藤岡弘、探検シリーズ

登録日:2023/12/02 Sat 04:10
更新日:2024/10/02 Wed 01:30:50
所要時間:約 5 分で読める項目は実在した!





水曜スペシャル


藤岡弘、探検シリーズ

(BGM:『カプリコン・1』メインテーマ)


藤岡弘、探検シリーズ』とは2002年から2005年にかけてテレビ朝日系で不定期に放送されていたテレビ番組である。

目次

これが藤岡弘、探検シリーズの概要だ!

番組のルーツは1977年から同局の単発枠『水曜スペシャル』で不定期に放送されていた「川口浩探検隊」シリーズである。
番組は非常に人気が高かったものの、当時テレ朝を揺るがしていたやらせ問題*1に加え、川口隊長が癌の療養に入ったことから1985年に終了していた*2
その後、2002年に藤岡弘、を新隊長に迎えて復活。2002年12月25日から2005年3月19日までに計6回が不定期に放送され、うち4回は『スイスペ!』(水曜スペシャル)枠で、残り2回はそれぞれ特別枠と『ドスペ!』(土曜スペシャル)枠で放送された。
その後2009年2月1日に『よゐこの無人島0円生活』内のミニコーナーとして単発放送されている。

また放送当時には同じテレビ朝日系の『クレヨンしんちゃん』とのタイアップが行われ、アニメ中に藤岡隊長がゲストキャラの本人役として出演したことがあった*3
BGMは川口版と同じく『猿の惑星』や『カプリコン・1』、『U・ボート』、『特別狙撃隊S.W.A.T.』、『Mr.レディMr.マダム』、『タイタンの戦い』、『カサンドラ・クロス』などのサウンドトラックが使用されている。
川口浩探検隊シリーズとの違いとしては前作は意外と未確認生物ものは少ない*4。(トロピカルガーに「古代恐竜魚ガーギラス」、アブラヨタカに「怪鳥ギャロン」と勝手に名前を付けて珍獣扱いしたりどうみても現地人のおっさんの猿人バーゴンが登場したりしていたが)のに対して藤岡弘、探検隊シリーズの場合は全6回のうち5回が未確認生物メインの回である。

この番組以降、「藤岡弘、といえば探検隊隊長」と広く認知されるようになり、定番の持ちネタとなった。
例として、同じテレビ朝日系列の『シルシルミシル』で藤岡があらゆる物の裏側をレポートするコーナー「藤岡弘、探検隊」が不定期で放送されており、同じく『ナニコレ珍百景』でも自然界の珍百景を藤岡がリポートする「探検珍百景」「ワイルド珍百景」「洞窟珍百景」などといったコーナーが2時間スペシャルなどで不定期に放送されており、2020年には『マツコ&有吉 かりそめ天国』内で川口版の再放送まで実施された。
他にも『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)でも本作のパロディである「宮川探検隊」なる企画が放送されるなど、一介の懐かし番組に過ぎなかった探検隊シリーズを復活させ、知名度を上げた功績は非常に大きい。

なお、川口版の打ち切りの原因となったやらせ疑惑については、サブタイトルに「冒険エンターテイメント」と標榜し、あくまでドキュメンタリー番組ではないことを明示することで対処している*5。また川口版と同じく実際に現地のジャングルなどでロケ撮影が行われたが、かなり過酷で大変だったとのこと。
余談だが川口版でもネタばらしをする特番を製作し、上述のモキュメンタリー路線で継続する計画があったそうだが川口の死去により全て破談になったという。


2023年現在、ソフト化や配信はされていない。

世界の謎に挑んだ探検隊の軌跡!

全六回中三回がブラジルが舞台。

今夜復活! あの伝説の探検隊が帰ってきた! アマゾン奥地1500km! テラプレータの密林に 謎の猿人 ジュンマは実在した!

2002年12月25日放送。
川口隊長の墓前で探検隊シリーズを再開することを報告した藤岡隊長はブラジル・アマゾンへ。そこには猿人、ジュンマがいるという。探検隊は底無し沼に落ちたりしながらジュンマの撮影に成功する。

ベトナム奥地ラオス国境密林地帯に呪われた竜の使い人食いヅォンドゥーは実在した

2003年4月9日放送。
探検隊はベトナムとラオスの国境地帯で大蛇ヅォンドゥーを探す。探索の末にヅォンドゥーが住むという洞窟の中で大きなニシキヘビのような生き物を見つけたのでこれを捕まえると帰って行った。

失われた大地…南米ギアナ高地の洞穴に謎の地底人クルピラは実在した!

2003年10月1日放送。第六回とともに最も人気のある回。
探検隊は南米ギアナ高地で謎の地底人クルピラを探索し撮影に成功。
洞窟の中まで追跡し、あと少しの所まで追い詰めるがクルピラが逃げ込んだ穴は人間の大人が通るには狭く、壁を壊そうにも自然が何万年もかけて作ったものを壊すわけにもいかずやむをえず撤退する。

エチオピア奥地3000キロ!幻の白ナイル源流地帯!!古代裸族に人類の原点を見た!!

