登録日:2024/09/25 Wed 13:41:02
更新日:2025/04/03 Thu 12:38:41
所要時間:約 10 分で読めます
『悪魔城ドラキュラ』(Haunted Castle)は1988年にKONAMIが稼働したアーケード用ACTゲーム。
【概要】
FCで発売された『
悪魔城ドラキュラ』をアーケード用にリメイクした作品。
なお、英語版タイトルはおなじみの「Castlevania」ではなく、「Haunted Castle」となっている。
ゲームシステム自体はFC版と同様に鞭による攻撃とジャンプ、アイテム取得で切り替わるサブウェポンを駆使して進んでいく2D横スクロールアクションとなっている。
ストーリーは一新されており、邪教徒たちの血の儀式で復活したドラキュラ伯爵が結婚式の最中だったシモン・ベルモンドの花嫁セレナをさらったため救出へ向かうという内容。
FC版との大きな違いはFC版の残機+ライフ制から残機なしの完全ライフ制になったこと。
自機のライフは16目盛分あり、敵の攻撃を受けた際の減少量は受けた攻撃や難易度設定によって変動する。
完全ライフ制になった事を受けてか、穴に落ちた時のペナルティーが
日本版では
「ライフが半分(8目盛)まで減らされた上で中間地点へ戻されて復帰」に変更。
穴へ落ちた際にライフが8目盛以下だった場合はライフ減少はなく、中間地点へ戻されるだけで済む。
ライフの回復手段は「ステージ内のハートアイテムを集めてステージクリア時に減少した目盛分のハートを自動消費」か「プレイ中に追加クレジットを投入」の2通り。
後者は回数制限有で16目盛一度に回復され、更にハートアイテムでの回復が不可の制約つきながら上限を超えての回復が可能。
アーケードらしくグラフィックが描き込まれたものになっており、FC版からホラー的な雰囲気がより向上。
BGMも良曲ぞろいで、特に3面で流れる「Bloody Tears」に合わせてかステージ背景の女性の肖像画が血の涙を流すという演出を取り入れたことでより印象的になった。
一方、アクションゲームとしてはFC版以上に操作性に癖があり、更にダメージの回避が困難なトラップも多く、良くも悪くも覚えゲー度が強まっているため難易度は高め。
一部サブウェポンがあまりに強力すぎるため縛らない限り、道中の熾烈さに反してボスは一方的に倒せてしまう程に激弱という歪極まりないバランスになってしまっている。
海外版は日本版から更に高難易度化されており、一部の攻撃のダメージ量が大幅増加(1面序盤のスケルトンの攻撃で8目盛(!)も減る)、
穴に落ちると問答無用で即死(=ゲームオーバー)
と凶悪な仕様へ変貌している。
【登場人物】
●
シモン・ベルモンド
本作の主人公。青髪で黒い鎧。
今回は攫われた花嫁を救出するため悪魔城へ乗り込む。
膝か腰に爆弾をかかえたようにソロソロと歩く姿はよくネタにされる。
【鞭の段階】
■ムチ
ノーマルパワー。FC版と違い強化する前にゾンビやスケルトンが出てくるため、威力の弱さを直に感じ取れるだろう。
■鉄球
いわゆるモーニングスター。ノーマルパワーの2倍。
リーチは変わらない。
■剣
ここでムチ系ではなくなる。最も強力な武器。
リーチは変わらない。
【サブウェポン】
レバー上を入力しながら攻撃ボタンで使用可能。使うと
ハートを消費する。
FC版と違って連射アイテムはなく、デフォルトで連射できる。
ただし、本作のハートは敵が落とす・アイテムを拾うと+5個、
余った分は減った体力の回復に消費された分を除いてステージ持ち越しとかなりジリ貧を招きやすい仕様になっている。
■タイマツ
FC版の聖水にあたり、足元に火をつける。
■ダイナマイト
爆弾を投げる。1面ボスのメデューサの弱点なので出番はある方。
■ブーメラン
いつもと違って普通のくの字型。まっすぐ前に飛ぶが戻ってこない。
■
タイマー
一定時間敵の動きを止める。
ボスにも有効。最強のぶっ壊れウェポン。
効果中に進めば雑魚敵は出現すらしないが、その間に敵を倒すとハートを含めて何も出さない罠があるので乱用注意。
■十字架
十字架ビームの4連ショットを放つ。
【ステージ】
本作ではステージ内に区切りが無く、スタートからゴールまで一つながりとなっている。
■ステージ1 墓場
●BOSS:メデューサ
悪魔城へ続く墓場。
道中、かがり火が倒れて地面が燃えたり、
