モチロン(ウルトラ怪獣)

登録日:2024/08/28 Wed 10:25:00
更新日:2024/12/24 Tue 19:30:30
所要時間:約 3 分で読めます






ウルトラマンタロウは奇想天外な現代のおとぎ話なのだ*1


ウルトラマンタロウ』第39話「ウルトラ父子餅つき大作戦!」に登場した怪獣。

目次

【データ】

種別:うす怪獣
身長:58メートル
重さ:40,000トン
出身地:月
CV:渡部猛


【概要】

奇抜な怪獣が多く登場したタロウの中でもエンマーゴなどと並んで特に個性的な怪獣で、タロウの「現代のおとぎ話」というコンセプトに従って、怪獣よりも妖怪に近い存在と言える一体。

名前は餅なのにうす怪獣という名前の通り、巨大なうすに顔と緑色の手足と尻尾がついたようなシンプルな見た目をしている。

生まれは月世界で、人間の「月では兎がをついている」という思いが月に届いて誕生した怪獣だという。
こんな見た目に反して人間と同等の知能を持つ。ただし人語を話すことはできず、会話するにはテレパシーが必要。
性格は単純で、月星人の南夕子とも知り合いで彼女を姉さんと呼ぶなど、基本的には悪い怪獣ではない*2

しかし食い意地が張っており、好物の餅を腹いっぱい食べたいがあまり地球にやってきて各地の餅を強奪していった。


【能力】

月から地球には黒い飛行船にぶら下がってやって来て、移動にもこれを使う。ただしモチロン自身には地球の引力圏を離脱する能力は無い。
うす怪獣らしく頭部で餅をつくことも可能だが、苦痛を伴うので嫌がる。
手足を体に引っ込めて臼になる事も可能で、転がって移動や攻撃に使用する「うすぐるま」という技を持つ。また口から五千度の炎・「モチロンボイラー」を吐く。

視力はすさまじく、5万km先のモチを見つけることができるとか。

【視力について】

上述したように、5万km先のモチを見つけることが可能な視力を誇る。
だが、地球と、モチロンが住む月の間の距離は約38万km
そのため、どう頑張っても逆立ちしても、月から地球上のモチを見つけることは出来ない。
また、飛行能力を持たないため、地球上を歩いて捜索することになるのだが、そうなると今度は地球の丸みが邪魔をする。
柳田理科雄氏の計算によれば、モチロンの目線の高さでは20km以上離れた場所は地平線に隠れて見えないのだとか…。(参考:https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/a8316a5cecea8e79aa701ebfd5a0a18a64f68179
なかなかに、難儀な奴である。
とはいえ、劇中では飛行船にぶら下がって空中から探索していたので、もっと広範囲に見渡せるだろう。
どのみち地球1周が約4万kmなので地球上ではオーバーパワーなのだけど


【活躍】


もうすぐお正月がやってくるというZATも走る師走の街で東光太郎は母子寮*3の子供たちのために正月の餅をついてやろうと意気込んでいたが、そこにモチロンが地球に襲来。

モチロンは勿論餅をたいらげてしまい、そのままあちこちに移動しては、次々に餅を食い荒らしていく。

ZATが出動して黒い飛行船は撃墜するが、モチロンは姿を隠して見失ってしまい、レーダーも反応なし。

その夜、子供たちを慰める光太郎のところに聞こえてきたピアノの音色。それを弾いていたのはかつてウルトラマンAに合体変身する一人だった南夕子*4
夕子は自分と同じ月の者が地球に迷惑をかけたことを申し訳ないと詫び、モチロンを説得して月に帰すよう協力してほしいとお願いし、モチロン勿論引き受けた光太郎は夕子とともに山中で潜伏していたモチロンの元に向かい説得するが、モチロンは言うことを聞かず、有名な新潟の米で作った餅を食いに行くという
そればかりか光太郎がウルトラマンタロウだと知ると、力比べを要求してきたのでやむを得ずタロウに変身してモチロンとの対決を開始。

両者しこを踏み、真っ向からの相撲対決。モチロンのパワーはタロウをも上回るほどで、さらに強力な火炎放射や体の中に手足を引っ込めての突撃などでタロウも苦戦を強いられる。

