イエローデビル

登録日:2010/12/28(火) 10:49:49
更新日:2025/06/04 Wed 14:59:52
所要時間:約 10 分で読めます





「よし、ボス部屋までたどり着いたぞ。
 でも誰もいないな……ん、なんだ?
 背後から尋常じゃない数の弾幕が飛んでくるぞ!?
 しかも攻撃も何も効かない!
 なんか積み上がっt…」

ティウンティウンティウン…

「ボス部屋前からやりなおしだ、もう一度入ろう。
 くそっ、やっぱり避けきれない……
 いや、弾幕が一か所に積み上がってボスっぽい形になってきてる! ここさえ耐えればいいんだな。
 完成した、ここからが本番……」

目が開く→ビーム1発撃つ→目が閉じて再度分裂

「えっ、攻撃チャンス目が開いた一瞬だけ?
 しかもまた弾幕が始まった!
 今度は反対側に積み上がっていく!
 これまさか、ずっと同じパターンの繰り返し……」


「うわぁぁぁぁ……」


ティウンティウンティウン…


イエローデビルとは、初代ロックマンのワイリーステージ1のボスキャラクター。
同作品にて鮮烈デビューを果たし、デカくて黄色くて一つ目のあいつ」として当時のプレイヤーにトラウマを植え付けた。
黄色い悪魔とはよく言ったものである。


概要

液体金属やスライムのような体をしており、自らの体を細かく分裂させ、それを飛ばして攻撃する。
飛ばした先で再び合体し、目から弾を一発撃った後、再び分裂して移動兼攻撃を行う。
こちらの攻撃が通る部位は目のみ。合体している間しか現われず、すぐに分裂してしまうので攻撃のチャンスは限られている。
弱点武器はサンダービーム。

分裂する順番(攻撃が飛んでくる位置)は完全にパターンなのでジャンプのタイミングを身につけるまでは確実に被弾するのが厄介なところ。とにかく弾数が多いうえ一発のダメージも「4」とかなり痛い。
パターンを覚えても、こちらの攻撃チャンスは短いくせに、相手の攻撃を避けなければならない時間の方が圧倒的に長いのが鬱陶しい。

完全な「覚えゲー」のボスなのでパターンさえ把握すれば勝つことは難しくない。
が、いかんせん覚える以外の救済要素がほぼ皆無なのと攻撃時間が長すぎてパターン自体覚えにくいのがイエローデビルをトラウマたらしめる所以。
イエローデビル自体サンダービームを使ってなお割とタフな部類なので半端なパターン把握だとゴリ押しはまるで通用しせず、地道に覚える正攻法以外の道筋を潰してくる。
そして当然ゲームオーバーになったらステージの最初からやり直し。
こいつに心を叩き折られたプレイヤーも多いことだろう……。
最近やり始めたプレイヤーでどうしても勝てなかったらサンダービームを撃った後スタートボタンを連打してみよう!

設定では、Dr.ライトが研究中であった形状記憶粘土を、Dr.ワイリーが盗み出して作り上げたものとされる。
ただ、素材そのものが未完成品であったため、合体した状態では自力で動くことができない。

印象深いボスであるため、以降のシリーズにも後継機や派生種と思しきキャラが多く登場する。
以後は基本的にバランス調整から大幅に弱体化したり、システム面の違いから相対的に弱くなっている。類似ボスの中にはこれよりも強烈なのも居るが……。


初代ロックマンシリーズ

ロックマン3

改良型のイエローデビルMKⅡが登場。目つきが悪くなった他、肩の部分が張り出したようなデザインになっている。
新たに地面を跳ねるように動く分裂パターンが追加されたが、スライディングが追加されたため避けやすい。
弱点はスパークショックではなく、ハードナックルかシャドーブレード。

ロックマン8

半透明の緑色のゼリー状の体をしたグリーンデビルが登場。
分裂をはじめゼリー津波やゼリー針など、多彩な攻撃を仕掛けてくる。
合体中は目玉コアが内部に埋没していて、ゼリーを攻撃で剥がしてコアを剥き出しにしないとダメージが通らない。
武器エネルギーに余裕があればフラッシュボムでゼリーをはがして、サンダークローでコアの弱点を突くと効果的。
これとは別にOPムービー中でサビ前に初代イエローデビルが登場。

