登録日:2024/07/10 (水) 23:50:39
更新日:2025/04/03 Thu 20:55:48
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今回、アニヲタwiki(仮)項目『トーキョー・ナイトメア』
『トーキョー・ナイトメア』とは、鈴吹太郎/F.E.A.R.によるテーブルトークRPG。
テーブルトークRPG、およびその用語がわからないという方は
このリンクへ。
タイトル通り舞台は東京都区部、年代も2020年代という現代ものである。
ただし、サイバーウェアなどの未来技術が出回っていたり、銃器社会になるほど世情不安定だったりする『
黄昏の時代』なのだが。
この作品はフィクションであるが、数年後は定かではないというところか。
ゲームマスターを『ルーラー(RL)』、プレイヤーキャラクターを『キャスト』と呼称する。
端役のNPCを『エキストラ』、戦闘ターンを『カット』、セッションを『アクト』など映画を意識した面がある。
上記を含めたシステム面と、一部の固有名詞は『トーキョーN◎VA』に由来する。
が、本作はN◎VAの続編でも過去譚でもない完全に別箇の作品である。いちおう。
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余談:トーキョーN◎VAとは |
鈴吹太郎/F.E.A.R.によるテーブルトークRPG。2024年時点での最新は第五版に相当するTHE AXLERATION。
ポールシフトと氷河期到来を中心とする大災害、通称『 災厄』により既存社会が崩壊したニューロエイジの世界。
日本は本州だけを領土とし鎖国、その唯一の門戸として 旧東京湾に築かれた都市・東京都新星市……通称『トーキョーN◎VA』を舞台とするアーバンアクションRPG。
『キャストが パーティを形成せず独自に動く』(当時としての)独特さ、システムから来る命の軽さなどから、
プレイヤーvsプレイヤーが簡単に発生する緊張感も人気の一因であった。一部では『N◎VA勢はTRPGではなくN◎VAを求める』として、D&Dと並び称されるほど。
『シーン制』『ひとまとめの雑魚集団』
『金銭の抽象化』『アイテムの恒久所持』『三つのクラスを組み合わせる』『クラス付帯の強力なブレイクスルーシステム』『ルール化されたコネ』など、後に繋がる先進的システム(の大元)も特徴。オーサカM〇●N? 責めないであげて
極めて雑に言えば『スタンダードRPGシステムの祖先(のひとつ)』であり、アルシャードもメタリックガーディアンも天羅WARも天下繚乱フルメタ聖痕世界樹etc.もN◎VAの子孫なわけである。あとキャッスルフォルケンシュ……ゲフンゲフン
余談中の余談になるが、トーキョーN◎VAそのものが『サイバーパンク2.0.2.0.』というTRPGの リプレイが基であり、トーキョー・ナイトメアの設定年代が2020年代であるのはかの作品へのオマージュでもあろう。 チューマ→ニューロとかね
閑話休題。複雑なキャラクタ作成の割に、サンプルキャラが用意されたのはAXLERATIONが初という難儀なシリーズでもあった。
繰り返すが、トーキョーN◎VAとトーキョー・ナイトメアの関係は「ルールと用語を流用した別のゲーム」である。
それが証拠に、FEAR公式でのAXLERATIONのサポートは2024年現在まだ続いているし、スタイルの一部はナンバーから違うし、そもそも存在しないスタイルもある。
ナイトメアの卓であんまりN◎VAN◎VA言ってるとCDってことだ。こういう雑談は楽しいが、脱線はほどほどにしよう。 XYZ
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キャラクター
能力値
基本的には、後述する『スタイル』で指定されたものの総計となる。
同時にその分野でのしぶとさや落ち着きを示す『制御値』も決定されるが説明省略。卓でRLに訊くかルールを読もう。
