登録日:2023/11/26 Sun 22:18:00
更新日:2024/12/03 Tue 02:14:26
所要時間:約 5分で読めます
『
16bitセンセーション』はみつみ美里、甘露樹、若木民喜による漫画作品。
2016年の
コミックマーケット91にて初めて
同人誌として配布された。
後にKADOKAWAから『
16bitセンセーション 私とみんなが作った美少女ゲーム」のタイトルで商業誌版の単行本が発売された。(巻数2巻)
さらに2023年より『16bitセンセーション ANOTHER LAYER」のタイトルでアニメ化されることになった。
【概要】
原作者であるみつみ・甘露は、それまで
Leafで数多くの美少女ゲーム(18禁ゲーム)の開発に携わってきた経験を活かして、
90年代美少女ゲームの現場を今のうちに記録したいというコンセプトの下、「
神のみぞ知るセカイ」で美少女ゲームを題材にした作品を描いた若木を作画担当に迎え、製作に取り掛かったのが本作である。
登場人物はオリジナルだが、随所にみつみ・甘露の体験なども反映されているという。
製作が開始された2010年後半~2020年代は美少女ゲームが斜陽期にかかっており、多くがソーシャルゲーム、ライトノベル、なろう発端のハーレムラブコメ・異世界ファンタジー作品に押されてしまい、注目される機会が減少している。2000年代には数多くみられた美少女ゲーム原作のアニメも、この時代になるとほとんど見られなくなってきている。
こうした美少女ゲーム界隈の衰退と現状をアニメを始めとする作品の中で描かれているのも特徴である。
商業用誌版に関しては、作中許諾が得られなかった美少女ゲームやそれに準じたネタなどが
同人誌版からカットされている。
2023年10月から放送されるアニメ版は物語の設定を大幅に変更している。アニメオリジナルキャラクターの秋里コノハが2023年から1992年にタイムスリップし、美少女ゲーム作成のルーツを探り、衰退していく美少女ゲーム産業の中で「自分が作りたい美少女ゲーム」への熱い思いを周囲に伝えていく内容となっている。両者を比較するのも面白いと思われる。
【あらすじ】
(漫画版)
1992年、エロゲーメーカーでアルバイトを始めた大学生・上原メイ子。絵が得意な彼女はグラフィッカーに就任するも、18禁イラストを描いたことがなく……!? 彼女はエロゲーを完成させることができるのか!?
(テレビアニメ版)
秋里コノハは美少女&美少女ゲームが大好きなイラストレーター。
超人気絵師になることを夢見て美少女ゲーム制作会社で
奮闘しているものの現実はうまくいかず……、
ソシャゲ全盛期の現代に会社は傾き、
コノハはサブのイラストレーターとして
モブキャラの後ろ姿を塗る日々を過ごしていた。
ある日、ひょんなことから過去の名作美少女ゲームを
ゲームショップの店主から譲ってもらうことに。
美少女ゲーム黄金時代に思いを馳せ、
『
同級生』のパッケージ開くと
突如まばゆい光に包まれ、気づくとコノハは
過去にタイムリープをしていた!
行きついた先は1992年!世は美少女ゲーム黎明期!
アルコールソフトという会社で働くことになったコノハは、
美少女を想い、美少女を描き、美少女を創りあげていけるのか!?
圧倒的な美少女への愛でお送りする、ひとりの少女の物語――
【キャラクター】
(アルコールソフト関係者)
上原メイ子
CV:
堀江由衣
漫画版の主人公。大学1年生で教育学部所属。
パソコン会社でバイトをしていたが、スタッフ逃亡などのアクシデント等も相まって、アルコールソフトへバイトすることになり、イラストレーターとして才覚を発揮していく。
かおり曰く、「
天才」。彼女の描く美少女キャラクターの絵が多くのファンを生み出すことになった。
反面、18禁ゲームのグラフィック作成において乳首や局部を描くのは苦手という。
(既存のデータのコピペを活用しているとか)
なお、アニメ版担当声優の堀江は「
kanon」の月宮あゆや「D.Cシリーズ」の
白河ことりなど過去、美少女ゲームの人気ヒロインを数多く担当してきた。
特に前者に関しては作中でも名前が取り上げられ、「
うぐぅ」ネタなどが披露されたが、
メイ子本人は実践していない。
下田かおり
CV:
川澄綾子
アルコールソフトのメイングラフィック担当。スタッフの取りまとめ役をしている。
同時に同人作家としても活躍している。
普段は糸目キャラだが、真剣な話をするときは開眼する。
メイ子のことを気に入っている。メイ子もかおりを「かおさん」と呼んで慕っている。
アニメ版担当声優の川澄は「To Heart」の神岸あかりや「
