登録日:2022/12/01(土) 19:40:00
更新日:2025/02/15 Sat 16:59:25
所要時間:約 10 分で読めます
女芸人No.1決定戦 THE Wとは、2017年から開催されているお笑い賞レースである。
主催は日本テレビと吉本興業。
●目次
【概要】
日本テレビでは初となる常設のお笑い賞レースで、キー局では最後発となる。
出場資格は女性芸人であればプロアマ・芸歴・芸種・人数などジャンルの区別は一切なく、小道具や音響なども使用可能。普段の活動と異なる即席ユニットでもOK。
第3回以降は、「コンビとピン」や「グループとコンビ」など異なる形態であれば1人2エントリーまで併願も認められる(同じメンバーが異なる名義・キャラクターで2エントリーなどは不可)。
このジャンルの広さから大会側は「お笑い界の異種格闘技戦」とも自称している。
大会決勝は毎年12月上旬に生放送。
司会は第1・2回が徳井義実(チュートリアル)、第3~6・8回が
後藤輝基(フットボールアワー)、第7回が山里亮太(南海キャンディーズ)。
女性は第7回まで水卜麻美、第8回は黒田みゆ(共に日本テレビアナウンサー)が担当している。
賞レースの中ではかなり後発のためか、審査員や司会には他レースの王者が起用されている。
また、大会には芸人によるサポーターも設けられているが、これは事前番組や裏配信などの進行役に加え、
優勝者への商品を提供するスポンサーも兼業しているのが特徴。
優勝賞金は他大会と同じ1000万円。
副賞として冠番組の制作と日本テレビ系番組出演権を筆頭に、巨人戦の始球式や「東京カレンダー」の特集記事への掲載、サポーターによるチョイス品など他の大会とは一味違うものが多い。
他の賞レースにない特徴として、決勝戦の出場予定者が諸事情で決勝戦に出場できなくなった場合、準決勝を次点で敗退した出場者が繰り上がりで決勝に出場できるリザーバー制度が設けられており、過去2回これで繰り上がり出場した芸人が存在する。
【開催の経緯】
ところが、これらの賞レースの優勝者やファイナリストはほぼ男性のみで、本大会開催までの女性の王者はR-1初代王者のだいたひかるだけだった。
そのため女性芸人から専門の賞を創設してほしいという要望があり、誕生したのがこの大会である。
当初は友近および山田邦子の出演トラブルに対する批判や、女性専用大会という内容から前時代的であるとの評論も見られ、また第1回に出場した姉妹コンビのDr.ハインリッヒが
「女だけで戦ってるから、まだ面白くない状態でも出れてしまう」
「ルール無用で女のみで競い合うって、かなり不自然な事」
とコメントし、以降本大会には出場しないことを明言するなど業界内外問わず大会の是非について論争が巻き起こっていた。
これを受けて2019年の第3回から審査員や出場者へのヒアリングを実施し大幅リニューアルを実施。
この回から他の賞レース同様プロの審査員を設け、若手女性芸人の登竜門的ポジションを担うこととなった。
【審査方法】
1回戦は動画審査で実施され、2回戦は東京・大阪、それ以降は東京で実施される。
前回か前々回で準決勝以上に進出している場合はシードとして1回戦免除。
決勝は10組が選出され、第1回・第2回大会では最初に1対1の対戦形式で行われ勝利した5組による最終決戦で勝敗を決める形式だった。
第3回~第5回大会では2ブロックに分けられ、ファースト・セカンドステージ制で競われ、ファーストでは1組ネタを終えるごとに暫定の1位を決め、最終的に勝ち残ったブロック1組ずつがセカンドステージ(最終決戦)に進出。2本目のネタを披露して、一番票数が多かった芸人が優勝する形式であった。
また、第5回大会ではそれまでのルールに加えファーストステージ敗退者から視聴者投票を行い、その得票数が一番多かったグループが決勝進出となり、決勝戦は3組で行われる形式だった。
第6回大会では決勝進出枠が増え、12組3ブロック式に変更された。
審査員は第3回大会から導入され、それまでは一般招待客、並びにゲストによる投票によって審査が実施されていた。
【歴代チャンピオン】
初代王者。
NSC35期を首席で卒業。
最近の若手女優の舞台挨拶や昭和の映画俳優、果ては見た目が放送コードギリギリの星条旗の水着ネタなど多種多様なネタを持つ。言葉の壁を超えてウケる持ちネタも多く、2019年にはアメリカで大人気のオーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』に日本のお笑い芸人で初めて出場した。
