CNo.92 偽骸虚龍 Heart-eartH Chaos Dragon

登録日:2014/04/03 Thu 08:38:18
更新日:2025/04/07 Mon 20:06:51
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《CNo.92 偽骸虚龍(ぎがいきょりゅう) Heart-eartH Chaos Dragon(ハートアース カオス ドラゴン)》とは、
遊戯王ZEXALⅡにて登場した闇属性・ドラゴン族のXモンスターである。


【概要】

No.96が使用したカオスナンバーズ。
正確なテキストは不明。
アニメで使った効果は
  • 1ターンに1度、カオス・オーバーレイ・ユニットを1つ使い、エンドフェイズまで相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター・魔法・罠の効果を無効にし、さらにセットしたカードの発動を封じる効果
  • そのターンに相手に与えた戦闘ダメージの合計分、自分のライフを回復する効果

を持つことが分かっていた。
ここに加えてNo.の共通耐性は確実についていただろう。

また作中ではこのターン、《CNo.39 希望皇ホープレイ》には《希望の鼓動》の効果によって効果の対象に出来ない耐性を得ていたため、
仮に相手ターンに相手モンスターを対象にする効果があった場合は、その耐性故に発動できなかった可能性も考えられる。


ZEXAL1期にてDr.フェイカーのエースモンスターであった《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》がカオス化した姿。
効果の詳細が不明だったため、OCG化に際し相当強力なカードになるのではないかと淡い希望を持つ決闘者もいた。
だって、「神」じゃなくなってるし。



そして、LEGACY OF THE VALIANTにてCNo.69と共にOCG化された。
その驚くべき効果は

【効果・ステータス】
エクシーズ・効果モンスター
ランク10/闇属性/ドラゴン族/攻1000/守 0
レベル10モンスター×4
(1):このカードは戦闘では破壊されない。
(2):自分のモンスターが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。
その数値分だけ自分のLPを回復する。
(3):このカードが「No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon」をX素材としている場合、以下の効果を得る。
●1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
相手フィールドの全ての表側表示のカードの効果はターン終了時まで無効化される。
この効果の発動と効果は無効化されない。

……………


ちなみにランクアップ前はこちら
エクシーズ・効果モンスター
ランク9/闇属性/ドラゴン族/攻 0/守 0
レベル9モンスター×3
(1):このカードは戦闘では破壊されず、このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける
(2):相手エンドフェイズにこのカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
このターンに召喚・特殊召喚・セットされた相手フィールドのカードを全て除外する。
(3):X素材を持っているこのカードが破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
(4):このカードが自身の効果で特殊召喚した場合に発動する。
このカードの攻撃力は除外されているカードの数×1000アップする。

…………………

まず、アニメ版との違いは

⚫︎相手の表側表示のカードの効果を無効・セットカードの発動を封じる効果が、表側表示カードの効果を無効にするだけになった。

かなりの弱体化。正直、《RUM-ヌメロン・フォース》でおk としか言いようが無い。
あちらと違って自分のカードは無効にしないで済むが、このカードの素材が重すぎて他のモンスターを出す余裕がないので利点になっていない。
せめてフリーチェーンだったり、永続効果だったらまだ使い様はあったかもしれない。
一応、無効化されないと言う強みはある。

⚫︎回復効果の処理がダメージが入る度に入るようになった。

これはあまり気にならないだろう。
強いて言えば、【キュアバーン】において《ビッグバンガール》の効果が連続で使えるぐらいだろう。


次にランクアップ前との違いに移る。


⚫︎自分の戦闘ダメージに関する効果が味方全員にも及ぶ
これは素直に強化と言っていい。
そもそも他の味方モンスターに及んでくれないと、次の効果に意味が何もないが……


⚫︎戦闘ダメージを相手に押し付ける効果が、与えたダメージ分回復する効果に変更。+自分への戦闘ダメージを無効化できなくなる。
絶望その1
このカードの攻撃力はたったの1000である。
そこらの下級モンスターすら倒せないこいつで戦闘ダメージを与えるのは絶望的である。
他のモンスターで殴るにしても大変だし、そこまでしてもライフの回復量はたかがしれている。ライフ回復が目的なら他にいくらでもマシな手がある。

また、ダメージを押し付けられないので自分は普通にダメージを受けてしまう上、低攻撃力のためサンドバッグにされてしまう。
進化前は逆に相手をサンドバッグにできたのだが……