スペード。知性・神経系。器用さ。銃を含む機械操作や知覚力は基本的にここに含まれる。
クラブ。感性。本能。交渉ごとや心理戦はこの能力で行うのが基本。
ハート。身体能力。殴り合いやアクロバットといった身体を動かす能力はここ。
ダイヤ。経済力。社会への影響力。地味なところで隠密行動がここ(周囲の環境を利用する、という解釈)。
能力値から計算される副次的能力としてCS(コンバットスピード)があるが、計算式の都合上で(通常は)貧乏人ほど早い。
HPに相当するものは存在せず、『ダメージチャート』を参照してその効果を受ける方式。
そのチャートは肉体ダメージ・精神ダメージ・社会ダメージの3つが存在する。
ダメージが高ければ戦闘不能という単純なものではないのが肝。21点以上ならば即死ではあるが。
スタイル
キャラクタークラスに相当するものは『スタイル』と呼ばれ、21種類+αから3枚(重複可)を選択する。
職業そのものではなく「生き様」を表したものであり、
タロットカード(クロウリーのトート・タロット)に対応している。
スタイルには強力なブレイクスルー『神業』が付帯するためそれも併記する。
性別を指定されそうな名のスタイルもあるが、実際には性別は無関係に選択可能である。
『愚者』のカードに対応する。芸術家、芸人。無軌道な若者。カードからしてミュージシャンを想定している節はある。
神業は《チャイ》、 防御系。不都合なことを幸運にもやりすごせてしまう。あらゆる神業に対抗可能。後のオーディンである
『魔術師』のカードに対応する。オカルトがらみの『アストラル系』に分類されるスタイル。魔法使い・拝み屋といった
胡散臭い連中だが、キャストは本物の超能力者である。どちらかと言えばPK。
神業は《
天変地異》。文字通りに天変地異を起こせるのだが、ゲーム的効果は『装備品一つを破壊』。効果が小さいような気もするが、壊されたらアイデンティティを失う装備というのもあるのでやられる側としては結構脅威。
『女司祭』のカードに対応する。技術者、学者、教師。モノやヒトを『つくる』ひとびと。
神業は《タイムリー》、万能系。「こんなこともあろうかと」都合の良い道具を持ち出せる。
データのあるアイテムでもかまわないが、使い切りであれば大抵のご都合主義は通る。他の神業一回分くらいなら。
『女帝』のカードに対応する。社長など組織のリーダー、バーテンやバーのママ、セラピスト、応援団。包容力。
神業は《ファイト!》。他者の使用済み神業を使用可能な状態に戻す。
『皇帝』のカードに対応する。武闘派。用心棒、ボディガード、軍人。護る者。巨大で透明な盾『クリスタルウォール』が看板がわりだが、これを活かすには基本ルールでは不足がある。
神業は《難攻不落》 防御系。発生源一つからの、肉体あるいは精神へのダメージを打ち消す。
『教皇』のカードに対応する。おおよそ読んで字のごとく、政治家、宗教家、芸能人。
神業は《神のお言葉》、即死系。任意の精神ダメージを与える。
『恋人』のカードに対応する。ヒモ、ジゴロ、自立できないもの。子供。あるいは、弱さを逆手にとって強かに生きるものたち。
神業は《プリーズ》。他人に神業の使用をおねだりするのだが、
ゲーム的には他人の神業をコピーして行使すると考えた方が近い(コピー元の意思や使用回数に無関係)。
『戦車』のカードに相当する。走り屋、レーサー、パイロット。
神業は《脱出》、防御系。肉体ダメージを回避し、望むならシーンから退場する。《脱出》同士が対抗し、退場効果を打ち消せる。
『正義』のカードに対応する。探偵、弁護士。トーキョーにはNIKという探偵互助組織が存在する。
神業は《真実》。相手の持っている情報を引き出す。対象が誤情報を信じ切っているとそのまま出て来る上、コレ自体では盤面が動くことはない『弱い』神業。逆に言えばドラマを生み出す鍵なのでルーラーは仕掛けを用意することもある。
『隠者』のカードに対応する。ヤクザの親分、大物政治家、秘密結社の幹部といった隠然たる権力者の類。
神業は《腹心》、防御系。自分へのあらゆるダメージを、腹心の部下が請け負って代わりに死んでくれる。秘書がやりましたって奴だ。