2020年・2023年にも出場しているが前者は決勝、後者はCブロックで敗退。
特に2023年の決勝で披露した「エアハムスターショー」はその展開から視聴者のみならず司会の水卜をドン引きさせてしまい…詳細はあぁ~しらきの項目も参照。
2024年大会ではナレーションを担当。
第2回王者。
ピンクの衣装でコーラスを行い、顔は似てるが実際の姉妹ではないことでおなじみ、渡辺江里子と木村美穂によるコンビ。
「
細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」の「由紀さおり・安田祥子姉妹」のネタで注目を受けてブレイクした。
その後『細かすぎて』で歌ネタを一切封印した「万引きGメン」「新興宗教やマルチ商法の勧誘」を題材としたネタで優勝すると、大会でも勢いそのまま栄光を勝ち取った。
その後はコンビでの共同生活など奇妙なプライベートを綴ったエッセイが売れてドラマ化された他、
おばさん芸人として独特のポジションを確立している。
所属事務所のASH&Dコーポレーションでは初の賞レース王者。
こちらは優勝賞品の出演権を使い、「ルパン三世」のテレビスペシャル「プリズン・オブ・ザ・パスト」にゲスト声優として出演している。
渡辺は2024年大会で審査員を担当。
第3回王者。
アイドル出身の実家が雀荘を営んでいる福田麻貴・日本人離れした風貌で調理師の資格を持つゆめっち・デブ要員のメイド喫茶店員かなでによるトリオ。
「アッハーン」の楽曲に乗ったポップなコントで一躍王者となった。
森三中以来久々となる女性のトリオ芸人として話題になったが、ほぼ同時期にブレイクしたぼる塾に猛追される事態に。
尤も、両者キャラクターや芸風が大きく異なる為、結果上手いこと棲み分けされお互いに安定した人気を得ることとなった。時期が重なったことで、霜降り明星・ハナコ・ぼる塾らと共にお笑い第七世代呼びされた時期も。
現在は三者ともピンでの出演も多く、特に福田とかなではそれぞれ連続ドラマ主演経験者で、とりわけ福田は
フジテレビのプライムタイムに放送された『婚活1000本ノック』で単独主演を演じた。
ゆめっちも料理に入っている背脂役でドラマ出演経験がある。
余談だが同じく第3回大会では福田がかつて所属していた吉本のアイドルグループ「つぼみ大革命」も決勝に進出しており、ワンマンライブのイベント構成やコントの脚本などを担当している関係もあって彼女達のネタも福田が作成していた。
第4回王者。
人力舎所属のピン芸人。
一本目は女性の審判、二本目は銀行強盗に遭遇した女性銀行員ネタで見事に優勝。
以降ブレイクし、コントに加え脚本家、女優としても活躍。
所属事務所の人力舎では東京03以来の賞レース王者となり、当時看板だったアンジャッシュが渡部建の不倫騒動でドタバタしていた最中だったこともあり、
人力舎の救世主とも呼ばれることに。
2022年には同じ人力舎所属のピン芸人・岡野陽一とのユニット「最高の人間」で
キングオブコントでは初めて即席ユニットでの決勝進出を達成した。
第5回王者。
小道具制作担当の元ヤン小田結希と、ネタ作り担当の自称カベポスター浜田順平と結婚している植田紫帆からなるコンビ。
シュールな小道具から繰り広げられる独自の世界観を持ったコントを持ちネタとする。
2018年から出場しそこから4年で王者になったものの、スタイリッシュなぞクソくらえとばかりの無茶苦茶な芸風からか「賞品となった日テレのありとあらゆる番組でスベり散らしてしまい以降呼ばれなくなってしまった」と、『しくじり先生』2022年10月14日放送で自虐。
賞レースにたまに出て来る「ブレイクを逃した王者」に近い立ち位置になるかと思われたが、これ以降もネタ番組にはコンスタントに呼ばれており、最近は植田が(芸人として)完成されたボディを生かした身体張り系の仕事などソロ活動も行っている。
2023年11月に「ザ・世界仰天ニュース」にゲスト出演したことで、王者では初めて出演権を2年がかりで全て使いきったのだが、植田は何度か出番が全シーンカットに遭ったとして「約束が反故にされた」とゴネている。スベったんだから自業自得である。
第6回王者。
教師一家で自らも非常勤講師の経験がある竹内希咲と、看護師の資格を持つますみのコンビ。
