登録日:2024/02/17 Sat 14:39:38
更新日:2024/12/28 Sat 11:17:32
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ツヤクワガタとは、昆虫綱コウチュウ目クワガタムシ科ツヤクワガタ属(オドントラビス属)に分類されるクワガタムシの総称である。
概要
主に東南アジアに生息し、種類が非常に多い。
多くの種類は羽が光沢のある黄色やオレンジ色になり、種類によっては頭部にも模様が付くものもある。
しかし中には
ヒラタクワガタのような全身が真っ黒になる種類も存在する。
ヒラタクワガタのようなガッチリとした体格のものは少ないが、その代わり色や光沢が魅力的であるとされる。
体長が100mmを超える大型種を含むが、逆に50mm未満の小型種も少なくない。
種類によっては非常に気性が荒いものもあり、
「オニツヤクワガタ」と呼ばれることもある。
交尾の際に
メスを殺害してしまうこともあるので、飼育される方はご注意ください。
また多くの種は標高が高い場所に生息しているため高温に弱く、
オオクワガタや
ヒラタクワガタなどのドルクス属ほど体が丈夫でないため、人気が高い割に飼育するのは難しいとされる。
クワガタムシのオスは同種であっても大アゴの形状や長さにはかなりの変化が生じること(多型)が知られているが、ツヤクワガタの仲間には大アゴの短い「短歯型」の現れやすい種が比較的多い。
短歯型ツヤクワガタは長歯型の個体に比べて挟む力が強い上、アゴの形状も短い代わりにニッパーやペンチに例えられるような太く強靭なものになっており、種によってはこれで敵の脚や角、触角などを切断してしまうことがある。
もちろん人間も挟まれればケガをすること必至なので、凶暴さもあいまって取り扱いには注意が必要。
日本にはツヤクワガタの仲間は存在しないが、ツヤクワガタに比較的近いマルバネクワガタ属の甲虫が
沖縄県や奄美諸島などに生息している。
主な種類
ブルマイスターツヤクワガタ
インドに生息するツヤクワガタ。羽の色は黄色で、羽に色が付くツヤクワガタとしては最大種。体長は大きい個体で100mmを超える。
ベンガル
トラなどの猛獣の生息域と重複するため採集するのが難しく、日本に輸入される個体は少ない。
難関種揃いのツヤクワガタの中では比較的飼育しやすいとされるが、それでも初心者にはお勧めできない。
ちなみに脚の力が弱いため、体格の割には戦闘能力はあまり高くないクワガタでもある。
ラコダールツヤクワガタ
インドネシアに生息するツヤクワガタ。別名
「キモンオニツヤクワガタ」。
羽の色は黄色で、頭部にも黄色い模様が付く。メスは胸部の両脇にも模様が付く。
体長は大きい個体で80mmを超える。
ツヤクワガタで最も人気が高い種類で、後述する
甲虫王者ムシキングでは初登場したツヤクワガタ。
ちなみに高橋書店が出版した本『ざんねんないきもの事典』では、何故か
ギラファノコギリクワガタやエラフス
ホソアカクワガタなどを差し置いて
「エサを食べる時に大アゴが邪魔になるクワガタの代表格」として紹介されていた。そこまで長くはないが…
フェモラリスツヤクワガタ
マレー半島やスマトラ島に生息する。羽の色はオレンジ色。脚も赤くなることから「アカアシオニツヤクワガタ」とも呼ばれている。
長歯型と短歯型がある。体長は大きい個体で90mmを超える。
フェモラリスは
チリクワガタ(コガシラクワガタ)と並び
世界で最も凶暴なクワガタムシと言われている。
凶暴なことで有名なパラワンオオヒラタクワガタやマンディブラリス
フタマタクワガタでさえ勝てそうにない相手にケンカを売ることは稀だが、フェモラリスは闘争心が非常に強く、
明らかに格上の相手に対してもケンカを売ることがある。
また動きが身軽で、クワガタムシにしては素早く歩けるのが特徴。
短歯型の個体はこの素早さと顎の力を活かし、
他の虫の脚を狙って切り落としに行く。
ただ落ち着きのなさからか相手を前にしてパニックを起こしてしまうことも多い。
スティーブンスツヤクワガタ
インドネシアに生息する。体長は80mmほど。
同じ種類でも個体によって羽の色が大きく異なるのが特徴で、真っ黒だったり赤くなっていたりする。
キプルツヤクワガタ
ボルネオ島に生息する小型のツヤクワガタ。羽の色はオレンジ色。体長は大きな個体でも65mm程度。
詳しい生態や飼育方法はよくわかっていない。
ガゼラツヤクワガタ
「クギヌキクワガタ」とも呼ばれる。体長は80mmほど。羽の色はオレンジ色。
ほとんどの個体が短歯型である。
カステルナウツヤクワガタ