Fate/stay night」シリーズのセイバーでお馴染み。数多くの美少女ゲームの人気ヒロインを歴任している。
六田守
CV:
阿部敦
3歳の頃からPC-9801(通称98)に触れており、その魅力にどっぷりとはまってしまった所謂「
98オタク」である。アルコールソフトではプログラマーとしてその才能を振るっている。
98への思いは深く、メインPCをWindowsへ移行する方針を会社で固めた後も必死で抵抗したことがある。アニメではコミケで98を模した
粗雑なコスプレをして98への思いを叫んでいた。移行後も98は弄り続けている様子。
アニメ版ではコノハとの絡みが多く、準主人公的な扱いとなっている。タイムリープの事実を認識した後もコノハの相談役となっている。2023年の技術で作成されたコノハのイラストを見て驚愕する。これでタイムリープの事実に納得できたともいえる。
六田勝
CV:伊藤健太郎
守の父親。アルコールソフトの社長。通称「
てんちょー」。
アルコールソフトでは企画・音楽を担当している。
かおりの企画の
ゲームが大ヒットしてアルコールソフトに利益が向上した後、ポルシェを購入して乗り回すなど、贅沢三昧の日々を過ごしている。
その後、市ヶ谷の口車に乗って、会社の資金を会社のコンシューマ化に向けて使っていたが、提携先の企業の倒産により、
会社に大損害を与えてしまう。(なお、アニメ版では詐欺まがいの事業に資金を充てたことで、市ヶ谷の逮捕をきっかけに10億円の借金を抱えることになった)
その後、アニメ・漫画版ともに入院した後、罪滅ぼしも兼ねて復帰する。
他のアルコールソフトのメンバーと比較すると才能に乏しいという自覚があり、焦りの感情から上述した資金投資の愚行に及んだとされる。
五味川清
CV:福島潤
アルコールソフトのシナリオライター。通称「
キョンシー」。
プロレス好きで、普段からプロレスラーのようなマスクをつけている。
漫画版ではかおりとは
ゲーム製作の方向性をめぐり対立しアルコールソフトを離脱。スピリッツソフトを立ち上げる。
なお、アニメ版では上述の展開はカットされており、アルコールソフトのシナリオライターのままである。
小山千里・小山万里
CV:赤尾ひかる
アルコールソフトの双子シナリオライター。
東京で二次創作小説を書いていたところをかおりからスカウトされる。
ひとりがキャラになりきり、もう一人がインタビューする方法をとるいわゆる「憑依型ライター」とされる。
橋本
CV:
浅野真澄
アルコールソフトの広報担当。元々は銀行職員だった。
スーツ姿で真面目な性格。銀行の仕事と比較するとアルコールソフトの仕事はやりがいがあるらしい。
(その他の人物)
市ヶ谷
CV:
森久保祥太郎
ダイヤモンドスタジオの社長。
アルコールソフトの
ゲームのコンシューマ移植や
アニメ化企画などのメディアミックス企画を持ち出す。
メディア露出も多く、敏腕プロデューサーとしてその名が通っていたが、
金遣いの荒さがあだとなり、会社は倒産し、夜逃げに走ってしまった。
アニメ版では市ヶ谷東洋と、名前が変更されている。
提携した企業の資金を使い詐欺を働いたことで、逮捕されてしまった。
ただしアルコールソフトのコンシューマ化には本気で、構想企画を逮捕前に勝が分かるところに隠していたことがある。
山田冬夜
CV:山根綺
漫画版だと美少女ゲーム会社「シューティングスター」の社長。
ツインテールで巨乳の女性。メイ子のライバルポジションにいるキャラ。彼女の人気に嫉妬している様子。色仕掛けともとれる強引な営業手法で利益を得ようとしている。
アニメ版では、登場当初(1996年)はロングヘアに眼鏡をかけ、地味系女子として描かれている。美少女ゲームが好きだが、男ばかりいる店に入ることを億劫に感じていたところ、コノハに手伝ってもらい、お目当てのゲームを購入することが出来た。
以降、彼女を「お姉様」と呼んで慕っている。
後に美少女ゲームの原画家としてデビューするが、自らコスプレして営業して回るなど、以前とは性格が違うと思えるくらいに大きく変わっていった。
(アニメ版主人公)
秋里コノハ
CV:古賀葵
アニメ版の主人公。
19歳で黒髪セミショートだが、水色のインナーカラーが見られる。
美少女ゲーム会社「ブルーベル」に務めるイラストレーター。
イラストサイトで独自のイラストも投稿している。
美少女ゲームをこよなく愛しており、自身の部屋には大量の美少女ゲームが置かれている。
夢は自分が描いた美少女キャラを使い、大作
ゲームを作りたいと願っているが、2023年時点では美少女ゲーム界隈はすでに規模縮小を余儀なくされ、ニッチな需要(催眠とか凌辱とか
時間停止ものとか)の18禁ゲームの仕事しかまわしてもらえず、ストレスを抱える日々を過ごしていた。