決してその衣装で固定されているわけではないが、紫のポロシャツとチェック柄のボトムスがトレードマークとなっている。
ますみの
上沼恵美子公認モノマネから注目されるようになるが、第5回で準優勝に終わったことから本格的に人気に火が付き、異例となる毎月単独ライブを実施してネタを磨いた。
決勝ではケンカを見るのが好きなおばちゃんとVR一家のネタで制覇。見事に雪辱を果たした。
コンビはNHK上方漫才コンテストに次ぐ賞レース制覇で、この年のキングオブコント王者であるビスケットブラザーズと同じく「よしもと漫才劇場出身・NHK上方漫才コンテスト優勝・全国賞レース制覇」コンビとなった。
優勝後も大阪で活動しているが、同じ日テレ系で関西ローカルの長寿番組「大阪ほんわかテレビ」の新レギュラーや大阪土産の定番・551蓬莱のCMに抜擢されるなど、着実に実績を積んでいる。
第7回王者。
プロレス経験がないのにそれっぽい風貌のホスト狂い熊元プロレスと、複数のパトロン持ちで俳優との結婚を夢見る元キングコングの痛ファン稲田美紀のコンビ。
ちなみに熊元は同期の第1回王者・ゆりやんとコンビを組んでいた過去がある。
漫才とコントの二刀流だが、2022年以降決勝ではコントをメインに披露している。なお漫才やYouTubeの動画では「女子~!○○やで~!」とアドバイスするツカミを行う。
2020年の準優勝から注目を浴びるようになり、以降4年連続で決勝進出したため「レギュラー番組は『THE W』のみ」と自虐するような言い回しもあったものの、2023年に念願の優勝を果たしブレイク。
コンビはこの年から東京進出を果たしており、上京後最大の実績を残した。
第8回王者。
小柄な香空にぼしとメガネの伽説いわしからなるコンビ。スパンキープロダクションに所属していたが2020年に退所し、2024年現在はフリー。
スローテンポなしゃべくり漫才を得意としており、大阪では非吉本芸人をまとめライブを行うなど精力的に活動していた。
2023年からは東京に進出し、活動の場を広げている。
THE Wでは3回決勝に進出するも2019年大会で哲夫からもらった1票しか票が入らなかったなど苦戦を強いられていたが、第8回大会では念願の最終決戦に進出。
下ネタまみれな決勝を制し、初のファーストステージ・ファイナルステージ両方で漫才での優勝を果たした。
フリーランス芸人のお笑い賞レース優勝はだいたひかる(2002年のR-1)以来。
【主なファイナリスト】
浅井企画所属の痩せぎすなピン芸人。
国立茨城大学出身で卒業後はテレビ番組のADを行っていた経歴を持つ。26歳でプロ芸人としてデビューしたが、
オンバト+ではオンエアを勝ち取れず185KBで惨敗するなど、まさにどん底の地下芸人生活を送っていた。
それが一挙、転機となったのは2017年の本大会。ポールダンサーに扮して股間を強調しつつ漫談を行うというギリギリすぎるネタで客の心をガッチリ掴むと、そのまま準優勝を果たした。
その後のバラエティ番組でも女を捨てたかのような芸を披露し、テレビに頻繁に露出。口癖が「~でやんす」だったりすぐ他の芸人を裏切って得をしようとしたりと、そこはかとなく溢れる小物感もあり度々ドッキリを仕掛けられるやられ役として茶の間に笑いを届け続けている。
第1回大会唯一のアマチュアファイナリストにして、鳥取市役所に勤めながら決勝進出を果たした現役社会人。
市役所勤務の前には
NHK松江放送局や複数の地方テレビ局でテレビアナウンサーをしており、このときのリポートなどで笑いを取った経験からR-1ぐらんぷりに出場していたほか、
高速バスで片道12時間かけて東京のライブに出演していた。
趣味でアマチュア相撲をやっていた経験に芸名は由来しており、決勝戦ではちゃんこ鍋の具を相撲トーナメントで対戦させるネタを披露。
番付とかじゃないんだ。
2019年からはマセキ芸能社とアナウンサーとして契約。お笑い芸人としても依然活動しているほか、前述の通りの相撲好きが高じて力士や相撲部屋の親方とのトークライブを主催するイベンターとしても活動。三足の草鞋をはいて活動している。
- 5年ぶりのカムバック 紺野ぶるま(2017~2019・2024)
松竹芸能所属のピン芸人。
「女芸人の中で一番美人」を自称するほどの美貌からは想像がつかないほどのキレッキレの下ネタを武器に3年連続決勝進出を果たした実力派。
