サメゾン サメとゾンビとなんでも屋

登録日:2022/06/23 (木) 00:56:58
更新日:2024/10/07 Mon 18:01:48
所要時間:約 4 分で読めます






超B級だから超最高!!!




『サメゾン サメとゾンビとなんでも屋』とは、山内コウタロウによる漫画作品。
2022年6月15日から2024年2月21日まで『コロコロコミック』のwebサービス『週刊コロコロコミック』にて連載されており、毎週水曜日に更新されていた。

●目次

概要

本作の原型は『別冊コロコロコミックSpecial』2021年10月号で開催された「ミラコログランプリ 夏」における読み切り作品『クロリンZ』。
ミラコログランプリでトップの人気を得たことから月刊本誌でも読み切りが掲載された。
その後しばらくは動きがなかったのだが、週刊コロコロコミックにおいてタイトル名や一部設定を変えた『サメゾン』として連載が開始された経緯がある。
ちなみに、ミラコロ参加作品が週刊コロコロコミックで連載されるのは『天才犬レオ』に続いて2作目。

作品内容は突然変異でゾンビと化したサメによって引きおこった滅亡後の日本を舞台にした世紀末アクション漫画。
サメやゾンビと言う題材から分かるように「B級」的な設定や何処かで見たことのある要素が目立つのだが、そのB級臭さを逆に売りにしているという作品である。
ちなみに、プロトタイプの『クロリンZ』の時点ではサメの設定はなかったため、連載に至ってB級映画らしさを増すために改変されたのだと推測される。

あらすじ

突然変異したサメから発生した怪物「サメゾンビ」によって日本が滅亡してから921日が経過した。
沖縄県の某所でなんでも屋を経営する少年・カルビは、サメの骨を被って楽し気な雰囲気の少女・リンと出会う。
北海道に向かうはずが母親とはぐれたというリンの境遇を聞くも、依頼料が用意できない彼女を送り届けることを拒否するカルビ。
しかし、依頼が出来ずとも健気なリンの様子に気まずさを感じたカルビは、「北海道に向かう最中にリンに肉を狩って貰うことでそれを依頼料とする」という条件を提示して契約を成立させる。

沖縄県からリンの母親がいるはずの北海道に向かうための2人の日本縦断の旅が始まるのだった…。

主な登場人物

  • カルビ
本作の主人公の少年。かなりの肉好きで「肉神」という神を拝んでおり、沖縄県で肉を依頼料にしたなんでも屋を経営していた。
敬語口調でマイペースな雰囲気の人物だが、北海道と沖縄の距離に関して津軽海峡の存在を把握していないような発言をするなど頭はそこまで良くない。
一方でリンの母親探しを最初は拒否しながらも気まずさを感じて特別な条件で引き受けるなど、根は善人のようだが、リンがサメゾンビに噛まれた際には即座に腕を切り落とそうとするなど冷酷にも見える行動を取ることもある*1
なんでも屋として依頼を進める最中で身体能力が驚異的なまでに上がり、海上を強引に走る脚力やサメゾンビを簡単に葬れる腕力を得るまでに成長している。

  • リン
本作のヒロインの少女。本来は母親と北海道に渡る予定だったが、フナ虫と遊んでいる最中に船に乗り遅れて沖縄県に取り残された。
サメゾンビが襲ってこないという理由でサメの骨を頭に被るが、実際には効果はなくても本人は乗り切れていると思い込んでいる。
幼いことを考慮しても頭が良くないと思われる発言が目立つが、基本的には明るい性格でリアクション豊かな人物。
とある別の漫画キャラクターに似たような部分があるという声も
広島県でついにサメゾンビに噛まれてしまうが、何故かサメゾンビにはならないという事実が判明した。本当にただの迷子になっただけの少女なのだろうか…?

