武者頑駄無 阿修羅丸

登録日:2024/10/21 Mon 18:29:45
更新日:2025/02/23 Sun 01:46:11
所要時間約 7 分で読むなぞ、我には簡単な事…!



※推奨BGM:その名はキャプテン



爆熱丸の許に果たし状が…!」
コマンダーが送り込んだのは、武者頑駄無だった!!」
「次回、SDガンダムフォース!」

新たな刺客、その名は阿修羅丸







「我が名は阿修羅!天宮の国より参った…」

阿 修 羅 丸 !


武者頑駄無 阿修羅丸(あしゅらまる)とは、アニメ『SDガンダムフォース』に登場するキャラクターである。
間違えやすいが阿"朱"羅丸ではない。もちろん、阿修羅"マン"でもないぞ!
CV:小西克幸




◥ ◤概要◢ ◣

ダークアクシズ最高幹部の一角・騎馬王丸の配下の武者頑駄無。「武者頑駄無って、敵じゃないの…?」

ガンダムフォースの爆熱丸とは剣術の師匠・覇王丸の下で修行に励んだ同門だが、彼との決闘に敗れを介錯を求めるも「天宮を想う心は俺も同じ…、命を無駄にするな!」と諭され命を助けられるが、本人はそんな彼からの温情を「自身への侮辱」と曲解、爆熱丸に対して屈辱感を抱き、騎馬王丸の勧誘を受けて彼の軍門に下り、ダークアクシズの次元侵略の片棒を担ぐ。
また、騎馬王丸の配下となった際、プロフェッサーガーベラによって改造されたカラクリ仕掛けの武者である鉄機武者とは異なる異形の武者・改造武者でもある。

モチーフ機体は『機動武闘伝Gガンダム』のアシュラガンダムだが、六臂はともかく胴体と脚部の形状が辛うじてアシュラガンダムの面影を残しているものの、全体的にモチーフと掛け離れた風貌となっている。
あと、『新SD戦国伝 地上最強編』の阿修羅頑駄無とは"阿修羅"を冠しちゃいるが、当然ながら一切関係ありません。



◥ ◤性格◢ ◣



「我はお前達とは違う…!」
「敵国の制圧なぞ、この体一つで成し遂げてやる!」


一人称は基本的に「我」だが、極々稀に「俺」も使うこともある。

非常に苛烈で自尊心の強い性格の持ち主の自信家で、情けを掛けられる事を「武士の恥」「最大の侮辱」と忌避するほどに自分が見下されるような真似をされる事を極度に嫌う。
その上、自身の自尊心を踏み躙じった相手を自身の手で討ち取らなければ気が済まないなどとにかく怨みがましい性分もしており、こうした復讐心の強さは主君である騎馬王丸も内心思うところがあったようで、彼のお目付け役として送り込んだ虚武羅丸からも「私怨を捨てろ!」と忠告されたり、「(因縁絡みの決闘に付き合わされて)いい迷惑だ…!」と愚痴られるほど。尤も本人はそれらの気遣いも彼からしてみれば「余計なお世話」としか感じておらず、虚武羅丸から忠告を受けても「自身の行いは騎馬王丸軍にとって優位になるから絶対に正しい」と言わんばかりに理由を付けて一蹴し意にも介さないため、なおさら性質が悪い。騎馬王丸もよくこんな難有りすぎな問題児を部下に招き入れたもんである……。

敵に対しては苛烈・非情を極め、爆熱丸を庇ったキャプテンの胸部を貫き機能停止に追い込み、さらに自身に戦いをやめるよう説得しようとするシュウトに対しても戦いに水を差したとして斬りかかろうと迫るなど、相手が明らかに戦とは無縁な一般人であっても主君の野望を妨げるのであるば一切の容赦を見せない。
このように自尊心を傷付けた相手に対する執念深さや非情極まりない怒涛の戦い振りから「復讐の鬼」「怒れる鬼神」の異名で恐れられている。

