登録日:2024/08/06 Tue 11:00:00
更新日:2024/09/03 Tue 12:08:30
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『
いただきストリート』とは、主に
スクウェア・エニックスが発売しているボードゲームのシリーズである。
略称は『
いたスト』でこの名前で呼ばれることも多い。
【概要】
キャラクターデザインは
ドラゴンクエストシリーズの生みの親である堀井雄二氏が担当し、親交のあったさくまあきら氏に『
お互いボードゲームを一つ作ってみよう』と提案し、さくまあきらが『
すごろく』を元に『
桃太郎電鉄』を生みだしたのに対し、堀井雄二が作ったのが世界中で大ヒットしたボードゲーム『
モノポリー』を日本人向けにして遊びやすくアレンジしたのがこの『いただきストリート』シリーズである。
第1作が発売されたのは1991年発売のファミコン版からと、
マリオパーティシリーズや、
人生ゲーム(家庭用ゲーム機版)シリーズより前で家庭用ゲーム機のボードゲームとしてはかなり歴史あるゲームシリーズでもある。
【主なルール】
プレイ人数は基本4人で、基本的なルールを大雑把に説明すると、『
ゲーム開始時の所持金額から設定された目標金額に到達した上で一番早くスタート地点(銀行・銀行城)に戻ってきた者が優勝』である。
プレイヤーはサイコロの出目に従い止まったマスが所有者がいない物件・店であれば購入して自分の物件にすることが可能。自分以外の所有者がいる物件に止まった場合はその物件を保持しているプレイヤーに指定の金額を払う。マップに4つ存在している『ハート(❤)』『スペード(♠)』『ダイヤ(♦)』『クラブ(♣)』を全て巡って銀行に戻るとサラリー(賞金)を銀行から受け取ることが出来るので序盤~中盤の重要な収入源となる。
銀行ではそれぞれのエリアの株を購入することが出来、10株以上購入すると株価が上がる。自分の持っている店があるエリアの株を購入し自分の店に増資して株価を上げて儲けたり、逆に他人のエリアの株を買っておけば他人が増資した際に株価が上がるので自分のエリアを増資した際と同様に儲けることが可能。
全財産が赤字になった場合は『
破産』という状態になりゲームへの参加資格を失い、事実上のリタイアを余儀なくされることになる。復活することは出来なく完全に
GAMEOVERである。
【主な歴代作品】
記念すべき第1作で、1991年3月発売の
FC版。この作品のみ開発元がアスキーであり、歴代で唯一3人プレイのマップがある。初代であることから粗削りだがこの時点で
ゲームとしての原型は出来ている。
第2作。1994年2月発売の
SFC版。理不尽要素が少なくバランスが整っており、目立つバグもないため、古参ファンの中には未だにこの作品をシリーズ最高傑作とも呼ぶ者も多い。オリジナルマップの
アレフガルドも魅力の一つ。
この作品から4作目までは個性あふれるオリジナルキャラでプレイが可能。
第3作。1998年9月発売の
PS版。前作の移植ではないが基本的にシステムは同じ。アレフガルドは削除されたがその分いくつかオリジナル面が収録されている。
スラリンはいいのか……
CPUのキャラクターの強さランクが明確になった作品で、強さランクによって戦術に大きな差異がある。
たまにフリーズしたり細かいバグが残っているのが欠点。
一人用のモードとして、
SFC版ドラクエⅢの
すごろく場をいたスト風にアレンジした
すごろくタウンがあり、これをクリアする事で様々な要素が解禁される。
が、なかなかの鬼畜難度で、全隠し要素を解放するのは一苦労。
「そもそもいたストをやりたいのに、何故鬼畜
すごろくをやらされているのか……?」と言う事で賛否が分かれがち。
このエリアは、アタシのものよ!
この店は渡さへんで!!
俺の店でガブリンチョ!!!
行くわよ!!!!
おー、ゴロゴロゴロリンチョ!