ロックマン9

人型から離れ二体一組のツインデビルが登場。
今までのものとは逆に、分裂して飛んで来る時しか弱点の核を攻撃できない。
より攻撃が当てにくくなっているが、弱点武器であるブラックホールボムを軌道上に設置すると……?
またギャラクシーマンステージやワイリーステージの道中では小型化し、球体になったプチデビル・グリーンプチデビル・イエローが登場。こちらは完全なザコ敵。
決まったルートを動くだけで向こうからは攻撃してこないが、こちらから攻撃すると分裂する。よく考えて倒そう。
元の凶悪さを考えれば見た目も性能も癒しキャラである。

ロックマン10

ブロックで出来たブロックデビルが登場。雰囲気としては2のピコピコくんに近い。
これまでのデビル系と比べるとコアの露出度は高いが、床からもパーツが剥がれて穴が開くので落下に注意。
弱点は地形に関わる武器であるリバウンドストライカーだが、コアが下に行ったときにはトリプルブレイドで追撃するという選択肢もある。

ロックマン11

初代から数えて3代目となるイエローデビルMk-IIIが満を持して登場。目玉には歯車(スピードギア?)が内蔵されている。
攻撃パターンは初代のように横方向にパーツを飛ばす→合体して攻撃→横方向にパーツを飛ばすを踏襲しているが、分離攻撃を活かすためにスピードギアが組み込まれており*1、発動するとボディを同時に9体に分裂させて一斉に動き出し、小柄なイエローデビルが飛び跳ねたり走り回ったりする。当然対処法もガラリと変わるので注意。
マシンパワーによる進化がうかがえるものの、分裂体攻撃の際は9体の内1体にだけ上記のパーツ飛ばしの際にはなかった弱点部分が常に露出しているため、こちらの攻撃チャンスでもある。
弱点はチェインブラスト。狙える時間はシビアなので、パワーギア込みで起爆させる事。

ロックマン パワーバトル

1、2コースにイエローデビル、3~6コースにイエローデビルMKⅡが登場。
攻撃方法はそれぞれ多様化しており、MKⅡは見た目こそ初号機と変わらないがある程度ダメージを与えると小柄な3体に分裂して代わる代わる攻撃を仕掛けてくる。とは言え攻撃してくるのは地上の1体だけで残りは天井で待機している為、落ち着いて軽快になった挙動を見切りたい。
地味にオリジナルの専用戦闘曲を貰っている。中々じっくり聞く余裕はないが静かに熱い良曲。

『ロックマン2 パワーファイターズ』

ロールをすくえルートに登場。
細かく分裂こそしないが、新たに目からレーザーで薙ぎ払ったり、身体の一部を破壊可能なブロックとして投げつけて来たり、手の平でビターンして体内に取り込んだりする。
弱点は初代よろしくサンダービーム。しかし歩行もできるようになった都合上ゼロ距離射撃がかなりリスキーな為、全弾ヒットを狙おうとすると苦戦するかも。
素直に溜め撃ちで攻撃した方が良い。或いは反射でチャージしたクラッシュノイズも確定でひるませられるので有効活用したいところ。

ロックマンワールド5

スペースルーラーズの特攻隊長、ダークムーンが登場。デビル名義ではないが挙動はまさにそれ。
前半の4ステージクリア後に戦うことになる。デビル系統では初めて歩行し、さらに撃破された際に崩壊していく演出が入る。
弱点はフォトンミサイル。


ロックマンXゼロシリーズ

ロックマンX5

未来の世界観にて、真っ黒のシャドーデビルが登場。
それまでのボスと比べてライフゲージが異様に長い。
そしてワイリーマシン6号のような姿に変形したり、道中もクイックマンステージそっくりだったりと、過去の戦いを彷彿とさせる部分が多い。
BGMまでロックマン1のものと一緒である。ついでに弱点武器も電気に関わる特殊武器であるトライサンダーであるあたり、強い拘りを感じる。
分裂する際は反対側に「シャドーシェイプ」というエネルギーを残して安全地帯を狭めたり、時々分裂してる途中で往復したりするから厄介極まりない。さらにこのシャドーシェイブの接触ダメージがとんでもなく大きい……と、原作のイエローデビルのトラウマを復刻せんとばかりの仕上がり。
とは言え、実は壁端でひたすら蹴り続けてれば分裂パターンに関わらず全て回避可能だったりする。

