連珠の精霊アガピトス

登録日:2021/05/26 Wed 01:20:42
更新日:2023/07/28 Fri 20:38:04
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この勝利こそ、奇跡の輝き





連珠の精霊アガピトスとは、TCG『デュエル・マスターズ』及びDCG『デュエル・マスターズ プレイス』に登場するカード。
DMPP-08 第8弾「極神創世譚 -VIOLENCE FUSION-」にて収録。レアリティはスーパーレア。


解説

連珠の精霊アガピトス SR 光文明 (6)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 6000
ブロッカー
W・ブレイカー
バトルゾーンに出た時、自分の山札から光のコスト3以下のクリーチャーを探索し、1枚をバトルゾーンに出す。その後、山札をシャッフルする。
自分の光のコスト3以下のクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のパワーが一番小さい、アンタップしているクリーチャー1体をタップする。(複数あるなら、その中からランダムに1体)
パワー6000のW・ブレイカーを持つブロッカー。そして、山札から光のコスト3以下のクリーチャーを探索して1体踏み倒すcip能力を持つ。
更に自分の光のコスト3以下のクリーチャーがバトルゾーンに出た時には、相手のアンタップしているパワーが一番小さいクリーチャーをタップする。
つまり、リクルートによる踏み倒し効果が起動すればそのままタップ能力も発動するため、疑似的なcipのタップ能力を持っているとも言える。

単純にアガピトスを出せば小型とはいえもう1体クリーチャーが出てくるため、要は1枚のカードで2体のクリーチャーを展開可能ということなので場のアドバンテージを稼ぎやすい。
能力を利用してタップキルに成功すれば、相手に対してバトルゾーンの数のアドバンテージを更に拡大可能。
しかも山札からの踏み倒しとなっているため、手札が枯渇していてもバトルゾーンに複数クリーチャーを展開できるという点も良い。

「3コストの光のクリーチャー」という踏み倒し条件も小型ブロッカーが多い光文明などで相性の良いカードが多く、カードパワーの高い多色クリーチャーも踏み倒す候補になる。
そして、今後もカードプールの拡大で踏み倒せる候補は増えると見られるために将来的な強化の未来も明るい。
年月が経過すればNew Divisionでは使用不可能になるだろうが、All Division環境では今後も影響力を見せつけるカードになる可能性も指摘されている。

タップ能力は常時効果となっており、アガピトスが場に留まる限りは相手はタップキルを常に恐れることになる。
アガピトス自身もパワーが6000あることから、タップ能力の対象になるようなクリーチャーはアガピトス自身で殴っていけるシチュエーションも多い。

種族もエンジェル・コマンドと優秀であるため、種族サポートや進化先などの方面も豊富。

強いて欠点を考えれば、山札からの探索条件が広い踏み倒しなので必ずしも狙ったクリーチャーを踏み倒せる訳ではないという点か。
小型クリーチャーの消耗が激しい終盤でアガピトスを場に出すとcipが失敗する場面も見られる。
ただし、cipが機能しなかったとしてもW・ブレイカー持ちのブロッカーであることから、十分にアタッカーとしても守備要員としても機能するので大きな痛手にはなりにくい。

相性の良いカード

ヘブンズ・ゲート VR 光文明 (6)
呪文
S・トリガー
光の「ブロッカー」を持つ、進化ではないクリーチャーを2枚まで、自分の手札からバトルゾーンに出す。
ブロッカー踏み倒しの王道カードだが、アガピトスは光のブロッカーであるために言うまでもなく相性は良い。
ヘブンズ・ゲートによるアガピトスを含めた2体のブロッカー+アガピトスでリクルートしたクリーチャーと一気に3体の展開も可能だが、アガピトスを2体踏み倒せば4体の展開も起きる。

アガピトスはタップ能力を持つため、S・トリガーとしてヘブンズ・ゲートが発動した際にアガピトスを踏み倒してリクルート効果の発動に成功すれば、タップ効果によって相手の攻勢を一気に食い止めることに貢献する。

