マザルガス(ウルトラ怪獣)

登録日:2022/07/04 Mon 11:49:47
更新日:2022/07/24 Sun 14:14:16
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あの怪獣…カオスヘッダーを食べちゃってる!!

天敵怪獣 マザルガスは、『ウルトラマンコスモス』第51話「カオスの敵」に登場する怪獣。
本項目では51話の内容とカオスヘッダーに取り憑かれた姿であるカオスマザルガス、そして体内に宿す酵素であり、カオスヘッダーに対する最大の武器とも言えるカオスキメラが物語の中で果たした役割についても紹介する。


天敵怪獣 マザルガス

身長:58m
体重:7万5千t
出現地:芹沢ニュータウン 建設予定地
球体となって宇宙から現れた、キノコのような特徴的な頭部の口と鳥を思わせる嘴を併せ持つ怪獣。
口からは空中で雨のように拡散される光弾・マザルボムを放つことができる上に、最大の特徴として体内にカオスヘッダーを消化するカオスキメラという酵素を持ち、カオスヘッダーに取り憑かれるどころか逆に食べてしまう。
この性質からカオスヘッダーにとっては天敵とも言える怪獣なのだが、逆に言えば体内のカオスキメラを失うとカオスヘッダーへの抵抗力を無くしてしまう。

カオスマザルガス

身長:60m
体重:7万5千t
出現地:防衛軍施設 弾薬倉庫前
体内のカオスキメラを破壊されたマザルガスがカオスヘッダーに取り憑かれた姿。
カオスヘッダーに取り憑かれた影響により頭部にトサカのような棘が生え、頭突きや長い尻尾を武器に攻撃を繰り出す。

話の流れ

51話冒頭

突如として現れたカオスヘッダー
TEAM EYESはフブキの搭乗するテックスピナー1号・シノブの搭乗する2号・ムサシとドイガキの搭乗するテックサンダー4号の3機で出撃し、カオスヘッダーを迎え撃つ。
その時、宇宙から巨大な球体が向かおうとしてきた。
EYESは球体を避けて分析したところ、球体は生命反応を確認し、怪獣の姿となった。
カオスヘッダーは怪獣に襲いかかりこのままではカオスヘッダーに取り憑かれてしまう…と思いきや、逆に頭部の口でカオスヘッダーを食べていたのであった。
驚きの性質にアヤノも冒頭の台詞を言い放つ。
思わぬ天敵の出現にカオスヘッダーは退散し、獲物を失った怪獣は地中へと姿を消したのだった。

カオスヘッダーについてのおさらい

光のウイルス・カオスヘッダー
突如地球に襲来してリドリアスを凶暴化させたことに始まり、様々な怪獣を生み出していった中で人間の心に興味を持ったこともあれば、進化して自ら怪物の姿となったこともあれば、邪悪の巨人を生み出して幾度となくウルトラマンコスモスとTEAM EYESを苦しめてきたことは周知の事実だろう。
しかしながら、カオスヘッダーに対抗策が無いわけではない。
進化を続けたことで通用しなくなった場面もあったが、コスモスの浄化技はもちろん、テックスピナー2号のカオス抗体ミサイルが功を成したこともあれば、一度取り憑かれたリドリアスが抗体を得ていたりと、決して無策ではなかった。
更には他ならぬカオスヘッダー自身が人間の心を理解できず自滅した事例まである。

そんな中で現れた怪獣はカオスヘッダーを分解してしまう酵素を持っていることが判明した。
ドイガキはこれをカオスキメラと命名、カオスヘッダーを倒す切り札になれるのかもしれないのだ。

新兵器 ダビデス909

EYESは防衛軍に一連のことを報告。
新兵器であるダビデス909を使用したいという西条と口論になったものの、佐原司令官からは「被害は最小限に食い止めることと捕獲を必ず行うこと」という条件付きで受け入れられたのだった。

会議の後にヒウラは大学時代の同期で防衛軍に所属する科学者である山地闘破ハズミと再会する。
ハズミは西条の号令のもと、偶然作ってしまった副産物であるダビデス909が怪獣の細胞1つ1つを破壊して細胞レベルから死に至らしめてしまう兵器であることとそれを西条が使いたがっていることを懸念、自分が作り出したもので人類の希望を打ち砕きたくはないとヒウラに語り、あの怪獣を絶対に捕獲してほしいと懇願するのであった。
この会話の時点で使用するフラグがこれでもかというレベルで立ってるというのは禁句。