  • ハンサムボス
鹿児島県盗賊集団を設立して率いている男性。トサカが特徴的な容姿でナルシスト
盗賊の長なだけあるのか、一般的なサメゾンビ単体ならば撃退できるほどの戦闘力は持っている。
カルビを容赦なく殺害しようとする短気さやサメゾンビに噛まれた部下を冷徹に切り捨てる判断力を持つ。
一方で自身を見捨てた部下に恨みを持たないどころか心配したり、結果的にサンドサメゾンビの撃退を依頼することになったカルビ達にアドバイスを送るなどの面倒見の良さもある。

  • 黒刃音緒
福岡県で全てのサメゾンビにを奏でる闇のマエストロを自称して活動している自称最強のサメハンター。
ナルシストで言動があまりにも痛々しいためにカルビからは中二病と認定される。
サメゾンビを狩る実力自体は本物で、「1号」「2号」と名付けた2体のサメゾンビを使役している。
総長ヤンキーサメゾンビとの戦いで苦戦して1号と2号も消されるなど絶体絶命に追い込まれるが、カルビに救われる。

  • マネダ町長
黒刃と別れた後のカルビが訪れた港町を支配している町長。
当初は街の壁を破壊したカルビからゴールドによる支払いを要求するが、カルビの怪力を見て利用できると考えて漁代の取り立てのための用心棒として雇う。
「鼻が長いほど偉い」という持論で整形で長い鼻を得ており、無理やりカルビに鼻を更に引き伸ばされてしまったり、リンにワインをかけられるなどの事態に合っても逆に気に入る天然な一面もある。
取り立てに向かう最中に奇襲をしてきたハンマーヘッドサメゾンビに殴られても生きているなど生命力も高かったが、カルビが戦闘している間にサメゾンビからの逃走を試みた瞬間に捕食されて死亡した。

  • ロッキン
広島県で活動しているロック歌手の男性。1年前のライブ中にカルビに偶然助けられたことから彼の友人兼ライバルを自称する。
激しいテンションで歌って踊る癖があることからカルビに「鬼ウザい」と評されているが、「スターの仕事は困っている人を救うこと」という思想から広島県ではボランティアでサメゾンビの退治を行っているなど根は善良な人物であり、むしろカルビやリンの異常さに冷静にツッコむシーンが多い。

主な用語

◇サメゾンビ

本作における敵。サメの頭と人の胴体が合体したような奇妙な外観を持つ不死の怪物。
本編3年前に突然変異を起こしたサメに噛み付かれた人間がサメゾンビ化し、サメゾンビに噛まれた人間もサメゾンビになる性質から日本全国がサメゾンビの巣窟と化して国家滅亡の原因となった。
人間だけではなく野球ボールといった生命体ですらない存在ですらも噛まれればサメゾンビとして覚醒するというとんでもない感染力を誇る。
多くの派生種が存在しているようで、ボス個体として通常のサメゾンビよりも身体と戦闘力が強化された「メガサメゾンビ」などが存在する。
噛まれた人間の身体能力によっても戦闘力が変動し、捕食した存在の装飾品を反映した派生種に進化するなどの生態を持っていることが確認されている。
公式Twitterによると、コバンザメのサメゾンビもいる*2が、コバンザメは本来はサメ類ではないことについては「まっいいかーって思って描いた」とのこと。

◇Zラジオ

カルビがファンとなっているラジオ。運営者は不明だが、日本滅亡後のラジオの割にはパーソナリティのノリは明るい。
サメゾンビの特集を行っており、カルビの情報源となっている。

◇なんでも屋

カルビが経営している便利屋。沖縄県に店舗が置かれており、引っ越しから玩具作成まで受け付けている。
肉のために始めた事業なので、依頼料は金銭ではなくて肉一つ。カルビの身体能力を考えればお得なような気がする。
リンを北海道に送ることが決まってからは、カルビの腕力によって店舗が無理矢理折り畳む形で撤収された末にリュックに強引に詰め込まれた
カルビの発言から依頼主が来ない状況が続いていると思われるが、そもそもカルビの身体が鍛えられた理由を考えると依頼する人は開店後から現在まで全くいなかったという訳ではないと考えられる。

◇サメゾンビハンター

「カンパニー」と呼ばれる資金源も設立者も一切不明な謎の会社で働いている存在。
カンパニーはサメゾンビを倒せば食料や車などの報酬を提供しており、それを目的としてサメゾンビの抹殺を企む賞金稼ぎがサメゾンビハンターと呼ばれているようだ。
カンパニーはサメゾンビハンターとして認定されている人物にしか報酬を払わないため、実質的にサメゾンビハンターと同じようにサメゾンビを狩り続けているカルビなどに対しては報酬は提供されることはない。




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最終更新:2024年10月07日 18:01

*1 ただし、これはサメゾンビに噛まれたら事実上人間として死ぬという現実を考えれば、判断自体は別に間違いとも言えないのだが。

*2 第1話でカルビを襲ったサメゾンビ