井沢太一/特命鬼(暴太郎戦隊ドンブラザーズ)

登録日:2022/10/14 Fri 14:45:30
更新日:2025/04/11 Fri 20:07:30
所要時間:約 6 分で読めるというお話





※推奨BGM:「Don't Boo!ドンブラザーズ」


じか~い……次回……。


タロウ 絶不調(ぜつふちょう)!?


なぜタロウが弱い?

キビ団子?なぜ!?

え!?マスター!?なんで!?


推参(すいさん)ドンロボタロウ!


タロウがロボになった!?


なぜ!?なぜ!?なんで~!?


ドン9 ぼろたろうロボタロウ


……というおはな…ゴホッ!



井沢太一は特撮テレビドラマ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の登場人物。

演:原田文明、塚尾桜雅(幼少期)

【概要】

ドン9話「ぼろたろうとロボタロウ」に登場する病院に入院中の老人。病室の名札によると1947年10月3日生まれのB型。
一見ごく普通の人間に見えるが、「遊んで…遊んで…」とうわ言を言うようになってしまった。
これは幼い頃他の子供達から「鼻たれ」と馬鹿にされ仲間外れにされており、年老いた今になってもその辛い記憶に苦しめられていたため。

その過去の無念がさながらアバターや生霊の如くヒトツ鬼として現実世界に実体化を果たしてしまう。
今回は病床の太一の魂のみが分離して少年の姿で具現化し、それがヒトツ鬼として実体化した特殊なパターンとなっている*1

以下、劇中での呼称にならい本項ではこの少年姿を「太一」、本体である老人の方を「井沢」と表記する。


特命


ダメだよ動いちゃ!モットチャント遊ンデヨ〜!

迚ケ蜻ス謌ヲ髫(特命戦隊)

CV:塚尾桜雅
身長:186cm
体重:223kg
スキン:バッディなチーター
ベース:ベニツ鬼
ドロップ:ゴーバスターズギア
むかしむかし:鼻たれ太一は友達に遊んでもらえずとても寂しかったそうな…。

井沢の「みんなと遊びたい」という欲望から生まれた、特命モデルのヒトツ鬼。
チーターと機械が混ざったようなスキン「バッディなチーター」に覆われているが、ハイテク要素の強かった本家と比べると動物要素が前面に出ているのが特徴。
欲望を反映した影響か坊主頭でゲジ眉の子供っぽい顔であり、頭の両サイドはハンドルにもメタロイドのような四つ目にも見える騙し絵風ビジュアル。
胸にはサングラスをかけた大きなチーターの顔を模した装甲がデカデカとくっ付き、背中にはバイクの排気口がデザインされている。
その行動も合わせ、責任感やプロ意識からは縁遠い、野放図に遊びまわるいたずらっ子といった印象を与えるルックスである。

人を超えた遊びの鬼となり、「だるまさんが転んだ」や「鬼ごっこ」で街の人々をどんどん消していった。*2
モンスター化すると、シャットダウンされないよう超スピードで逃げ回る。
劇中では通り魔的に子供の遊びを仕掛けてはアウトだと見做した街の大人を問答無用でどんどん無差別に消していったが、このアウト判定による消滅能力は防御力の有無を無視するため限りなく初見殺しに近い。
※劇中のルール例
  • だるまさんがころんだ:アウト判定を下した自身の知覚範囲内の者全員をアノーニも含めて問答無用で消滅させる。
  • 鬼ごっこ:背中からのジェット噴射で高速移動して人々を追いかけ触れた人間を強制的に消滅させる。
そして遊びが進み鬼ごっこに入ると、身体からケーブル状の触手を伸ばして離れた場所にいる広範囲の人間を多数タッチできるように成長した。

何より病床の太一の欲望のみが分離した特殊なヒトツ鬼なため、実体が存在しない。これこそが特命鬼最大の肝。
その成り立ち上特命鬼が仕掛ける『遊び』のルールとは関係のない相手の攻撃は一方的に特命鬼の身体をすり抜けて無効化されてしまう反則的な特性も併せ持っている点も含めてかなり多芸で、これまでのヒトツ鬼とは明らかに格の違う厄介さを見せつけた難敵。
それどころか作中登場したヒトツ鬼全体を見渡しても一二を争うレベルの厄介さを持ち、大いにドンブラザーズを苦戦させた強豪であった。

ただし、特命鬼は本当に誰かと遊びたい一心で行動しているので、悪意は一切ない。
なお倒されると「ゴーバスターズギア」をドロップする。


【劇中での活躍】


ねぇ、皆遊んでよ!だるまさんがころんだやろう!