妊娠出産、通信制大学への進学等からしばらく賞レースからは離れていたものの、2024年大会で久々の決勝進出を果たし得意の下ネタ交じりのコントで初の最終決戦進出を決め、結果準優勝に輝いた。
余談だが同じく下ネタを得意とするマセキ芸能社のルシファー吉岡とは仲が良く、事務所を超えたユニット『ぶるファー吉岡』でM-1準々決勝にも進出経験がある。
- 帰ってきた大会荒らし! あぁ~しらき(2018・2023)
グレープカンパニー所属の主婦芸人。
角刈り頭にふんどし姿(但し肌着を着用)で股間に「男」、乳首の部分に「女」と書かれた衣装を着用し、「男かな?女かな?」と踊るキワどいネタが有名。
かつてはハリウッドザコシショウ、最近では同じ事務所のランジャタイとの共演が多いなど、芸風も立ち位置もTHE・地下芸人ながら、本大会では2度決勝進出を果たしている。
2023年の決勝ではCブロックでピンネタを披露。普通の女性の格好からふんどし姿になって踊るもので、先攻のゆりやんと相まって意味不明なネタ同士の審査をさせられる事態が発生。審査員の川島からは「両方とも失格というのはアリでしょうか?」と言われる始末であった。
小学校からの幼馴染である村上(現:むらきゃみ)と加納によるワタナベエンターテインメント所属のコンビ。
当初は松竹芸能所属だったが、尖りすぎた態度や事務所の方向性との違いから「クビ(本人談)」になったという。
移籍後もその姿勢から一部からは熱狂的に支持されつつ同時に波紋も呼ぶという立ち位置であり、ネタの内容が問題となり本人たちが謝罪する事態になったこともある。
しかし、近年は本人たちの意識の変化やネタへの評価上昇から活躍の機会を格段に増やしており、同時期にブレイクした音曲漫才コンビのきつね(ホリプロコム)とともに「
脱竹芸人」の代表格として名が挙げられる。
本大会では、2021年の決勝では賞レース史上初となるプロジェクションマッピングネタで最終決戦まで進出したが、1票差でオダウエダに敗れた。
2022年はAブロックで村上が巨大な箱の中に入り込み面接を受けるというネタを披露したが、ヨネダ2000の前に敗れた。
意外に思われがちだが両名とも既婚者だったりする。
- カルテット再び! ぼる塾(2020・2023・2024)
吉本興業東京所属、2019年結成。
平手友梨奈似の毒舌キャラのきりやはるか、ぽっちゃり体系で荒っぽい口調が売りのあんり、あんり以上の大柄な体格でスイーツ担当の田辺智佳、既婚で子持ちのブレーン担当酒寄希望の4人からなるカルテット。
元々きりやとあんりがコンビ『しんぼる』を、田辺と酒寄がコンビ『猫塾』を組んでおり、互いに行き詰まりを感じていた+酒寄の妊娠にともない合同ユニットを組んだところ大受けし合流してカルテットとなった経緯がある。
メンバーの酒寄が出産及び育児のため休業期間を設けており、きりや・あんり・田辺さんトリオ活動から大ブレイクを果たした。
その後酒寄が育休から復帰し、2023年以降はカルテットとして出場。
なお、酒寄の意向からテレビ出演は原則トリオのままとなっており、カルテットでの出演はこの大会が最初となった。
- Z世代のメルヘン異端児 ヨネダ2000(2021・2022)
吉本興業東京所属、2020年結成。
小柄の誠と大柄の愛によるコンビ。
誠は元々本名の清水亜真音名義で活動していたが、改名を希望しており、松本人志の案を採用して今の芸名になった。
2021年の決勝は二人の地上波初出演であり、誠の22歳での決勝進出は大会最年少記録。
2022年にはABCお笑いグランプリの決勝に進出したほか、
M-1グランプリではハリセンボン以来
9大会ぶりに決勝進出した女性コンビとなった。
- 怪演モンスター女子 スパイク(2021~2023)
吉本興業東京所属、2008年結成。
眼鏡姿の松浦志穂と吉本べっぴんランキングにも選出された小川暖奈のコンビで、共に吉本坂46のメンバーに選出されている。
漫才とコントを持ちネタにしているが、決勝では一貫してコントを披露。
初の決勝進出は2020年だったのだが、当日コロナに罹患してしまいやむなく辞退となり、大会に出場したのは2021年から。
2023年大会では初の最終決戦進出を果たしたが、ネタ中に音声トラブルが発生した影響で急遽国民投票が中止になってしまう(結局審査員票も0票だった)。
このように不憫な事態の引きの強さについては自らも嘆くほどだが、果たして二人が栄冠に輝く日は来るのか?
