが、レンゲルにも待望のオリジナル形態ジャックフォームが新規で制作された。
小説とは関係なく、ジオラマのみの作例となるが、後に細部をブラッシュアップされて商品化。
全国のライダーマニアを狂喜させた。
剣崎がジョーカー=始を封印するという決断を下したIFの世界の
4年後を描く映画作品。
睦月は21歳となり、
就職活動に奔走している、というまたまたリアルに苦しげな設定。
どうもライダーとして活動していた期間は彼にとって
黒歴史らしく、
戦っていた頃から逃避するかの如く『普通の生活』を求めていた。一応カテゴリーAの呪縛は克服しており、
レンゲルに変身しても普通に意志を保っていられるが、こちらの世界ではあまり良い結末を迎えられなかったのかも知れない。
剣崎の変身カードであるスペードのカテゴリーAと渡り合ったり、
リモートを使って封印されていたジョーカーを解放・4人のライダーの揃い踏みのキーマンとなるなど、要所で活躍した。
DC版では純一の尻尾を掴みかけたが、橘さんの余計なフォローと純一による誤魔化しで特にこの努力はないことにされた。
終盤、復活してしまった
巨大邪神『14』(フォーティーン)にライダーたちが立ち向かうシーンで
ブレイド・ギャレンがジャックフォームになるのにレンゲルがさびしく
\フロート/のカードを使って空を飛ぶシーンが
絶妙なリズム感からレンゲル系最大のネタとしていじられているが、冷静に考えるとこれはお門違いで
(0w0)(0M0)がジャックフォームにならないと追いつけない水準に、
(0H0)は既に立っており、
フロートで飛行能力を補完するだけで充分というだけのことである。
また、フロートは邪神の力を削ぐためにその身を犠牲にした始の所有するハートスートのラウズカードであり、
これは「俺達と……始の力で!」という直前の剣崎のセリフからも読み取れる通り、ここにいない始の想いと共に戦う、という意思を感じさせる熱いシーンなのだ。
むしろ問題なのはそれだけのタメを作ったあとに3人そろって速攻でぶっとばされたのとキングフォームが一撃で14を倒したことだと思う。
ちなみにこの時は克服イベント云々について話が固まっていなかった為カテゴリーAのカードは紫のまま。
橘さんが封印に失敗したと捉えるか、あれがイレギュラーと捉えるかは人次第。
♣ムービックドラマCD『切り札の行方』
『剣』終了から10年の時を経て復活した奇跡の企画。
剣崎が仲間たちの前から姿を消してから10年後の世界を描いている。
睦月は社会に出てイベント会社に就職。後輩からも慕われるなど、非常に充実した姿を見せている。
また、ライダーの力を手放した後も融合した
アンデッドの力は微かながら残存しているらしく、
嶋さんと同じように風の流れを読めたり、車に轢かれそうになった少女を咄嗟に救助するなど身体も鈍っていない様子。
長い間仲間とは会っていなかったようだが、橘のことは今でも尊敬しており、
初任給をもらった時、橘に何もプレゼントしていないのをちょっぴり気にしてたりする。カワイイ。
♣小説・仮面ライダーブレイド『たそがれ』
番組後半のメインライターである會川昇氏が
『仮面ライダー剣 超全集』に掲載した短編小説。
舞台は数十年後の未来であり、
睦月も既に故人であるが、おばあちゃんになった天音ちゃんの言葉によると、
その生涯は幸せなものであったらしい。
この世界では『
仮面ライダー』は虎太郎の著書により一躍社会に認知される存在となったが、
同時に時が進むにつれそれを題材として作られた児童向けの人気コンテンツとして消費される虚像となり、
真のライダーと呼べるのは紛争地帯で戦う
剣崎=ブレイドジョーカーと始だけとなっている。
レンゲルもかつて4人いた
『本物の仮面ライダー』の一員として天音おばあちゃんに
『自分の中にもある弱さや闇と戦うために』アンデッドに立ち向かったと認識されている。
♣小説 仮面ライダーブレイド
本作は『たそがれ』より更に後、最終回の数十年後から更に300年の時が過ぎた24世紀が舞台である。
当然、原作の登場人物は剣崎と始以外、全員が故人である。
レンゲルに変身するのは睦月の子孫と思しき少年・サツキ。
サツキとしての出番は多いが、「レンゲル」に変身するのは物語終盤である。
♣余談
♣演者の北条氏は幼少期に地元名古屋で再放送されていた
仮面ライダーBLACKや
RXを見て特撮にはまったそうで、
レンゲルのスーツアクターがBLACKやRXと同じ次郎さんと知った際は「子どもの頃の憧れだった人が自分の変身後をやってくれるなんて」と驚き喜びだったと語っている。
撮影現場では次郎さんにお願いしてBLACKやRXの動きもやって見せてもらったとか。
♣レンゲルには強化フォームや新武器といったテコ入れ要素を一切入れないことは構想段階から既に決定しており、
『最強のライダー』という肩書やブレイドやギャレンは強化フォームになって初めて纏える金色のアーマーを最初から装着している、といった点でフォローを図った模様。
北条氏もレンゲルに強化フォームがないことを気にしており、当時冗談で
(0w0)(<::v::>)(0M0)<キングフォーム、アルラシイヨ!!!
