ウルトラマンエース

登録日:2009/07/16 Thu 18:01:38
更新日:2024/02/09 Fri 09:46:22
所要時間:約 6 分で読めます








夕子ぉぉぉぉぉっ!!


星司さんっ!!



ウルトラァァァタァァァッチ!!


画像出展:ウルトラマンA(1972年4月7日~1973年3月30日)
第1話「輝け!ウルトラ五兄弟」より
@円谷プロ


円谷プロの特撮作品『ウルトラマンA』をはじめとする、ウルトラシリーズに登場するキャラクター。


【プロフィール】

身長:40メートル
体重:4万5000トン
出身:M78星雲・光の国
年齢:1万5千歳
飛行速度:マッハ20
走行速度:時速1000キロメートル
水中速度:220ノット
地中速度:マッハ4
ジャンプ力:900メートル
腕力:14万トンタンカーを持ち上げる
握力:9万8000トン
戦力:アメリカ第7艦隊以上の戦力と言われている

【デザイナー/俳優】

●キャラクターデザイン
  • 鈴木儀雄

●CV

●スーツアクター

●人間役

【概要】

宇宙警備隊の隊員にして、エリート集団「ウルトラ兄弟」の五男に位置するウルトラマン。

地球に初めて現れた際はゾフィーウルトラマンセブンジャックが付き添っている。
後に続く「ウルトラマン●●」のハシリ(ジャックは『A』放送当時は名前が設定されておらず、初代と区別する時には「新マン」等の呼び方をされていた)でもある。

地球では「北斗星司(元パン屋)」と「南夕子(元ナース)」という二人の人間と同化しており、「ウルトラリング」という変身アイテムをそれぞれに渡している。
変身時にはエースが促しているのか二人のリングが輝き、それを見た二人がリングを合わせる「ウルトラタッチ」を行うことで変身。
地球に異次元人 ヤプールが送り込む超獣や宇宙人と戦った。
なお、物語中盤で月星人だった南夕子が月に帰ってからは、北斗が両手に付けたリングを胸元で合わせることで変身している。



【キャラクター】

初っ端から北斗と南に対して「お前」呼ばわりするなど初期は結構大きな態度を取っているが、当時はウルトラ兄弟な末弟だった事もあり未熟さが強調されていた。
ただ、未熟な若いウルトラマンという本編での扱いや見た目とは反対に本人の声は掛け声含めて滅茶苦茶渋く、放送後もファンからはエースの特徴の一つと認識されていた。
2013年にはエースの掛け声などを担当していた納谷悟朗氏が世を去ったが、その後もエースの掛け声は納谷氏のライブラリ音声がノンクレジットで使われている。

また、ウルトラ兄弟の中では短気で融通のきかない性格であり、兄たちに窘められるシーンが度々ある。
エースキラーの回では、ゴルゴダ星でハメられた後、地球に殺し屋超獸バラバが現れたので、
マン兄さん達がエースに地球に戻れと説得したが、彼はゴルゴダ星に残ると言って譲らず、
最終的にしびれを切らしたマン兄さんにぶっ叩かれた

設定では孤児であり、ウルトラの父ウルトラの母の養子となった。
そのためウルトラマンタロウとは義理の兄弟の間柄。
任務中にもかかわらず父さんとつい言ってしまったあたり、タロウやセブンだけでなくウルトラの父とも仲は良いようである。
児童誌の設定では、両親の乗った宇宙船が怪獣軍団に襲われて、ただ一人生き残っていたところをウルトラの父に保護された身の上で、
本当の両親は宇宙警備隊も捜索しているが、未だに足取りは掴めていないらしい。


【戦闘スタイル・能力】

急いでいるように見えるほど激しい動きで立ち回る。
敵の攻撃を回避しながら距離を取る際にバック宙ではなく側転や前回り受け身を多用するのもお約束である。

また、ウルトラ兄弟の中で最も多くの光線技をマスターしており、「エースと言えば切断技と言われる程、トドメに斬撃系の必殺技を多用する。
それ故、一部のファンからは「切断王子」「ギロチン王子」「処刑人」等と呼ばれる事も。