街中に出現しては勝手に遊びに巻き込み、多くの人を消していく。駆け付けたドンブラザーズと交戦するも、よりにもよってタロウ超パワーの反作用で無力に陥っていたため小学生並みの知恵しか無い特命鬼でも軽くあしらえたので、すぐに遊び(戦い)に飽きて逃走した。

その後、一先ずきびだんごを300個食べたタロウ率いるドンブラザーズと再戦。だるまさんがころんだを実施し、先走ってお手つきしたワンちゃんと鳥さんイヌブラザーキジブラザーをあっさり消滅させる。
しかも、タロウの調子は完全に戻っていなかったので、残りの3人はだるまさんがころんだをしつつも取り逃がしてしまった。

すると今度は鬼ごっこを始め、次々と民間人をタッチして消滅させる。偶々配達で近くに来ていたタロウは不調を押して民間人を逃がしたが、駆け付けたサルブラザーが触手に触れて消されてしまう。
タロウが再度きびだんごを300個食べてる間、介人が変身したゼンカイザーブラックと交戦。
そして、復活してドンモモタロウに変身したタロウとオニシスター、さらにアノーニ達と再びだるまさんがころんだをする。変なポーズをとるオニシスターや、物理法則ガン無視で空中に留まるアノーニのことは触れてやるな
しかし、実はきびだんごが一つ足りていなかったのでドンモモタロウは三度不調を起こして倒れてしまう。だが、オニシスターがドンモモタロウを助けたことがきびだんご1個分となったので、オニシスターをぶん投げて完全復活。
ドンロボタロウに変身し、瞬く間にアノーニ達を圧倒し、丁度特命鬼が振り返るタイミングで竜巻を起こしてよろめかせ、全員消滅させる。
これに気を良くした特命鬼は、超スピードで移動し続ける無理ゲーを始め、ドンロボタロウとオニシスターの動きを完全に封じ込める。

心桃滅却・アバター光刃…

ダルマサンガコロンダ

鬼、切った!

最後は隙をうかがっていたドンロボタロウの一太刀で撃破され、サルブラザー達を含む消滅した人々も帰還。 *3

ありがとう、お兄ちゃん!

おう!

思いっきり遊べて満足した太一はタロウ達に笑顔で別れを告げると井沢の肉体に戻り、これまでずっと苦しい表情を浮かべていた井沢はようやく幸せそうに笑うのであった。そして、最後のきびだんごを握ったマスターの苦労は徒労に終わった


尚、今回はとある理由により脳人達は出撃しなかったが、その存在とタロウ達が出会うのはまた別のお話…。


【余談】

現時点では、ヒトツ鬼に変貌した最年長の人間。
太一及び特命鬼の声を担当した塚尾桜雅君の年齢は、収録時点では6歳。
ここまで若い人が怪人役を演じるのはスーパー戦隊どころか特撮全体においても珍しい。

モチーフは『特命戦隊ゴーバスターズ』。
レッドバスターよりも動物要素や相棒のチダ・ニックおよび愛機のゴーバスターエースの要素が非常に強く、もしかしたらVシネマに出てきた『動物戦隊ゴーバスターズ』の方もネタに組み込まれているかもしれない。
なおチョイスした遊びがだるまさんがころんだだったのは、ヒロムのウィークポイントのオマージュという意見がチラホラ出ている。

ゴーバスターズの面々が幼くして家族を失いながらもひたすら訓練に励み、ヴァグラスから世界を守り家族を取り戻すための過酷な「ミッション」に青春を捧げ、最終的には断腸の思いで過去と決別して未来に進んだのに対し、
特命鬼は「遊び」のために悪意なく人々を消し去ってしまう、幼い頃の孤独な思い出に未だ苛まれながら病床に伏せる老人の生霊(アバター)という、ヒトツ鬼の例に漏れず非常に悪趣味な対比。悲しみを退治(デリート)してもらえたのはせめてもの救いか。
また、交戦したゼンカイザーブラックの並行同位体である人物幼い頃に両親が失踪したことで精神が「子供」のまま止まってしまっていたが、多くの戦いと両親との再会を経て、最終的に「大人」に成長した青年であることも特命鬼とは対照的と言えよう。



みんな…追記・修正して…追記・修正してよぉ…


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最終更新:2025年04月11日 20:07

*1 鬼の語源となった「隠(オヌ)」の一種とも言えるか。

*2 よく見ると相手を消した際のエフェクトはゴーバスターズの転送エフェクトになっていたりと地味にネタが細かい

*3 アノーニも消されていたが、彼らに関しては不明。