登録日:2024/03/02 Sat 12:37:02
更新日:2025/03/08 Sat 06:38:53
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ノコギリクワガタとは、主に
日本国に生息するクワガタムシの一種である。
昆虫綱コウチュウ目クワガタムシ科ノコギリクワガタ属に分類される。
概要
学名はプロソポコイルス インクリナトゥス。
大アゴにノコギリ状の内歯が多数存在することから名付けられた。
ただし大型個体と小型個体では同一の種類とは思えないほど大アゴの形状が異なってくる。大型個体ではオオクワガタのように湾曲が強くなり、逆に小型個体では真っ直ぐ伸びることが多い。
大型個体の大アゴは水牛の角のように見えるとも言われ、学名の「インクリナトゥス」も傾斜状の大アゴから名付けられている。
オオクワガタや
ヒラタクワガタと異なり横幅が小さいため、力強い印象はあまり受けないかもしれない。また、挟む力も脚で踏ん張る力も弱いため、戦闘能力はあまり高くない。
分布
ミヤマクワガタとは対照的に、標高が低い地域に生息する個体が多いとされる。
ただし東北地方や
北海道のような寒冷地では低地にもミヤマクワガタが生息している場合があり、この場合はノコギリクワガタより体が大きくて力が強いミヤマクワガタが優勢となることも。
オオクワガタやヒラタクワガタほど戦闘能力は高くないが、その代わり環境への適応力が高いためコクワガタと並んで個体数が多く、人気が高いクワガタムシの一つである。
また、朝鮮半島や済州島などにも生息している。
伊豆諸島や
鹿児島県の南西諸島には亜種も生息している。
性格
流石にミヤマクワガタほどではないものの日本のクワガタムシの中では
気性が荒く、好戦的な部類に入るとされる。
挟む力はオオクワガタや
ヒラタクワガタほど強くはないものの、その性格から
メスを殺害してしまう危険性があるため、基本的には単独での飼育が推奨される。
また、その性格から体力の消耗が激しく、成虫の寿命が短いという悲しい弱点が存在する。成虫は約3ヶ月間しか生きられない。
好戦的な性質が災いして繁殖期に肉食傾向が強まる
オオクワガタに襲われて食べられてしまう事も有る。
その他のノコギリクワガタ
ノコギリクワガタ属(プロソポコイルス属)にはノコギリクワガタの他にも様々な種類が存在する。
ここでは主なプロソポコイルス属の甲虫を紹介する。
ほとんどの種類はアジアに生息するが、アフリカに生息する種類も一部存在する。
種類によって気性が荒い個体が多かったり、逆におとなしい個体が多かったりが異なる。
また、外国産ノコギリクワガタの中にはギラファノコギリクワガタやファブリースノコギリクワガタのように
挟む力が強い種類も一部存在し、
ツヤクワガタ(短歯型)や
タランドゥスオオツヤクワガタ並みに危険な場合もあるので注意が必要である。
リュウキュウノコギリクワガタ
「アマミノコギリクワガタ」とも呼ばれる。
沖縄県や鹿児島県の奄美諸島などに生息するノコギリクワガタ。
本土のノコギリクワガタよりも体が大きく、大型個体だと体長は8cm近くになる。
それ以外の本土ノコギリとの違いは「頭楯が二股になっている」「羽の光沢が強い」などがある。
ムシキングの
ゲームには登場しない。
東南アジアや南アジア(インドなど)に生息する超大型のノコギリクワガタ。体長が最大で12cmにもなる世界最大のクワガタムシ。
体長の割に横幅があまり大きくならないため力強いイメージはあまり無いかもしれないが、実はパラワンオオヒラタクワガタやアルケス
ツヤクワガタなどと並ぶクワガタ最強候補の一つと言われている。また、大アゴの根元の内歯に限れば挟む力が非常に強い。しかし基本的にはおとなしい性格であるとされる。