守備力は0なものの戦闘では破壊されないため守備表示にしておけば壁にはなるが、同じ事が《マシュマロン》などの下級モンスターにもできるし進化前でもできる。
そしてこちらは貫通効果持ちのモンスターにサンドバッグにされるが、進化前は性質上サンドバッグにすると痛い目に遭うためできない。


⚫︎素材を使用する効果が、相手がターン中に出したカードを除外する効果→相手の表側表示のカードを無効にする効果に変更。
絶望その2
元が発動条件が難しくもロマン溢れる効果だったのが、《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》からのランクアップという更なる難易度を引っさげて別物化した。
《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》自体出しやすいとは言えないのにそこからランクアップしないと使えないという、冗談のような縛りをつけたのにもかかわらず、
「《RUM-ヌメロン・フォース》使えば良くね?」と言わんばかりの効果……
カードを除外出来ない状況などこちらの効果の方が役に立つ場合もあるものの、正直、手間に見合わない効果ではある。
発動と効果が無効にされないため強い効果ではあるが、召喚条件に対しての恩恵は少なすぎる。
そもそも無効化したところでこいつの戦闘に関する能力が低すぎるので単体ではどうにもならない。

⚫︎自己再生・自己強化効果が無くなった
絶望その3
戦闘破壊こそされないものの低攻撃力でサンドバッグになりやすく、出しにくいのに効果破壊に対する耐性も無い。
だから何らかのフォローがあってもいいと思うのに
何もなし
せめてどちらか一方ぐらいはつけてもらいたかったものである。

レベル9×3+RUM(又はレベル10×4)を要求しておいてコイツ単体ではほぼ何もできないに等しい。
効果そのものにボードアドバンテージを取れる効果が一切なく、攻撃力が低すぎるため戦闘によってボードアドバンテージを取りに行くことも困難。
ついでに言えば条件の割に効果耐性もなく場持ちも悪い。

こいつの横に他のモンスターを据えて戦うサポート向けのモンスターではあるが、
こんなクソ重い奴を出して隣にアタッカーを更に並べろと言うのは無茶な話である。

サポート役としても召喚条件に見合った強力さかと言われれば答えはNOだろう。
悪い効果ではないため召喚条件がもっと軽いものであれば使えたかもしれないが、いくらなんでも重すぎるのである。

というか召喚条件自体がかなり難しく構築段階でこいつにほぼ全てを捧げないといけないので、
決着をつけられるフィニッシャーや場を制圧するエースクラスの能力が欲しいのだが……結局のところ



ランクアップ前より弱体化しているじゃねえか!



No.53 偽骸神 Heart-eartH》の効果等を使えば《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》は比較的容易に出せる為、決して召喚できないモンスターではない。
しかし、それにしてもアドを捧げた結果で元となるモンスターよりも弱いのは問題である。

正直、どこぞの虚構王の方が出しやすい分上かもしれない……
一応「闇属性」「ドラゴン族」であり「CNo.」の名前を持っているのでサポートに関してはあちらよりマシで救済される余地はある。

ヲー「仲間が出来たと聞いて」(後に一応脱退)
アッー♂ミタイル「歓迎しよう、盛大にな」
凍らせたオデン「\(ゴ)/」
ヌシニクル「何、気にすることはない」
コストリスク「他人の気がしない」


しかも、上記の弱体化された連中は
作中ではチート過ぎて&そのまま実用化されると悪用されるからOCG化の際に仕方なく弱体化されたのである。
一部を除いて弱体化され方が酷いのは置いといて

しかしながらこの《CNo.92 偽骸虚龍 Heart-eartH Chaos Dragon》、作中でも発揮した効果自体あまり強いものではなかったのに
さらに弱体化された
その点で言うならこちらの方がもっと酷い目に遭っている。

まあ、ある程度は再現されてるので特殊召喚ができず不死鳥(笑)となってしまったヲーや、
元々もそんなに強くなかったのに何故か弱体化した挙句、攻撃力の算出方法がおかしなことになったコストリスクよりはマシかもしれない。

立ち位置上、ファンデッキにも使用されにくい。
Dr.フェイカーの切り札はあくまで相応の性能を持つ《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》である。
また、このカードを使用したNo.96もこのカード以外にメインとなる《No.96 ブラック・ミスト》というモンスターが存在するし、No.69も一応ある。
彼らのデッキを再現したファンデッキにもこのカードはほぼ使われないのである。