前方からブロックが飛んでくるといったトラップが多数仕掛けられている。
死体安置所に辿り着くとボス戦。
前後に移動しながら足元から子蛇を飛ばしてくる。
道中で入手できるダイナマイトがあれば楽勝。
■ステージ2 洞窟
●BOSS:ボーンドラゴンキング
悪魔城へ続く地下洞窟。動く足場や半魚人がお出迎え。
1面に慣れていると難易度は低めだが、1面では普通に倒すだけだったスケルトンを倒すと死霊が飛び出すという初見殺しも。
悪魔城の城門を守る骨の竜がボス。
炎を吐きながらシモンを追いかけまわす。まともに戦うと強敵だが、ここからすでにタイマー無双が始まっている。
■ステージ3 城内(1F)
●BOSS:ステンドグラスナイト
悪魔城エントランス、食堂を通り、邪教の礼拝堂へ。
前述の血の涙演出やハーピーが襲ってくる鏡の中の世界、上下するシャンデリアなどが特徴。
ここから登場するせむし男は他の作品と違って2発攻撃を当てないと倒せない。
ボスは騎士の姿をしたステンドグラスが襲ってくる。
跳ね回りながら時おり剣を振ってくるだけだが、左右から出現するせむし男の方が脅威。
時期的に元ネタは1985年(日本では1986年)公開の映画「ヤング・シャーロック ピラミッドの謎」に登場するステンドグラスナイト。
■ステージ4 城内(地下)
●BOSS:
ゴーレム
悪魔城地下墓地エリア。ミイラ男やせむし男が主力。
移動する足場が多く、移動に手間取りやすいステージ。
ボスのゴーレムはシモンの高さに合わせて上下しながら腕を飛ばしてくる。
この腕、やたら当たり判定がデカすぎて回避不能な高さで発射されることがあるため、時計を持ち込むか運ゲーの2択となる。
■ステージ5 時計台
●BOSS:フランケン
高速エレベーターで時計台へ進む。主要なザコが勢ぞろい。
奥にある実験室にて鎖で繋がれたフランケンと戦う。
壁を殴ってブロックを落下させてくるだけだが、落下するブロックの位置はランダムなのでやはり時計を持ち込むか運ゲーの2択となる。
■ステージ6 ドラキュラ伯爵寝室
●
BOSS:
ドラキュラ伯爵
ラストステージ。後ろから崩落する橋を渡り、いよいよ本丸へ。
BGMの「夜まで待てない」は後にFC版5面の曲とリミックスされ
ユリウス・ベルモンドのテーマとなった。
肝心のドラキュラ伯爵は…ぶっちゃけクソ弱い。
タイマーなど使わずとも普通に戦うだけでもあっさり勝てるほど弱い。
倒すと画面右から巨大なドラキュラの頭が出てきて第2形態になる。
が、こちらは口から
コウモリを飛ばしてくるだけで、第1形態に輪をかけて弱い。
十字架ビーム2セットで文字通り沈む。
倒すと当時のコナミのアケゲーではおなじみの高難易度化した周回プレイが始まる。
余談
BEMANIシリーズの『KEYBORD MANIA』には、今作の楽曲をメドレーにした「AKUMAJO DRACULA MEDLEY」が収録された。
同曲は後にee'mall経由で『pop'n music』にも移植されている。ジャンル名は「K-クラシック」
担当キャラは当初はドラキュラ繋がりで妖怪バンドのボーカルのユーリだったのだが、
後に「悪魔城ドラキュラ/悪魔城ドラキュラメドレー~ハイブリッドバージョン~」にて登場したシモン・ベルモンドの2PがドラキュラIIを彷彿とさせるカラーであった事から、後にアーケードの17 THE MOVIE稼働の際に担当キャラが2Pシモンに差し替えられている。
…そして時は流れ、2024年。
突如として悪魔城は復活を遂げた。
悪魔城ドラキュラ Haunted Castle Revisited
2024年8月28日に公開された
Nintendo Directにて、
ニンテンドーDSで発売された『蒼月の十字架』『ギャラリー オブ ラビリンス』『奪われた刻印』の3作を収録した『
Castlevania Dominus Collection』が発表。
そのおまけとして、アーケード版と、まさかのアーケードを完全リメイクした『悪魔城ドラキュラ Haunted Castle Revisited』の収録が発表。同日に販売開始された。
なお、「Revisited」とは「再訪」という意味。
移植含めて開発が『ドラキュラ伝説 Rebirth』を制作したM2なので、グラフィックとバランスがRebirth風に一新。音楽もM2のchibi-techことJane-Evelyn Nisperos氏のアレンジ版に変更。