時折倒した敵の死体の処理まで行う場面があり、ザイゴンは切断した首で墓を作り、アイスロンの死体は雪崩を起こして雪山に埋め、べロクロン二世の死体は宇宙へ運んだ。

頭部にはウルトラセブンのアイスラッガーに似たパーツが有る。
しかし、セブンのアイスラッガーはブーメラン型で切れ込みや刃が付いているのに対して、エースのは平たい板状で分離が出来そうなデティールもない。
例えるなら鶏等の鶏冠のような形状であり、「ウルトラホール」と呼ばれるエネルギー吸収孔が開いている。
この孔に他人が力を分け与える事で他のウルトラ戦士の能力が使えるとの事。

一部書籍では訓練次第ではアイスラッガーの様な白兵武装に使える様になるとされており、
虹田充の漫画版では頭頂部が伸びて超獣を串刺しにする「エースラッガー」という技を使用し、バラバを倒した。

小学館の書籍『ウルトラマンひみつ大百科』ではエースが倒した怪獣(超獣)の数は53体とカウントされており、
他のウルトラ戦士の倒した怪獣の数を上回る。

ちなみに番組ナレーションは怪奇大作戦の牧史郎や帰ってきたウルトラマンの坂田健役でおなじみの岸田森。



【主な技】

腕をL字に組んで放つ必殺光線。エースの得意技。
発射時は、上半身を左側に大きくひねる。他の光線技と違いカラフルな光線になっている。威力もお墨付き。
第38話·第50話で通常の数倍の威力を持つ強化版のスーパーメタリウム光線を使ったこともあり、メタリウム光線の通じないスノーギランを倒している。
『タロウ』40話ではタイラントに対して使用したが倒せなかった。だがジャックのスペシウム光線二発吸い込んだ時と違い、爆発していることからここで吸収能力が失われたのではないかと言われている。
『ウルトラファイトビクトリー』でも使用、ビクトリーキラーのM87光線と匹敵の威力を見せた。

  • パンチレーザー
額上部のウルトラスター(ビームランプ)から発射する青白い光線。
決め手になったことはないがエースを代表する必殺技として紹介されることが多い。
両手の先から3本の赤い光線を発射する「パンチレーザースペシャル」なる強化技も存在し、こちらはガマスを倒した。

  • ウルトラスラッシュ
切断技その1。初代ウルトラマンの『八つ裂き光輪』(ウルトラスラッシュ)と同様の技。
バキシムを倒したがその後はギロチンシリーズに役目を奪われており、映像作品での出番は長らくこの一度きりであった。

  • ウルトラギロチン
切断技その2。珍しく技名を呼称してから放つ。名称は斬首死刑のギロチンに由来し、その名の通り相手の首を切断するための技である。
ウルトラスラッシュの数倍の威力がある上にエネルギーを大量消費するため、使用にはウルトラの星からの許可が必要。
劇中ではウルトラ兄弟からのウルトラサイン・「立て!打て!斬れ!」を受けてブロッケンに使用。
両手とウルトラーホールでエネルギーをスパークさせて生成したギザギザの光輪を発射。途中で3つに分裂し、ブロッケンの首と2本の尻尾を切断して倒した。

ウルトラサインが贈られる際、ゾフィーのM87光線、ウルトラマンのスペシウム光線、セブンのエメリウム光線、ジャックのウルトラブレスレットのポーズを取るシーンが流れるシーンは第1話の流用。