『運命』のカードに対応する。企業幹部。同じく権力者であるクロマクとの差異は、表立っている都合上『黒でも白にする』点。
神業は《M&A》。金さえあれば何でも買える。モノだろうが企業だろうがヒトだろうが。ただしキャストを買うには不足にすぎるし、効果はアクト内限りである。
『欲望』(力)のカードに対応する。武闘派。殺し屋、剣客。インファイトをメインとするスタイル。
神業は《死の舞踏》、即死系。接近戦で任意の肉体ダメージ、ようは『相手は死ぬ』。
『刑死者』のカードに対応する。特定組織に所属する
スパイや工作員。
サイバーパンクでは企業のエージェントが多いが、本作では政府が生きていることもあり内閣調査室が推奨されている。
神業は《
完全隠蔽》。文字通り、事実ひとつを完全に隠蔽してしまう。社会的ダメージを打ち消してもよいが、いずれにせよ所属組織の利益を優先するのがクグツ流。
『死神』のカードに対応する。武闘派。暗殺者、忍者、潜入工作員。実体を見せずに忍び寄るなにものか。投擲武器に適正あり。
神業は《不可知》。完全に認識の外の存在と化し、一撃を加える。ゲーム的にはエクストラターンを得る。
『技』(節制)のカードに対応する。武闘派。修行者、修験者、僧侶。何らかの形で『鍛えて』いるひとびと。努力家。
神業は《黄泉還り》。一応防御系。肉体か精神ダメージ一つを治療し、即死状態からでも復活できる。ただし他人への使用は制限が多い。
『悪魔』のカードに対応する。職業的犯罪者。ルールブックでは『
河渡連合』というヤクザが設定されている。
能力的には
バランス型で、その点で"何をしでかすかわからない"怖さもある。正に悪魔。
神業は《
不可触》。事実ひとつをなかったことにしてしまう。《完全隠蔽》と同様の効果だが、個人の欲得ずくで良いのがレッガー流。恩を売りつけるとなお良い。
『塔』のカードに対応する。武闘派。スナイパー、ガンマン。射撃戦を行うスタイル。
神業は《とどめの一撃》、即死系。あらゆる障害を無視しての絶対的射撃。相手は死ぬ。
『星』のカードに対応する。王侯貴族、特権階級、天上人。キャストは素性を隠して行動している(傾向にある)。
神業は《天罰》、万能系。超特権を行使してどんな願いでも叶えられる。例えば『空からのレーザー攻撃で敵が蒸発』したり。
『月』のカードに対応する。占い師、魔法使い、宗教家、悪魔祓い。超能力で言えばESP寄り。アストラル系。
神業は《守護神》、防御系。自分へのダメージ一つを打ち消す。
『太陽』のカードに対応する。ジャーナリスト、ルポライター、記者。大手『東都新聞』の契約記者という身分が推奨される。
神業は《暴露》。事実一つを報道し周知のものとする。その結果、社会的ダメージを発生させる「かもしれない」。暴露する情報とRLの判断次第。また、《完全隠蔽》《不可触》に対抗できる。
『永劫』(審判)のカードに対応する。警察官、検事。
神業は《制裁》。任意の社会的ダメージを与える/打ち消す。社会的ダメージで"即死"はしないのが難儀なところ。
『宇宙』(世界)のカードに対応する。コンピュータ技術者、ハッカー。
『ニューロ』という言葉は『素晴らしい』『凄い』などの意味を持つ感嘆詞でもあり、ニューロの価値観は『ニューロ』か『ダサい』かであるとされる。
神業は《電脳神》、万能系。どんな願いでも叶えて物語を完成させる。ただし攻撃には使えない。
マイナスナンバー
上記21スタイルが一般に知られているものだが、知られざるスタイルというものもある。それらがマイナスナンバー、宵闇に潜むものたちである。
いちおう特殊な存在なので、使用の可否はルーラーの許可(や、参加者の賛同)を得るべきではある。真面目な警察・探偵もののアクトに「ぼくパトカー!」と言われても困るわけでな
『魔術師』のカードに対応する。人外。ミュータント、UMA、実験生物、あるいは
ただの動物かもしれない。制御不能の存在とされる。
神業は《
突然変異》、万能系。アクト中に使用された神業をコピーして行使する。