ステージ構造は大体同じだが、仕掛けの変更・バランスの改善・操作性の改善によって新鮮なプレイ感覚を与えてくれる。
タイムがブロックごとにリセットされずステージ全体で共通なのもそのままなので、制限時間がちょっと厳しい。
しかしその他には体力とハートの持ち越しと周回の廃止&残機制の復活+各ステージに回復アイテムの肉が隠し追加など、FC版、及びそれをリスペクトしたRebirth版に徹底的に寄せたつくりになった。
同コレクション共通の中断セーブやリワインド機能は使えないが、オプションから難易度の変更は可能。ハードにすると敵が追加配置されるため、かなり難しくなる。
2D横スクロールの悪魔城自体が久々だったこともあり、ファンの間では大きな話題となり出来の良さもあって神リメイクと絶賛された。
単品販売は存在しないが、現在ではプレミアがついている名作とセットなのでむしろ安いという声も多い。
ちなみにアーケード版はこの移植により、『アーケードクラシックス』『アーケードアーカイブス』に続いて現行ハードに3度目の移植がされたことになった。
また、ver1.0.3にてボスラッシュモードが追加。
本編をクリア後にボス達との連戦が楽しめる。さらにこのモード限定でシモンが懐かしいカラーに変化するという嬉しいファンサービスも。
【鞭の段階】(Revisited)
FC版などと同様、アイテムを取得することで鞭の射程距離と攻撃力が上昇するおなじみの方式に変更され、鉄球や剣は廃止された。
本作では『Rebirth』同様共通の丸い水晶を取ることでパワーアップし、革の鞭→モーニングスター(鎖鞭)→先に刃の付いた鞭と強化される。
3段階目の強化はダメージを食らうか一定時間まで有効な時限制となっているが、その時間はかなり短い。
【サブウェポン】(Revisited)
ぶっ壊れだったタイマーが廃止され、新たなサブウェポンが追加された。
■
ナイフ
前方に直線的に飛んでいくお馴染みのサブウェポン。
■
斧
放物線を描いて飛んでいくお馴染みのサブウェポン。
近年のシリーズ同様多段HITする。
■タイマツ
足元に火をつける。
なお投げる軌道、発生する炎共々妙に前のめりで、従来の聖水と同じ感覚で使うとちょっと当てづらい。
■ブーメラン
くの字型ブーメラン。今回は投げた後そのまま戻ってくる。
■十字架
聖なる力で全体攻撃。ハート消費が大きくクールタイムがある。
【ステージ】(Revisited)
ステージには部屋・エリアの区切りが追加され、こちらもシリーズの他の作品に近い仕様となる。
また2面以降のマップのシーンにはBGM(AC版ランキング曲の短縮アレンジ)が入り、これまたFC版お馴染みのシモンが進む描写が入る。ザッザッザッザッ
■Cross Your Heart Stage 01 Graveyard
●BOSS:ウィッキドマーメイドどう見てもメデューサなのに…
悪魔城へ続く墓場。
新たなトラップとして、天から逆さ十字の墓石が落ちてきて周囲を囲まれる罠が追加。飛んでくるブロックの代わりに登場。
木から出てくる木霊が無敵になったため、タイミングを見て通る必要があるなどオリジナルとは別物。
道中では新サブウェポンのナイフと斧しか出てこないが、ボス前ではダイナマイトの代わりにタイマツが出てくる。
ウィッキドマーメイド(メデューサ)は新たな攻撃として、両手を構えるとツメで攻撃、目を光らせると尻尾を振って来るようになった。
足元から出てくる子蛇や
コウモリも健在なので、気を取られると尻尾を食らいやすい。
■Lullaby of the Devils Stage 02 Cave
●BOSS:スケルトンスネーク
スケルトンから出てくる死霊は倒せるようになったが、こちらをホーミングする嫌らしい強化をされている。
地下水路が美しくなっており、背景ではボスがこちらと並走する演出強化が施されている。
壁から生えたドラゴンは倒すと階段状の足場に変化する新ギミックとなって登場。
ボス自体は原作と行動パターンは同じだが、一定ダメージを与えると頭と尻尾が入れ替わるようになった。
乗ると一定時間で落下させてくる足場を使って戦う。
■Bloody Tears Stage 03 Banquet Room
●BOSS:ステンドグラスウォーリアー
