この先は本作の黒幕に関する超重大なネタバレがあります!
登録日:2023/01/03 Tue 14:25:58
更新日:2024/12/11 Wed 16:33:06
所要時間:約 10 分で読めます
プロローグ~第1章に登場し、全身槍で串刺しになり死亡した「江ノ島盾子」の正体。
そして、コロシアイ学園生活の黒幕である本物の江ノ島盾子の
双子の姉で、
《超高校級の絶望》の1人。
真・人物
生まれついて「絶望」を愛している妹・江ノ島盾子を溺愛しており、彼女に常に服従している。
なお、妹への呼称は「盾子ちゃん」。
彼女のためならば如何なる殺人も厭わず、それが全て妹のためと盲信している。
その妹は、姉のむくろも「絶望」を愛していたと推測しているが、
作中の言動を見るに、むくろは「絶望」よりは妹のために行動している節がある。
作者のインタビューでは、実は戦刃むくろこそが生まれついての「絶望」であり、
妹の江ノ島は持ち前の才能「超高校級の分析力」で生まれた瞬間に姉の「絶望」を分析してトレースしたという旨の事が仄めかされており、
結果的には江ノ島の方が「超高校級の絶望」という扱いだが、むくろの「絶望」がその発端だったことになる。
一方で、苗木の言葉でころっと心境が変化するなど、むくろのそれは妹よりも脅威の感じない「絶望」であることは否めないが、
逆にそれこそむくろの絶望が「天然」である証左であり、それをトレース・実践し続けた影響で江ノ島の方の「絶望」が強くなったのかもしれない。
なお、双子なのに苗字が違う理由については、江ノ島曰く何度も同じ質問に答えさせられて絶望的に飽きているため、
「よくある話だから勝手に想像しろ!それが正解でいいぜ!」と言及するに留め、明確にはされていない。
軍人らしく体力面・戦闘面でのスペックこそ高いが、後述のようにギャルらしい振る舞いや他人のふりがとにかく下手であるなどあらゆる面で不器用な上、
さらに大のシスコンであるため、江ノ島からは「残念なお姉ちゃん」呼ばわりされており、彼女からの扱いは非常に悪い。
罵声を浴びせられるのは日常茶飯事で、体のいいパシリ扱いされているが、戦刃自身はそれが快感となっている様子。
双子ではあるものの、正統派美人かつグラマラスな江ノ島とはほとんど似ておらず、
妹に扮装したときも当の本人からは「雑魚キャラ」「エキストラA」「ヒンソーな体」とボロクソに貶された。
江ノ島に変装している時は、本物に合わせて一人称は「あたし」、同級生の呼び方は呼び捨てであるが、
本来の一人称は「私」、同級生の呼び方は「くん」「さん」付けであり、後述のスクールモードではこの呼び方が出てしまい、苗木に指摘される事がある。
コロシアイ学園生活において
コロシアイ学園生活を姉妹で主導した戦刃むくろと江ノ島盾子だったが、実際の生活を裏からコントロールするにあたり、
江ノ島は姉(戦刃)を「残念だからコントロール役には不適格」と判断し、学園生活の内通者として潜り込ませることにする。
しかし、そこで江ノ島は戦刃の肩書き《超高校級の軍人》を「3Z=絶望的に臭い、絶望的に汚い、絶望的に気持ち悪い(江ノ島談)」と判断し、
そんな世間のニーズから大きく外れている肩書きを持った姉を、そのまま内通者として潜り込ませることに難色を示した。
そして江ノ島が採用したのが、姉を《超高級の軍人》ではなく、花があって捨てるにはもったいない「《超高校級のギャル》江ノ島盾子」として変装・潜入させることだった。
しかし、いくら姉妹とはいえ、戦刃のギャルとしてのヴィジュアルはあまりに残念だった。
それらしいメイクをしているものの、雑誌に載っている本物の江ノ島とは明らかに「顔が違う」と苗木から指摘されるほどで、
これは「画像処理ソフトで盛ってる」という残念な言い訳で回避したが、顔だけでなく胸も妹より小さかった。
普段の行動も、やたらと「ヤバい」ばかり言ってて頭が悪そうだし、自由行動では野宿の経験を嬉々として語り、
ギャルのカリスマ、ファッションリーダーのはずなのにオシャレには興味がないと言い切り、
プレゼントについても、一般的なギャルならばまず興味がなさそうな「レーション」や「ナイフ」で喜ぶ始末。
最早ギャルとして取り繕うのにも無理がある状態だった。
そもそも、前述した残念な言い訳も、選定理由が「平均レベルの成績の同年代の生徒全員からくじ引きして決めた」
《超高校級の幸運》である苗木だからギリギリ通用したものの、