  • バーチカルギロチン
切断技その3。「垂直」に発生させた光線で、相手を縦に切断する。
第8話のメトロン星人ジュニア戦のナレーションではこの技が「ウルトラギロチン」と呼称され、同時に「エネルギーの消耗が激しい」という解説もされた。
これは説明を誤った制作上のミスなのか、あるいはウルトラマングレートが同じ光線を使用用途に応じ形を変えて使用している裏設定のように、
この技がウルトラギロチンの変化技であるという説明意図があったのかもしれないが真相は不明。

  • ホリゾンタルギロチン
切断技その4。「水平」に発生させた光線で、超獣の首を切り落とすエグイ技。
バッドバアロンの首を吹っ飛ばすもパニックでバタバタするだけで決め手にはならず、
力尽きたのか動きが止まったところに「垂直」に切断するバーチカルギロチンを放ち、残った体を真っ二つにして倒した。
なお囚われていた子供の魂は無事だったようです。よかったね。

  • サーキュラーギロチン
切断技その5。空間を両腕で斜めに切り付けて「メの字型」の光の刃を発生させ、セブンのウルトラノック戦法の要領で相手に叩き込み十字に四等分する。
あろうことか空中に放り投げたサボテンダーにトドメとして使用。くす玉のごとく臓物を地上にぶちまけた。

  • マルチギロチン
切断技その6。体中から発射する複数の「十字型」の光線で相手をバラバラに切断する。
ユニタングに対して使用したが、元が合体して発生した超獣のためか再びくっついて再生してしまい、エースは「溶かす」というさらにエグい方法をとった。

  • ウルトラナイフ
切断技その7。ウルトラギロチンと同様、技名を呼称してから放つ。手刀で相手の首を切り落とすが、切り口が炎上するのが特徴。
ザイゴンを獄門の刑に処した手厚く葬った。

  • エースブレード
切断技その8。念力で作り出す長ドスドラゴリースフィンクスの首を切断した。
Aテレビ放映時の撮影プロップは時代劇用の道具に塗装し色を調整したもので、その取り扱いの難しさからか敵の武器に対抗するチャンバラの形で使われることはなかったが、
後にウルトラマンZへの客演時に使用した際はバラバの鎌や棘鉄球と打ち合った。
ブレスレットなどを変化させたり、入手した武器をどこからともなく取り出したりするウルトラマンは珍しくないが、完全にゼロの状態から武器を生み出すウルトラマンは意外と少なかったりする。
造形物は『ファイヤーマン』のファイヤーナイフに流用された。

  • ギロチンショット
切断技その9。別名.スペースギロチン。
ウルトラギロチンのエネルギーをスペースQの応用で凝縮した最強のギロチンで、ジャンボキングの首を切断し倒した。
脚本段階ではジャンボキングにスペースQとウルトラギロチンの連続技を繰り出す予定だった。*1

  • フラッシュハンド
エネルギーを両腕に纏わせ、格闘攻撃の威力を上げる技。
熱量を上げて火炎放射にもできる他、超獣人間コオクスにはウルトラスラッシュのような切断円盤として射出し両腕を切り落とした。

  • タイマーショット
カラータイマーから発射する光線で、両手を胸に添えて発射する赤色タイプと両腕を左右に大きく広げて発射する虹色タイプの2つが存在。
前者はガランの右腕を切り落とし、後者はスフィンクスの残った胴体を爆破している。
描写からするに赤は切断・貫通力に、虹は爆発力に優れていると思われるが詳細は不明。

  • スラッシュ光線
手先から放つくさび状の光線。速射性に優れており、連射する形で使用される。

  • スター光線
手先から放つその名の通り星型の光線。37話でマッハレスに対して使用した以外に使われていない技(しかも決め技でもない)なのに何故かダイヤ光線等を差し置いてゲーム作品で採用される事が多い謎の技。

  • スペースQ
ウルトラ四兄弟のエネルギーを先述のウルトラホールに集めて光弾を作る合体技。強敵エースキラーを倒した。
脚本段階ではAの新たなアイテムとして頭部に光の球体が装着されるイメージだったが完成作品では一度きりの技になっている。
ライブステージでも稀に使用することがある。ちなみに発動時、何故かセブンのテーマが流れた。
なお、PS専用ソフト『スーパーヒーロー作戦』ではなぜかスペースQではなくメタリウム光線を放つムービーが流れている。バグだろうか?