そんな中で、たまたま発見した中古
ゲーム店「BIBI」のゲームソフトのパッケージを開けたとき、1992年へタイムリープし、アルコールソフトの面々と出会うことになる。
その中でアルコールソフトの業務に携わっていく中で、
自身の夢を叶えるのはこの場所しかないと思うようになっていく。
【テレビアニメ版】
2023年10月より『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』のタイトルとしてTOKYO MXなどで放映中。監督は佐久間貴史。アニメーション制作はst.シルバー。
上述のように、漫画版とは異なり、アニメ
オリジナルキャラクターの秋里コノハを主人公にして、2023年から1992年にタイムワープして当時の美少女ゲームの製作事情を描いている。2023年とはPC技術があまりに違い過ぎることから、そのギャップを目の当たりにしつつ、当時のクリエイターの奮闘や葛藤を織り交ぜながらコメディ形式で描いている。
ゲーム以外でも90年代の時事や風俗、オタク関係のスラングの
ジェネレーションギャップも描かれている。(例えば守のオタッキー発言やコノハの”無双する”の発言に99年の守がピンときていない部分など。)
シナリオに関しては、アクアプラスなどでシナリオを担当した経験もある髙橋龍也も携わっている。
EDアニメーションを担当している
渡辺明夫は別名義も含め多くの美少女ゲームにOPアニメや原画等色々な形で関わっている。
タイアップ
商業用漫画版では権利関係上、カットされたネタなどもあったが、
アニメでは実在する美少女ゲームやメーカーが名前を出して登場している。
(例)
同級生(エルフ)
こみっくパーティー(
Leaf アクアプラス)
痕(
Leaf アクアプラス)
Kanon(
key)
ハピメア REGRET END(Purple Software)
Fate(Type Moon)
等他多数。
ちなみに、アニメ版放送開始直前の2023年8月末にクラウドファンディングを達成し2024年のアニメ化が決定したハミダシクリエイティブ(まどそふと)は作品がアニメ化する前にパッケージがアニメ出演という謎の快挙を成し遂げた。
主題歌
追記・修正は90年代の美少女ゲームに思いを馳せることがあった時にお願いします。
- アニメのEDを担当してる渡辺明夫さんも美少女ゲーに絡んでる人だしホント徹底されたスタッフの人選だなあって -- 名無しさん (2023-11-26 22:41:51)
- 社長で音楽担当だったり、親子でゲーム開発に関わっている描写から、てんちょーや守の関係はLeaf社長の下川直哉がモデルだろうか(設立当初の代表取締役の実子でもと専務) -- 名無しさん (2023-11-26 22:47:09)
- アニメから知ったけどこれ原作が同人だったのか。このはの部屋がギャルゲ以外だと結構リコリコとかマギレコのアクスタっぽいのが置いてったなぁ -- 名無しさん (2023-11-27 10:11:05)
- OPの歌詞がものすごく刺さる -- 名無しさん (2023-11-27 10:49:02)
- 冬夜アニメだとまだ原画家の段階っぽいけど男の人ってちょろい的なこと言い出したし数年後には原作と同じような立場と営業してそうな感じある -- 名無しさん (2023-11-28 11:00:55)
- 北米版セイバーはいつかきのこたちがネタにするようにしか見えんぞwww -- 名無しさん (2023-12-07 01:26:53)
- アニメ最後まで見た結果、結局見たかったのは最初の方の16bit世代の話だったなぁって何か残念な感じになった。 -- 名無しさん (2024-02-20 14:06:33)
- 北米版セイバーは面白かったけどそれだけなんだよな改変現代。守君とゲームのベース作ってもう一回過去戻って冬夜とゲーム仕上げてアルコールソフトとガチンコ対決てストレートに終わらせてたら名作だった -- 名無しさん (2024-06-15 22:01:00)
- このアニメの惜しいところは、劇中で開発したゲームが、作中の楽しそうな開発風景よりも果たして面白いのか今ひとつ説得力に乏しいところ(しかもそれがバカ売れしているときた)。音楽や漫画やアニメならまだしも、プレイしないと面白さの判らないゲームは劇中劇に不向きだったり、表現するのに限界があるのかもしれない -- 名無しさん (2024-07-24 22:58:21)
- マコモノグランドルートという公式が出した幻覚(本物)が強火すぎる -- 名無しさん (2024-12-03 02:14:26)
最終更新:2024年12月03日 02:14