闇より出でし絶望(遊戯王OCG)

登録日:2022/05/18 (水) 00:44:14
更新日:2024/01/29 Mon 10:38:30
所要時間:約 5 分で読めます





闇より出でし絶望

効果モンスター
星8/闇属性/アンデット族/攻2800/守3000
(1):このカードが相手の効果で手札・デッキから墓地へ送られた場合に発動する。
このカードを特殊召喚する。

《闇より出でし絶望》とは、遊戯王OCGに存在するモンスターカードである。
「ガーディアンの力」にて初収録。
通称「絶望先生」。(これについては後述)

概要

墓石が並ぶ暗闇から姿を見せる、悍ましいお化けのモンスター。
ゴツゴツと棘が多い紫色の腕と巨大な図体、そして恐ろしい表情が特徴的。
イラストでは上半身しか写っていないものの、一騎加勢や立ちはだかる強敵では脚も含めた全身が写っている。
そのイラストによると、胴体や脚部分も非常に筋肉質になっていることが分かる。


召喚制限の無いアンデット族でありながら高いステータス値を持っている。
とはいえ現代では《青眼の白龍》と同等の攻撃力を持つモンスターを出す手間もかなり少ないので、《闇より出でし絶望》のステータスも盲信できない。

その効果は、相手の効果でデッキ・手札から墓地に送られた時の自己特殊召喚効果。所謂他TCGで言う所のマッドネスに近い効果を持っている。
相手の手札破壊デッキ破壊に対するメタカードになる。
現に双子悪魔が現役の時は、効果による除去がまだ少なかったこともありメタとして機能していた。
他の例としてはエラッタ前の死のデッキ破壊ウイルスや《混沌帝龍-終焉の使者-》、
相手の【デミスドーザー】に対して発動し、一矢報いたという事例もあるそうな。

能動的にこの効果を使う方法として《暗黒界の導師セルリ》や【絶望タワー】が挙げられる。
墓地送り効果モンスターを相手に送り付けるので、相手の効果で墓地に送られた扱いになり特殊召喚が可能になる。

まぁぶっちゃけ登場当初からして発動する機会が多かったわけでもないので効果はほぼおまけのようなものとして扱われ、召喚制限がなくステータス値が高いアンデット族という点が効果以上に注目される。
ミイラの呼び声》や《生者の書-禁断の呪術-》を始めとする豊富なサポートカードを駆使して簡単に現れる高打点モンスターとして、このカードは一定の需要を得ていた*1
当時のアンデット族は展開/蘇生ギミックは一流でも、切り札役が不在という状況だったため手軽なアタッカーという役目は重要であり、《竜骨鬼》と並んで初期のアンデットデッキの優秀なアタッカーだった。
数パック剥けばすんなり出てくるノーマルカードであったこともあり、資金の捻出が難しかった小・中学生にとっても切り札と言えるモンスターなのだ。
そんな事情も重なり、このカードはデュエリスト諸兄から尊敬を集め、当時流行っていたこの漫画のネタも絡めて絶望「先生」とまで呼ばれている。

残念ながら今では、手札破壊・デッキ破壊のメタカードとしての立場は厳しくなっている。
両方に共通して「中途半端は大した被害にならない、最悪利敵」「なので徹底的にやるしかない」という理屈が根底にある。
デッキ破壊であれば1ターンで空にしてしまう、手札破壊であれば少なくとも1ターンで3枚以上の破壊は狙ってくるだろう。
それに対抗するカードが「特に効果もない攻撃2800/守備3000の木偶の坊」では、とても力不足。
デッキ破壊は戦闘を介さないので高ステータスの意味がなく、手札破壊でリソースを消された場合の凌ぎ手段としても心許ない。

相手ターン限定とはいえ、デッキ破壊・手札破壊に反応して相手のターンをスキップする《ネコマネキング》の方がよっぽど抑止力になる。


ではアンデット族デッキのアタッカーという立場で言うと、さらに厳しい立場に置かれている。
《闇より出でし絶望》の登場から5年後のシンクロ召喚導入により、EXデッキから切り札モンスターを出す流れがより活発になる。
展開力の高いアンデット族はシンクロ召喚への適応も早く、切り札のシンクロモンスターを自在に使いこなしてみせた。
切り札役を外部から委託できたため、この時点で《闇より出でし絶望》の出番が大きく減ってしまう。

そしてさらに時が経過すると、切り札役を任せられるアンデット族が多数登場する。
筆頭となるカードは《死霊王 ドーハスーラ》。
アンデットワールド》との併用が前提にはなるものの、攻撃力2800と高い盤面影響力を持ち、デュエルを優位に進める能力を持っている。

