登録日:2023/12/12 Tue 15:42:54
更新日:2024/12/26 Thu 16:19:32
所要時間:約 11 分で読めます
【基本データ】
世代 |
完全体 |
タイプ |
巨鳥型 |
属性 |
ワクチン種 |
必殺技 |
・ミョルニルサンダー 頭から生えている羽に電撃を発生させ、敵の頭上に雷を落とす技。 後にブリッツモンが同名の技を使用するようになる。 |
得意技 |
・ソニックデストロイヤー 音速で飛行した衝撃波で敵を薙ぎ倒す技。 |
【概要】
逞しい二本の腕が生えた、オウムのような姿の巨鳥型デジモン。
時空の裂け目を通って別のデジタルワールドから迷いこんだ謎の怪鳥で、足の爪は強力なパワーを持つ。
知能が非常に高く冷静で、戦いは好まないが、一度怒りだすと、手がつけられなくなるという。
“Parrot”は、もちろん「オウム」を意味する英単語である。
両腕には神聖デジモンがよく着けているホーリーリングを装着している。
…が、今のところ、特に聖なる要素は確認できていない。
また、媒体によっては、ただの灰色の腕輪として描かれることもある
初登場は劇場アニメ『
劇場版デジモンアドベンチャー』。
この作品のために新規で描き起こされたデジモンで、デザインを行ったのはアニメのキャラデザ担当でもある中鶴勝祥氏。
【関連種】
◆クロスモン
金色の威光で世界の異物を排除する、装鋼の鳥神!
パロットモンの進化した姿だとも言われている巨鳥型デジモン。
全身を黄金に輝く
クロンデジゾイド製の装甲に覆われており、あらゆる攻撃を跳ね返す。
西洋風の甲冑の様に見えながら、頭部だけは武士の兜のようにも見えるデザインになっている。
なお、デジタルワールドに入り込む異分子を消滅させることが、クロスモンの役目だと言われている。
『第2回デジモンウェブ ドット絵コンテスト(デジヴァイス部門)』で入賞し、採用された公募デジモンの1体。
当時から名前はクロスモンだったが、名前の由来は不明。
アルファベット表記する際は「“CROSS”(交差)モン」になっている。
……が、筆者は絶対に、「
聖衣モン」だと思っている。
なお、英語名は“
Eaglemon”と分かりやすいものになっている。
初登場は『デジタルモンスターカードゲーム ブースター5』。
なお、同時期に発売された『D-3』や公募時のドット絵では思いっきり普通の猛禽類っぽい頭をしていたので、イラスト化に当たっては紆余曲折あった模様。
【関連作品でのパロットモン】
初登場の立ち位置からか、グレイモンや現実世界と関連して描かれることが多い。
1999年3月6日公開の劇場アニメ、そしてアニメシリーズの最初の話。
物語中盤、上空にオーロラに包まれた巨大な卵のようなものが出現する。
そして、それが真っ二つに割れ、中から現れたのがパロットモンである。
しばらくは低空を旋回していたが、その際には周囲の電子機器に影響を与えていた(同じ現象は
マンモンも起こしている)。
「もしもし…鳥だ。ものすごく大きな」
その後は、アグモンとの戦闘に突入する。
アグモンのベビーフレイムが直撃しても意に介さず、『ミョルニルサンダー』で高架を破壊し、
アグモン(と、近くにいた太一と光)を下敷きにする
…も、アグモンは
グレイモンに進化。二人を守る。
なお、この際、アニメ的な電撃ビリビリではなく“一筋の雷光が走り、一瞬の白転のあと破壊が生じる”という、実際の雷のような演出がとられていた。
進化したグレイモンが火球を放ち、パロットモンは胴体への直撃こそ避けるが左の翼を失ってしまう。
飛行能力を失ったため、今度は迫るグレイモン相手にガブリ四つに組み合う格闘戦を繰り広げるが、顎下に角の一撃を受け、下嘴が貫通する程のダメージを追ってしまう。
ただ、さすがは完全体。パワーでグレイモンを押し始め、パンチでグレイモンをダウンさせると追い打ちの『ミョルニルサンダー』を放つ。
直撃を浴びたグレイモンは気絶し、パロットモンはゆっくりと迫る……
……が、その瞬間、目を覚ましたグレイモンの最大級の火炎を受ける。
そして、その眩い光が晴れた時、両者の姿はその場から消えてしまっていたのであった……。
一説では、このパロットモンは現実世界に迷い込んだコロモンの回収のために現れたといわれている。
本編第45話「究極体激突! ウォーグレイモンVSメタルガルルモン」でも『デジタルワールドの安定を望む者』が写した、過去の映像として登場。
「完全体だったんだ…」(by
光子郎&視聴者)