しかし天宮の平定を望む思いと騎馬王丸への忠誠心は強く、騎馬王丸がダークアクシズに組した理由も「例え闇軍団(ダークアクシズ)の力を借り魔人となりても、乱世に幕を下ろさんとする所業であり、決して天宮への裏切りなどはない!!」と断言して憚らない。



◥ ◤戦闘能力◢ ◣



「騎馬王無情流を学んだ我は、鉄機の四つ腕(この体)を得た!」

「無情流の奥義、確と味わうがいいっ!!」


爆熱丸と共に覇王丸の許で剣術の修行に励んでいたこともあり剣術の腕は高いが、その実力は同じ修行仲間の爆熱丸以上で、爆熱丸も彼との手合わせで一度も勝ったことがなかった模様。
騎馬王丸軍に籍を置いてからは「爆熱丸が二刀流ならば自分はそれ以上の刀を振るう」という考えの下に修行時代に帯刀している刀に加え、新たに鬼神大鋸刀や恐らく敵から奪ったであろう多数の武器を携え、さらに流派・騎馬王無情流(きばおうむじょうりゅう)を会得している。

また、騎馬王丸軍の軍門に下ったことに伴い、ダークアクシズの技術によって兜両側面に二つの鬼面と両肩に四つの機械腕が増設され、機械腕を展開させることで名前の通り阿修羅神を彷彿とさせる異形な姿・阿修羅形態(あしゅらモード)に変形し、多数の武器による六刀流を展開することが可能。

武器

  • 鬼神大鋸刀(きじんおおがとう)
名前の通りノコギリの刃のような刀身が特徴の阿修羅丸のメイン武器である野太刀。
名前は大鋸(おおが)と英語で鬼を意味する「オーガ」を掛けている。
孔雀丸時代から帯刀している刀。
  • 槍、薙刀、刺叉、金棒
背中の籠に収納されている武器。専ら阿修羅形態時に使用される。

  • きつ突き
長柄武器(主に槍と薙刀)による二槍流から繰り出される五月雨突き。
  • 阿修羅電影斬(あしゅらでんえいざん)
阿修羅形態から兜の頬当てが顔を覆う形で閉じ、左右の鬼面が展開し、両腕を高速回転させて対象に目掛けて突進し切り刻む。
この技を使用している間は視認権は左右の鬼面に移る模様。



◥ ◤孔雀丸◢ ◣


「要らぬ…、貴様に穢された孔雀の名など、もう要らぬ…!」
「爆熱丸よ…、貴様を倒す為、我は今から鬼となる…!」

「復讐の鬼となるのだあぁぁっ!!」


阿修羅丸の騎馬王丸軍に入る以前のかつての姿。孔雀要素どこにもないじゃん、というツッコミはやめていただこう。
主な違いは兜の前立てと両側面の鬼面、両肩の機械腕の有無*1

阿修羅丸の回想で登場し、爆熱丸との決闘に敗れ、彼への復讐を誓って騎馬王丸の勧誘を承諾し現在に至るといった彼の経緯が描かれている。
爆熱丸との決闘は劇中では既に決着が着いた後で全容は不明だったが、外伝漫画ではその決闘に至るまでの流れが明確に掘り下げられている。

ちなみに回想時に描かれた天宮はまだ世界観設定が固まっていなかった為、花札風の風景が使われ、また孔雀丸と爆熱丸もそれに合わせて切り絵調のカラーリングとなっており、最終回でのカーテンコールで登場した時もこのカラーリングだったが、外伝漫画では阿修羅丸の時と同じ黒系統の配色となっている。



◥ ◤活躍◢ ◣



「「「お…お許しを~っ…!」」」
「ええい、黙れっ!!これまで何度失敗した!?
貴様らはもう当てにならん!!」

「そ…そんな~っ…!」
「既にお前たちに代わる新戦力の投入を決定した!」

「見るがいいっ!!」

「騎馬王丸様の命を受け、コマンダー殿を助太刀致す為参上した!」


度重なる敗北と部下たちの不甲斐なさに業を煮やし、彼らに代わるネオトピア侵攻作戦の刺客としてコマンダーサザビーからの要請を受けた騎馬王丸の命によって天宮から呼び出され、怨敵である爆熱丸を討伐してガンダムフォースの弱体化を狙うことを大々的に宣言。
そしてネオトピアへと出向き、爆熱丸に果たし状を送り付ける。