  • エースバリヤー
高速回転したエネルギーで敵を特殊空間に閉じ込める。
使うと変身者のどちらかの体力が急激に消耗してしまうため、多用はできない。
作中で使用した際は夕子の体力が著しく消耗してしまい、一時的に瀕死の重症になってしまった。

  • エースバリヤー
まさかの上記の技と同じ名前なのに違う効果の技。
ヤプールの光線が直撃しても全くダメージが無かった。

  • エースバリヤー
まさかの上記の技と同じ名前なのに違う効果の技、その2。
太陽エネルギーを遮断し、ハンザキランを元のサンショウウオに戻した。

  • ウルトラネオバリヤー
両手で長方形を描いて発生させるバリヤー。
『ウルトラマンZ』客演時では展開したまま盾代わりにし、スラッシュ光線を撃ちつつ接近すると言う使われ方もした。
投げ捨てられていたりもする。

  • ストップリング
『ウルトラマンZ』客演時に披露したまさかの新技。(一応、タロウに客演時、ウルトラマンとともにテンペラー星人を拘束する光線を放っていた。ポーズはメタリウム光線)両手から放つリング状の光線で相手を縛り付けて動きを封じる。
令和に登場した技ながら、名前・SE・モーション・エフェクト共に放映当時風の物が使われているので、
エース本人の光線技の豊富なバリエーションもあってあたかも昔から使用していた技と誤認したり、こんな技あったっけ?と思う視聴者も居たそうな。



【趣味】

そんなウルトラマンエースにも他の兄弟と同じく趣味の設定がなされている。
それは……


作詩


……少々意外な趣味である。ぜひ一度読んでみたいものである。



【弱点】

ウルトラ兄弟最多の光線技を持っており(一回きりの技も多いが)、
『新ウルトラマン列伝』最終回でもウルトラマンゼロから「光線技の名手 ウルトラマンエース」と紹介された。
ウルトラマンタイガ』の公式ボイスドラマ『トライスクワッド』20話「超獣総進撃」でもエースが話題に取り上げられた際に、
タイガ「エースは『光線技の名手』なんて言われてて、特に“切断系の”光線の種類はウルトラマンの中でも随一の数を誇ってるんだ」と公言している。
さらにビームランプとカラータイマーで二倍のエネルギーなどいろいろと強い設定があるが、同時に意外な弱点も存在する。

まず地中に潜れないこと。第5話で発覚し、この時はゾフィー兄さんに助けてもらった。
後に第28話という南夕子が去る話ではエースドリルという新技を編み出して克服していた。

次に苦手なのは『水中戦』
第35話のナレーションで「最も苦手とする」と言及され(一応、下半身が浸かる程度なら戦えるが)、
ドリームギラスとの水中戦で苦戦していたところをゾフィー兄さん湖の水を一時的に蒸発させたことで、危機を脱した。

…エースの弱点判明回にゾフィー兄さんの援護あり!

義理の従兄弟のセブンが泳ぎが趣味なんだから、今度教えてもらってはいかが?*2



【後のシリーズでの主な活躍】

児童誌の設定では地球からの帰還後は、アンドロメダ星雲方面の任務を経て支部長になっている。


ウルトラマンタロウ

第1話ではアストロモンスに敗れ重傷を負った東光太郎を他の兄弟と共に光に国に運び、ウルトラマンタロウを生み出す。
兄弟と協力してテンペラー星人を倒す。
また、ムルロアによって黒闇に包まれた地球を兄弟で救った。
しかしタイラント戦では噛ませ扱い。