アックスアーマーが構えた盾を破壊しないとダメージが通らなくなった一方、せむし男は一撃で倒せるようになった。
鏡の中の世界に代わって、上下するシャンデリアを渡っていく足場のないエリアが追加。ゴーストやハーピーといった厄介な敵がお出迎え。
ステンドグラスウォーリアーは攻撃パターンが豊富になった。
奥の手→手前の手の順で斬る→ジャンプ斬りで反対側に移動→ヘビのように変化して跳ねながら反対側へ→身体をバラバラにして回転しながら反対側へ…のループ。
弱点の胸の宝石をタイミング見て攻撃しよう。
■
Basement Melody Stage 04 Basement
●BOSS:
ゴーレム
新しく骨柱が配置されているくらいでおおむね原作通りのエリア。
ゴーレムはやはり攻撃パターンが一新されており、あまりに運ゲーすぎた腕飛ばしは廃止された。
拳を振り上げて叩き潰そうとしてきたり、地面を叩いて衝撃波を飛ばしたり、指先から斜め下に岩を飛ばすといった攻撃をしてくる。
弱点は赤く光っているコアだが、胸のコアを3回攻撃すると頭部に移動し、頭部を攻撃すると再び胸に移動する。
頭部は普通にジャンプしても届かない位置にあるので、ゴーレムの腕に乗ったり斧などのサブウェポンで攻撃する必要がある。
■Clock Tower Fear Stage 05 Clocktower
●BOSS:フランケンシュタイン
高速エレベーターは低速化したが、敵が湧いてくるようになった。
機械部屋には新しく左右に揺れる鎌が追加。あちこちから湧き出すゴーストや、スケルトンから出てくる死霊が配置された厄介なエリアとなっている。
鎌のトラップの存在やステージボス、背景の牢獄の存在から、シリーズお馴染みの「処刑場&牢獄」とのハイブリッド的な内容になっていると見ても良い。
フランケンシュタインは両腕を拘束したクサリを振って来る近接攻撃が単発から4連続に変化。
さらに原作でも倒れていた白骨死体(フランケンシュタイン博士?)が起き上がり、彼に電気を通されたフランケンが画面端まで突進してくるようになった。突進は起き上がった白骨死体を攻撃すれば止められる。
また、フランケンシュタインと言えば…ということで背後からせむし男が大量に湧いてくる。
落下させてくるブロックが数少ない運ゲー要素の名残。
■
Heart of Fire Stage 06 Vampire's Room
●
BOSS:
ドラキュラ
落下する橋は柱の間一面がやたらゆっくり落ちる仕様(X68000版や『血の輪廻』などに近い)になったが、他に原作ではほとんどコウモリだけしかいなかったのがゴーストはじめ雑魚の大半が配置され、まさしく「最終防衛ライン」という様な内容に。
ハードモードではAC版でも終点にいたハーピーが追加配置され、ダメージ覚悟で突っ込まないと落下させられる難所になっている。
ドラキュラ伯爵も攻撃パターンが大幅変更。
ワープしながら数本のナイフを出現させ、飛ばしてくるようになった。時は止めてこない
ナイフはこちらを追尾する場合と角度固定で飛ばしてくる2パターンがあり、避け方が異なるので見極めが必要。
第2形態になると、巨大化したドラキュラの頭が
4つ出現する。
それぞれの頭で攻撃方法が異なり、左から順に、目からレーザー、両手を出現させ叩き潰す、左右どちらかに移動する炎の柱、口から
コウモリを飛ばす。
攻撃前に予兆があるので、見極めて回避する必要があるが、原作ではクソ雑魚だったコウモリ飛ばしが一番避けづらい攻撃と化している。
頭を攻撃しつづけると、一定時間攻撃不能にさせることも可能。
弱点は空中を浮遊する球体になった。
なお、倒しても2周目は存在せず、そのまま残機ボーナス後の最終スコアが表示されてゲーム終了となる。
追記修正は悪魔城を再訪してからお願いします。
- 作成おつ……だけど悪魔城ドラキュラ Revisitedの方はあくまでアレンジ・リメイクだしタイトルにいらなくね? -- 名無しさん (2024-09-26 02:42:47)
- 後半ステージのBGM、曲名周りでいろいろと混乱がある様子(現状の記事を見ればわかる人はわかるように、Revisitedにもしっかり影響が……)だし、そのあたりの事情をうまく説明できる人が現れないものか。 -- 名無しさん (2024-09-27 23:08:58)
最終更新:2025年04月03日 12:38