Can You 4P?
破産したって大笑い!
堀井雄二 原作
いただき
ストリート
ゴージャスキング
好評発売中
プレイステーションから!!
チョーラッキー!
- いただきストリート3 億万長者にしてあげる!~家庭教師つき!~
第4作。前作が何故かナンバリングされていないため、見ての通り
4作目なのに3。2002年2月発売の
PS2版。
その名の通り家庭教師が初心者にもわかりやすく遊び方を教えてくれるのがウリの一つ。
この作品から
CPUの最高ランクSランクが登場した。次作以降はドラクエ、FF、
マリオといったキャラのコラボゲーと化していったので現時点でオリジナルキャラのみでプレイできる最後の作品だが、前作までのキャラはおらず人数もやや少なめ。
オリジナル面に「移動途中で任意に片道の移動ができる乗り物」「通行時にマップに変化が起きるスイッチ」「回転マーク」といったギミックが加わった他にこれまでの面もかなり多く収録されているが、チャンスカードの「好きなお店を2件買える」が強すぎるなどバランス面はやや不安定。
とはいえ一人で黙々と遊び実力を上げるなら最適な作品といえる。
第5作。2004年12月発売のPS2版。近年のいたストはコラボが当たり前になっているが、そのコラボ第1作がこの作品。通常のモードに加えてスフィアバトルという新たなモードも搭載された。
テンポの悪さや職業ごとの格差など問題点も多く評判は
賛否両論だが、普段と違う遊び方で新鮮味はある。改善していけばより面白くなったかもしれないが、結局本作限りの要素になったのは残念な所。
一方通常バトルはコラボシリーズの中では
CPUの出目に不自然な点も目立たない点からコラボシリーズではこのシリーズが一番良いというプレイヤーも少なくない。古参ファンからは、買い物料の低下による株ゲーの加速について賛否が分かれるが。
クロスオーバーのオールスター物だが、登場キャラクターの出典シリーズが大分偏っている点も批判が多い。
詳細は
該当項目参照。
- ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー in いただきストリートポータブル
第6作……ではあるが、ほぼ上記第5作の移植&マイナーチェンジ版。2006年5月発売の
PSP版。
一応追加要素はあるが、基本的にはボリュームが減少しスフィアモードもなくなった劣化移植。と言っても携帯機なので仕方ないが。「持ち運んで遊べる」と言う所に価値を見出したい。
使用可能キャラクターも大きく入れ替わり、総数が減った上にバランスがさらに悪くなった。特にDQ6から誰も出ていなかったり、FFに至ってはⅦ・Ⅹ・Ⅻからしか出ていない。
当時最新作だった
FFⅫからは、メインキャラが6人全員出演している。
第7作。2007年6月発売の
DS版。今作はドラクエシリーズと
マリオシリーズのキャラがコラボしている作品で、発売当時はWi-Fi通信による通信対戦を行うことも可能になった。ただしフレンドコードが必要でフリーマッチングは不可。マップは過去作の使い回しであることやこの作品から
CPUの出目の不自然さが目立つようになりプレイヤーの評判は微妙。
第8作。2011年12月発売
Wii版。前作と同じくマリオシリーズとドラクエシリーズのコラボが続投。演出に力を入れすぎたのかテンポが悪く前作に続き
CPUの出目の不自然さも続投。そのことから過去作を知る国内プレイヤーからの評判は芳しくないが、初めて海外版が発売された作品であることもあり過去作を知らない海外プレイヤーからの評判は良好。この作品からWi-Fi対戦がランダムでも可能になった。
- いただきストリート-ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー30th-ANNIVERSARY
第9作。2017年10月発売の
PS4・
PS-Vita版。第6作以来11年ぶりにファイナルファンタジーとコラボした作品。
全キャラに声優のボイスが搭載され、前作同様ネットワーク対戦もランダムで可能である。前作と比べてテンポの悪さはかなり改善されたが、