それでもタロウはモチロンを頭上に持ち上げて、手詰まりとなったモチロンの負けは明らかとなった。
だがモチロンは自分を殺せば月の兎の影は消えてしまってお月見もできなくなるんだぞと往生際悪くあがいてタロウも困り果ててしまう。

そこに現れたのが夕子と旧知のウルトラの父だった。
ほんの数か月後にはウルトラセブンが再起不能になってもジャック怪獣ボールを届けに来るまで援軍一切無しだというのに、大隊長がこんなことで直々に来れるとは、この後に起こる宇宙戦争の迷惑さがわかる。
ウルトラの父はモチロンを叱りつけ、さしものモチロンもこれ以上わがままを言うこともできずに了承する。
ただし帰る前に食い荒らした餅を返すように言い渡されて、モチロン自身がうすになってタロウと巨大化した夕子が餅をつく。
翌日、ウルトラの父と夕子に運ばれて地球を去るモチロンを見上げる子供たちの元にはどっさりの餅が届けられた。

もうすぐめでたいお正月がやってくることに子供たちといっしょに顔をほころばせる光太郎。

だがその頃、宇宙のかなた海王星では恐るべき力を持った最強最悪の暴君が生まれようとしていたのだった……。



【その後のメディア展開】

インパクトの塊のような怪獣なので、けっこう出番には恵まれている。
挙げなかったものでもライフルホームズとのコラボに起用されたり*5

2014年初の放送回。倒されず宇宙へと帰った怪獣であるシーボーズザニカ、アプラサールをスパークドールズ劇団の面々が紹介していた中で突如出現し、『タロウ』39話の映像を使用する形で自身の活躍を紹介した。
その際、食べ方の汚さや黒い飛行船を周囲にツッコミを入れられていた。

  • ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!
健太のウルトライブしたバルタン星人が、千草のウルトライブしたテレスドンを倒した後、美鈴が「和菓子職人魂をくすぐられる」という理由でウルトライブして登場。ゆるキャラ扱いされていたが。
バルタン相手にじゃんけん勝負に持ち込む事で勝利。
だが健太のガンQと、千草のアクマニヤ星人によって、1つ目の外見で怖がらされる羽目になる。
そしてヒカルのウルトライブしたゴモラがガンQとアクマニヤ星人を倒した後、美鈴がEXゴモラにウルトライブした事で出番終了。
ちなみに、美鈴に名前を「ウスロン」と間違えられている。


朧党の忍獣餅崙名義で登場。正月の風物詩として毎年登場していた。ちなみに妻子持ち。
息子はバルタンJr.、ペガッサJr.、ケムールJr.と4人で朧党少年忍者隊を組んでいる。
妻は夫より強く、ウル忍を蹴散らしたがウルトラの母との対決ではなす術がなく負けた。

後になるとあまりにも毎年出てくるので、「馬鹿の一つ覚え」、「今の子供はモチなんか好物じゃない」と飽きられたので「寿司崙(スシロン)」や「伽怜崙(カレーロン)」のように方針を模索していた。伽怜崙の際は「こんなんでどーやって戦うんスか?」と泣いていたが……

青汁を作るためにペテロ族を絞るジューサーになったこともある。


feat.POP版では給食のおばちゃんのような立ち位置で登場。
しかしメニューが餅ばかりなので迷惑されているらしい。
本作における擬人化怪獣たちの設定を考えると、元になった少女にやや同情するキャラづけである。


  • DCDゲーム『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS』
EX第7弾で技カードとして、NEO-GL第1弾以降で怪獣カードとして登場。またNEO第7弾のギャラクシーサーガモードと上級バトルでも先行登場した。
必殺技は劇中でも見せた、完全な臼形態になって転がって体当たりする「うすぐるま」と口から火を吐く「モチロンボイラー」どうやら自前で餅を焼けるようだ、それに臼になって敵を吸い込み、やって来たタロウが杵で猛烈について攻撃する「餅つき大作戦」。特に最後は『タロウ』ファンからも困惑と驚きをもって迎えられた1枚。
またバードンとのタッグ必殺技として、うすぐるまで敵に体当たりして跳ね返ったモチロンを空中のバードンが足でキャッチし、敵の頭上から落とす「フライングモチロンプレス」がある。