詳細は当該項目を参照。
ファブリースノコギリクワガタ
インドネシアに生息する中型のノコギリクワガタ。
オレンジ色の羽に黒い模様が付くのが特徴。また、大アゴは真っ直ぐ伸びている。
闘争心が強く、挟む力も意外と強いので取り扱いには注意が必要。
ハスタートノコギリクワガタ
オセアニアのソロモン諸島に生息する中型のノコギリクワガタ。
オスの大アゴが短いのが特徴だが、その分挟む力は強力。また体の横幅が大きく、脚で踏ん張る力も強い。
外国産ノコギリクワガタにしてはおとなしい性格であるとされる。
ウォレスノコギリクワガタ
インドネシアに生息する中型のノコギリクワガタ。
羽にはクリーム色の光沢が付いている。
ハスタートと同様に、ノコギリクワガタにしては横幅が大きく脚の力が強いため、マッチョな印象を受ける。
サバゲノコギリクワガタ
アフリカ大陸に生息する小型のノコギリクワガタ。
全身が赤に近いオレンジ色をしている。
サバゲとは「野蛮な」という意味であり、その名の通り凶暴な性格をしている。
アスタコイデスノコギリクワガタ
アジア大陸に生息する中型のノコギリクワガタ。
「アカノコギリクワガタ」と呼ばれるほど全身赤色だが、死亡すると黒く変色してしまう。
ブッダノコギリクワガタ
インドのチベットからインドネシア、フィリピンに生息している中型のノコギリクワガタ。
大型の個体の大アゴは細長く、やや湾曲しているのが特徴で、その形状から「ユミツノノコギリクワガタ」と呼ばれることもある。
名前はお釈迦様こと「ゴータマシッダールタ(
ブッダ)」に由来している。
ムシキングのゲームには登場しない。
コンフキウスノコギリクワガタ
中国南部、東南アジア大陸部、インドなどに生息する大型のノコギリクワガタ。名前の由来は古代中国の思想家「孔子」であるとされる。
ギラファに次いで2番目に大きくなるプロソポコイルス種で、大型個体だと体長11cmに達する。また、ギラファに比べて内歯が小さいのが特徴。
ムシキングのゲームには登場しない。
初期の2003年春から参戦している。強さ120で
必殺技はチョキ。
性格は2003年秋第2弾までは無し(実質バランスタイプ)、2003年秋第3弾からはアタックタイプとなった。
肩書きは「ノコを持つサムライ」。
タッグマッチではファブリースノコギリクワガタと組むことで固有のタッグネーム「120SAWS」が発動し、特別な合体技が使えるようになる。
相手をアゴで弾いたあと、すかさず挟み込み、地表を引きずりながら締め付けたあと、ジャンプして地面に叩きつける。
相手をアゴで弾いたあと、突進しながら挟み、徐々にスピードを上げながら引きずり回し、完全に弱ったところを地面に叩きつける。
相手を掴んだあと、ラグビーの如く並走しながらパスし合い、とどめに地表に抑え込む。
相手を挟んで地表を引きずったあと、ジャンプして地面に叩きつけた反動で吹っ飛んだ相手をファブリースノコギリクワガタがキャッチして後方に回りながら地面に叩きつける。
ジョー
学年誌の漫画『森の救世主』に登場するノコギリクワガタ。
原作では
カブトムシの「キング」のライバルを自称しており、気が弱いが正義感が強いキングとは対照的に、好戦的だがお調子者の性格をしている。また、
コクワガタの「ジャンボ」とは仲が悪い。
カード化もされており、名前以外のステータスはノコギリクワガタ(アタックタイプ)とほぼ同じ。
タッグマッチではファブリースノコギリクワガタと組んでも「120SAWS」は発動しないが、その代わり通常版のノコギリクワガタと併用できる。
最強のノコギリクワガタとして初期から登場している。階級は最高ランクの強さ200。
詳細は当該項目を参照。
ギラファケイスケレッド
ギラファの亜種ケイスケの色違いバージョンが新甲虫王者ムシキングに登場している。
