ヴァンパイア・ロード/ヴァンパイアジェネシス(遊戯王OCG)

登録日:2022/06/11 Sat 16:08:07
更新日:2025/05/05 Mon 10:46:57
所要時間:約 7 分で読めます





《ヴァンパイア・ロード》及び《ヴァンパイアジェネシス》は遊戯王OCGに登場するモンスターカード。

概要

ヴァンパイア・ロード


ヴァンパイア・ロード

効果モンスター
星5/闇属性/アンデット族/攻2000/守1500
このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、
カードの種類(モンスター・魔法・罠)を宣言する。
相手は宣言された種類のカード1枚をデッキから墓地へ送る。
また、このカードが相手のカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、
次の自分のスタンバイフェイズ時にこのカードを墓地から特殊召喚する。

レベル5の上級モンスターではあるが、《ピラミッド・タートル》の効果でデッキから特殊召喚させることが可能。
手札に来てもアンデット族のため《ミイラの呼び声》など展開ギミックの恩恵にあずかることができる。
そのため意外にもフィールドに立たせやすい。

一つ目の効果は攻撃成功を条件にしたデッキ破壊
吸血鬼モチーフのアンデット族によく見られる効果だが、有効には働きづらいものになる。

デッキの破壊枚数は僅かに1枚なので、ライブラリアウトは狙いづらい。
加えてカードの種類は自分が選ぶものの、その中で墓地に落とすカードは相手が選ぶ。
当然ながら、相手にとって利がある選択が起きるので非常に危険。
最近は墓地から除外して効果を発動する魔法・罠カードも多く登場している点もマイナス。

もしこの効果を使うなら、《ヴァンパイア帝国》の効果トリガーにして効果破壊を狙う他ない。

もう一つの効果は、自己再生。
これにより相手の破壊効果を受けても、体制を立て直すことができる。

このカードが出た当時は、この効果により高い評価を得ていた。
当時主流の除去は《サンダー・ボルト》などの破壊を伴うものであったため、実質的な回避手段を持っていたことになる。
攻撃力も下級アタッカーの1900を上回るので戦闘で活躍させやすく、《ピラミッド・タートル》により呼び出すことも容易。
総じて隙のない優等生という性能。
イラストもイケメンの吸血鬼という耽美な物でイケメン好きにはたまらないものとなっている。
【アンデット族】に限らず汎用的な攻撃役モンスターとして幅広く使用されていた。
なお地味にフィールド以外での破壊でも効果が発動する。


その後は《サイバー・ドラゴン》登場を発端に、【スタンダード】でも徐々に採用を見送る事例が増える。


ヴァンパイアジェネシス


ヴァンパイアジェネシス

効果モンスター
星8/闇属性/アンデット族/攻3000/守2100
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に存在する「ヴァンパイア・ロード」1体を
ゲームから除外した場合のみ特殊召喚する事ができる。
1ターンに1度、手札からアンデット族モンスター1体を墓地に捨てる事で、
捨てたアンデット族モンスターよりレベルの低い
アンデット族モンスター1体を自分の墓地から選択して特殊召喚する。

《ヴァンパイア・ロード》を礎にして特殊召喚されるモンスター。

元々美形だった《ヴァンパイア・ロード》の面影は微塵も残っておらず、筋肉と強面が特徴のゴツいモンスターに変化した。

そして肝心の性能だが…お世辞にも優れたモンスターとは言いがたい。

一つ目の問題は、その召喚条件。
《ヴァンパイア・ロード》は上級ながら、フィールドに用意しやすいモンスターなのは前述の通り。
とは言え、《ヴァンパイア・ロード》の調達に加えて《ヴァンパイアジェネシス》の確保まで行うとなると、流石に簡単な話ではなくなる。

そして《ヴァンパイアジェネシス》は、特殊召喚モンスターの中でも自身の効果でしか特殊召喚ができないモンスターになる。
アンデット族お得意の蘇生ギミックのみならず、《ミイラの呼び声》などによる召喚行為すらできなくなる。

召喚の難度とは別にもう一つの問題を抱えている。
それは《ヴァンパイア・ロード》を除外してしまうこと。
墓地から蘇生を得意とするアンデット族、そして自己蘇生能力を持つ《ヴァンパイア・ロード》の強みを悉く潰したことになる。
単体性能が高い《ヴァンパイア・ロード》を消してしまうからには相応の見返りを求められる…ハズ。