CPUの不自然の出目については特に変化がなく不満を漏らすプレイヤーも少なくない。
【用語】
チャンスマスに泊まることで様々な効果があるチャンスカードを引けるマス。プレイヤーにとっては大きくプラスになるものもあればスカとも言えるもの、大きくマイナスになるものもあるなど効果は千差万別である。
自分の所持している物件が多いエリアの株を集中的に買い増資することで株価を上げ儲けるテクニック。
「これから株価が上がる可能性が高いと言う内部情報を知った上で株を買って大儲けする」と言うインサイダー取引は現実では違法だが、いたストでは合法どころか基本テクニックである。
増資することで相手から奪える買い物料を上げられるので、株儲けと組み合わせれば一石二鳥の効果が望める。
株持ち増資とは逆に相手の物件が集中しているエリアの株を買い、相手が増資して株価を上げるのに乗じて資産を増やすテクニック。
思うように物件を入手できなかった場合この方法で儲けるのがメジャーになるので、株価が上がりそうなエリアを見極めることが要求される。
株を所持しているエリアで誰かが買い物すればその売り上げの一部を貰う事ができる(横取りしたり買い物料が増えるのではなく、追加で収入が発生する)。
1株につき4%で最大20%(5株分)。軍資金の少ない序盤では馬鹿に出来ない収入源になるので、売る際も出来るだけ5株は残しておきたい。
また、チャンスカード77は伝統的に「全てのエリアの株が5株ずつもらえる」なので、これを引くと全配当をMAXで貰える。自店舗のないエリアでも手放さずしっかり保持しておこう。
自分が欲しいけど相手が所持している物件を強引に5倍の値段で買い取ること。自分のエリアにある相手の物件を強引に買い取る場合や、相手が独占しているエリアでまだ増資されてなく成長していない店を5倍買いすることで相手の独占を崩すといった時に用いられる。
上手く使えば5倍買いした以上の元を取ることも十分可能であるが、無理な5倍買いは自分の首を絞めることにもなりかねないいわゆる『諸刃の剣』である。
この5倍買いを使いこなせるようになったら立派な上級者。
シリーズによって効果は様々だが、自分の好きなマスに移動したり相手がそのマスを通る都度金を払うといった通常のマスとは異なる効果がある建物を建てることが出来る。
基本的に価格は200G固定なので5倍買いされやすいのが難点だが、それに見合った強力な効果を持つ事が多い。
普通の店を立てることも可能で、特殊効果が得られない代わりに普通の店同様に増資出来る。
また、最初から
コンビニ等の価値の高い店を建てる事も可能で、その場合は増資したのと同様に株価も上昇し利益を上げる事が出来る。
そのエリアの株を集めてから露天を
コンビニに改築し、一気に株価を上げて大儲け、と言うのもテクニックの一つ。
どちらを建てるにせよ基本的に普通の店よりも汎用性が高く価値が高いので空き地に止まることが出来る状況なら優先的に買っておきたい物件である。
基本的に株は10株以上買うと株価が上がるのだが、それとは逆に意図的に10株ずつ売って株価を下げるテクニック。主な効果は2つで、相手の資産を下げることと相手が増資した際の株価上昇率を下げることである。
やり慣れた熟練のプレイヤー同士の対人戦ならば常識だが、嫌がらせ度が非常に高いため、喧嘩にならないように注意。
そういった事もあってか、
CPUは基本的には最高レベルの強さでないとこのテクニックを用いない。
10株売りとは逆に、手持ち資金のマージンを作りつつ次の支払いで株価を下げないテクニック。
カツカツだと店を買ったり増資したり買い物料を支払ったりで10株以上売る羽目になることもあるため、それらを防ぐのに役立つ。
あえて毎ターン9株売りを連打して別の株に投資し、株価上昇率を下げないor株価を上げたままにするという手もある。
CPUが多用してくるが、大概の場合は意味がない。