2004年1月2日放送。
探検隊はエチオピア奥地の白ナイル川源流域で古代エジプト文明の痕跡を探索。今回は珍しく未確認生物の類がいっさい登場しない。
現地人と一緒に魚を捕まえて交流するほんわかしたシーンなどまるで別番組のような展開が続いた。現地の習俗の映像には本職の人類学者から見ても貴重なものがあるという。

アマゾン奥地6000km! 密林の恐怖 イプピアーラ 大追跡! これが半魚人伝説の正体だ!

2004年9月8日放送。
アマゾン河口域で現地の住民を悩ますチスイコウモリの調査を行っていた探検隊の元にアマゾン奥地で謎の半魚人 イプピアーラが出現したとの情報が入り、急遽予定を変更して調査に乗り出す。
最後は呼び寄せた水上機で上空からアマゾンの広大さを確認して終了。

ミャンマー奥地 赤い密林縦走3000km! 伝説の野人 ナトゥーを追え!

2005年3月19日放送。クルピラ回とともに人気回。
探検隊はミャンマー奥地で伝説の野人ナトゥーを探索するため、今も昔も紛争地帯で外国人が立ち入れないはずのチン州やカチン州などで撮影を敢行。
転がって来た丸太や岩で全滅しかけたりしながらもついにナトゥーを木製の檻に閉じ込めるがあまりの怪力に檻が壊されそうになり安全のため避難。翌日見に行くともぬけの殻だった。これまでの回と違い個々の隊員の名前が明かされた上でスポットがあたることが多かったのが特徴。


探検隊とそのレギュラーメンバーたち!

  • 藤岡弘、
この探検隊の隊長。常に冷静沈着で危機センサーを持つ。
数々の迷言を残した他、その迫真のリアクションの数々から視聴者からは演技とは思われず「この番組はドッキリカメラなのでは」と言われるほどだった。

  • 藤森夕子
毎回序盤で出発する探検隊を見送り、以後は別行動で現地の観光スポットや珍しい料理を紹介するミニコーナーを担当。
「ジャングルの奥地にいる探検隊よりもゲテモノ料理を多く食べている」という印象を視聴者に与えた。

  • 隊員たち
どんな人跡未踏の場所でも「水曜スペシャル」とでかでかと書かれたユニフォームを着て飛び込んでいく、が毎回つまらないよそ見などで水に落ちたりしては隊長に叱られるのがお約束。
大切なのは慌てないことである。

  • 松田隊員
やくざ映画などで活躍する俳優の松田優その人。
特撮ファンからはチームハーキュリーズリーダー闇の巨人ダーラムとして知られる。
ナトゥー編から探検隊に参加、森の中で現地の人が木材の運搬作業をしていた林道をうろちょろしていたせいで転がって来た丸太を怪力で受け止め探検隊を全滅から救い、これにより副隊長に昇格。もっともナトゥー編が最終回だったためこれが最初で最後の出番になってしまった。

  • 大和隊員
元ボクシング東洋太平洋チャンピオンの大和心その人。割と登場回は多い。
エチオピア編では全裸で現地の儀式に参加した他、ナトゥー編では初回のゾォン・ドゥー編で登場したヘビ使いに弟子入りし、猛毒コブラの捕獲の技を身につけていたことが明かされた。

  • 番組序盤で報告に来る隊員
隊長と藤森氏が話しているところへ毎回同じアングルと台詞で割り込んできて出発の準備ができたと報告する。

  • 現地ガイド
かなりの確率で途中で怪我などで脱落する。

  • ナレーター
CV:田中信夫
川口浩探検隊からの続投。その特徴的な語りで有名。

  • 現地人
自分たちの土地にいきなり押しかけてきて「未確認生物を探す」と言いだしてその辺の森の中をガサガサしだす余所者の探検隊に寛容な温かい人々。
やブドウ糖をあげると仲良くなれる。

  • 毒蜘蛛・毒蠍・大蛇
毎回、隊員がテント設営などで一息ついた隙に「と、そのときだった!」というナレーションとともに現れ襲いかかるレギュラーキャラ。
普通野生の生き物は人間の都合に関わらずそこにいるものだが探検隊が遭遇するのは人間が油断した際にわざわざ現れるものが多い。

  • ゴムボート
毎回底が抜ける。

人跡未踏の秘境の奥地に蠢く未確認生物の数々!