と言ったのを信じてワクワク(0H0*)しまい、後に真実を知って
純粋な心を踏みにじられた…>(0H0#)
…と語っている。
なんて悪い大人達なんだ。
しかし、その後先述の通り『
HERO SAGA』でジャックフォームが、『20th STAGE』でキングフォームが実現し、『剣』の4大ライダー全員に強化フォームが登場。
特に後者は北条氏もその後のキャストトークにて開口一番「
俺は最強だーッ!!!」と喜びを露わにしていた。
ちなみに、「金色だから強化フォームいらないでしょ!」という発言は
13年後にも
出されたが、そちらは「じゃあ人気出たら考えてあげる」と言われて実際に人気が出たので
最期の大舞台で強化してもらった。
どういうわけかレンゲルと同じ氷属性である。
♣18話においてレンゲルの力に恐怖を覚えた睦月はベルトを川に放り捨て戦いから逃避しようとする……印象に残るシーンだが、
このベルト、実物のプロップは
本当に失くしてしまったらしい。
つまり戻ってきたように見えて、これ以降撮影に使われているプロップは2号機、ということになる。
なお、当時の北条氏のレンゲルバックルにかける偏愛は(役作りには関係なく)尋常でなく、
嬉しくて何度も
『OPEN UP!』ギミックを試して開け閉めしまくってたのを見た小道具係のスタッフから
「壊れるからやめなさい!」と注意されたほどだという。……こいつ、ベルトに魅入られてやがる!
まあライダーに出たいあまりに
年齢詐称してまでオーディションに臨んだくらいだしねえ……。
♣
仮面ライダー剣の後はテレビドラマやCMを中心に活躍していた北条氏だが、2013年に残念ながら芸能界を引退。
始役の森本氏によると地元の名古屋で料理店をやっているとか(楽天トラベルの名古屋の観光を紹介するネットムービーにも出演したことがある)。
2014年に行われた
仮面ライダー剣10周年座談会(
プレミアムバンダイ限定「ラウズカードアーカイブス 10th Anniversary Edition」のブックレットに収録)では、企画段階では引退後に消息不明となっており、せっかくの10周年なのに欠席してしまう可能性があった。
幸い、剣崎役の椿氏や広瀬役の江川氏の尽力で連絡がつき無事に参加出来たが、消息不明になっていた理由は「
スマホの故障」だった。
ダディ役の天野さんの天然エピソードに匹敵する理由……。
なお、引退後も剣関連でオファーがあれば是非とも参加したいとの意欲を見せており、
前述のドラマCDや映画『
スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』や『
仮面ライダー サモンライド!』などに(主にレンゲルの声役で)出演している。
2016年にはYouTubeにて『JOE ちゃんねる』を開設しゲーム実況などを配信、2022年には大阪日本橋でカフェをオープンしそこで特撮関係のイベントなどを開催している。
♣️レンゲルは商品ではかなりの不遇扱いとなっている。実例を挙げると
- ガンバライドでは剣のライダーの中で一番登場が遅い。
- ガンバライジングでも剣のライダーの中で一番登場が遅かった。
- ブレイド、ギャレン、カリスのライドウォッチは商品化されているのにレンゲルのライドウォッチだけない。
これに加えて本編では唯一強化フォームが出ないことや、4人の中で唯一
飛行能力のカードを持っていないも相まって「ハブラレンゲル」という言葉までできてしまう事態となっている。
そしてこの飛べないネタは劇場版の影響もあって特にファンのあいだで長くネタにされ続け、
パセラリゾーツ池袋本店に展開している仮面ライダー・ザ・ダイナーでは、2019年の仮面ライダー剣15周年記念の期間限定特別メニューとして「レンゲルフロート」という緑色のフロートドリンクが登場。
知らない人にはただの飲み物、知っている人には100%伝わるシンプルかつ上手いネーミングセンスに往年のファンの腹筋が崩壊した。
「これを飲めば…俺は最強だー!!」