ロックマンゼロ

パンテオンの頭をゲルが覆った、レインボーデビルが登場。
ゼロよりひとまわりほど大きいだけで、デビル族の中では小柄。
分裂しながらアギトの様な形になってバウンドしたり、巻き付いて連続ダメージを与えたり、小さな飛沫を飛ばして攻撃する。
「ザコにしては図体がでかいな、邪魔だ」というのは遭遇時のゼロの台詞だが、これを言った直後無残に玉砕したテツクズは多いと思われる。やはりデビル族は強かった。

なお、余談だがこのステージには没シナリオがあったという噂があり、その内容は「捕まったシエルを救出する→しかしそれはレインボーデビルが擬態した『ニセシエル』だった」……というもの。
オフィシャルコンプリートワークス掲載のレインボーデビルの設定画に『ニセシエル』と書かれているのが由来と思われる。
(ただし、同書掲載の座談会で「ハルピュイアの走り書きは剣の名のつもりだった」とか「エルピスの名はマザーエルフの名だった」とか設定画に書きこまれた文字の意図を読み取るのは結構難しいことが語られている)
レインボーデビルを倒した直後突然シエルがやってきてコピーエックスの素性を明かすのはその名残と言われる。
あくまで噂ながら、擬態能力を持ったデビルとは想像してみると面白そうな設定である。

ロックマンゼロ2

レインボーデビルMKⅡが登場。ただしあんまり変わんなかったり。
一応パワーアップとして、前作でEX技だったナイトメアブロー(ダッシュパンチ)を普通に使ってくるようになった。また、飛沫攻撃に着弾時の爆発が追加。
なお、戦闘時SかAランクだと、一定時間無敵になって瓦礫を落とす技を使うのだが、その状態で撃破するとEXスキル「フィルターシールド」をラーニングする事が出来る。
まさかのデビル系からの特殊武器取得という歴代でも珍しい演出である。


その他の作品

ロックマン&フォルテ

8のグリーンデビルがなんとオープニングステージのボスとして再登場。
再現されているのはゼリーを攻撃で剥がして目玉コアを攻撃しなければ倒せない事くらいで、
ゼリーを飛ばしての攻撃を繰り返す以外は、分裂どころか移動すらせずに突っ立ってるだけと、オープニングボスだけあって弱く、シリーズ随一の優しいデビル。
ちなみにフォルテで戦うとゼリーの回復速度が若干早い。

ロックマン&フォルテ(WS)』

グリーンデビルがハードの発色の関係でグレーデビル名義に変更。
……それだけかと思いきや、サイズはロックマンの1.5倍程度の大きさしかなく、分裂移動はせずに液体化して這って移動する。
また、足に纏わりつくゼリーの塊を飛ばしてくる。バスターが足元のゼリーを撃つモーションになりジャンプも封じられる為、連打で払わなければならない。
目玉は普通に顔の表面にあるので、グリーンデビルのようにゼリーを剥がす必要はない。ちなみに液体化中は目を開けているが、この時に攻撃しても効かない。

ロックマンロックマン

ロックマン1と同じくワイリーステージ1のボス。
3Dになった関係で途中形態の描写が難しくなったためか、ほとんど合体せず黄色い玉が渦を巻くような状態でいる。
ファミコン以上にキャラに対する画面が小さく間隔は狭いがその分弾速がゆっくりである。原作で使ってなかった手を攻撃に使うようになり近づきすぎるとビターンされる。
キャラによっては有利だが、苦手なキャラだと長期戦となりかなりキツい。例によってオイルマンはその極致。
難易度「きつきつ」だと分裂パターンが変わり目からの光弾がレーザーの薙ぎ払いに変化するが、逆に「らくらく」で分裂攻撃緩和方法が不可能だったらしく
「らくらく」だとまさかの分裂移動を使わずに合体時の攻撃のみで戦ってくる。
台詞は「ぶも!ぶももも!」といった感じ。日本語でおk。
でもなぜかアイスマンだけはそれを解読できる。

『スーパーアドベンチャーロックマン』

超高性能コンピューター『ラ・ムーン』が造りだした新イエローデビルとして登場した。堂々のラスボスとしての起用である。
基本音声はラ・ムーン共々ボイスチェンジされているが、ラ・ムーンの断末魔の発音が発音のせいで中の人が誰だか丸わかりである。
ちなみに直前のボスのラ・トールはどこかしらハイマックスに似てないでもない。
他のデビルと違い分裂せず、ほぼ肉体派な戦い方をする。ぶっちゃけ分裂しないとかデビルとしてどうなん?
ちなみに海外のアーチーコミックス版では「ラ・デビル」という名称が用いられている。