捕獲作戦とその顛末

再び現れたカオスヘッダー。
マザルガスも予想通り、カオスヘッダーを追って地上に現れた。
EYESはフブキとムサシの搭乗するテックスピナー1号・シノブとドイガキの搭乗する2号・ヒウラの搭乗するテックサンダー1号で出撃し、スピナー1号が閃光弾と抑制弾を同時発射して動きを止めたところでスピナー2号がレーザーラックを放つという作戦でマザルガス捕獲を試みる。
閃光弾を放ったスピナー1号が続いて抑制弾を放つも、残念ながら効かず。
次にスピナー2号がレーザーラックを放って包み込んだ…がなんと、レーザーラックを吸収されてしまった。
これまた驚きの性質にムサシは「あいつ…レーザーラックを口で…!」と驚きを隠せず、スピナー1号と2号はマザルボムで撃ち落とされてしまう。
更にこのままマザルガスがカオスヘッダーを追うとその先には防衛軍の弾薬倉庫があり、もし弾薬倉庫を破壊されれば付近一帯は火の海になる、とアヤノから報告を受けるのであった。

ここからBパートに突入、カオスヘッダーを追うマザルガスを見てムサシは「カオスヘッダーはわざとあの怪獣を誘導しているのかもしれない…!」と分析。

西条もことが進まないのに苛立ちを隠せない。すぐ佐原司令官に嗜められたが。
また、2人が言い争う中でハズミは何かを思いついたかのようにどこかへ向かっていった。

唯一残ったテックサンダー1号に搭乗するヒウラはこれ以上弾薬倉庫に近づかれるのは危険と判断し、誘導弾でマザルガスを弾薬倉庫から引き離そうと試みるも、効かなかった上に危険領域に突入してしまう。

この状況に佐原司令官はやむを得ないと判断、ダビデス909の使用を許可し、防衛軍機が現れた。
防衛軍機はマザルガスをロックオンし、刻一刻と発射の時が迫るのだが目前にハズミが現れ、防衛軍にダビデス909を使わないよう必死に訴えかけるのだった。
しかしこのままでは駆けつけたヒウラ共々、マザルガスの光弾に巻き込まれてしまう上に弾薬倉庫も破壊され、何よりも科学を有効利用出来る人間が1人減ってしまう。

そんな中で間一髪、コスモスが現れ2人は守られたのであった。
コスモスはマザルガスと戦うも、あっさり吹き飛ばされてしまい、混乱に乗じてダビデス909を打ち込まれたマザルガスはカオスヘッダーに対する抵抗力を失い、取り憑かれてしまう。
ザランガ回以来にルナモードの状態で拳を握るほど激昂するコスモスはコロナモードへチェンジ、尻尾を掴んで力一杯カオスマザルガスを弾薬倉庫から引き離そうと試み、ブン投げた後に接近戦を挑むも、尻尾に足払いをかけられた上に光弾を喰らい苦戦を強いられる。
残る時間は僅かの中、エクリプスモードへチェンジすると形勢は一気に逆転。
回転キック、背負い投げ、左手を掴んでからの首を目がけたチョップ、尻尾を掴んでの回転、投げ、パンチ・キックのラッシュを次々に放ち、ダウンしたところにエクリプスブレードでカオスヘッダーを分離させ、ダメ押しのコズミューム光線で消滅させた。
こうしてマザルガスは救われた…のだがこれまでにコスモスが救えなかったエリガルやネルドラントのようにマザルガスの命は尽きてしまった…。
ヒウラは「カオスヘッダーに対抗出来たものを…」と悔しそうな様子を滲ませ、コスモスはカオスヘッダーを追ってきただけにも関わらず、EYES・防衛軍・カオスヘッダーに振り回されたマザルガスを永遠の眠りにつかせてやりたいと思い、空へ飛び立っていくのだった…。

一応の事件解決後、防衛軍へ乗り込んだヒウラは「お前は人類の希望を握り潰してしまったんだぞ…!分かっているのか…!」と激情し西条を殴る。
そしてハズミは防衛軍から離脱し、ダビデス909を解体したことと民間人の科学者として研究を続けていくことをEYESに明かしたのだった。
残念ながらカオスキメラを得ることは出来なかったものの、EYESの隊員達とハズミはどことなく明るい表情であった。

その後カオスキメラはどうなったのか?

弾薬倉庫を破壊されれば更なる被害が生じるとはいえ、マザルガスを煽って弾薬倉庫へ近づけ、人間同士の対立を利用したカオスヘッダーの勝ち逃げとも言える後味の悪い結果となった本エピソード。
だがカオスキメラの存在が分かったことによりカオスヘッダーへの対策が急展開を迎えたのは確かで、その後もドイガキとハズミは人工カオスキメラを開発するための研究を続けており、59話〜60話では復活したカオスウルトラマンに研究所を狙われ、激戦の末にカオスウルトラマンカラミティへと強化したカオスヘッダーに研究所を破壊されたものの、研究はかなり進んでいたため、別の研究所で開発したカートリッジ状のカオスキメラのプロトタイプをラウンダーショットに搭載することでカオスウルトラマンカラミティに勝利する。

続く61話では防衛軍が対カオスヘッダー兵器として密かに回収していたヘルズキングを実用化へ持ち込んだものの、暴走してしまった。また防衛軍か。*1
だが同話の事件解決後にドイガキが破壊したヘルズキング改のソアッグ反応炉を解析すると、ソアッグ鉱石の光の波長がカオスキメラに分裂を促す効果があることが分かったため、防衛軍の行動が結果論とはいえ無駄とはならなかった。