ウルトラマンレオ

第38話「決闘!レオ兄弟対ウルトラ兄弟」、第39話「レオ兄弟 ウルトラ兄弟 勝利の時」にて客演。

偽アストラに化けたババルウ星人にウルトラキーを盗まれ、
「ウルトラの兄弟たち、裏切りものアストラを倒し、ウルトラキーを奪い返すのだ!!」と長男であるゾフィーがいるのにも関わらずリーダーシップを取っている。
ババルウ星人の計略でレオとウルトラ兄弟が同士討ちを始めた際、レオキックを食らいかける。
ちなみにレオ劇中でレオキックをよけたのはこのときのエースのみ。
声を担当したのは古谷徹氏だと言われており書籍でもそう書かれていたが、幼少期からの領収書を調べたところレオのエースの役がなく演じた記憶がないと否定しており実際は豊川晋吾氏であった。


ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟

3人の兄さんたち同様、本編の20年前、ヤプールの作った究極超獣 Uキラーザウルスと戦い、封印するためにエネルギーを使い果たしてしまう。
人間としてヤプールを監視し続けていたが、メビウスのピンチに再び変身して戦う。

メビウスが怒りにかられて無駄の多い戦い方でザラブ星人を倒した時に
一人だけ無邪気に喜んでいたり(他の3人はメビウスが罠に嵌められたことに気付いていた)、
メビウスのピンチに真っ先に変身しようとするなど相変わらず良くも悪くも真っ直ぐな性根を見せていた。


ウルトラマンメビウス

本編では第44話「エースの願い」にて、暗黒四天王・巨大ヤプールに苦戦するメビウスを激励し、月で超獣ルナチクスと戦った。
戦闘後、北斗は、地球人にもウルトラマンに対して感謝も敬意も抱かないエゴイストがいる事を身をもって知ったメビウスに対し、かつて地球を去る際に子供達に残したあの名言を再び語る。
そして、33年ぶりに夕子と再会を果たした。


ウルトラマンメビウス外伝 ゴーストリバース

珍しくタロウと二人で怪獣墓場の調査へ赴くが、暗黒四天王の罠で捕らわれてしまう。
解放後はまたもやヤプールを相手に戦い、撃破する。


大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE

物語序盤、ウルトラマンベリアルからプラズマスパークを防衛するため、
ウルトラマンジャックウルトラマン80と共に立ち向かうが、結果はお察しの通り……。


ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国

光の国のシーンで登場。
終盤では光の国に迫るダークロプス軍団との戦いに参戦した。


ウルトラマンサーガ

光の国のシーンで登場。
次元を超えて暗躍する敵の存在に、全ての並行世界を監視することは不可能と危惧する。
ディレクターズカット版では他の兄弟と共にフューチャーアースに駆けつけ、ハイパーゼットンが生み出した怪獣兵器ベロクロンと戦い討ち倒した。


●ウルトラファイトビクトリー

またもや暗躍するヤプール。そしてそのヤプールが復活させようとしているとある宇宙の帝王の存在を察知したキングによってその対処に出る。
惑星グアの衛星ゴルゴダ星にて敵の罠にかかり捕まったギンガを助けるためにエースキラー(ビクトリーキラー)と戦闘。
第五話では主題歌である『ウルトラマンエース』やピンチ時のBGMが流されたり、
互いに光線技をいかんなく発揮した戦闘などウルトラファイトエース状態に。
地上ではベロクロン相手にエース名物バーチカルギロチンを叩きこんだが、流石に切断はせず爆死させていた。

なお今回はキングから任務を与えられたのがエースの他はレオアストラヒカリといった弟にあたる戦士、
現地で共闘したのもヒカリを除く前述の面々と後輩のギンガビクトリーであるため、メンバーの最年長としてリーダーシップを取る珍しい姿を見せた。
レオとの共演は40年ぶりであるがまともな会話は初めてであり、ババルウ星人の回で殺しかけたことは後に仲直りした模様。