『ロックマン バトル&チェイス』

雑魚レーサーとして登場。
ブラックイエローデビルという黒だか黄色だかわからんものも現われる。

ロックマンゼクス

ガレオンの頭を岩で覆ったラバ(ラヴァ)デビルが中ボスとして登場。
体がマグマでできており、拳の形に変化させて下から突き上げてきたり、複数の溶岩弾に分裂して空から降ってきたりする。
通常時はコアが岩で覆われていて攻撃が効かず、体を変化させての攻撃中のみ、体から分離したコアがむき出しになるのでダメージを与えられる。
弱点属性+多段ヒットするプラズマサイクロンで瞬殺可能。

大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS/Wii U

「ワイリー基地」ステージのギミックとして登場。ロックマン参戦PVのラストでもその姿を見せている。
警告音とともに背景のワイリーキャッスルからパーツが飛来し、徐々に本体が形成されていくかたちで出現。
目からの光弾やオリジナルよりも速度の早くなった分裂でステージ上のファイター達を攻撃する。
プレイヤーは目に攻撃を加え続けて倒すことができ、その際大爆発を起こす。
この爆発はイエローデビルを倒したファイターの攻撃とみなされ、他のファイターたちを巻き込んで吹っ飛ばすことも可能。
続編のSPにも続投している。
スピリットとしても実装されており、無属性のACE級でスロット1、個性は「走行弱化」。
恐らく初号機の動けない欠点からだろうが、それを代償にしてかACE級アタッカーでは最高の防御力を持ち、最上位のLEGEND級を含めてもトップ5に食い込む程。味方にするとこんなに頼もしいとは。
「ワドルドゥ」+「ディスくん」での呼び出しでのみ入手可能。「一つ目」+「全身黄色の機械関連キャラ」といったところか。

『ロックマンメガミックス』

有賀ヒトシ作の漫画。ロックマン1がベースの「ロックマン誕生」、ロックマン3がベースの「メタルハート」にて登場。
「ロックマン誕生」では、要塞のコントロールルームまで侵入したロックマンを捕獲。
怪力で握り潰そうとするが、スーパーアームを使ったロックマンに腕を吹き飛ばされて脱出され、再生する前にサンダービームでコアを破壊された。

「メタルハート」では、ワイリーがゴミ捨て場に捨てられていた玩具ロボットの電子頭脳をベースに、歩行も可能な「イエローデビルMk=Ⅱ」として作られる。*2
しかし起動と同時にワイリーの命令を聞かず暴走、その後街を襲撃し、止めに来たロックマンおよびサードナンバーズと交戦する。
性能の割には移動は赤ん坊のような這い這い歩きであり、また侵入した中央管理ビルでは何故か警備システムからは攻撃されないどころか、デビルを追跡するロックマンたちを攻撃する等、市システムがデビルを守ろうとするかのような挙動を見せるが……?
それに疑問を持ったライトットがマザーコンピューターにアクセスするも、モニターには「SON」という文字が羅列されるのみ。
ライト博士は「SOSの間違いか?」と見ていたが……。
最終的にはシャドーマンの攻撃によりコアを破壊され、爆発した。




各作品での詳細など、分離しながら追記・修正お願いします。


この項目が面白かったなら……\ぶももも!/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ロックマン
  • ロックマンX
  • ロックマンゼロ
  • 液体
  • 黄色い悪魔
  • スライム
  • ムチムチ
  • トラウマ
  • 初見殺し
  • 覚えゲー
  • <●>
  • クリアまでは眠らない!
  • ぶもっ
  • ぶももももっ!
  • MM…MM!!
  • ボンバーマン「日本語でおk」
  • アイスマンだけにわかる言語
  • 有野課長も苦しめた
  • イエローデビル
  • スピードギア
  • みんなのトラウマ
最終更新:2025年06月04日 14:59

*1 因みにワイリーは逆に巨体を生かすべくパワーギアを組み込むべきか三日三晩悩んだらしい

*2 ただしデザインは旧イエローデビルと同じ形状になっており、目付きだけ本家のMk=Ⅱと同じ仕様になっている。