吉本興業東京所属、2016年結成。
見た目派手なギャル・荒川と見た目地味な一見ネタ作っている風に見えるが実は何もしていないはるによるコンビ。
荒川のギャルを活かした芸風でTikTokでバズり人気を博す。
普段は漫才をメインとしているが、当大会ではキャラからは想像つかないほど完成度の高いコントを披露しており、2023年大会では『荒川がギャルメイクを落としすっぴんを披露する』という捨て身のネタを披露、話題を集めた。
吉本興業大阪所属、2022年結成。
背が高く声の低いツッコミ担当・とんずと背が低く声の高いボケ担当・といろのコンビ。
高速かつキレのある漫才を持ちネタとしており、他大会でも例を見ない結成1年目で全国区賞レースのファイナリストという偉業を成し遂げた。
1stステージでスパイクに敗れて敗退したが、関西の各局で番組レギュラーが決定し全国ネットの番組でもゲストで呼ばれるなどブレイクを果たした。
吉本興業大阪所属、2019年結成、2024年解散。
大学院まで心理学を学んだ後芸人となった西野と清水香奈芽のコンビ。
関西弁話者だが芸人としては珍しい京都弁を操り、はんなりした口調とは裏腹に絶妙な皮肉で笑いを取るシニカルな芸風が特徴。
「新しい形の女芸人として」デビュー直後より注目を集め、
あらびき団では泥臭くナンセンスなお笑いが多い中にあって異色の「スタイリッシュな芸風の美人な」存在として頻繁に出演。同番組ゲストの菅野美穂を魅了し、後に菅野はハイツ友の会のファンと公言するように。
2022年には「女性ながら媚びない」漫才でM-1グランプリの準決勝に進出するなど「そのルックスにも」注目が集まっていたが、
2023年大会決勝戦のわずか3ヶ月後である2024年3月末に解散および清水の芸人引退を発表した。
+
|
... |
解散発表時二人とも多くは語らなかったが、意味ありげな文章であったことなどから、さながら考察合戦の様相を呈する事態に。
女性芸人の「顔ファン」問題が特に耳目を集め、女性芸人がシームレスな形でセクハラに晒され、普通に活動しているだけであっても「」で括ったような内容ばかりで注目されることや、女性芸人を性的消費する男性ファンの存在がニュースでも取り沙汰されるなどした。
|
ワタナベエンターテインメント所属、2021年結成。
女子サッカー強豪校出身のくろさわと、冗談で名乗っていたら本当に芸名が「うちだすぺしゃるはーたみん」になってしまったうちだすぺしゃるはーたみんによるコンビ。
NGなしの姿勢が喜ばれたことも手伝い、結成2年目にして地上波でレギュラー番組を得るなど、事務所の先輩である四千頭身さながらに頭角を現す。
最近でははーたみんが「
世界の果てまでイッテQ!」の新メンバー候補としても活躍。
初めての決勝進出では最終的に3位となる忠犬立ハチ高の前に敗れたものの、司会の後藤輝基がコンビ名を「
足コキ...」と呼び間違えるあってはならないミスが発生。このとき足
コキ腰げんき教室本人が率先して「足コキ!?足コキ!?」とはしゃいだところまで含めてSNSで拡散され、Xのトレンドにランクインするなど話題となった。
ある意味、第8回大会一番の盛り上がりどころだったとの声も挙がっている。
【歴代大会結果】
第1回大会(2017)
順位 |
名前 |
所属事務所 |
キャッチフレーズ |
シード |
最終票 |
優勝 |
ゆりやんレトリィバァ |
よしもとCA大阪 |
売れっ子の本気 |
シード |
201 |
2位 |
牧野ステテコ |
浅井企画 |
どん底からの脱出 |
ノーシード |
89 |
3位 |
アジアン |
よしもとCA東京 |
復活!ナニワの女流漫才 |
シード |
47 |
4位 |
ニッチェ |
マセキ芸能社 |
ネタで売れたい人気者 |
シード |
33 |
5位 |
まとばゆう |
フリー |
狂い咲きピアニスト |
シード |
31 |
1stステージ敗退 |
はなしょー |
ワタナベエンターテインメント |
全力コミカル少女 |
ノーシード |
- |
紺野ぶるま |
松竹芸能東京 |
小悪魔系ネタ職人 |
シード |
中村涼子 |
ワタナベエンターテインメント |
負け組からの逆襲 |
ノーシード |
押しだしましょう子 |
アマチュア |
鳥取市役所勤務 |
ノーシード |
どんぐりパワーズ |
ワタナベエンターテインメント |
合計200kg |
ノーシード |
総エントリー数は636組。