登場する未確認生物の殆どがこの番組以外で紹介されたことが殆どなく、海外サイトでも見つけられないものが多い。

ジュンマ

アマゾンの奥地のテラプレータと呼ばれる場所にいるという猿人。
右手に30キロのカメ、左手に20キロの棍棒を携えながらも軽々と探検隊の追跡を振り切るほどの高い身体能力を有する。簡単な住居を作るなど知能は高いようである。好物はカメとバナナ
残された足跡はゆうに30センチを超えるが、探検隊の補足したジュンマの後ろ姿は普通の現地人とほぼ同様の体格であった。本当に同一の個体によるものだったのだろうか? なお筆者はこの番組以外でジュンマに関する記録を発見できていない。

ヅォンドゥー

1987年にその存在が初めて映像に捉えられたとされる有角の超巨大竜。
人里離れたベトナム-ラオス国境地帯の山岳に潜み、現地の人間には「呪われた竜の使い」として恐れられる存在であるという。
体長は10メートル超。外見は竜に似ており頭部には角がある。
現地人が「ヅォン・ドゥーの這った痕」と指差したそれはまるでタイヤの跡のような一直線の溝だったため、体をくねらせて進む普通のヘビとはだいぶ違う生き物のようである。
なお、探検隊は探索の末にヅォンドゥーが住むという洞窟内において体長8メートル、体重100キロのニシキヘビを発見し、これをヅォンドゥーの正体として捕えて帰路に就いたが頭部にはヅォンドゥーの大きな特徴のはずの角はついておらず、視聴者たちは「単にニシキヘビを捕えただけでは?」と頭上に大きな?マークを浮かばせた
なお筆者はこの番組以外でヅォンドゥーに関する記録を発見できていない。

クルピラ

南米ギアナ高地のジャングルの洞窟に住むという地底人。
小柄な体躯で赤色の髪に緑色の肌が特徴。動きは俊敏で後ろ向きに走る。壁画を描いたり仮面を作って被るなど知能は高いようである。
隊長は正体は宇宙人がギアナ高地にやってきて住みついたものだと推測していたが現地人からは否定されていた。好物はカタツムリ
ちなみにクルピラは実際にアマゾン川流域に住むトゥピ・グアラニー系の先住民の間で語り継がれている伝説上の存在だが彼らはギアナ高地にはいない。またこの番組以外の媒体では未確認生物というよりも一種の妖怪や精霊として紹介しているものが多い。

イプピアーラ

アマゾン川奥地に住むという半魚人。
腕は長く水かきがあり大きな背鰭もある。時々陸に上がるようであり探検隊は大きな鱗や食べかけの魚や亀を発見していた。この番組で登場するものでは珍しく他の媒体でも紹介される未確認生物、
といっても16世紀に目撃証言があるだけで近年の目撃情報はないはずだが…。

ナトゥー

ミャンマー奥地に住むという猿人。身長2mで直立歩行をするという。
多くの少数民族に認知されており民族ごとに呼び名は違うようである。
行動範囲は広く山から山へ渡りをするようである。また雑食性のようであり、巨体ゆえに糞の量もすさまじく隊長もサンプルを収集していた隊員に苦言を発するほどだった。
なお筆者はこの番組以外でナトゥーに関する記録を発見できていない。


ワカンダ王国の謎に迫る。藤岡弘、探検隊特別映像

2018年某日に公開された特別映像。
某政府機関から送られてきた未知の鉱石の謎を解くために藤岡弘、探検隊はジャングルの奥地にあるというワカンダ王国へ向かった!
激しい戦闘の痕や危険な罠を潜り抜けた彼らを待っていたのは、光のカーテンが行く手を阻む奇妙なパワースポットだった。
最終的に鉱石は回収されてしまったが、知り合いのアイアンマンの情報提供もあって持ち主である「ブラックパンサー」の正体を知ることに成功し、彼からワカンダ王国の秘密を少しだけ教えてもらうことができた。
藤岡弘、手書きのブラックパンサーが見れるよ。



番組に登場する未確認生物たちについて我々は信頼するに値する資料を発見することができなかった。
だが、『藤岡弘、探検シリーズ』が放送された事、そして視聴者に感動を与えたこと、これらはまぎれもない事実であり、我々はそれをたしかに目撃した!
この世に解明されない謎があるかぎり、これからもwiki籠もりたちは追記・修正を続ける!
(BGM:『ロッキー』“最終ラウンド”)




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  • おい、あれを見てみろ!
  • 藤森夕子
最終更新:2024年10月02日 01:30

*1 昼のワイドショー『アフタヌーンショー』で生じたやらせリンチ事件で、問題発覚後に関係者が自殺する最悪の事態に至ってしまい番組は打ち切られた。

*2 1986年には川口の闘病を追った特別版が放送されたが、川口はこの翌年の1987年に亡くなっている。

*3 クレヨンしんちゃんスペシャル『野原ひろし探検隊 秘境に秘書だけの村を見た』。

*4 川口浩探検隊に登場したものは双頭の大蛇ゴーグなど

*5 モキュメンタリーという用語がまだ一般的ではなかったため。