霊騎幻獣ウルコス C 光/自然文明 (3)
クリーチャー:アーク・セラフィム/ドリームメイト 2000
バトルゾーンに出た時、自分の山札の上から1枚目をマナゾーンに置く。
cipで山札からマナブーストを行う低コストの多色クリーチャー。
アガピトスでこのクリーチャーを踏み倒せば、マナブーストを行えるために次ターン以降の更なる重量級クリーチャーの展開に繋がる。
踏み倒しを抜きに考えてもシンプルなマナブースト要員であるため、手札から普通に出してもアガピトスの早期召喚に貢献する優秀な人材と言える。

血風神官フンヌー UC 光/火文明 (3)
クリーチャー:ソルトルーパー/メルト・ウォリアー 3500
ブロッカー
スピードアタッカー
自分のシールドを相手のクリーチャーがブレイクした時、そのターンの終了時にこのクリーチャーを破壊する。
赤白速攻では定番のスピードアタッカー持ちのブロッカーだが、コスト設定からアガピトスでリクルート可能。
スピードアタッカー故に踏み倒し直後の攻撃が可能で、下記のアラゴナイトよりは威力は劣るがタップキル要員として優秀。
デメリットによって多少脆い部分がありながらもブロッカーとして守備要員にも切り替えられる。

メルト・ウォリアーであるために、天門デッキでよく採用される《血風聖霊ザーディア》とも組み合わせて使いやすい部分も優秀。

居合のアラゴナイト UC 光/火/自然文明 (3)
クリーチャー:スピリット・クォーツ 1000+
スピードアタッカー
パワーアタッカー+4000
自分のターン終了時、アンタップする。
アガピトスでこのクリーチャーをリクルートをすれば、スピードアタッカーによってすぐに相手への攻撃が仕掛けられる。
アガピトスのリクルート成功によってタップしたクリーチャーをパワーアタッカーで強化されたアラゴナイトで攻撃して墓地に送る流れは定番と言える。

アラゴナイトはアンタップ能力を持つために手出しを出来るクリーチャーは限られており、アラゴナイトを退けさせるために相手に除去呪文などを消耗させやすい点も利点。
素のパワー自体は低いので火力除去には引っ掛かりやすいが、パワーアタッカーによって攻撃時にS・トリガーとして《自由な旅人ベア子姫》や《ファントム・バイツ》などを踏んでも対象外になれる点も地味に大きい。

剛勇王機フルメタル・レモン R 光/水/自然文明 (3)
クリーチャー:グレートメカオー/ワイルド・ベジーズ 1000
相手のクリーチャーの攻撃によって、相手がゲームに勝つ時、かわりに自分の山札の上から10枚を墓地に置く。
原作のTCG版ではネタカードだったレモンだが、こちらでは受け札要員やマナ基盤要員として使われているクリーチャー。
3コストなのでアガピトスの踏み倒し対象としても採用されており、劣勢時にはブロッカーであるアガトピスと共に敗北を防ぐ時間稼ぎ要因となる。

下方修正前はパワー3000に加えて敗北回避条件で削られる山札が少なかったことにより、アガピトスを使うデッキでは主要カードとしての存在感が非常に大きかった。

アガピトスマスターズ

公式Twitterで事前に情報が公開されたカードだったが、その時点では性能について大きく注目するような動きはなかった。
【ヘブンズ・ゲート】の候補が増えたとは見られていたが、コストが重くなりがちな天門デッキでは踏み倒しも大きく機能しないのではと考察する声もあった。

しかし、いざ蓋を開けてみると事態は一変する。

DMPP-08には低コストの光を含む多色クリーチャーが多数登場し、踏み倒し先が予想以上に大きいことが判明。
過去の弾からも《血風神官フンヌー》などとの相性の良さが発見され、アガピトスを中心としたデッキの研究が進んだ。
超鎧亜キングダム・ゲオルグ》と組み合わせた【ゲオルグ天門】も開発。一気にアガピトスは環境の目玉として躍進する。

後にアガピトスの踏み倒し候補として採用率が高かった《剛勇王機フルメタル・レモン》が下方修正を受けてしまう。
しかし、これ自体は特にアガピトスの状況に変化を及ぼすことはなく、引き続きフルメタル・レモンもアガピトスの相棒として使われ続けた。

次弾であるDMPP-08EXでは、踏み倒す際に抜群に相性の良い《居合のアラゴナイト》が登場したことでアガピトスは追い風を受ける。
《フェアリー・ギフト》によってアガピトスを早期召喚→アラゴナイトを踏み倒し、そこからタップキルを展開」という図式が完成し、通称【アガピトスエンジン】と呼ばれるデッキタイプが環境を支配することになった。