このカードに直接重ねてX召喚出来る、《No.84 ペイン・ゲイナー》と《No.77 ザ・セブン・シンズ》が存在するものの、
《No.77 ザ・セブン・シンズ》は《RR-アルティメット・ファルコン》や《No.84 ペイン・ゲイナー》にも重ねられ、
《No.84 ペイン・ゲイナー》はX素材を2個以上持った闇属性Xならランク8~10にも重ねられる上、
どちらのX素材にもなれる《No.35 ラベノス・タランチュラ》とがいる為、無理して《CNo.92 偽骸虚龍 Heart-eartH Chaos Dragon》を出す必要がない。
しかもこの3種類のエクシーズは同じPREMIUM PACK 18に収録されたので揃えるのは簡単である。


唯一挙げられるこのカードの良いところは厨二心をくすぐられるイラストアド
イラストに関してはランクアップ前の《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》と共に、ZEXALで最もカッコいいカードとして名前が挙がる。

全体的に白くなり、骸骨を思わせる風貌
胴体部分にヒビ割れた球体があり、それを覆う肋骨の様なもの
球体の亀裂や各部から覗く赤い

とまるで冥界の王さながらの迫力である。
(天)「呼んだ?」

ちなみに、胴部分の右側に自身のナンバーである「92」が書かれている。

ついでにレアなので入手自体は簡単。


【考察】

とは言え、全く使い道がないわけではない。どんなカードも使いようである。
そのためには、以下の問題点を克服しなければならない。

⚫︎召喚難易度
素で出そうにもレベル10×4と途轍もない難易度なのでランクアップで出す方法を模索すべきだろうが、
現状のランク9はCNo.とCXを除くと、ランクアップ前と《No.9 天蓋星ダイソン・スフィア》と《幻子力空母エンタープラズニル》の3種類しかない。

しかし、現状《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》は出しやすいとは言えず、弱くなるのにわざわざ出す必要はないので他の連中から出すのが好ましい。
だが、ランクアップするなら前者は《CNo.9 天蓋妖星カオス・ダイソン・スフィア》を出した方がいいし、後者も自身の効果を使った方がいいのでランクアップさせる必要があまりない。

一応、召喚しやすいレベル10モンスターと展開力のあるデッキと組み合わせて、
《ギャラクシー・クイーンズ・ライト》でレベルを揃え、普通にX召喚するやり方もある。

例えば代行天使に《堕天使ディザイア》を入れたり、おジャマによく入る《天穹覇龍ドラゴアセンション》に対して使えば出せないことはない。
でも、レベル10が4体も揃ったら《超弩級砲塔列車グスタフ・マックス》が2体も出せる。
2000×2の4000ダメージは圧巻である。

最近では《RUM-ソウル・シェイブ・フォース》や《RUM-デス・ダブル・フォース》と言ったRUMを擁するRRが出しやすくなったものの、
こんなん出すぐらいなら切り札の《RR-アルティメット・ファルコン》を出すべきであり、残念ながら採用の余地もない。

なので、マジメに出すなら《No.78 ナンバーズ・アーカイブ》か…《No.97 龍影神ドラッグラビオン》《No.99 希望皇ホープドラグナー》を使うべきだろう。
特に後ろ2つは《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》をX素材にしたこのカードを召喚できたり、
《No.97 龍影神ドラッグラビオン》なら自身に《RUM-アストラル・フォース》を使っても出せ、《No.99 希望皇ホープドラグナー》なら3000打点と相手モンスターの攻撃力0化を生かして横に並べる攻撃役を兼ねた防御役にもなれる…
と、劇的にサポートをしてくれる。問題は別にこのカードを出さなくても《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》を始めとした他の候補がいくらでもあることだが


⚫︎効果を活かせない低攻撃力
たった1000ではダイレクトアタックしたところで1000しか回復出来ずかなりしょっぱい。

そこで、以下のカードを活用してみる。

エクシーズ・ユニット

装備魔法
エクシーズモンスターにのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力は、装備モンスターのランク×200ポイントアップする。
また、自分フィールド上の装備モンスターがエクシーズ素材を取り除いて効果を発動する場合、
このカードは取り除くエクシーズ素材の1つとして扱う事ができる。