階級は旧作でいう強さ200相当。性格はアタックタイプ。
必殺技はチョキ。超必殺技は「G・ネックトルネード」。
肩書きは「紅の最強ノコギリ」。
ファブリースノコギリクワガタ
2004セカンドプラスから参戦。
中型種だが階級は最低ランクの強さ100であり、実際の実力より過小評価されていた。
性格はスーパーアタックタイプ。必殺技はチョキ。肩書きは「オレンジのハヤブサ」。
初登場バージョンに限り究極必殺技の攻撃力が130もあり、全甲虫で最高値を誇っていたが、2005ファーストから110に下げられてしまった。
一方で体力は僅か60しかないというかなりアンバランスな性能をしており、リスクがかなり高い甲虫でもあった。一応、2005ファースト以降はわざカード(とくしゅわざを除く)で体力が上がるシステムになったので多少はマシになったが、最大でも120までしか上がらない。
タッグマッチではギラファとのタッグ相性が◎になる唯一の甲虫だった。
続編の新甲虫王者ムシキングでは強さ120相当まで出世した他、覚醒システムによって強さ160相当まで昇格させることも可能。
一回転して弾き上げたあと、すかさず飛び上がって掴み、後方に回りながら地面に叩きつける。
相手をアゴで弾き、真上にかち上げて落ちてきたところを挟み、激しく締め上げたあと、回転しながら後方に飛び上がり、背中から地面に叩きつける。
ハスタートノコギリクワガタ
2005ファーストから参戦。
強さ120で必殺技はグー(プロソポコイルス属では唯一)。性格はバランスタイプ。肩書きは「怪力ペンチ」。
続編の新甲虫王者ムシキングではディフェンスタイプに変更された。
相手にダゲキを食らわせて怯んだ隙に地面に潜り、死角から飛び出して背中に一撃を与えてまた潜ったあと、相手の真下から飛び出して吹っ飛ばす。
地面に潜ったあと、飛び出してはダゲキを食らわせてまた潜るを何度も繰り返し、とどめに相手の背後の上空から猛スピードできりもみ回転しながら突っ込む。
ウォレスノコギリクワガタ
2006ファーストから参戦。強さ120で必殺技はチョキ。
性格はディフェンスタイプ。肩書きは「南洋の錬金術師」。
相手の周囲を地を這うように低空飛行して様子をうかがったあと、すかさず飛び上がり、背中を挟んでひねり落とす。
相手の周囲を地を這うように低空飛行して様子をうかがったあと、飛び上がって挟み付けると見せかけて地中に潜り、回転しながら飛び出して挟み込み、地面に叩きつける。
サバゲノコギリクワガタ
アダー完結編に登場。能力は強さ120相当。肩書きは「赤き野獣」
相手の横に回り込んで首を挟み、ノコギリを引くようにアゴを引きながら締め付ける。
相手の横に回り込んで首を挟んだあと、高速回転しながら締め落とす。
アスタコイデスノコギリクワガタ
アダー完結編に登場。能力は強さ120相当。肩書きは「地を走る炎」
- 超必殺わざ「180-180」
相手を弾いたあと、仰向けで腹の下に滑り込んで大アゴで挟んでひねり落とす。
- 究極必殺わざ「スーパー180-180」
相手を弾き飛ばし、180-180で二回挟みつけたあと、とどめに空高く弾き上げて締め落とす。
追記、修正お願いします。
- 『森の救世主』のジョーって途中でカクタスのウツボカズラで角が白くなってたよね。カード化された時もそこが反映されてた -- 名無しさん (2024-03-02 14:55:27)
- 自分の中だとクワガタと言えばこいつ!って感じ。湾曲したあごがカッコいい。 -- 名無しさん (2024-03-03 22:16:02)
- ダブルソーダのモチーフってこいつでいいのよね? -- 名無しさん (2024-03-31 09:52:27)
最終更新:2025年03月08日 06:38