審査員はゲストのヒロミ、生瀬勝久、新川優愛、吉田沙保里、若槻千夏、柴田理恵、そして一般公募の395人の合計401人。
今大会のみ、
M-1グランプリ、
R-1グランプリ、
キングオブコント、ABCお笑いグランプリ、歌ネタ王決定戦の決勝進出者にシードが与えられた。
これは「第1回なので過去のこの大会の実績がないため、このようなルールを特別に設定した」事務局の意向によるもの。
第2回大会(2018)
順位 |
名前 |
所属事務所 |
決勝出場回数 |
キャッチフレーズ |
シード |
最終票 |
優勝 |
阿佐ヶ谷姉妹 |
ASH&Dコーポレーション |
初出場 |
脱!歌うおばさん |
シード |
184 |
2位 |
横澤夏子 |
よしもとCA東京 |
初出場 |
無冠のバラエティ女王 |
シード |
114 |
3位 |
ニッチェ |
マセキ芸能社 |
2年連続2回目 |
逆襲のコント師 |
シード |
37 |
4位 |
合わせみそ |
プロダクション人力舎 |
初出場 |
夢見る妄想漫才 |
ノーシード |
35 |
5位 |
あぁ~しらき |
グレープカンパニー |
初出場 |
苦節18年の主婦芸人 |
ノーシード |
31 |
1stステージ敗退 |
ゆりやんレトリィバァ |
よしもとCA東京 |
2年連続2回目 |
2連覇を狙う初代女王 |
シード |
- |
吉住 |
プロダクション人力舎 |
初出場 |
世界観コントの新星 |
ノーシード |
根菜キャバレー |
サンミュージックプロダクション/プロダクション人力舎 |
初出場 |
陰と陽の化学反応 |
ノーシード |
紺野ぶるま |
松竹芸能東京 |
2年連続2回目 |
負け組からの脱出 |
シード |
紅しょうが |
よしもとCA大阪 |
初出場 |
西の若き強豪 |
ノーシード |
総エントリー数は606組。これは過去最低記録である。
審査員は一般公募の401人。昨年とは違いゲストは審査に参加しなくなった。
ガンバレルーヤの出場辞退により、ニッチェが繰り上げで決勝進出を果たした。
第3回大会(2019)
順位 |
名前 |
所属事務所 |
決勝出場回数 |
キャッチフレーズ |
シード |
ブロック |
優勝 |
3時のヒロイン |
吉本興業東京 |
初出場 |
大中小のトリプルプレー |
シード |
A |
準優勝 |
はなしょー |
ワタナベエンターテインメント |
2年ぶり2回目 |
全力コミカル少女、再び |
シード |
B |
1stステージ敗退 |
そのこ |
吉本興業東京 |
初出場 |
芸歴半年!謎多きピン芸人 |
ノーシード |
A |
にぼしいわし |
スパンキープロダクション |
初出場 |
地下で煮出したダシ系漫才 |
ノーシード |
123☆45 |
フリー |
初出場 |
みちのくの里山ガールズ |
ノーシード |
ハルカラ |
ケイダッシュステージ |
初出場 |
豹変!ウーマンライフコント |
シード |
おかずクラブ |
吉本興業東京 |
初出場 |
逆襲のコメディモンスター |
シード |
B |
阿佐ヶ谷姉妹 |
ASH&Dコーポレーション |
2年連続2回目 |
目指せ2連覇!おばさんの星 |
シード |
つぼみ大革命 |
吉本興業大阪 |
初出場 |
輝け!崖っぷちお笑いアイドル |
シード |
紺野ぶるま |
松竹芸能東京 |
3年連続3回目 |
3度目の正直!雪辱の裏女王 |
シード |
総エントリー数は627組。
審査員は清水ミチコ、田中卓志、哲夫、久本雅美、ヒロミ、ハイヒールリンゴ、そして視聴者による国民投票。
前述のように出場者や審査員へのヒアリングを実施し大幅なリニューアルが行われ、松本人志からも「ちゃんとしたコンテストになってきた」と大会そのものの進化を評価された。
第4回大会(2020)
順位 |
名前 |
所属事務所 |
決勝出場回数 |
キャッチフレーズ |
シード |
ブロック |
優勝 |
吉住 |
プロダクション人力舎 |
2年ぶり2回目 |
恋するパラレルワールド |
シード |
B |
準優勝 |
紅しょうが |
吉本興業大阪 |
2年ぶり2回目 |
ナニワストロングスタイル |
シード |
A |
1stステージ敗退 |
TEAM BANANA |
吉本興業東京 |
初出場 |
ノンストップガールズ漫才 |
シード |
A |
オダウエダ |
吉本興業東京 |