その相性の良いカードが多すぎるその性能は下方修正を望む声も出ている程である。下方修正がないのは「WIXOSS」コラボイベントの影響ではないかとの邪推も*1

環境を支配するカードが出ると何とかして対抗馬の模索が図られるのもTCG及びDCGの風潮であり、アガピトスへの対策も考察されている。
低コストでマナブーストをしながらブロッカーを破壊可能な《コメット・チャージャー》やブロッカー破壊とハンデスを同時に行って展開を妨害する《腐敗勇騎ガレック》などのカードもDMRP-08環境では見かけられやすい。
踏み倒しメタということでアガピトスのcipを邪魔する《百発人形マグナム》、あえて手札から踏み倒させることでcipの無効化を狙う《驚天の超人》なども対策にはなる。
速攻デッキではタップ能力への対策として攻撃されない《クック・ポロン》などが注目されることにもなった。

しかし、ブロッカー除去などによってアガピトスを完全に退くことが出来ても、アガピトスを完全に退けられた時点で除去カードやターンなどを消費してしまう。
【アガピトスエンジン】はパワーカードが豊富なデッキ構成であるため、消耗した時に他に用意されたカードに押し切られてしまう例も多い。
上述した《百発人形マグナム》や《驚天の超人》による踏み倒しも、非常に癖が強く状況によっては自身にもデメリットが発生する性質から安定して対策として使えるとは言いにくい。

結局「アガピトスにアガピトスをぶつけるのが一番の対策」なんて言われることも。
実際相手のアガピトスを破壊して自分のアガピトスを出せる《破壊と再生の神殿》は最高のメタカードともいえる。

その終焉?

そのあまりにも強力な性能、ランクマッチにおける使用率の高さを問題視され、ついに2021/6/10付でナーフが決定。後述する有料のプライズ版は一定期間のみ分解可能にするという特別措置を取る事で事なきを得た。
ナーフ内容は以下の通り。

連珠の精霊アガピトス SR 光文明 (6)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 6000
ブロッカー
W・ブレイカー
バトルゾーンに出た時、自分の山札から光のコスト2以下のクリーチャーを探索し、1枚をバトルゾーンに出す。その後、山札をシャッフルする。
自分の光のコスト2以下のクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手のパワーが一番小さい、アンタップしているクリーチャー1体をタップする。(複数あるなら、その中からランダムに1体)
コスト3以下を2以下に調整。これによって《ウルコス》や《アラゴナイト》とのコンボは不可能になった。もうランクマッチで暴れる心配は無いだろう・・・。公式が光のコスト2以下でとんでもない強さのカードを刷らなければ。

ナーフ後

誰もがそのような見方を当初はしていたのだが、実際のところは光のコスト2以下だけでも十分守備範囲は広かった。
流石にどんなデッキにも入るという汎用性はそこまでなかったものの、《霊王機エル・カイオウ》や《光陣の使徒ムルムル》とのコンボで鉄壁の守りを形成、主に【天門デッキ】の主力としてその後も環境に居続けた。
また、《エンペラー・マルコ》の進化元である《電磁星樹アマリンα》とのコンボから【マルコビート】の主力としても活躍し、第5回BATTLE ARENA優勝に導いた。

DMPP-10期には武者の台頭や《不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー》・《奇跡の精霊ミルザム》の実装もあり、現在では枠を譲ることが多くなってしまったが、デュエプレにおける一つの時代を作った一枚と間違いなく言えるだろう。

そしてTCGへ

連珠の精霊アガピトス VR 光文明 (6)
クリーチャー:エンジェル・コマンド 6000
ブロッカー
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、山札を見る。その中から光のコスト3以下のクリーチャーを1体出してもよい。その後、山札をシャッフルする。
自分の光のコスト3以下のクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選び、タップする。
ナーフ前の能力を引っ提げ、紙の環境に殴り込みをかけることとなった。デュエプレ特有の探索要素は消え、しかもタップ先を選べるようになった強化をもらっている。
ただし、現在の紙の環境はデュエプレの比じゃないレベルでインフレしている状況なのも事実であり、デュエプレでの全盛期のような活躍ができるかは怪しい。
ただ光のコスト3以下のカードプールもデュエプレの比ではないほど膨大、上手く相棒を見つけられるかが見ものである。

