SCP-1604-JP

登録日:2021/09/18 Sat 21:09:00
更新日:2025/05/03 Sat 09:59:42
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SCP-1604-JPは、シェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスはEuclid。


概要

製造元不明のチェス道具1セットで、これ自体に特に異常は存在しない。
このチェス盤の周囲には現地時間8時から16時までの8時間、実在する人物の姿を取るSCP-1604-JP-F(以下F)が出現する
なおFがコピーしたSCP-1604-JP-O(以下O)はある程度名が知られた人物で、出現の度に姿が変わり、チェス勝負を提案する。

つまり、SCP-1604-JPは

  • 「机に置ける程度の物品」
  • 「毎日勝負をしなければならないらしい実体F」
  • 「異常性に巻き込まれた人間っぽい実体O。」

この3つで構成される

で、特別収容プロトコル。

  1. 収容室に机を設置し、そこに置いておく。
  2. Fとの勝負を毎日必ず行うこと。勝った場合は担当職員から追加指示アリ。
  3. Oが一般人の場合は最寄りの財団支部に保護。二日保護したら記憶処理して解放。

提案自体に強制力がないし、「Fと勝負しろ」とは言っているが「Fに絶対勝て」と言っていない辺りがミソ。

以降はFとのチェス勝負の行末に依存する。一つずつ見ていこう。

Fとのチェス勝負

  • Fとの勝負に応じなかった場合
つまるところ不戦勝扱いのFは一人でチェスをはじめ、終わったら消失する。

そして、終わった時点でOの衣服は弾け飛び全裸になる。

突如としてこの勝負が脱衣チェスと判明する。
ただし、脱ぐのはFでもなければ対戦相手でもない。
脱げるのは肖像権をガン無視された第三者Oである。
強制力はないとはいえ、分かってて無視するのはOが哀れ。


  • Fに負けた場合
Fが対戦相手の善戦を称えたりアドバイスしたりなどの多少のコミュニケーションがあった後、Fと対戦相手が身につけている衣服・所持品一式が完全に入れ替わる。

一方で、勝負が終了した時点でOが身につけていた衣服が弾け飛び全裸になる。


  • Fと引き分けた、或いは時間切れになった場合
Fは再戦を言い残して消失する。
終わった時点でOの衣服は弾け飛び全裸になる。

Fはリベンジできても姿が日替わりという性質上、脱がされたOに挽回の機会はない。
詳しくはチェスの項目に譲るが、チェスは勝ち損なう形での引き分けが非常に発生しやすい。
そうした状況でも問答無用でOの尊厳は犠牲になる。


  • Fに勝った場合
Fが対戦相手を称え、翌日の姿に関するリクエストを受け付ける。
このリクエスト対象は人型の見た目なら相手の正常・異常を問わず受け付けるが、死んでいるor存在しない場合は該当人物の模倣が不可能な旨を返答する。
つまり創作キャラの召喚や全裸化には多分使えない。残念だったな!
リクエストの受け付けが終わったら、対戦相手とFとの衣服交換が行われる。



それはそれとしてOは衣服が弾け飛んで全裸になる。








SCP-1604-JP

戦ったところで運命は変えられぬ






補足情報


問答無用に「毎日どこかで誰かを全裸にするチェスセット」な訳だが、経緯不明な衣服消失現象は1980年代には発生済みだった。アケゲーとどっちが早いか微妙
当時はKeterクラス超常現象として財団を悩ませていたようだが、
2008年7月9日に「GPS見たら未把握のブライト博士増えてる!」と発覚し、収容へと至った。
……首飾り(SCP-963)も増えてたはずなんだが……まあ首飾りしていない「ブライト博士」だった可能性もあるか。

財団の調査で取り合えず経緯は分かったのでEuclidに収まったついでに色々なことが副次的に判明した。

まず、上記の性質を踏まえた上で各国要人のリクエストを行った結果、その3%がリクエストできない(存在していない)と明らかになった。
97%は全裸になった。

さらに要注意団体の指導者や構成員のリクエストと支障なく通った団体とその数に関して情報が残されている。

  • アンダーソン・ロボティクス(28名)
高度な諜報力を持つ曲者GoIだが、哀しいかな最も多くの人員がこのオブジェクトで全裸となった。

  • カオス・インサージェンシー(18名)
財団を裏切った連中は全裸に。

チェス盤”を動かして悦に入るのが常のところを、チェス盤に弄ばされて全裸とはこれいかに。

ワーオ!どうやら今回はこのGoIは集団のようである。

全裸にされるのは彼ら自身だったようだ。

色々言いたいことが多すぎるが、どこまで脱げちゃったのやら。
なお、機械の皆さんはリクエストが通っていない模様。サイバーアップすると人形実体の範疇を超えるのだろうか?

日本支部の誇る傍迷惑モノづくりメンバーズも当然全裸に。
ミヨコだけ少ないのは規模の差によるものだろうか。

GoIフォーマット「眼鏡の女神」にもひん剥かれたギアーズの娘さんが登場する。
ヌードデビュー。

  • オネイロイ・コレクティブ(1名)
実在しないと全裸にできないとはなんだったのか。

  • 犀賀派(1名)
  • "博士"(1名)
チンケな模倣犯から多元宇宙の救世主まで、全裸にするだけならただのヒト。

定員10名の会員制k……全滅してんじゃねーか!


……このようにGoI構成員すら文字通り丸裸にする本オブジェクトは、決着時の衣服交換を活用して「どうせ脱げるんだし、所持品から情報でも集めるか」と機密情報奪取に利用されている。
まぁ、それなら勝敗はどっちでもいいわな。
なお時差などが絡んでたまにFが登場時点で全裸なことがあるようだが、そこらへんはもう諦めるしかないのだろう。
戦ったところで衣服が弾け飛ぶという運命は変えられないのだな。


余談

本オブジェクトの報告書はジャムコン2019の部門C参戦作であり、銀賞を獲得している。
変化をモチーフとして明快に組み上げられたオブジェクトと清々しいまでの全裸頼り
部門Cのテーマ「『なんだか狐につままれたような……』」にもしっかりと寄り添い高く評価されたが、
掟破りの全部門チャレンジに挑んだオブジェクトの登場によりジャムコン2019は混迷を極めることになり……


追記・修正は全ての衣服が弾け飛んでからお願いします。

CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-1604-JP - 戦ったところで運命は変えられぬ
by Zenigata
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1604-jp

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最終更新:2025年05月03日 09:59