初出場 |
立ち入り禁止の不条理空間 |
シード |
にぼしいわし |
フリー |
2年連続2回目 |
火がついた魚介系コンビ |
シード |
ターリーターキー |
プロダクション人力舎 |
初出場 |
麗しのソウルフルコント |
シード |
Aマッソ |
ワタナベエンターテインメント |
初出場 |
進撃のニュータイプ漫才 |
シード |
B |
ゆりやんレトリィバァ |
吉本興業東京 |
2年連続3回目 |
ふざけ散らしのコメディクイーン |
シード |
はなしょー |
ワタナベエンターテインメント |
2年連続3回目 |
汗と涙のコント劇場 |
シード |
ぼる塾 |
吉本興業東京 |
初出場 |
毒入りゆるふわカルテット |
ノーシード |
総エントリー数は646組。
審査員は川島明、田中卓志、哲夫、久本雅美、ヒロミ、ハイヒールリンゴ、そして視聴者による国民投票。
スパイクの出場辞退により、ターリーターキーが繰り上げ出場になった。
第5回大会(2021)
順位 |
名前 |
所属事務所 |
決勝出場回数 |
キャッチフレーズ |
ブロック |
優勝 |
オダウエダ |
吉本興業東京 |
2年連続2回目 |
ついてこられるか?怒涛の不条理コント |
A |
2位 |
Aマッソ |
ワタナベエンターテインメント |
2年連続2回目 |
逆襲の天才バカコンビ |
B |
天才ピアニスト |
吉本興業大阪 |
初出場 |
縦横無尽のキャラ劇場 |
B |
1stステージ敗退 |
ヨネダ2000 |
吉本興業東京 |
初出場 |
若き奇才の未来型漫才 |
A |
紅しょうが |
吉本興業大阪 |
2年連続3回目 |
リベンジに燃える!西の横綱 |
茶々 |
吉本興業東京 |
初出場 |
怪演!謎多きコント女優 |
TEAM BANANA |
吉本興業東京 |
2年連続2回目 |
悪意と笑顔のテクニシャン |
女ガールズ |
アマチュア |
初出場 |
異色のアマチュアトリオ |
B |
ヒコロヒー |
松竹芸能 |
初出場 |
無冠のクール&シニカル |
スパイク |
吉本興業東京 |
初出場 |
接近注意の地雷ガール |
総エントリー数は700組。初めて700組を超えた。
審査員は駒場孝、田中卓志、哲夫、久本雅美、ヒロミ、ハイヒールリンゴ、友近。
第6回大会(2022)
順位 |
名前 |
所属事務所 |
決勝出場回数 |
キャッチフレーズ |
ブロック |
優勝 |
天才ピアニスト |
吉本興業大阪 |
2年連続2回目 |
七色のキャラ劇場 |
B |
2位 |
ヨネダ2000 |
吉本興業東京 |
2年連続2回目 |
Z世代のメルヘン異端児 |
A |
3位 |
紅しょうが |
吉本興業大阪 |
3年連続4回目 |
無冠クイーンの大逆襲 |
C |
1stステージ敗退 |
TEAM BANANA |
吉本興業東京 |
3年連続3回目 |
乱れ切りガールズ漫才 |
A |
さとなかほがらか |
浅井企画 |
初出場 |
ほのぼの暴走ガール |
Aマッソ |
ワタナベエンターテインメント |
3年連続3回目 |
雪辱のエース |
爛々 |
吉本興業大阪 |
初出場 |
しゃべくりブラックダイヤ |
B |
スパイク |
吉本興業東京 |
2年連続2回目 |
怪演モンスター女子 |
フタリシズカかりこる |
ワタナベエンターテインメント |
初出場 |
からくりコントクリエイター |
河邑ミク |
松竹芸能 |
初出場 |
あざと恐ろしい清純派 |
C |
エルフ |
吉本興業東京 |
初出場 |
ネタに硬派なギャル芸人 |
にぼしいわし |
フリー |
2年ぶり3回目 |
地下劇場の星 |
総エントリー数は735組。
審査員は川島明、田中卓志、哲夫、塚地武雅、友近、野田クリスタル、そして視聴者による国民投票。
これまでの大会は月曜20時からの生放送だったが、今大会は放送時間が
土曜日19時からの生放送に変更された。
今大会から決勝進出者が12組に増え、1stステージも3ブロックになった。
今大会は史上最多の7試合が7-0の満場一致による勝利になり、BブロックとCブロックはすべての試合が満場一致であった。
第7回大会(2023)
順位 |
名前 |
所属事務所 |
決勝出場回数 |
キャッチフレーズ |
ブロック |
優勝 |
紅しょうが |
吉本興業 東京 |
4年連続5回目 |
無冠クイーンの大逆襲 |