そして2024年に20周年記念で4人の最強形態をイメージしたメニューが登場したが、またしてもレンゲルはフロートであった。
♣️そして2019年、剣15周年記念でCSMブレイバックルが発売。更に「
仮面ライダージオウ」にて
剣崎と始及び天音がゲスト出演。
さらにその日にニコニコ動画で配信された「
仮面ライダーフォーゼ」ではダディ役でお馴染み天野浩成氏が演じた
速水公平/リブラ・ゾディアーツの退場回が配信されるという、『剣』ライダーの役者に色んなニュースが飛び交った。
その頃、レンゲルは音沙汰なし。
翌年にはギャレンセットの発売が決定。現在は本名でTwitterをやっている北条氏は祝福と合わせてレンゲルセットの発売を熱望するコメントを出しているが、希望は叶うのか……?
『ABSORB TSUIKI』『EVOLUTION SHUSEI』
(0H0)「見ろ……これが俺のキング項目だ!」
(c)2004 ISHIMORI PRO・TV ASAHI・ADK・TOEI
(c)Toei Company, Ltd. All Rights Reserved.
- ゲーム・小説・玩具・DCD・最近の映画etc…の追記待ってます。 -- 名無しさん (2015-12-16 09:11:27)
- ムッキー! -- 七誌さん (2015-12-16 12:09:26)
- 仮面ライダー3号ではショッカーライダー幹部?らしい。おそらく蜘蛛男ポジ -- 名無しさん (2015-12-16 12:18:14)
- 壊れるからやめなさい!ってw中の人相当ライダーになれたのうれしかったんだろうなぁw -- 名無しさん (2015-12-16 12:49:30)
- たまに名字が上城か北条かわからなくなる -- 名無しさん (2015-12-16 14:36:27)
- いつの間にできてたんだムッキーの記事 -- 名無しさん (2015-12-16 15:11:16)
- 北条さん引退してたのか・・・ -- 名無しさん (2015-12-16 15:44:54)
- 変身ポーズはクローバーをイメージしたものだって聞いたけど間違いかな? -- 名無しさん (2015-12-16 16:29:38)
- 伊坂、スパイダーの傀儡ライダーになる予定だったがどの道、破綻は必須だった。45話でこの二人(が封印されたカード)45話でケルベロスに吸収された。対して46話では傀儡ではなくなったレンゲルが天王路・ケルベロスⅡにブリザードベノムをおみまいしている。 -- 名無しさん (2015-12-16 16:46:48)
- ↑スパイダーも独自の意志で動いてるからな。どっちの精神支配が強力かと問われれば、直接ライダーシステムと融合しているカテゴリーAだろう。・・・こうして振り返るとメチャクチャ難物だったんだな、梁田蜘蛛wレンゲルそのものになった時は本当に最強だったし。 -- 名無しさん (2015-12-16 16:52:16)
- QとKと仲良くなったし後はAと仲良くなってキングフォーム発現させればA・Q・K完全融合のある意味「BORAD理想のキングフォーム」ができあがる・・・のかな -- 名無しさん (2015-12-16 16:57:21)
- 劇場版では背景が紫のカテゴリーAのカードなのに普通に理性を保ってたって事は純粋に精神面の成長はあったんだろうね -- 名無しさん (2015-12-16 18:48:51)
- この記事はサルベージ版?それとも新しく作られたもの? -- 名無しさん (2015-12-16 18:53:20)
- 作成ご苦労様です。ひとつ言っておきたいんですが次郎さんの名字は「岡本」ではなく、「岡元」です。 -- 名無しさん (2015-12-16 19:10:07)
- 象がJだから、レンゲルのジャックフォームはパワー重視? -- 名無しさん (2015-12-16 19:26:35)
- ↑らしいよ。あくまでそれはHERO SAGAの話だが -- 名無しさん (2015-12-16 19:34:41)