62話では冒頭で最終段階に入り、無限に増殖したことでP87ポイントのカオスヘッダーを一掃出来ると明言され、更にドイガキはキメラミサイルとしての設計・運用まで考えていたことが明かされる。
この回のカオスヘッダーとの戦いではキメラミサイルを搭載していたテックスピナー1号がカオスドルバに撃ち落とされてしまった*2ものの、コスモスに救われたドルバの奮戦などを経て再登場したナガレ・ジュンヤがカオスウルトラマンカラミティにキメラミサイルを打ち込んで致命傷を負わせてコスモスが逆転する隙を作ったのだった。*3

63話では作戦開始前にエリガルを呼び覚ました中でトレジャーベースを乗っ取ろうと画策したカオスヘッダーの妨害を受けたものの、64話ではテックブースターのモジュールファイターにカオスキメラを搭載することでカオスウルトラマンカラミティを倒した後に現れた最強のカオスダークネスを見事撃退した。

そして最終回、65話。
月面の戦いで倒されたように見えて実は反応を消していただけのカオスダークネスにEYESはカオスキメラで総攻撃を仕掛けるものの、進化を続けてカオスキメラに対する抵抗をも身につけたカオスヘッダーには効果を発揮しなかった。
打つ手なし…とヒウラ達が思っていた中で駆けつけたリドリアス、モグルドン、ボルギルスはカオスダークネスに争うのはやめよう、憎しむのはやめよう、と訴えかける。
怪獣たちの訴えが響いたのか、カオスダークネスは苦しみ、破壊を躊躇する様子を見せるようになり、最後は地球怪獣、カオスヘッダーを倒すことに躍起していた中で自分達の使命を再確認したEYES、一度はエネルギー不足により窮地に陥るも再びムサシと一体化したことで復活したコスモスの活躍により浄化され、カオスヘッダーは宇宙へと帰っていったのだった。

力で勝つだけじゃ何かが足りない。
特効薬に頼ってカオスヘッダーを殲滅するのではなく、地球生命の想いが感情を知ったカオスヘッダーを浄化させたのだ。
カオスキメラが大いに絡むも、敵と和解した作品の結末はシリーズでも度々議題となる血を吐きながら続ける悲しいマラソンの流れを見事に阻止出来たと言えよう。
ウルトラマンサーガ』の初期案ではハイパーゼットンにカオスヘッダーが倒されてしまうというものがあった*4のだが、65話もかけて和解したカオスヘッダーを倒してしまうのは当時の制作陣に限らず、ムサシもコスモスも報われないだろう。

余談

  • 劇中ではマザルガスと呼ばれることはなかった。

  • 51話は2002年7月20日に放送されたのだが、49話『宇宙の雪』が放送された2002年6月8日以来の放送となる。これはムサシを演じた杉浦太陽の誤認逮捕の影響によるものであり、休止期間の間は特別総集編1・2や『ウルトラマンネオス』が放送されていた。なお、本来であれば49話の次回予告でも使用されていた50話『怪獣密輸!?』が放送されるはずなのだが、51話からの再開となった。*5

  • この一件でカオスキメラを入手しようと試みるEYES達の妨害をしてしまいまたもや視聴者のヘイトを買った西条*6だが、今回の件に関しては
    • 弾薬庫破壊=他の怪獣や件のカオスヘッダーが現れた際に対処どころか時間稼ぎすら出来なくなる可能性があった。
    • EYESの捕獲作戦も失敗&巻き返しも出来ない程接近している
    • 上官の佐原もやむを得ないと判断
    • ハズミの命も危ない
等の事情からこれに関しては仕方がない行動ではあったと考える視聴者も多い。
その一方で、対カオス兵器となるカオスキメラの入手は防衛軍にとっても利益になり得る事であり、怪獣の体内物質まで破壊する恐れのある(実際そうなった)細胞破壊兵器を使用するべきではなく、やむなく退治するにしても、せめて他の兵器を用意するべきだったという指摘もある。

  • ソフビは「ウルトラ怪獣シリーズ ウルトラマンコスモス編」で発売された。




追記・修正はダビデス909を撃ち込まれる前にお願いします。

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最終更新:2022年07月24日 14:14

*1 作劇の都合と西条のような問題人物もいるとはいえ、防衛軍は不当な扱いを受けすぎでは?という視聴者からの意見は少なくない。

*2 フブキはカオスドルバにキメラミサイルを放とうとしたものの、キメラミサイルにカオスヘッダーを分離させる効果はなかったため撃つことが出来ず、手間取っていた際に撃ち落とされた。

*3 この後のナガレの伝言により、遂にEYESと防衛軍が共に手を取り合うことになった。

*4 同映画におけるコスモスが終始ルナモードだったのはこの初期設定の名残。

*5 50話ではなく51話からの再開となった理由は、50話に警察が登場していた上にムサシが赴いたからと考えられている。

*6 特にこのマザルガスの一件では特に辛辣な意見が多い