すっかりアンデット族デッキがねび整ったこともあり、現在では出番はほぼ無いといっていい。

関連カード

  • 闇よりの恐怖
同じ効果を持つ下級モンスター。
しかし上位にあたる《闇より出でし絶望》と同じ特殊召喚効果ではステータスに劣るこちらを出すメリットは薄く、
リリースなしで召喚できる下級モンスターとしても攻撃力1700とアタッカーには心許ないステータス。
アンデットの下級モンスターというくくりでは競合相手の多さは《闇より出でし絶望》以上であり、
《闇より出でし絶望》の採用率が低い今、こちらも採用する意義はほぼないだろう。
なおこのカード、《闇より出でし絶望》と同じパックでの登場だが、何故かあちらがノーマルに対してこちらがレアでの収録。
しかもあちらと違って再録の機会がないので、ある意味貴重なカードと化している。

  • 立ちはだかる強敵
同パックで登場した罠カード。
攻撃反応型で、相手の攻撃対象をこちらのモンスター1体に指定して強制攻撃させる。
効果そのものに関連はないが、イラストに《闇より出でし絶望》の全身図が描かれている。
元のカードでは下半身が見えなかったが、どうやら二足歩行するようだ。
なおこれに立ち向かっているのは、あの《切り込み隊長》。
確かに《切り込み隊長》のステータスでは、《闇より出でし絶望》は「強敵」であろう。

アニメの活躍

アニメGXでは万丈目とカミューラが使用…手札コストとして。
万丈目はアームド・ドラゴンの、カミューラは《ヴァンパイアジェネシス》の手札コストにしていた*2
【アンデット族】の使い手であるカミューラは兎も角、【アームド・ドラゴン】と一切シナジーが無い万丈目の使用には疑問符が付く。
この辺りは、空きスロットに適当なカードを入れた編成の都合もあったのかもしれない*3


遊戯王VRAINSではGXでの扱いから一転して、レギュラーキャラの穂村尊にとっての因縁のカードとして登場。
しかも初登場回はサブタイトルそのままに「闇より出でし絶望」である。

本編10年前に起きたロスト事件。
被害者の1人である穂村尊は、この《闇より出でし絶望》に何度も敗れたことが原因でトラウマを抱えていた。

攻撃力2800というデュエルの都合の他にも、
誘拐され半年も独りでいた中で、身の毛もよだつ怪物にVRで襲われ、
敗北ペナルティの虐待まで発生したとなれば当然のことだろう。

デュエル描写の出番は、まず尊が遊作と会う前の「尊vs水沼」にて水沼が使用。
フィールド魔法《闇の淵》でサーチした後に《ミイラの呼び声》で特殊召喚、
そのまま《スカル・コンダクター》との波状攻撃で一度は尊の場を壊滅に追いやる。
その後は《ライジング・オブ・ファイア》の効果で除外、攻撃力分の効果ダメージを受けて水沼は敗北した。

《闇より出でし絶望》を召喚された直後の尊はトラウマが再発し、戦意喪失まで追い込まれるも勝利。
そしてこの一件で、尊はトラウマを克服している。

つづいては「尊/Soulburner vs ブラッドシェパード」にてブラッドシェパードが使用。
デュエルの前に尊の記憶にハッキングすることで、《闇より出でし絶望》のトラウマという情報を獲得したことで使用している。

機械族デッキでシナジー皆無の【ドローン】デッキに入れてどうするんだ…と視聴者は不安視していたものの
  1. 装備モンスターと同名のカードをサーチする装備魔法を駆使して、手札に《デュプリケート・ドローン》をためます
  2. 罠カード《3Dバイオスキャナー》を発動します
    この罠カードは、手札の同名機械族モンスター3枚を見せることが発動条件です
  3. デッキから機械族以外のモンスターを特殊召喚できます
    その効果で《闇より出でし絶望》を特殊召喚します
  4. 更にフィールドのモンスター1体と各種ステータス・外見を複製する《デュプリケート・ドローン》を三枚並べることで
    《闇より出でし絶望》を三体分表示させます。

という合理的なプレイングで、3つの《闇より出でし絶望》を出現させることに成功している。
流石はバウンティハンターといったところか。

実際は上記の通りトラウマをすでに克服していたのでサレンダーは誘えず、《ライジング・オブ・ファイア》にてまとめて除外されている。

なお、『VRAINS』で何度も登場したことにより
攻撃方法が「単純な引っ掻き」「指先からビーム」と判明している。


追記・修正は、「ドローン」デッキにこのカードを入れて相手を絶望させようとしたが返り討ちに遭った人にお願いします。

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最終更新:2024年01月29日 10:38

*1 あれ?《馬頭鬼》は?と思われるかも知れないが当時の《馬頭鬼》の値段と入手難易度は現在の比ではなかった(韓国語版は安価で入手も容易だっだが)上に登場直後にシンクロ召喚が実装されたので《馬頭鬼》を3積みできるようなプレイヤーはまずこのカードを使う事はなかったと言っても良い。

*2 カミューラはコストにする前に決着がついたが。

*3 十代戦はとにかく、黒蠍戦は相手がハンデス効果を持っているので対策として入っていたのかもしれない。