エクシーズ・テリトリー

フィールド魔法
エクシーズモンスターがモンスターと戦闘を行うダメージ計算時のみ、
そのエクシーズモンスターの攻撃力・守備力はそのランクの数×200ポイントアップする。
フィールド上のこのカードがカードの効果によって破壊される場合、
代わりに自分フィールド上のエクシーズ素材を1つ取り除く事ができる。

エクシーズ・トライバル

永続罠
このカードがフィールド上に存在する限り、
フィールド上のエクシーズ素材を2つ以上持ったエクシーズモンスターは、カードの効果では破壊されない。
また、自分フィールド上のエクシーズ素材を2つ以上持ったエクシーズモンスターと戦闘を行った相手モンスターをダメージ計算後に破壊する。


《エクシーズ・ユニット》と《エクシーズ・テリトリー》はそれぞれこのカードの攻撃力を2000上げる事が出来、同時に使用すればなんと
5000
まで引き上げられる。

さらに、《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》からランクアップしてなければ素材を使う効果がないため、
《エクシーズ・テリトリー》を保護することも可能なため相性もいい上、トライバルによって破壊耐性も得られる。

上記3枚は《ジェネレーション・フォース》でサーチ出来る上、《エクシーズ・ユニット》は《アームズ・ホール》、テリトリーは《テラ・フォーミング》でもサーチ可能。

攻撃力5000の完全破壊耐性・回復効果持ちが、こちらも完全破壊耐性持ちを出さなければ防げない攻撃を仕掛けて来る様は
まさに冥界の王
と呼ぶに相応しいだろう。
(天)「⊃天⊂」 ←やめなさい
ボスに力を与えている物を破壊して弱体化させて倒す、ってRPGみたいとか禁句な


上手く使えばかなりのライフアドが手に入るので、《エンシェント・ホーリー・ワイバーン》等と組ませてもいいと思われる。

また、ランクアップ前と組ませると
セットカードに無力なCNo.92をNo.92が除外して守る
No.92では対処できない永続魔法・罠をCNo.92が封殺
No.92がダメージ押し付けてCNo.92のライフ回復を誘発
と、言った具合にお互いを補完し合う形で戦えるのである。
同時に揃えるのはほぼ不可能?愛で補え


ちなみに、上の方でちらっと話題に出た《No.35 ラベノス・タランチュラ》とは結構なシナジーを形成する。
《No.35 ラベノス・タランチュラ》の効果でライフ差がそのまんま攻撃力に変わるため、ダメージを与えても受けても、ライフ差が広がれば攻撃力は上がり、ダメージを与えればこっちの効果でライフが回復してさらに差が広がる、と一転して多大な破壊力を得ることになるのだ。

スキルドレイン》を張られればもちろん瓦解するが、偽骸虚龍の無効効果はカウンターも無効化もされないのですり抜けられる。
《No.35 ラベノス・タランチュラ》の強化効果は素材がなくても適用されるので、向こうを蘇生・帰還させてもコンボが成立する。
また《No.78 ナンバーズ・アーカイブ》の効果はX召喚扱いになり蘇生制限をクリアするので、帰還・蘇生系のカードとも絡めやすい。



【アニメでの活躍】

「遊馬vsNo.96」戦においてNo.96が使用。

アニメオリジナルのフィールド魔法「カオス・フィールド」の効果で、
遊馬のエクストラデッキから《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》がカオスエクシーズ・チェンジされた。

効果により遊馬が発動した《炎の護封剣》を無効にし、バトルフェイズ終了時に遊馬が受けた戦闘ダメージの数値だけライフを回復した。

その後、《ZW-極星神馬聖鎧》と《ZW-阿修羅副腕》を装備した《CNo.39 希望皇ホープレイ》に戦闘破壊された。
言うまでもなくアニメ版でも、というかアニメ版は《No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon》がチート極まりない効果を持っている為、
ぶっちゃけカオス化という名の弱体化である
同じカオス化という名の弱体化は《CNo.69 紋章死神カオス・オブ・アームズ》があるがあちらはネタとは無縁な実用性がある。
この差はいったい……。


追記修正は《カオス・フィールド》のOCG化か、ランク8の闇属性・ドラゴン族エクシーズが出るのを祈りながらお願いします。


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最終更新:2025年04月07日 20:06