かつての無念晴らすべく 貴殿との
決闘左記の如く決行仕る可く候
本日ただいまより書き記し場所に来られたし
付添共に無用の事 終始剣術を以って
勝敗を決すべき事 天宮よりこの地に来しは
生死を決せんが為なり


騎馬王丸の命令でお目付け役として自身の下へ現れた虚武羅丸から「我らはネオトピア(この国)を制圧する為に来た…!私怨を捨てろ!」と復讐心に駆られ過ぎていることを指摘・忠告されるが、「(爆熱丸を倒せばネオトピアの侵攻が容易になるし、騎馬王丸のもう一つの野望である「天宮以外の世界の掌握」が実現できるから)一石二鳥だろ?」と言いくるめ、対決先のゴジョーブリッジにて爆熱丸と因縁の再会を迎える。
最初こそ戦いを拒む爆熱丸だったが、騎馬王丸軍に入った経緯を語られてからはかつての友を修羅に貶めてしまった自身の責任とし、ダークアクシズに組みした者に引導を渡すべく漸く五聖剣を抜き、その決闘に応じる。


「あの時の貴様自身の甘さ、悔いるがいいっ!!」
「戻れぬのかああぁぁっ!?」
「戻れる過去など…、既に無いっ!!」
「共に技を磨いた、あの日々はああぁぁっ!?」
「貴様の情けが…、全てを……」

「無駄にしたああぁぁっ!!!!」


戦闘では六つの腕から繰り出される剣劇を展開して爆熱丸を圧倒、そして彼の右肩を肩鎧ごと抉り飛ばし、更に互いの奥義の撃ち合いの末五聖剣之道を叩き折る。


「さらば…!我が屈辱の過去っ!!!!」


だが、とどめを刺そうとした瞬間、キャプテンが爆熱丸を庇い、阿修羅丸の長柄がキャプテンの胸部を無情にも貫く!!

想定外の展開に直面しつつも勢いを止めることなく改めて襲い掛かるが、爆熱丸の決死の反撃により左足を斬り裂かれる。
しかし、それでも尚戦いの意思を見せるが間に入ったシュウトに止められ、「何でガンダム同士で戦うんだよっ!?」と詰め寄られる。
二度までも決闘に水を差されたことに苛立ちを隠せず、シュウトに斬りかかろうとしたするが、爆熱丸によって受けた傷が元で決着は一旦預かりとなり撤退、しばらく療養に専念する。


「飛んだ吝嗇(けち)が付いてしまった…!爆熱丸、この勝負一旦預けた!」
「…今度は必ずその首を取ってみせる!」


虚武羅丸がS.D.G.基地を廻ってガンダムフォースとの攻防戦を繰り広げている間に傷を完治させひょっとして…、コイツもおにぎり食ってたのか?、爆熱丸との決闘を再開すべく果たし状を送り付ける。



汝との逆縁 決着つけるべく 今一度
果たし合い致す可く候
本日正午 同地において
助太刀共に無用の事
過日の愚行繰り返すべからず
死に迫って恃む所なしと知るべし


そして、再びゴジョーブリッジで爆熱丸と相見え勝手に出撃してきたザッパーザクたちの空襲に晒されながらも睨み合いを続けるが、その矢先に突如として現れた武者頑駄無・完全善大将軍に困惑するが、彼が成形した決闘空間・士魂の庭の中で改めて爆熱丸との決闘を再開する。

爆熱丸が以前の決闘で五聖剣之道が折れているというハンデを負わされていながらも互角の剣劇を繰り広げ、一度は奥義で致命傷を負わせる。
だが、何を思ったかとどめを刺そうとせず、倒れた爆熱丸に問いかける。