「カステルナウディ」とも呼ばれる、東南アジアの広い範囲に生息するツヤクワガタ。羽の色は薄いオレンジ色。体長は大きい個体で90mmを超える。
長歯型と短歯型の両方が見られるが、カステルナウディの短歯型は短歯型ツヤクワガタの中でも特に大型化しやすく、それに見合って力も強くなるため、
タランドゥスオオツヤクワガタやスマトラオオヒラタクワガタと並び
最も挟む力の強いクワガタのひとつとして知られている。
そのパワーはなんと
あのヘラクレスオオカブトの角ですら切断してしまうと言われるほど。
例に漏れず闘争心も強く、他の昆虫に取り返しのつかない傷を負わせてしまうことも多い。
人間でも挟まれるとかなり痛い、どころか普通に出血するレベルのケガを負わされる。
ムシキングに参戦できなかったのもこういった危険性の高さが一因なのかもしれない。
ワラストンツヤクワガタ
マレーシアやインドネシアに生息する中型のツヤクワガタ。
大きめの個体だと体長は7cmを超える。
羽の両脇が濃いオレンジ色で、頭部が大きいのが特徴。
個体数が多く、日本へ輸入される個体も多い。
ちなみにムシキングには登場しない。
アルケスツヤクワガタ
フィリピンに生息する、全身真っ黒のツヤクワガタ。
真っ黒いツヤクワガタとしては最大種で、体長は最大で100mmを超える。
ツヤクワガタとしては珍しく横幅がありガッチリとした体格が特徴で、その迫力はオオヒラタクワガタに匹敵するとも言われている。
また、戦闘能力も
ツヤクワガタの中では最強クラスで、
ギラファノコギリクワガタやパラワンオオヒラタクワガタなどの
強豪とも互角に戦えるほど。
インペリアリスツヤクワガタ
「コウテイツヤクワガタ」とも呼ばれる、ボルネオ島やパラワン島に生息するツヤクワガタ。
全身黒く、羽は金属光沢があり、足の付根が赤いのが特徴。
小型種で、体長は大きな個体でも70mm程度。
詳しい生態や飼育方法はよくわかっていない。
ラティペニスツヤクワガタ
「ラティペンニスツヤクワガタ」とも呼ばれている。
全身真っ黒で、短歯型しか存在しない。
名前がかわいそうなクワガタムシとしても知られている。ちなみに本来の「ラティペニス」は「幅広い羽」という意味。一応「オオクギヌキクワガタ」という別名もある。
ダールマンツヤクワガタ
東南アジアの広い範囲に生息する真っ黒いツヤクワガタ。体長は大きな個体で80mm程度。
羽に毛が生えていることから「キンケツヤクワガタ」とも呼ばれている。
ちなみにムシキングには登場しない。(ただし、後述の亜種だけが新ムシキングには参戦している)
インターメディアツヤクワガタ
ダールマンツヤクワガタの亜種とされているが、体毛が生えておらず大アゴの形状もダールマンと全く異なることから別種とする意見もある。
体長は大きな個体で100mmを超える。ブルマイスターやアルケスと並ぶ世界最大級のツヤクワガタである。
ストリアータツヤクワガタ
羽に体毛が生えており、それが
西瓜の模様のように見えるのが特徴。
小型種で、大きな個体でも体長50mm程度である。
ブルマイスターツヤクワガタ
2004ファーストから登場している。強さ180、
必殺技はチョキ。性格はバランスタイプ。
超必殺わざは「クロスダイブ」。ちなみに3億枚突破記念までのまでのマンディブラリスフタマタクワガタもこれを超必殺わざとしていた。
肩書きは「華麗なる巨人兵」。
新甲虫王者ムシキングでは2016ファーストより登場。性格はアタックタイプに変更された。本作での立ち位置はかつて強さ180だったムシの中ではかなり不遇であり、覚醒の対象などに選ばれることなくSR個体の通常形態のものしか登場しなかった。
漫画『ザックの冒険編』では主人公ザックの
ライバルキャラであるバランの相棒・ブルックスとして登場する。
ラコダールツヤクワガタ
2003秋第2弾から登場。
強さ160、
必殺技はチョキ。性格はバランスタイプ。
超必殺技は「デビルスリーパー」。ちなみにコガシラクワガタもこれを超必殺技としていた。
肩書きは「魅惑のツートンカラー」。
2006夏ネイチャーと2006ダイナミックスタンドではアダーコレクションもカード化された。
新甲虫王者ムシキングでは超必殺わざが「スライディングR」に変更されたが、かつての「デビルスリーパー」を彷彿させる首元を締め上げる動作が組まれており
本作の「デビルスリーパー」の新演出が悲惨すぎるのも相まって概ね好評。
後の超神化4弾ではGRとして抜擢された他、GR時のステータスと酷似した能力を持った限定カードが台湾版にのみ登場。こちらは
必殺技がかつてと同じ「デビルスリーパー」。
強さ160の甲虫としては数少ない、強さが妥当と評価されている甲虫の一つである。
