映画 あたしンち

登録日:2024/09/15 Sun 22:44:00
更新日:2025/04/29 Tue 23:18:21
所要時間:約 5 分で読めます




あたしンち』初の長編アニメ映画。テレビ朝日開局45周年記念作品。
監督はテレビアニメと同様やすみ哲夫、脚本は両沢和幸*1高橋ナツコ*2の2名体制での執筆。
ちなみに公開時期は年末年始ということもあってか「お正月映画」とも宣伝されていた。


『あたしンち』で映画?と思う方もいるだろうが当時はテレビ朝日と東映が本気で『あたしンち』を推しており、本作もと同様に定番映画化を視野に入れていた作品なのである。なお目標興行収入は30億円と大分高め。

主題歌は矢野顕子「あたしンち」。矢野氏の主題歌という点で同じ新聞連載漫画原作の映画化とも共通点が…

本作の特徴として所謂「悪役」を用いず登場人物の会話や交流を重視した人間ドラマとして描かれており、こうした作りで他作品との差別化を図っている。

京都アニメーションからもアニメーターが関わっているため人物の作画も殆ど安定しており、リアリティが増した背景もまた本作独自の画として注目して見ることをおすすめする。

とはいえ最終的に9億円で打ち止めとなりシリーズ化とはいかなかったものの、数年後にまさかの2作目が公開されることとなった。しかも3D映画であるどういうことなの…

【ストーリー】

毎日いつもの日常を過ごすタチバナ家。だがタチバナ家はこの時知る由も無かった、その日常を揺るがす出来事が後に起こることになるとは...
ある雨の日、母とみかんが歩道橋で足を滑らせそのまま頭をぶつけ合ってしまう中、そこへ何やら青白い雷が歩道橋を伝って2人を包み込み...なんと母とみかんの魂が入れ替わってしまったのだ!
それからというもの、みかんの姿で高校生活を送る母と母の姿で主婦業に悪戦苦闘するみかん、一方の父とユズヒコは2人を元の状態に戻す手がかりを求めて、タチバナ家の不思議な日常が始まる。

余談だが一部の設定が異なるため、原作&テレビアニメとは並行世界に当たる模様。

【登場人物】

お馴染み半魚人なタチバナ家のお母さん。本作では奥歯の内1つだけを金歯にしている。
冒頭から耳にピアス穴を開けたいみかんを叱り付けるなどいつもの調子だったが、買い出しに出かけた帰りにアクシデントでみかんと入れ替わってしまうところから本作の物語が始まる。
入れ替わり後はみかんとして高校生活を送り修学旅行を満喫していたが、中学の同窓会でかつて片思いをしていた月岡に手紙を渡すべく本人と再会。そこで月岡の子供の話を聴き、終盤にある行動を決死の覚悟で実行に移すきっかけとなった。

のの字目のタチバナ家長女。本作では2-Cではなく2年B組に割り当てられている設定。
母を濡れさせまいと傘を持ってきたがそこで母と上記の通り入れ替わってしまいガチ凹み。家事も上手くいかず修学旅行にも自分の体で行けなくなるなど正直かわいそうにもほどがある。みかんが何をしたというのか…
ちなみにどういうわけか、入れ替わっているのに電話越しでも肉声でも周りからはみかんの声と認識されている場面がある。これも入れ替わりの副作用なのだろうか?

糸目のタチバナ家長男。
常識人から派生して頭の良さがクローズアップされ、入れ替わりの原因となった要素や状況などを一通りパソコン*3で調べ上げるなど、いなかったら詰んでいた本作におけるMVPの一人。

丸い眼鏡のタチバナ家大黒柱。
序盤から入れ替わり時の再現を促し、テレビでフランクリンの雷実験からヒントを得るなどこちらもいないと困る存在。
終盤では家族のために体を張った作戦に出るなど、本作の父は出来る漢。

  • しみちゃん
みかんの親友タラコ唇のしみちゃん
みかんにピアス穴を勧めたのも彼女であり、みかん(中身:母)の様子がいつもと違うことに少し戸惑っていた。
が、みかんが事情を打ち明けたことで修学旅行中の手助けをするなど、良き友達の関係をここでも発揮。
本作ではまだ喫煙の仕草をしていた頃でもあり、母(中身:みかん)が灰皿の手を差し出したことで入れ替わりが本当の事だと確信する決め手にもなった。

  • ゆかりん
同じくみかんの親友おまんじゅう顔のゆかりん
本作から本格的に丸顔になった。

  • 岩木
みかんが恋する高身長男子。
本作では絶叫マシンが苦手という意外な一面が明らかに。

  • 吉岡
みかんのクラスメイトである坊主男子。
デリカシーの無い発言や下痢ピーなどいつもと変わらない。

  • 春山ふぶき
  • のばら
  • ミエ
  • 大山
みかんのクラスメイト女子たち。
出番はバレーと修学旅行の場面のみ。

  • 村上
世界史の授業を行うみかんのクラスの担任教師。
今回は修学旅行の引率担当。
男性教員なのに女子の宿泊部屋の見回りに来るという非常識なシーンがある。

  • 水島
  • 戸山
母の友人。
暫く会ってなかったのか、母(中身:みかん)を見かけた時に「久しぶり」と言っていた。
その後、お茶中に修学旅行の話題で京都に行きたいと発言したが、こちらは後に別世界線だが母と三角さんを含めて4人で京都旅行へと行くことで叶った。良かったね水島さん戸山さん!

  • じーちゃん
母の父親でありみかんとユズヒコの母方の祖父。
テレビアニメに先駆けて登場し、軽トラック乗りとして母とみかんを迎えに来ていた。

母とみかんが京都で出会った男性。だが何やら様子が変で…?
後半からのキーキャラであり『あたしンち』の中でも特に謎の多い人物。
詳しくは本人の項目へ。

  • 月岡修造
中学時代の母が片思いをしていた眼鏡の男性。30年の間にすっかり色黒男に変わっていた。
中学時代の思い出を振り返りつつ、実の子供が19歳で独り立ちして結婚したことを含めて子供の成長の早さを母(中身:みかん)と盗み聴き中のみかん(中身:母)に説いた。


その他、理央はアルバムの写真、他の男子生徒組は学校内で、藤野を始めとしたユズヒコのクラスメイトはEDで登場。




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最終更新:2025年04月29日 23:18

*1 原案

*2 テレビアニメシリーズ構成。本作では原案をあたしンち風に脚色とも言える立場。

*3 ユズヒコがパソコン所有者?と疑問に思うだろうが、父がパソコンを買う話もあるので強ちありえない状況とは言いきれなかったりする。