一部のマップに存在する、ワープマスでしか行けない場所。狭い場所でループしている。場合によってはマークが全て置かれていたり、店舗数が通常のエリアより多かったりすることも(そうでない事もある)。
初期状態でもサイコロ次第ではいつまで立っても出れずに回り続ける羽目になる危険なエリアだが、ここで店が育つと、敵をハメて大儲け出来たり、逆にハメられて破産する事も……。
【余談】
- 7作目(DS)以降のCPUの不自然なサイコロの出目について不満を漏らすプレイヤーも少なくないが、公式はきっぱり否定しているものの真相は闇の中である。
追記・修正は近年の不可解な
CPUの出目操作にもめげない方にお願いします。
- いたストのオリキャラ好きなのに近年コラボ作品しか出てないの悲しい -- 名無しさん (2024-08-06 17:30:24)
- 地雷物件踏むか否かの運要素が強すぎて、CPU戦では全空き地モードで破産待ちデスゲームばかりやってしまう -- 名無しさん (2024-08-06 20:50:03)
- SPのアレフガルドとかうおおおおって盛り上がったのにその後は本格派路線バッサリ捨ててるのがなあ -- 名無しさん (2024-08-06 23:59:40)
- マリオが日本語を喋る珍しい作品 -- 名無しさん (2024-08-07 06:26:37)
- スクエニ直々のゲームなのに、なぜかDQコラボで出てきたフローラ(DQ5)が「わがままで高慢お嬢様キャラ」だったという謎。 -- 名無しさん (2024-08-07 07:25:37)
- 「ぼくはマリオだからタダにはならないのかい?」のインパクトが強すぎる -- 名無しさん (2024-08-07 07:27:41)
- 出目は操作されてるというより、CPUキャラがあらかじめ出目を全て知っているってことじゃないかと思っている。DSで、ルイージが一週目から不自然なルート取って、同エリア内に3軒揃えてたことがあったし。あと、チャンスカードでダイスをふって進むのが出ると当然出目がズレるから、それまで好調だったキャラが転落して行くのを結構見るし -- 名無しさん (2024-08-07 10:34:51)
- いたストSPのスフィアバトル、方向性は面白かったんだけどなあ。テンポと職業間のバランスが悪いのが惜しい -- 名無しさん (2024-08-07 14:21:00)
- ↑それなすぎる。 -- 名無しさん (2024-08-07 20:54:52)
- ↑途中送りしてしまった。ミナデインとかみんなのうらみあたりが特にイカれてた思い出 -- 名無しさん (2024-08-07 20:59:56)
- ↑3CPUに店ゼロ勝利取らせるためにセーブ&ロード繰り返してキノコ城で3か6を出させ続けたけど、少なくとも一投目の出目が偏ってたイメージが全然無かったしなぁ -- 名無しさん (2024-08-07 21:03:45)
- また新作が出る事はあるのだろうかこれ… -- 名無しさん (2024-08-08 14:47:56)
- 出目操作を疑うのは、自分と対戦相手の状況を見て。ってのがあると思っている。上手くいかない局面程、時間が経っても覚えているという面も。まあ、操作を疑われても当然といった動作をするという主張を否定する気もないけれど。 -- 名無しさん (2024-08-08 22:16:47)
- インサイダーが「インサイダー取引とは一切関係ない」って書かれてて、逆に何の事だと思ってたの!? と言いたくなった。直したけど。 -- 名無しさん (2024-08-09 19:24:18)
- SPの出目に不自然な点が目立たないって言うけど大分操作されてる気がする……CPUは普通だけどプレイヤー側の出目の方が全体的に酷い、目が小さかったりスフィアが妙に出なかったり孤島から出られなかったり。流石にロンダルキアの離れエリアに2回合計で数十ターン幽閉されるのはおかしいだろ。2回とも結局ワープには止まらず飛空艇使わないと出られなかったし。 -- 名無しさん (2024-09-01 05:13:12)
最終更新:2024年09月03日 12:08