また、挿入されたデジモン紹介の画面では必殺技に『ソニックデストロイヤー』のみが書かれていたため、初期は設定の混同があった可能性もある。
ちなみに、『完全体なのに成熟期と互角(のように見える)』ということで弱いと思われがちではあるが
- そもそも相手のグレイモンは、恐らく通常種よりも強力な個体
- 少なくとも、アグモン時点では『後のアグモンより明らかに大きな身体』『一発で電話ボックスを大破・炎上させる火球』等と、通常種より差異が顕著だった
- 火球で翼を失いこそしたものの、戦闘に影響するような目立ったダメージやダウンはない
- 一方のグレイモンは明らかにダウンを取られ、一時は気絶した
- 鳥形デジモンであるにもかかわらず、強力なパンチでグレイモンを弾き飛ばすパワーがある
- 回収が目的で、最終的にそれを果たしたのだとしたら、業火の中を突っ切っていったことになる
- もしくは直撃を受けない位置でギリギリで回避いつつ肉薄したか
と考えていくと、(少なくとも完全体としては)弱いとは言い切れないであろう。
なお、作中ではこの事件は爆弾テロ事件として扱われている、というのは冒頭で触れたとおり。
……しっかし、オウムが起こしたテロ(ということにされた)事件なんて、よく1999年に描けたものである。
さすがに、意図してパロットモンを出したわけではないであろうが
第40話「ニューヨーク香港大混戦!」において、アメリカに出現した迷いデジモンの一体にパロットモンが確認できる。
※セントラルパークに集合している中(
ジュレイモンの右手側)にいる
第26話「ラーナモンの執念! 女デジモン一騎撃ち」において、
セフィロトモンの体内で子供達を襲う刺客の一体としてパロットモンが登場。
が、その相手は拓也。
残念ながら、純平との『ミョルニルサンダー』対決は実現しなかった。
アニメ『デジモンクロスウォーズ』
第42話 「キリハにささやく! 峡谷の土神将軍、魔の誘い」において、クロスモンがアニメ初登場。
…が、その立ち位置はグラビモン配下の雑兵で、オマケに同種が数十体~数百体いる始末。
謎のオーロラの影響で、現実世界の中野駅周辺に突如出現した。
設定どおり「好戦的なデジモンではないはず」と評されているが、混乱からか暴れまわる。
周囲を、その巨体と羽ばたきによる暴風、そして雷撃でメチャメチャにしてしまう。
戦闘能力も高く、
エンジェウーモンとは互角以上の空中戦を繰り広げる。
中野駅の高架下に突っ込んだり、グレイモンと共に中野区役所に縺れ込んだりしつつ、ガルルモンの体当たりで中野セントラルパークに墜落させられる。
再度、空中に逃げようとするも、超進化した
メタルグレイモンの『ギガデストロイヤー』…からの、ワーガルルモンのキックで再度墜落。
東京タワー上空ならともかく、市街地の、しかも低空で核弾頭クラスの爆発はまずいのでは……
そこをエンジェウーモンの矢で拘束され、(冷や汗をかきながら)開かれたゲートによって送還させられた。
こちらの個体も、最終的に完全体3体+成熟期1体が相手をして、ようやく拘束に成功するということで、なかなか強力な個体として描かれている。
というか、並のデジモンなら完全体であろうと『ギガデストロイヤー』の直撃で死んでいるであろう。
なお、この項目を読んでいる方なら分かるであろうが、この戦いは『劇場版デジモンアドベンチャー』のオマージュであることは想像に難くない。
粋なファンサービスである。
第30話「究極体ウォーグレイモン」において、
タンクドラモンを下した子供達への次の刺客としてパロットモンが登場。
メタルグレイモンと交戦するが、なんと黒い稲妻の力でクロスモンへ進化を果たす。
進化後は、トライデントアームに傷を付けるほどの圧倒的なパワーとスピードでメタルグレイモンを圧倒する。
しかし、メタルグレイモンは
ウォーグレイモンへと、真なる究極進化を遂げる。
最後は、ウォーグレイモンの『ガイアフォース』で、配下のアロモン共々撃破されてしまうのであった。
余談だが、本話の放送日は2020/12/27であり、これは2020年最後の放送日であった。
そんな記念すべき日、記念すべき初究極進化の相手が、デジモンアニメにおけるアグモンの初陣の相手でもあったパロットモンだったことに胸が熱くなった方も多いであろう。
第66話「破滅ノ漆黒竜」において、人間世界に現れたデジモンとして登場。
エッフェル塔の先に複数体がとまっている様子が描かれた。
追記・修正は、あの日、《何か》を見た子供達にお願いします。