- 劇場版のビートルアンデッド単独封印はカッコよかった。設備も組織もずっと整ってる橘さんの側につかないで剣崎を助けたのもポイント高。 -- 名無しさん (2015-12-16 20:34:47)
- 41話ではライダーとしてのキングフォームにはなれなかったが一瞬だけ睦月が変身したタランチュラアンデッドをよく見るとベルトがレンゲルバックル(さらによく見るとアンデッドバックルを思わせるように閉じている)になっていてベルトはライダー、姿は怪人と擬似キングフォームと呼べる姿に変身している。 -- 名無しさん (2015-12-16 21:00:10)
- ついにムッキーも出来たか -- 名無しさん (2015-12-16 21:59:39)
- ラジレンジャー92回だったかでキングフォームのことは言ってたな この汚い大人たちがとまで言ってたw バックルの件は仮面ライダーになりたくて年齢ごまかしてオーディション受けたらしいから、本当に嬉しかったんだろうね -- 名無しさん (2015-12-16 22:34:46)
- 睦月がタランチュラアンデッドに変身した時は橘さん覚醒並みに興奮したわ -- 名無しさん (2015-12-17 00:28:34)
- ちょいちょいチソクンレンとか挟まってて草生えちゃう でもムッキーはちょっともったいない捌き方だったよなあ…代打が立って一気に纏めた以上どっかに皺寄せは行くんだけど一身に受けた感ある -- 名無しさん (2015-12-17 00:42:53)
- 拡張性をなくした代わりに基礎的な部分を向上させ、それを補って余りあるリモートという切り札。スパイダーやもっと頭のいい奴が装着者になっていたらレンゲルの強さはより計り知れないものがあっただろうな -- (2015-12-17 01:02:04)
- ↑実際、ダディが改良型として開発した新世代ライダーシステムのベースになったのはレンゲルだからな。一人がフォームチェンジで特化するより数揃えて連携で圧した方が効率良いって戦術も相性良いみたいだ。 -- 名無しさん (2015-12-17 01:23:45)
- ブレイドは感情により明確に融合係数が変わる設定だから観念論とはちょっと違うような…… -- 名無しさん (2015-12-17 01:30:59)
- 睦月くーん! -- 名無しさん (2015-12-17 01:33:15)
- ジョーカー(システム0号とも言うべき)を解析し、1号(ギャレン)、2号(ブレイド)を経て上級アンデッドとカテゴリーAの介入もあって作られた3号。4号と思われるグレイブはケルベロスと共に赤と白の死神に使われた。 -- 名無しさん (2015-12-17 01:41:55)
- 「俺のリモートのカードのおかげで勝ちましたね」 -- 名無しさん (2015-12-17 02:07:16)
- ↑「いや、俺のジェミニのカードのおかげだ」 -- 名無しさん (2015-12-18 12:54:50)
- ドラマCDではアンデッドではない人を襲う別の何かが暗躍しているため、上級、Aのチューニングもあったレンゲルバックルを基に劇場版とはまた違った新BOARD製量産型ライダーを開発する可能性もある。 -- 名無しさん (2015-12-18 15:47:15)
- ムッキーの項目、待ってたよ!! -- 名無しさん (2015-12-18 20:27:11)
- 劇場版の睦月は、カテゴリーエースを倒して、剣崎さんこれはあなたのカードだ、とか、志村の正体に気づくとか普通にかっこいいと思う。フロートはともかく。 -- 名無しさん (2016-01-24 08:22:05)
- 虎姐さんといい望美ちゃんといい女性に恵まれてるな -- 名無しさん (2016-01-28 08:27:06)
- ↑2後者は橘さんに否定される・・・ -- 名無しさん (2016-01-28 08:59:53)