また、ゲーム内ではバランスタイプとなっているが、実際にはかなり気性が荒い甲虫である。
フェモラリスツヤクワガタ
2007ファーストから登場。
大型種だが強さは140と控えめ。
必殺技はチョキ、性格はアタックタイプ。
同時に復活した
ミヤマクワガタと超必殺技以外が同じステータスであり、究極必殺わざの有無により
初登場時から下位互換状態となってしまった。一応タッグマッチでは同属のムシのラインナップによって差別化はされていた。
超必殺技は「
VTブレイク」。
肩書きは「マッドボルケーノ」。
新甲虫王者ムシキングでは最終弾の超神化4弾にてSRで登場し、超神化編では新規のムシが全く新録されていない状況が続いていたことから強さの昇格と相まって界隈を賑わせた。
ちなみにゲーム内にのグラフィックは長歯型の個体である。
スティーブンスツヤクワガタ
2006セカンドから登場。強さ120、
必殺技はチョキ。性格はスーパーアタックタイプ。
超必殺わざは「(スーパー)グリーンアロー」。
肩書きは「森の魔術師」。
新甲虫王者ムシキングでは第1弾の2015ファーストから早々に抜擢。再録された超神化3弾では全Rムシ中最低の体力を有し攻撃力に特化したステータスへと調整されている。
キプルツヤクワガタ
2005セカンドプラスから登場。強さ120、
必殺技はチョキ。性格はバランスタイプ。
超必殺技はプロレスラーのムシキング・テリーが考案した「(スーパー)ミストクラッシュ」。
肩書きは「華麗な流れ星」。
なおアダー完結編のムシキング・テリー専用のキプルツヤクワガタは「(スーパー)ジェネシス」を超必殺わざとしていた。
新甲虫王者ムシキングではミストクラッシュのもののみ再登場。
ガゼラツヤクワガタ
アダー完結編から登場。
必殺技はグー、超必殺わざは「(スーパー)トマホーク」。
肩書きは「デンジャラスペンチ」。
アダー完結編出身のため明確な強さ設定は無かったが、新甲虫王者ムシキングではレアリティNと強さ100相当であったことが判明。性格はアタックタイプ。
アルケスツヤクワガタ
2006セカンドから登場。強さ160、
必殺技はチョキ。性格はスーパーアタックタイプ。
超必殺技は「サイズ」。
肩書きは「革命の
刃」。
実際には強さ180くらいでも通用する甲虫だが、マルスゾウカブトと同時期の登場で強さ被りを避けたかったためか控えめな設定となった。
旧作最終章となるアダー完結編第5弾では「世界最大のツヤクワガタ」としてラインナップされた。
新甲虫王者ムシキングでは2015ファーストにてシークレット甲虫として先行登場。後に2015セカンドで恒常入手が可能となった。レアリティはSR。
激闘6弾では新システム「覚醒」によってSSRに昇格させることも可能。ツヤクワガタ属では唯一覚醒対象に選ばれた。
この場合、肩書きは「冥界の魔刃」、
必殺技は「グリムリーパー」になる。
超神化1弾ではGRに抜擢。GRの中では唯一通常の虫取りでの入手が可能だった。
インペリアリスツヤクワガタ
2004セカンドから登場。強さ120、
必殺技はチョキ。性格はディフェンスタイプだが、ツヤクワガタの例に漏れず実際の気性は荒い。
超必殺技は「(スーパー)フォレストブリッジ」。
肩書きは「赤足の仕事師」。
大型種ではないが、新甲虫王者ムシキングでは覚醒抜きでのSRに、超神化2弾ではGRへの抜擢と大出世を果たした。
ラティペニスツヤクワガタ
2007ファーストから登場する。強さ120、必殺わざはグー。性格はバランスタイプ。
超必殺わざは「(スーパー)モンキーシュート」。
肩書きは「クレイジーモンキー」。
新甲虫王者ムシキングでは体長80mm以上あるのにレアリティNへと降格させられてしまった。
インターメディアツヤクワガタ
新甲虫王者ムシキングに亜種だけ登場。
レアリティはSSRで、ツヤクワガタとしては最上位。性格はアタックタイプ。
必殺技はチョキ、超必殺技は「フュージョングレイブ」。
肩書きは「大牙の鬼神」。
ストリアータツヤクワガタ
2007ファーストから登場。強さ100、
必殺技はチョキ。性格はディフェンスタイプ。
オドントラビス属に強さ200の甲虫が登場していなかったこともあり、上記のインペリアリスツヤクワガタの下位互換気味な性能であった。(この2体でタッグを組む場合を除く)
超必殺技は「(スーパー)プロペラダイブクラッシュ」。
肩書きは「アジアンタイフーン」。
新甲虫王者ムシキングではスティーブンスと共に2015ファーストから早々に登場。レアリティはN。
追記、修正お願いします。
最終更新:2024年12月28日 11:17