WIXOSSコラボ

WIXOSSとのコラボにおいて、アガピトスもコラボカードとして選出されている。
コラボイラストの相手はタマが選ばれており、凛々しいイラストを理由に獲得する価値は高い。ちなみに、タマはこのコラボ以前にTCG版において《DNA・スパーク》にてコラボしている。
コラボ版のアガピトスはコラボセット購入で獲得可能だが、ヒラナ版《幻獣竜機ボルパンサー》とランダムで獲得する仕様となっている。

レジェンドバトルの小湊るう子もアガピトス(カードもコラボ版)を投入したデッキを使ってくるのだが、伝説級におけるレジェンドスキルが鬼畜として話題を呼んだ。その内容が以下のこれ。

スキル名:イノセンス
能力内容:小湊るう子の5ターン目のターン開始時、ゲーム外から《連珠の精霊アガピトス》1体を召喚する。小湊るう子の《連珠の精霊アガピトス》がバトルゾーンに出た時、小湊るう子の対戦相手のクリーチャー全てを《予言者クルト》に変身させる。

もはや何もかもが狂ってる。
5ターン目におけるゲーム外からのブロッカーであるアガピトスの踏み倒し確定と言うだけでもかなり厄介。
それなのに場のクリーチャーをパワー500と最弱の《予言者クルト》に変えられてしまい、しかもクルトもタップ効果によるタップキルですぐに除去されてしまう。
クルトはただのバニラであるため、場にブロッカーなどを展開していた場合には一気に防御網を崩されてしまう。

しかもクルトへの強制変身の一番恐ろしい部分は、踏み倒したアガピトス以外のアガピトスの召喚にも応じる常時効果である点だろう。
踏み倒したアガピトスを退けたとしても、以後もクルトへの変身を恐れなければいけない。
WIXOSSコラボにおけるヒラナのレジェンドスキルも負けず劣らず恐ろしい効果だが、そちらには「この能力はゲーム中1回のみ発動する。」の文面があったことが非常に救いだったことがるう子との対戦ではよく実感できる。

対策としては変身能力への動揺が少ないような徹底的な除去コントロール系のデッキなどをぶつけることか。
ただし、るう子は序盤から小型クリーチャーでビートダウンを仕掛けてくるデッキであるため、序盤に押されないようにしなければいけない。
逆に盤面を展開していくようなデッキでは、クルトへの変身能力のせいで非常に勝利は厳しい。
速攻系のデッキでゴリ押していくという戦略も、るう子のデッキはトリガーが12枚と多めに入っており、序盤から小型ブロッカーなども展開してくるので成り立ちにくい。
最も稼げるポイントはヒラナと同じであるため、上振れを狙ってデュエルをして1回勝ったら放置するのが一番である。ヒラナの方はきちんと対策すればちゃんと勝てる相手であるし。
この辺りの仕様から、そもそも運営側も最初からまともに勝たせる事を想定していなかったのではないかという疑惑まで浮かんでくる。

ちなみに最初のレジェンドバトルの対戦相手、我らが切札勝舞君のレジェンドスキルは6ターン目にボルシャック・ドラゴンを場に呼び出すというもの。
出してくるクリーチャーという点だけでもとてつもない差があるのに+αなんて生易しい効果ではないものもついているという時点でスタッフはおかしいと思わなかったのだろうか。
というわけで、このレジェンドバトルは周回前提でありながら弱い方のヒラナでさえこれまでの相手と比べると対策が甘いと全く勝てない程には圧倒的に強く、その時の報酬の渋さも相まって、基本的には評価が高いデュエプレコラボの中では非常に批判が多いものとなってしまっている。幸い次のSPルールマッチでは報酬も通常通りに戻り建て直すことはできたが。

余談

  • 担当声優や口調などから察するに、アガピトスは女性型(或いは女性的人格)エンジェル・コマンドの模様。

  • レジェンドバトルのスキル内容が似ていることからオーコに例えられることがある。


この追記・修正こそ、奇跡の導き

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最終更新:2023年07月28日 20:38

*1 後述にもあるが、有料パックの特典でコラボカード仕様のアガピトスが手に入ったためナーフしたら批判が飛ぶのは当然ともいえるだろう