「立て…、爆熱丸…!」
「その程度の傷…、我が受けた屈辱には比ぶるべくもない…!」

「貴様の頑魂とは、そんなものかっっっ!!?」


奥義を受けて無様に倒れるかつての修行仲間の姿を見て、かつての決闘の敗者たる自分に掛けた武者の情けの方がよほど屈辱的だと彼を奮い起たせる。
そんな阿修羅丸の言葉に応えるかのように、爆熱丸は気力を振り絞って立ち上がる。


「阿修羅丸よ…、今のお前は力に溺れる雑兵と同じ…!」
「お前は騎馬王丸から受け取った…邪な体で…、
未熟な己自身の弱さから逃げているのに過ぎん…!」

「そんな奴の刀に倒れる…この爆熱丸ではないっっっ!!!!」

爆熱丸から騎馬王丸軍に下り半鉄機武者となった自身を未熟な自分の心から目を背け、その弱さに向き合おうとせず逃げ続けているだけだと指摘される。
そして、今度こそ長きに亘る因縁に決着を着けるべく再び爆熱丸に対し奥義を仕掛けるが、彼の心の弱さを討ち取るべく決死の覚悟で突き進んできた爆熱丸が投げた折れた五聖剣之道が左肩に突き刺さる!!


「阿修羅電影斬…、破れたりぃぃっ!!」

「お…おのれぇぇぇっ!!!!」


奥義の動力を司る肩に組み込まれた機械部分を破壊し、奥義を封じるというまさかの奇策に逆上し、自暴自棄となって六つの腕で斬りかかるが、兜を囮にした爆熱丸の放った居合い斬りにより機械腕を斬り落とされ自身もまた斬り臥せられる。


「まさか…、あのような手で破られるとは…。相変わらず、無茶な奴だな…貴様は……」
「この手で…天宮の平定を掴む筈が…、最早…それも叶わぬか……」

戦いが終わった後、自身の最期を悟り、主君が望む天宮の平定実現が絶たれたことを嘆くが、爆熱丸に慰められ「天宮は…、俺が守る…!」と誓ったことで彼にその可能性を信じ、穏やかな表情を浮かべながら頷いた後、同じ師の下で剣術修行を歩んだ親友とその仲間達に看取られながら霧消するようにその生涯に幕を閉じた……。


そして…、遺された頑魂は大将軍の許へ亘り、新たなる生命を迎えるべく天宮の空へと旅立っていった………。



◥ ◤余談◢ ◣

上記のように爆熱丸の刀を叩き折り、彼を庇ったキャプテンを不本意ながらも倒し、さらに自身を説得しようとしたシュウトをも斬りかかろうとするなど、異名の「怒れる鬼神」に違わない怒涛の活躍を繰り広げ、視聴者を震え上がらせたが、登場期間は3回という後に登場したヴァイエイトとメリクリウスに次ぐ少なさで、彼の早期退場を惜しむファンも少なくなかったとか。

当初は阿修羅をイメージして武者ガンダムシリーズの赤流火穏(アルビオン)を彷彿とさせるアジアンテイストが強めのデザインの武者頑駄無として書き起こされたが、後に陰陽師を思わせる容姿に書き直され、最終的に阿修羅の要素を組み込みつつも僧兵や山伏然とした現在のデザインに仕上がった。本作の天宮が従来の武者ガンダムシリーズとは世界観が違うとはいえ、赤流火穏(アルビオン)影舞乱無(エイブラム)といった天宮と縁の深い異国出身の武者が登場しないのって、そういった制作事情からだろうか?



◥ ◤立体物◢ ◣

立体物はSDフレクションが発売。
劇中同様に阿修羅形態への変形が可能。



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「ふん、アニヲタWiki(仮)を知らねぇから
何とでも言えるんだよ!」

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最終更新:2025年02月23日 01:46

*1 兜後部には阿修羅丸時の前立てと同形状の装飾が付いている。