『月』のカードに対応する。アストラル系、人外。鬼、吸血鬼、妖精、龍、英雄、神……といった伝説上の存在。
神業は《霧散》、防御系。自分へのダメージを打ち消すと同時にシーンから退場できる(片方発動も可)。
本作での名古屋はアヤカシの跋扈する魔界であるとされる。ナゴヤWILL◎W
『女司祭』のカードに対応する。大きなくくりで『
人造人間』。アンドロイド、サイボーグ、ホムンクルス、ゴーストの4タイプがある。
神業は《
鋼鉄心》。タイプにより効果が分かれ、それぞれ《黄泉還り》《不可知》《ファイト!》《電脳神》。
『隠者』のカードに対応する。キャスト本人とは別個体の『何か』をお供として引き連れ、それとの連携で戦うタイプ。
そのファミリアは雑魚キャラ・生物・機械から超常存在まで多岐にわたる。わかりやすいところでカードに描かれた『鷹匠』やサンプルキャラの『警察犬トレーナー』。
神業は《友情》、防御系。ファミリアが自分へのダメージ一つを打ち消す。
『刑死者』のカードに対応する。人型をしていない、知性を持つ器物。AIや付喪神。道具としての用途により『フォルム』として分類される。
神業は《万能道具》。フォルムによって効果が変わるが、武器は即死系・防具は《難攻不落》・乗り物は《脱出》と連想しやすいものが多い。
『星』のカードに対応する。地球上に現存しない知性体。宇宙人や異世界人、未来人や超古代文明人など。
神業は《超越品》。不思議な道具で何でも叶う。当然万能系。
ステージ制も導入すれば『メン・イン・ブラック』や『這いよれニャル子さん』のノリにできる。
ここまで職業とスタイルを紐づけて記述してきたが、あくまで例示。
『アイドル』や『学生』のようにスタイルと対応しない身の上も多いし、説明とロールプレイ(とスムーズな進行)ができるならば自由である。
また、シナリオの導入や進行の都合上、いないと困るスタイルや無いと困る神業が多々あるため、RLは事前にそれらを指定する。
いわゆるシナリオハンドアウトであるが、すりあわせはきちんとしよう。そのために複数のキャストを保持するプレイヤーも多い。
ペルソナ、キー、シャドウ
三つのスタイルに、さらに『ペルソナ』と『キー』をひとつづつ設定する。
◎で表される。ユングのいう人格の外的側面。顕在意識。
ペルソナのスタイルは傍目にも『そう』だと判別できるし、逆にペルソナでないスタイルは簡単には見抜けない。そのため人外スタイルの隠蔽はわりあい容易である。
また、ペルソナは(基本的に)いつでも変更できる。ハンドル握ると人が変わる、なんてことも表現できるわけだ。
●で表される。人格の本質。信念、理念。キャストの行動は(究極的には)キーに従う、とされる。
ゆえに『活躍の場を食い合わないように』キャスト同士キーが被らないことが求められる。そのため(アクト中)キーは変更できない。
なお、ペルソナとキーは同じスタイルであっても構わない。裏表のない人物になるわけだ。
ペルソナでもキーでもないスタイル。無意識。記号はなく、この状態では行動に影響を及ぼさないものとされる。
二つ持つ場合もあれば、一つもない場合もあるが特に問題はない。
NPCの種別
キャストと同様のデータを持つ強力なノンプレイヤーキャラクター。当然神業も使えるので本当に強力。
それだけ強力なキャラクタであれば自力解決できてしまうので、依頼人であることはあまりない。
戦闘力のない敵の用心棒(ないし代闘士)としてポッと出になる場合もあるが。
兵隊の名の通り、(基本的には)複数人を一纏めにした雑魚キャラクター。
スタイルを一枚しか持たない簡易なデータ(ダメージもチャート式でなくHP制)で、神業もない。殺陣師に近い扱いであるため、戦闘時以外に出番はあまりない。
このルールにより「百人を相手に渡り合った伝説の番長」のようなキャラも順当に成立する。
破壊不能オブジェクト(神業で一発)としてHP10000のトループを設置してみたりと、アイデア次第で面白いことができる。
データすら持たない"端役"。依頼人などの重要NPCの場合もあるが、それでもスタイル以外のゲーム的データを持たない。