そしてもう一つの問題、効果が弱いことにつながる。
その効果は手札コスト付きのアンデット族蘇生。
蘇生対象が手札コストに依存してしまうのも軽い話ではないが、もっと大きな話がある。
それは元々アンデット族は蘇生手段が腐るほどあるので、《ヴァンパイアジェネシス》に頼る必要がない点。

大体手札コストを呑んで蘇生させるなら、《ゾンビ・マスター》で事足りてしまう。
レベル5以上も蘇生できるとは言え、召喚難度という大きすぎるハンデの前に《ヴァンパイアジェネシス》の優位点は存在しない。

攻撃力3000を素で持っていることは明確な評価点。
当時アンデット族のメインアタッカーだった《闇より出でし絶望》より200高い。
たかがとされどの200であり、このお陰で青眼ラインに届くことができている。
それが召喚条件無しの《闇より出でし絶望》より優先させる理由になるかと言われると、口が吃るのだが。

そしてここまでの解説に出てきたカードは、ほぼ全て《ヴァンパイアジェネシス》登場当時のカードになる。
つまりカードプールが拡大した現代環境下で審査すれば、より厳しい評価になってしまう。
目の上のタンコブになるのは《死霊王 ドーハスーラ》。
アンデットワールド》前提ではあるものの自己再生効果持ちの2800打点、加えてデュエルを優位に進める制圧効果も持っている。
というよりは、《死霊王 ドーハスーラ》が多くの上級アンデットの立場を奪ったとも言える。

効果とステータスだけ見ればそこまで弱いカードではないものの、召喚条件という欠点を抱えたために実用圏外になってしまう。
この頃に散見された「格好と演出を優先させた、進化の手間と釣り合わない性能のカード」の一枚である。
後年、進化させたら明確に弱体化したという《ヴァンパイアジェネシス》もビックリのカードが登場するのはまた別の話。

とはいえ、ヴァンパイア自体はサポートカードが色々出てきているため、出すこと自体は容易となっている。
《ヴァンパイアの幽鬼》で《ヴァンパイアジェネシス》を手札に加えつつ《ヴァンパイアの使い魔》を墓地へ送る。
さらに《ヴァンパイアの使い魔》が《ヴァンパイアの幽鬼》をコストに自身を蘇生、《ヴァンパイア・ロード》を手札に加える。
最後に《ヴァンパイアの幽鬼》の墓地効果で《ヴァンパイア・ロード》をA召喚すれば良い。


アニメでの活躍

アニメ遊戯王デュエルモンスターズにて海馬が使用。
《ジャイアントウィルス》を生贄に生贄召喚され、デッキデス効果、自己再生効果共に使用されるというなかなかの扱いを受けた。
しかし2回目の自己再生の際には《奇跡の方舟》に収納され敵わなかった。
「墓地から特殊召喚」の効果は墓地にいないと発動できないという面もしっかりと再現されている。
スタッフの一人にこのカードのファンがいたのかやたらと作画も凝っており優遇されている。

アニメ遊戯王GXでも、セブンスターズが1人「カミューラ」が使用。
当時は《ヴァンパイア・ロード》の単体性能を評価されていたのだが、カミューラは《ヴァンパイア・ロード》を《ヴァンパイアジェネシス》の踏み台にしか使用していない。
そして《ヴァンパイアジェネシス》も、効果は三戦目で一回使ったくらいで基本的には高打点でごり押すだけの役目にしている。
カミューラの使用カード及びプレイングは良くも悪くも「雑に強い」ものが見受けられるが、これもその一枚である
(当時禁止カードだった《ブラック・ホール》と同じ効果を手札コスト1枚で使うフィールド魔法《不死の王国-ヘルヴァニア》、
相手モンスターを全破壊しつつデュエル中に特殊召喚されたモンスターを召喚条件無視して自分の場に出す通常魔法《幻魔の扉》など)。

またカミューラは《ヴァンパイアジェネシス》を名指しする永続魔法《ジェネシス・クライシス》を使用している。

ジェネシス・クライシス

永続魔法
自分フィールド上に「ヴァンパイアジェネシス」が存在しない場合、
このカードと自分フィールドのアンデット族モンスターを全て破壊する。
1ターンに1度、自分のデッキからアンデット族モンスター1体を手札に加える事ができる。

ノーコストでアンデット族をサーチできるものの、維持条件が重い欠点を持っている。


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最終更新:2025年05月05日 10:46