- レンゲルだが、中の人が次郎さんであることもあるのかもしれんが、顔をよく見ると同じく次郎さんが演じたZOに似てなくもないと思った -- 名無しさん (2016-03-05 20:34:41)
- しっかし正気に戻って完全な味方になるまでだいぶかかったよな。まあスパイダーアンデッドの支配力が強すぎたからしゃーないけど。 -- 名無しさん (2016-06-30 23:25:31)
- ↑まあ、ライダーバトル要員として早々に正気に戻せないという理由はわかるが、それにしたって敵役としてドラマを引っ張る程の強さもぶっちゃけなかったからなあ…上級アンデッドやケルベロスの方がよほど強敵ポジとしては仕事してた印象だ。 -- 名無しさん (2016-06-30 23:29:21)
- ↑スパイダーアンデッドに支配されてた時がある意味最強のライダー(笑)だったしな。 -- 名無しさん (2016-07-21 19:34:43)
- ジャックフォームかっけー! -- 名無しさん (2016-09-08 20:23:27)
- ポケモンSMのグラジオ(のポーズ)について触れててワロタ -- 名無しさん (2016-09-14 22:13:41)
- いつかキングフォーム見てみたいな、QとKが協力的っていうアドバンテージがあるからまた違った強みがありそうだ -- 名無しさん (2017-01-31 20:56:27)
- ただ、一人でフォームチェンジして戦うよりリモート使って一緒に戦った方が強そう。♧の上級って猛者ばかりだし。レンゲルはアブゾーバーなしでもJQKを活かせるな。 -- 名無しさん (2017-04-04 23:46:30)
- レンゲルのロイヤルストレートフラッシュは上級を全部リモートで解放して合体キックでしょ? だして(切実) -- 名無しさん (2018-06-01 22:23:06)
- 左腕を頭から顔にかけておろすポーズってやっぱ蜘蛛が降りてくるイメージなんかな -- 名無しさん (2018-07-03 21:41:40)
- ジャックのブリザードベノムが腕のボールをダンクシュートして粉砕しか浮かばねえ -- 名無しさん (2018-07-13 22:54:27)
- 望美とか虎姐とか女性運はとことんツいてる…というかここもダディ譲りか。あっちは哀しい最期になったが -- 名無しさん (2018-12-05 13:36:13)
- 不遇な扱いだが望美のようなできた彼女がいる時点で勝ち組とも言える -- 名無しさん (2019-04-07 20:16:37)
- ブレイド、ギャレンと次々と剣ライダーがCSM化してるし、次はレンゲルか?! -- 名無しさん (2020-03-11 10:18:12)
- 当時は後半のやさぐれっぷりから、てっきり嶋さんの策は失敗してスパイダーに取り込まれたものと思ってたわ。 -- 名無しさん (2020-03-19 09:11:48)
- 「仮面ライダーSPIRITS」の作者の村枝氏が「V3のどの辺がかっこいいのか具体的にわからない(けど好き)」という絶妙な感想を述べていたが、自分としてはレンゲルがそういうポジションのライダー。なんか好きなんだわ -- 名無しさん (2020-03-19 12:16:47)
- フロートは散々ネタにされてるけど仮に直前に「始さん……力を貸してください!」的なこと言ってれば熱いシーンになってたはず -- 名無しさん (2020-06-10 02:04:41)
- カテゴリーQが不甲斐ないのが多い中、虎姐さんという例外のせいで唯一絵札が全員強豪揃いなスートクラブ。絵札連中のうち描写的にカテゴリーKを除くと、実力上位二人が虎姐さんと面倒くさがり屋な象さんというね… -- 名無しさん (2020-09-23 11:00:59)
- スピニングダンスに関しては玩具では出来ないことを劇中でもしないって誓約があるから自分の口で言わざるを得なかった部分があるけどね。 -- 名無しさん (2020-12-03 15:54:46)