B |
準優勝 |
エルフ |
吉本興業 東京 |
2年連続2回目 |
進化したギャル芸人 |
C |
3位 |
スパイク |
吉本興業 東京 |
3年連続3回目 |
怪演モンスター女子 |
A |
1stステージ敗退 |
まいあんつ |
ワタナベエンターテインメント |
初出場 |
唯一無二の女子ギャガー! |
A |
はるかぜに告ぐ |
吉本興業 大阪 |
初出場 |
西のニュースター旋風 |
やす子 |
SMA |
初出場 |
ネタで戦うお笑いアーミー |
ハイツ友の会 |
吉本興業 大阪 |
初出場 |
Ms.ミステリアス |
B |
変ホ長調 |
アマチュア |
初出場 |
蘇る 伝説の素人漫才! |
梵天 |
太田プロダクション |
初出場 |
姉妹漫才・ニューエイジ! |
ゆりやんレトリィバァ |
吉本興業 東京 |
3年ぶり4回目 |
世界も認めるおふざけ女王! |
C |
あぁ~しらき |
グレープカンパニー |
5年ぶり2回目 |
帰ってきた大会荒らし! |
ぼる塾 |
吉本興業 東京 |
3年ぶり2回目 |
完全体 出陣 |
総エントリー数は863組。
当初は昨年同様後藤が司会予定だったが、体調不良で急遽山里亮太(南海キャンディーズ)が進行を担当。
大阪からのトンボ帰りながらそつなく進行を務めた姿は審査員の川島から「一番残念なのは山里の進行の上手さ」と皮肉られるほどであった。
審査員は昨年同様川島明、田中卓志、哲夫、塚地武雅、友近、野田クリスタル、そして視聴者による国民投票。
今大会から番組ロゴが一新された。
最終決戦では途中で機械トラブルが発生したため公平性を考慮して国民投票が中止となり、審査員による審査のみとなった。万が一審査員の票が3対3で分かれた場合に備え、予備として会場の観覧客を国民投票の代替として用意していたが決勝では4対2で紅しょうがが制したため使用されずに済んだ。
第8回大会(2024)
順位 |
名前 |
所属事務所 |
決勝出場回数 |
キャッチフレーズ |
ブロック |
優勝 |
にぼしいわし |
フリー |
2年ぶり4回目 |
2人で作る漫才道 |
A |
準優勝 |
紺野ぶるま |
松竹芸能 |
5年ぶり4回目 |
5年ぶりのカムバック |
B |
3位 |
忠犬立ハチ高 |
グレープカンパニー |
初出場 |
優等生では終わらない |
C |
1stステージ敗退 |
やました |
吉本興業 東京 |
初出場 |
しゃべくり永久機関 |
A |
ぼる塾 |
吉本興業 東京 |
2年連続3回目 |
カルテット再び! |
A |
もじゃ |
SMA |
初出場 |
未確認お笑い生物襲来 |
A |
レモンコマドリ |
トゥインクル・コーポレーション |
初出場 |
奇妙にエレガント |
B |
おかずクラブ |
吉本興業 東京 |
5年ぶり2回目 |
これが私たちのやり方だ! |
B |
キンタロー。 |
フリー |
初出場 |
顔面狂気 |
B |
エルフ |
吉本興業 東京 |
3年連続3回目 |
優勝しか勝たん |
C |
足腰げんき教室 |
ワタナベエンターテインメント |
初出場 |
漫才は爆発だ! |
C |
河邑ミク |
松竹芸能 |
2年ぶり2回目 |
鋼の自信 |
C |
総エントリー数は903組。昨年に引き続き過去最高エントリーを更新した。
審査員は川島明、田中卓志、哲夫、渡辺江里子(阿佐ヶ谷姉妹)、野田クリスタル、森田哲也(さらば青春の光)、そして視聴者による国民投票。
渡辺と森田は初の審査員となった。
史上初の火曜日の開催となった本大会では、視聴者の国民投票に票が入った10組のうち7組が敗退するなど審査員との評価の違いが目立った。
また、最終決戦に進んだ3組が3組とも下ネタ交じりのネタを披露するという賞レース史上類を見ないチン事が発生し、視聴者や同じ出場者のエルフ荒川からも物議をかもした他、司会の後藤が足腰げんき教室の名前を盛大に噛んだ結果とんでもない下ネタになるハプニングも起きていた。
【余談】
大会決勝の開始時刻は2021年まで20時開始・23時終了と賞レースの中では一番遅かった。
そのため新聞によっては翌日の原稿に優勝会見などの掲載が出来ない事態となり、2022年の第6回からは他大会と同じ19時開始に変更された。
追記・修正は当日急に任されたMC代理を完璧にこなしてからお願いします。
最終更新:2025年02月15日 16:59