そのためキャストやゲストの行動に対して抵抗できない。宣言だけで好きに出来てしまう。
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エキストラにまつわるルーラー的事情 |
ストーリー上でルーラー側からエキストラへ干渉する場合に、わざと神業が使用される例がある。
他者を庇うのは神業以外では少々難しく、そのバランスを取るもしくは理不尽さを軽減するための措置。
演出のついでに攻撃系神業を『無駄撃ち』する形での戦闘バランス調整の場合もあるが。首ナイフもこれで解決
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資産
抽象化された所持金。可処分所得的なモノ。それに加えて依頼の前金として支給されることも多い。
情報やアイテムを買うための補助として、判定の後付けで使うリソースであり、アクト終了時に消滅する。
よってこのゲーム、ルール上に成功報酬という概念がない。なのに『報酬』点。
装備品。武器・防具・消耗品・車両・住居・身分証etcをひとまとめにした概念。
アクト中に入手したものを保持し続けることは基本的にできず、経験点を使用して『常備化』する必要がある。すなわち
経験値と資産はニアリーイコールである。
逆に常備化したものを失ったとしても(取り返した・修理した・同じものを仕入れたなどの適当な理由で)次アクト開始までに復活する。
アクト
他の作品ではたいてい『セッション』と呼ばれる一度のプレイを『アクト』と呼称する。
セッション内の一区切りを『シーン』と呼び、時間経過はあまり気にしない構造になっている。
また戦闘のような切迫した状況を『カット進行』と称し、戦闘ターンに相当するものは『カット』と呼称される。
大雑把にはこんな流れになる。
キャストそれぞれの導入シーン→いくつかの調査シーン→クライマックス戦闘でカット進行するシーン→エンディングのシーン
プレイヤー側が「合流するために1シーンくれ」と要求するのもアリだし、ルーラーが背景説明のためにキャスト抜きのシーンを作るのもよくある。
判定
判定を求められた技能で指定されているスートを出せれば『成功』、スートに対応する能力値とカードの数字の合計が成功の度合い(達成値)という形。
絵札が10と数えられ、エースは11と数えた上に合計21が保証されるのがブラックジャックぽい。
ジョーカーはオールマイティで、スートも数も好きに宣言してよい。
「アニヲタwikiについて調べるなら、《社会:ウェブ》か《社会:トーキョー》で、目標値10」てな感じ。
キャストの《社会:ウェブ》がダイヤ指定で外界が4とすると、ダイヤの6以上が手札にあれば成功できる。
情報収集のような、時間と金をかければなんとかなる判定の場合は『報酬点』で達成値を底上げできる。この場合はダイヤがあれば確実に成功できる。
合うカードが無いならば山札から引く賭けにも出られるが、この際に絵札を引くとファンブルになるのでリスクが非常に高い。
大人しく手番を他プレイヤーに譲って手札を交換するのも手だ。敢えて鬼引きを狙うリアルカブキもそれはそれでニューロ
本当にどうにもならなかったら『切り札』を1アクトに1回だけ使用できる。
カードを手札から出し、それをジョーカーとして扱える。
組み合わせ
先述したとおり、本作は適合する技能を『組み合わせ』て一度に判定することが可能である。
- ベースとなる技能と、特技で指定された技能が一致する
ミサイル用の特技を持ち出しても魚は釣れないのである。
- 特技で指定された使用タイミングが一致する
- 技能で指定されたスートが一致する
- 指定スートのカードを出せた
『まとめて判定する』と捉えるとわかりやすいかもしれない。
- 組み合わせられる特技の数は、ベース技能のレベルまで
腕が悪ければ複雑なことはできない道理である。
こんなキャラを例示してみる(カブトワリ)。技能とタイミングは合わせてある。
技能 |
レベル |
スート |
備考 |
射撃 |