「ギンガ! ビクトリー!ウルトラータッチだ!!」


ウルトラマンZ

第19話『最後の勇者』にてゼットの持つエースメダルがヤプールの怨念から生まれた超獣バラバに反応し、それに導かれる形でエース本人も地球へと降り立つ。
ストレイジのヨウコはエースの存在を知らなかったが、ヘビクラ(ジャグラー)は以前から知っていた様子であった。
最強形態であるデルタライズクローが破られ絶体絶命となっていたゼットを救う形で現れ、得意の光線技や切断技を駆使してバラバと互角の戦いを繰り広げる。
  • バラバの攻撃をウルトラネオバリヤーで防ぎつつスラッシュ光線を連射して攻撃
  • バリヤーを投げ捨てつつその身体を捻った体勢からメタリウム光線発射へ移行
  • エースブレードをへし折られても怯まずにタックルで距離を詰めつつ動きを封じる
  • 次元の裂け目から放つ光線を先読みしてバリヤーを再度張り、光線を完全に防ぎ切る
など歴戦の勇者の貫禄を見せつけた。

それでもバラバには攻撃を耐えられていたが、ふとゼットがウルトラホールを持っていることに気付き、合体技でトドメをさせることを思い付く。
ストップリングを放って時間を稼ぎつつ、ゼットに自分のエネルギーを分け与えることで合体技「スペースZ」を撃たせ、バラバにトドメを刺すことに成功した。

そして最後にエースがゼットの名付け親であることが明らかにされ、
地球で「最後」を表す言葉である「ゼット(Z)」の名前に込めた「この宇宙から戦いをなくして、平和をもたらす最後の勇者となれ」と言う願いを伝えてゼットを激励して飛び去った。
このとき、ゼットの「Z」を描く軌跡の一部とエースの真っ直ぐに飛んだ軌跡が交わり、「A」の文字が空に描かれるという粋な演出がなされている。

今回はエースの話し声を高峰圭二氏本人が演じ、掛け声は故・納谷悟朗氏のライブラリ音声が使われている。
また、ゼットに戦いを見せるという目的と、エースの声を担当した高峰圭二氏渾身の叫びを残したいという理由から、
批判を受ける覚悟の下、敢えて技名を叫ぶという演出がなされた。
エース自身、放映当時でも「ウルトラギロチン」や「ウルトラナイフ」で技名を叫んだ事もあるので、
違和感は少なかった視聴者も少なくはないと思われる。
そして高峰氏が加齢により渋みが増した故か、高峰氏の声と、納谷氏の掛け声がほとんど違和感が無くなっている。
初見の視聴者はまず気付かないだろう(舌癌で右側をかなり切除していたため若干、滑舌が怪しい場面がある程度)。
更に登場シーンでは当時のアイキャッチで使われた音楽が用いられ、戦闘BGMもエースお馴染みの曲、
当時を彷彿とさせる光線技のエフェクトなど、令和の最新技術で昭和のテイストを丁寧に再現している。

また、今まで他のウルトラ兄弟とセット扱いされることが多かったが、
今回は登場から48年目にして初めて、他のウルトラ兄弟が出ないテレビシリーズ本編に単独での登場を果たした。
ついでにテレビシリーズ本編で主役ウルトラマンを援護しつつ共闘したのもタロウ客演時以来47年ぶりとなる。

なお、この話の前にウルトラマンの日記念特別動画『「ご唱和ください、“彼“の名を!」絆を結ぶ、新たなる印「クロスタッチ」誕生!』にて、
ゼットがウルトラ6兄弟と交流する場面が描かれていたのだが、エースだけ距離感が他の兄弟たちよりも近い描写がなされていた*3
『ウルトラマンZ』は最終回までの脚本がすでに完成していたため、今回のゼットとの関係性を意識したうえで描かれていた可能性もあり、
今回の話の後、記念動画を見直して感慨深くなっていた視聴者も少なくなかった様子。


ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀

物語の本筋には関わらないが、Episode6において並行同位体のジュダ・スペクターとモルド・スペクターの前に兄弟達と共に立ちはだかった。
ジュダとの戦闘では、バットキャリバーからの斬撃を大ジャンプで回避し、ウルトラスラッシュを手持ち武器にした芸当でジュダの首を断ち切ろうとしていた。
流石ギロチン王子。殺る気マンマンである。
さらにこの際エフェクトが小さく見え辛いが、貫き手でジュダの持っているバットキャリバーを弾き飛ばそうとしており、確実に仕留めようとする意思が伝わってくるだろう。

しばらくジュダと互角の戦いを繰り広げ、ウルトラセブンの援護もありパンチレーザーでジュダに明確なダメージを与える事に成功した。 
タロウに力を預けてモルド、ジュダをスーパーウルトラマンタロウのコスモミラクル光線で倒し、合体を解除したが、他の兄弟同様かなり体力を消耗していた。
その直後、アーリースタイルのベリアルとトレギアに襲われ、苦戦を強いられるが、ウルトラマンゼロの奮戦もあり危機を脱した。



ウルトラマンSTORY 0

ウルトラマンになる前は孤児でゾフィーの弟分。
ルティアという、南をモチーフにしたような幼なじみがいるリア充だった。
だが彼女が改造され敵として再会。
騙され捕まるが颯爽とゾフィーが駆け付け救出される。そしてルティアの死を経て迷いを振り戦うことを決意する。
後にイカルス星人に異次元に引き込まれてピンチに陥るが、フレアとゴライアンが駆けつけて罠を脱することに成功。
しかし異次元を自在に操るイカルスとブルトンのタッグの前に再びピンチになるが、フレアから異次元に干渉する能力、
さらにゴライアンから剛力の力をウルトラホールに分け与えられてパワーアップ。ルティアの魂に励まされてイカルスを撃破した。


TACの評価】

よく話題になるのが北斗の無能さである。

これは、TACの他の隊員は「射撃の達人」「ロケット工学の権威」「宇宙生物学のスペシャリスト」「語学と通信の達人」といった専門家たちと彼らを束ねる指揮能力の高い隊長であり、
一方の北斗は元はパン屋の運転手というただの一般人同然。経験や実績として彼らに及ばないのも無理はなく、ある意味では設定に忠実な描写とも言えるのだ。
夕子も微妙だが、こちらは元は看護士なのである程度の医療知識や修羅場経験はあったかもしれない。

しかし北斗も夕子も、第1話で様々な入隊テスト(本編では飛行テストのみ描写されたが)を合格したからこそTACに入隊できた。
周りの人間が優秀過ぎるだけで北斗の能力が決して低いわけではないのだ。加えて防衛隊の面子が個性的なのは他のシリーズにも言えることである。
また、一部から「謹慎TAC」と言われるが、これは星司が山中隊員と衝突したり、独断専行するためによく謹慎を命じられるためである。
ちなみに北斗が実際に謹慎を食らった回数は、2、3、30、32(厳密には地上勤務)、46話の5回である。



【余談】

実は、元々は「ウルトラエース」というタイトルだったが、
某社のソフビ人形で同じ名前のものが有ったために、急遽「ウルトラマンエース」というタイトルに差し替えられた。
タイトルロゴも実はタイトル変更後に急遽「マン」の文字を足して細部を修正したもの。
よーく見ると後付けの名残がある気がしないでもない。