ギャラクシーサーガモードではナースや恐竜戦車と共にZAPクルーを襲うも、駆け付けたタロウに説得されて退散した。

技カードとしての効果は「餅つき大作戦」で、相手の必殺技パワーを2減らす。
またNEO-GL第3弾に敵限定の技カードとして登場する(つまり排出カードではない)スペシャルアビリティネオ10の効果の1つにもモチロンの技効果が存在し、
こちらは「力もちの力くらべ」で、ずっとアタックとディフェンスが+500され、高熱にものすごく強くなる。


  • 細井雄二作のギャグ漫画『ウルトラマン』
テレビマガジン1988年12月号に掲載された回で、バルタン星人の手下として登場。
ウルトラマンのところに、臼の姿で突然転がって登場した。
臼に貼ってあった「この臼を突くと餅が出てきます、誰でもお気軽にどうぞ」と書かれたチラシに釣られたウルトラマンが、付属していた杵で突いたところ、杵がくっついてしまう。
そこへバルタンが現れ、臼がモチロンで、杵はどうやっても剥がせない事を明かし、杵が動かなければウルトラマンも動けないと言って、バルタン光線を放ってくる。
だがウルトラマンが咄嗟に杵を手放した事で光線を避けられてしまう*6
その後モチロンは正体を現して、バルタンを追い回すウルトラマンの前に立ちはだかり、ビンタ攻撃を繰り出す。
モチロンの思わぬ強さにウルトラマンが戸惑っていると、バルタンは「ウルトラマンを倒したら餅を100個ごちそうする」という約束をしている事を明かす。
それを聞いたウルトラマンは、大岩を投げつけてバルタンの脳天にぶつけ、モチロンに「大きいのが焼けたぞ」とバルタンの頭を指さす。
そこには焼けた餅のごとく大きく膨らんだタンコブがあり、それを餅と間違えたモチロンは、箸と醤油を手にしてバルタンを追い回すのであった。


念願叶って新潟に来訪して餅を食す!
ゲストとして「新潟編」でゼットン星人と、「長岡・新潟市編」でバルキー星人と共にメフィラス星人に連れられて登場した。
新潟編では地元の方々に歓迎されて餅つきのつく側を担当したが、長岡・新潟市編の酒蔵見学では一人日本酒を語って大恥をかいた*7。さらにどこかで聴いたような掛け声で臼役をやらされてしまった。中の人達は別のお笑いグループだろ
そして恒例のウルトラファイトでは、最終回星人+番組改編期の放送回ということで『ウルトラマン』最終回を再現した終わる終わる詐欺を展開した。

【余談】


  • ZATのレーダーにも映らないのは、モチロンは地球の兄弟星である月の怪獣だからレーダーが宇宙怪獣と見なさないかららしい。

  • このエピソードが『タロウ』におけるウルトラの父の初登場となった。
    次の登場は第51話で、準レギュラーだったウルトラの母と異なり、ウルトラの父は2回しか『タロウ』に登場しなかった。


「だいたい今の子供は追記・修正なんて好きじゃねーぞ」
「だったら悪口とおせっかいをつけて、荒らしと無断転載だーっ!」
「ダメに決まってんだろーがーっ!!」スペシウム
「ぎゃーっ!」

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最終更新:2024年12月24日 19:30

*1 ファミリー劇場、『ウルトラマンタロウ』の放送前特番より

*2 ただし逃亡中にトラックの運転手を轢き殺している疑いがある。凹んでいる部分で無事だったと思いたい……

*3 母子家庭の入居支援施設。現在の母子生活支援施設

*4 光太郎は初対面だが、エースから彼女の話を聞かされていたという。

*5 モチロンは同地域内での引っ越しを希望したが、システム上月の物件に対応していなかったためホームズくんが頓挫するオチ

*6 「くっついたのは杵だけだから、手を離せば良かった」という事実に、両者とも後から気付いた

*7 新潟編でも未公開シーンで似たような恥をかいている。