3 |
理-生外 |
ベースとなる一般技能 |
ガンフー |
3 |
理-生外 |
射撃武器で近接戦を行う |
ウェポンダウン |
2 |
理-生- |
相手の武器を叩き落す |
セキュアショット |
2 |
理--外 |
ダメージを増やす |
†必殺の矢 |
2 |
理--外 |
達成値によってダメージを増やす |
銃での接近戦で相手の武器を無力化するのが得意技、となる。
スペード(理性)では全部乗せができない。ベース技能のレベルまでしか上乗せできない。
ダイヤ(外界)ならばダメージ狙いにはなるが武器を狙えない。
ハート(生命)ではダメージ増加技能が乗らない。
クラブ(感情)は射撃攻撃そのものが成功しない。という感じ。
コネ
人脈も技能として扱われるが、指定スートによって『どういう関係か』が表現される。
- 理性であれば、相手はキャストを尊敬している、あるいは師事・私淑している。
- 感情であれば、相手はキャストを友達だと思っている。あるいはキャストのファンである。
- 生命であれば、相手はキャストの(義理や疑似的なものを含む)家族、あるいは恋人や配偶者だ。
- 外界であれば、ビジネスライクな関係。雇い主や情報屋など。困ったらコレで良いだろう。
こういったところからも、キャラ立てしたり世界との結びつきを表現できるわけで。
登場判定
シーンには『シーンプレイヤー』として指定されたプレイヤーのキャストが登場する(板付きでなくとも良いがさっさと出よう)。
それ以外にもRLは登場する/禁止するキャストを指定できるが、そのどちらでもないキャストがシーンに登場したい場合は『登場判定』が必要になる。
既にシーンに登場しているキャラクターのコネで判定し、(指定された目標値以上で)成功すればOK。芋づる式にキャストが出て来るのもよくあること。
また、わざと失敗して手札を回してもよし、舞台裏で買い物や情報収集をしてもよし。
世界
基本ルール発行当初の現実と大枠では同じだが、世界情勢は不穏であり、いつ第三次大戦が始まるかという状態にある。
それゆえか日本の治安も崩壊の一途をたどり、一口に言えば『
コンビニで拳銃を買える』レベルである。
ついでに技術発展も加速しており、生身と遜色ない機能の義肢・義眼などが普及していたり、アンドロイド派遣業の試験運用が始まっていたりする。
組織
Nippon Bureau of Investigation。日本版FBI、越境捜査および凶悪犯罪を請け負う警察機関。
現実の警察組織そのままだとイヌはかなり活躍しにくい(管轄外に手を出すことはできない)ので、こういう設定はとても有効である。
十津川さんみたいにはいかんのよ
日本の巨大企業連合。
ザイバツと考えて差し支えない。
やらかし担当。
本作の世界における世界宗教。マヤカシなどの所属先として設定されている。なお、キリスト教『っぽい』ものになっている。
大人の事情で公式は宗教に関してはここ以外ノータッチである。
ルールブック
これだけ判型と版元が違う(B6判で角川、他はB5判でFEAR)。
その分お値段もお手頃で、かつこれがあればとりあえずプレイヤーはやれる優れモノ。装備品(特に防具)も堅実で優秀だし。
追加ルール・データに加えてタロットカード同梱。特にバサラ・カブト・クロマク辺りはこれを導入してからが本番という節もある。
版元品切れの場合も多いのが辛いところ。
マイナスナンバー『アヤカシ』『ヒルコ』登場。もちろんデータやルールの追加もある。
マイナスナンバー『テツジン』『ハンドラー』。その他追加もあるのは3と同様。
マイナスナンバー『クロガネ』『エトランゼ』に加えてステージ制のルールも登場。
これら全て、より数字の小さいルールブックを揃えていないと機能しない造りになっているのは注意。
さらに『スーパーシナリオサポート』シリーズ(略してSSS)も存在する。
いわゆるシナリオ集的なもので、スタイルをフィーチャーしたシナリオと少量のデータが掲載されている。
夜が来て、追記・修正が始まる。
最終更新:2025年04月03日 20:55