主題歌の歌詞も元々は

①いざ行け、いざ行け、僕らのエース ウルトラエース
②戦え、戦え、宇宙のエース ウルトラエース

だったのを、このように差し替えられた。

①いざ行け、いざ行け、ウルトラマンエース 僕らのエース
②戦え、戦え、ウルトラマンエース 宇宙のエース

ただし、これは向こうが盗作した訳ではなく、あくまでも円谷側の配慮である。

デザインは鈴木儀雄氏の作であり、「男女の変身」という事で、観音様の中性的な意匠が込められている。
また、鈴木氏はファミリー劇場の『ウルトラ情報局』2006年5月号にて「古代ローマ帝国時代の兵士をヒントにした」と証言している。
実は雑誌にて紹介した時とは、デザインを大幅に変更されている。
そのため、他のウルトラ戦士にちょっと似ていないところがある。

しかし男女二人の変身は子ども達からは「ごっこ遊びがしづらい」と不評だったらしく、
夕子が何の伏線なく月星人の正体を明かして月へ帰り北斗一人で変身するようになったのはこのためだと言われている。
(なお3クール以降の企画案には、変身の描写について夕子の降板を前提としていない記述も見られる)
ちなみに夕子役の星光子氏はこの降板について当日まで知らされておらず、かなりショックを受けたというエピソードがある。

OPの歌詞には「北斗と南」というフレーズが含まれているが、夕子の降板後もそのまま用いられた。
ナマハゲの回では子どもたちが歌っているが気にしてはいけない。(そうすると最終回がおかしくなるので)

脚本家の市川森一の初期構想では北斗と南は最後の戦いの後にエースに変身する力を失うものの、
代わりに二人の幸せな時間を手にするという最終回だったそうである。
後にパラレルワールドの形であるが、大決戦!超ウルトラ8兄弟にてそれと近い形の世界が描かれている。

夕子降板後の29話から梅津ダンをウルトラ6番目の弟として登場させ、北斗とダンの交流が描かれたものの、
梅津姉弟は第43話を最後に、特に説明もなく姿を消している。
書籍『僕らのウルトラマンA(エース)』によれば、この時点で『ウルトラマンタロウ』の企画が開始されており、
「ウルトラ6番目の弟」と名乗っていたダンとは都合が悪くなったために降板されたと推測している。


設定上、その戦闘能力はマジンガーZと同等である。


【最後に】

ヤプールとはひたすらに残念なくらい腐れ縁である。
下の名言も、ヤプール人との腐れ縁によって生み出されたと言っても過言ではない。

優しさを失わないでくれ。

弱い者をいたわり、

お互いを助け、

どこの国の人とも友達になろうとする気持ちを忘れないでくれ。

例え、その気持ちが何百回裏切られようとも……


それ以前にも、ヤプールは『A』第48話にて復讐など諦めるように言うエース=北斗にこのような呪詛を遺している。


勝った者は生き残り、
負けた者は地獄へ落ちる。

しかし、これだけは覚えておくがいい。

勝った者は、
常に負けた者達の恨みと怨念を背負って
生き続けているのだ!

それが戦って生き残っていく者の運命(さだめ)だ!!


この言葉は永きに渡りエースの心に『呪い』のように残っていたが、『Z』19話のバラバ戦でついにその答えに行きつく。


それでも私は……
『ウルトラマンは』戦い続ける!

この宇宙に真の平和が訪れるその日まで!!


エースの『誓い』は、『宇宙の戦いを終わらせ、平和をもたらす最後の勇者』にも受け継がれていくことであろう。

……例え、いずれ訪れる平和と彼自身の願いが何百回破られようとも。



追記・修正を皆さんの失われなかった優しさの心でお願いします。


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最終更新:2024年02月09日 09:46
添付ファイル

*1 DVD特典「明日のエースは君だ!」の脚本(決定稿)より

*2 身も蓋もないことを言うと特撮で水を使うのは撮影面でも整備面でも非常に面倒くさい上に下手すると冗談抜きでスーツアクターさんが死にかねないので大概皆苦手なのだが。

*3 またゼットもタロウとゾフィーに出会ったあとに真っ先にエースに会いに行っている。これに関しては順当に作品順が考慮されているだけだと思われるが。