「編集で盛らないと雑誌等に採用されない」レベルのギャルが、トップクラスのアイドルという才能で入学していた
舞園と同レベル扱いの時点でおかしく、
頭がアレっぽい
桑田あたりですら「
君で例えたら不正投球して勝ってた人物を《超高校級の野球選手》と認定したようなもの」と説明すれば気付く程度の物だったのだ。
これはまずいと判断した江ノ島は、黒幕として姉である戦刃を「見せしめ役」として始末することを即決。
これには、江ノ島が《超高校級の分析力》を駆使して彼女の行動パターンを計算し、「先が読めて飽きてしまった」ことも理由にある。
その結果、学級裁判のルールを説明後、恐らく江ノ島から「牢屋に幽閉されたように見せかける」と言いくめられたであろう戦刃は、
モノクマに反抗して暴力を振るう素振りをし、その罰としてグングニルの槍で全身を串刺しにされた。
無論、戦刃自身は全くの予想外の展開であり、最愛の妹に殺されるとは露ほども思っていなかった。
最期のセリフは彼女の本心から来る言葉であり、絶望しながら死亡していった。
なお、江ノ島が死ぬ事件の前に、プロローグで
大和田がモノクマに掴みかかって爆殺されかかり、
自分に逆らうものは平然と殺そうとする黒幕のヤバさに苗木たちが戦慄する場面があったため、
頭に血が上ったと推測されるとはいえ、そんな一幕を経た上に、校則でモノクマへの暴行を禁止されたにも関わらず、
躊躇なくモノクマに反抗し、暴行して粛清された江ノ島(=戦刃)の迂闊さに首を傾げたプレイヤーも少なくないだろう。
この件を嬉々として語る江ノ島には苗木達もドン引きしていたが、
江ノ島自身も「双子の姉を自分の手で殺す」絶望に酔いしれており、彼女と常人との決定的な断絶を露わにしている。
死後の扱い
その後、江ノ島として死んだ戦刃の死体は、特に元の姿に戻されたりはせずに生物室の死体安置冷蔵庫の中に保管されていたが、
急遽苗木と霧切を排除するための罠として事件をでっち上げようとした江ノ島に、まだ見ぬ高校生「戦刃むくろ」の死体として再利用される。
死体に覆面を被せた上で爆発で顔を焦がし、身元を不明にさせた上でアリバイのない苗木と霧切を処刑させようとしたが、
苗木がクロとなるルートでは、彼の生還と予期せぬ二度目の裁判、そして霧切が死体を検視したことで「全身の傷」が致命傷であると判明したため、彼女の正体が明らかとなった。
※霧切がクロとなるルートでは彼女が処刑されて学園の秘密も明かされず、黒幕の正体も明かされないアナザーエンドとなる。
終盤で「実は苗木たちと共に一年間は平和な学園生活を送っていた」ことが明らかになるが、
その記憶を消されて以降は面識がないこともあり、生き残った苗木たちの中に彼女に対する仲間意識を持つ者はいないが、
苗木は「信頼していた妹に裏切られ、見せしめとして殺された」最期については同情されており、江ノ島に怒りをぶつけるシーンがある。
他作品の活躍
松田夜助によって記憶を消された妹・江ノ島盾子=音無涼子の前に江ノ島の変装をして現れ、彼女を事件に巻き込んでいく。
なお、今作の変装中の彼女は本物の江ノ島に近い、理解不能な言動をしており、江ノ島の演技指導がより濃くなっている。
斑井兄弟に襲われそうになった音無や苗木の前にも素顔で現れ、格闘技で斑井兄弟を一掃している。
なお、妹が恋人の松田を殺す様子には全く反応を示していない。
- ダンガンロンパIF 希望の脱出装置と絶望の残念無双
ゲーム「
スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園」特典の小説。戦刃が主人公となっている。
本編で処刑されそうになったところを苗木に助けられ、自分が江ノ島に利用されていただけだと自覚し、生存者達を助けるために奔走する物語。
しかし、江ノ島から離反したとは言え江ノ島を裏切ったという訳ではなく、生存者を救う立場になった後も江ノ島の事を第一に考えて行動している。
と言うのも、江ノ島は絶望が大好きであり、それは他者に降りかかる絶望のみならず、自分自身に降りかかる絶望も例外ではなかった。
戦刃はあえて敵の立場となって江ノ島の野望を打ち砕く事で、愛しい妹に敗北と言う『最大級の絶望』を味わわせてやろうという想いを秘めていたのだ。
前日譚のアニメ。
江ノ島に忠実な側近として、希望ヶ峰学園を混沌に追い込んでいく。
- 超高校級の才能育成計画/ハッピーダンガンロンパS 超高校級の南国サイコロ合宿
前者は「
ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期」付属のミニゲーム、後者はそれを発展させた単独作品のボードゲーム。
ほぼ全てのキャラが登場する関係上、彼女も江ノ島も揃って
ネタバレ上等で登場する。
……のだが、キャラの立ち絵が各タイトルからの流用であるためなのか
戦刃は妹に変装したままという残念な扱い。
ただし、ストーリー上はむくろが江ノ島として入学しているのがデフォルトとされており、江ノ島を操作して発生するイベントは基本的にパラレルワールドのような扱いとなっている。
余談
- 作品の関係上、存在自体がネタバレのようなキャラクターなため、気軽に話すら出来ないようなキャラクターである。
「ゼロ」が発売される前は人物像はほとんど明らかになっておらず、憶測で語られることが多かった。
- 「ゼロ」と「2」の特典小説では苗木に対して気のあるような素振りがある(「1」でも快く接してくれている)ため、二次創作では彼女と苗木の組み合わせが描かれるようになった。
- 「IF」執筆者が「ゼロ」の描写を見て「苗木の事が好きだったのか?」と聞いた所公式ライターから「そう捉えていただいてもかまいません」と返答が来たと発言している。
- また、公式イラストで自身と苗木が同一イラストに含まれている物は全部のイラストで彼女の視線が苗木に向かって固定されている。
- ダンガンロンパ アナザーストーリーにおける彼女と苗木の会話は何というか残念さが滲み溢れており必聴である
- クリア後の設定資料集の中で唯一下着姿が描かれている。
ちなみにド貧乳と書かれているがスリーサイズを見る限りでは言うほどスレンダーではない。妹が凄すぎるだけだと思われる。
実際、判明している戦刃のスリーサイズと体重を胸のカップの判定ツールに入力すると「Eカップ」と出力されるが、
これは同計算・同一カップであれば別作品だがこの人と同じであり、一般的にはむしろ大きい方だろう。
- 前述の通り、自由時間のプレゼントで盾子にレーションや武器系アイテムを送ると喜ぶので、これが地味に伏線になっている。尤もすぐ退場するのでこの伏線に巡り合える機会が稀であるが。
- また、普通のミネラルウォーターで喜ぶ唯一の人物でもある。生存期間が短いため水3つで好感度イベントが終わる。
- 「1.2RELOAD」で追加されたスクールモードにおいてはむくろとの交流が増えており、彼女の残念な部分と苗木への好意がよりはっきりと描かれることになった。
スクールモードをプレイしたプレイヤーは「あぁ、これは殺しとかないとその内やらかすわ」と江ノ島の行為に納得するほどに。
- 娯楽室に遊びに来ただけなのに「ロッカーの中に伏兵がいるかもしれない」などと物騒な事を言い出す
- ダーツをすると「ナイフ投げはよくやってた」とぶっちゃける
- 茂っている草でギリースーツを思い出す
- 甲冑を欲しがる苗木に対して「スピード殺して不利になるだけ」とアドバイスする(苗木には甲冑を着る発想はなかった)
- 図書館の本で真っ先に反応するものがサバイバルの指南書
- 惹かれるゲームはFPS
- 薄暗い音楽室で「どこかに潜んでる方が落ち着く」など言い出す
- 得意料理は生の鶏肉(※絶対に真似しないでください)
- ココロンパで黒幕行為への迷いを吐いてくる、この時は選択次第で素の口調になる。
- 上記の行為全てを監視カメラのド真ん前で行う
など。
- 体験版においては彼女が生存している扱いなので、学級裁判に参加する場面を見ることが出来る。
- 彼女(と本物の江ノ島)はミステリーにおける禁止事項として有名な『ノックスの十戒』と『ヴァン・ダインの二十則』に真っ向から喧嘩を売った存在とも言える。
正確な事項は項目を参照いただきたいが「替え玉によるトリック」「作中前半に登場しない真犯人」に該当する。
もっともこれらの事項は「上質なミステリーを作りたいならば無闇に破らない方が良い」程度のもので、
禁忌というほど重いものとしては扱われておらず、恐らく制作陣もそれは理解して破ったものと思われる。
そもそもそれを言い出すとこのゲーム自体が「中国人を登場させてはならない」をコンセプト時点で破ってるし
アタシってそんなにバカっぽい?ねぇ、バカっぽいの?
え、でも私は盾子ちゃんの書いた台詞通りに……
ふーん、言われたことしか追記修正できないんだ……ねぇ、お姉ちゃんって本気のバカでしょ
ご、ごめんなさい……本当に……っ!