- 個人的にはドラクエ6のテリーと少し似ているな、と思う。 -- 名無しさん (2020-12-24 19:55:47)
- 仮面ライダー大投票では圏外(グレイブ達もいるから唯一ではない)。やっぱりハブラレンゲルが様式美になっている -- 名無しさん (2021-11-07 03:52:37)
- 他ライダー3人に比べて顔出し客演に恵まれないムッキー -- 名無しさん (2022-03-28 21:18:38)
- ガンバライジングは遂に参戦。約9年越しという感慨深さ。 -- 名無しさん (2022-07-30 12:27:37)
- 今思えば、制作発表で2クール目から参加する仮面ライダーがキャスト共々明かされるなんて珍しいな -- 名無しさん (2022-08-06 08:37:46)
- この度ギャレンがまさかのキングフォームになるし、北条さんが引退してなかったらレンゲルのジャックフォームやキングフォームも実写で見れたのかな? -- 名無しさん (2023-08-22 13:08:49)
- 20thのショーで、レンゲルのキングフォーム出たら良いですなあ。とはいえ、公式としては「ハブラレンゲルwww」とネタにするのが正解なのだろうか? -- 名無しさん (2023-12-25 22:48:33)
- ↑おめでとう。ついに本日18時を以てレンゲルキングフォーム情報解禁だ -- 名無しさん (2024-02-10 18:32:25)
- マジ公式!? -- 名無しさん (2024-02-10 18:36:32)
- キングフォームが令和に現れた…もうネタじゃない -- 名無しさん (2024-02-10 19:00:53)
- レンゲル・キングフォームの登場を素直に喜ばせていただきますです。『ジオウ』で未来という悲しみが終わる場所にたどり着き、20thでは遂にここまでやって来たぜ! -- 名無しさん (2024-02-10 19:05:41)
- 虎姐さん再封印で「あれ、この流れもしかして…」って思ったらクイーンとキング読み込んで、会場がどよめく中ステージが暗転してからキングフォーム登場、とそれはそれはえっぐい盛り上がりだった。あのステージで一番会場が沸いたシーンかもしれない -- 名無しさん (2024-02-10 20:08:57)
- 大変だあっレンゲルの…レンゲルのキングフォームが出たあっ -- 名無しさん (2024-02-10 20:40:20)
- 浅学ですみませんが、記事にある「ラウズアブソーバーによる強化は不可」って、どこかにソースはあったりしますでしょうか? -- 名無しさん (2024-02-10 22:58:20)
- 初演でキングフォームのアクション中に右肩のアーマーが外れるアクシデントがあったけど、長物使いなせいか右肩が軽装でもあんまり違和感なくてあれはあれで割とかっこよかった -- 名無しさん (2024-02-11 07:26:56)
- レンゲルの変身ポーズ、ようつべの本人談では前期OPの帽子を被る仕草からの転用らしいけれど、何処かで見たファンの考察で、蜘蛛が糸をつたって降りてくる様子を表してるのでは?っていうのがかなりいい解釈だと思った -- 名無しさん (2024-02-14 00:21:04)
- キングフォームに関してはステージの配信なりソフトなりが出た後でそっちを確認しながら追記するのがいいのかな? -- 名無しさん (2024-02-18 21:26:56)
- ↑4 少なくとも仮面ライダー図鑑には一言も書かれてなかった。そもそもキングフォームが現実に出てきた今となってはどのみち不正確なわけだし、消した方がいいかも。 -- 名無しさん (2024-05-01 00:06:21)
- キングフォームのデザインはアンデッド自ら開発に携わったベルトという事もあってか、ブレイドやギャレンのように金だけでなく緑を背景にクラブの意匠がある鎧というものになっている。 -- 名無しさん (2025-03-03 20:03:49)
最終更新:2025年05月17日 13:52