MAYA(忍者と極道)

登録日:2024/11/25 Mon 00:13:00
更新日:2025/06/21 Sat 13:14:33
所要時間約 20 分で読んで───







願わくば“大衆(セカイ)”のすべてを

人類“絶滅(ゼンゴロシ)”を


MAYA(マヤ)とは『忍者と極道』に登場するキャラクター。



【概要】

東京で破壊の限りを尽くす極道陣営第5の刺客。
殺戮歌(ころしうた)の異名で知られる世界級(ワールドクラス)歌姫(ディーバ)として表社会で絶大な名声と肩書を持ち、全世界にファンを持つ『破壊の八極道』の紅一点。

「MAYA」は芸名であり、本名は蟲原(こはら) 真夜(まや)
刺花からの愛称は「姫」孔富からの愛称は「MAYAっぺ」

青緑色の複雑な模様のマーメイドドレスを纏い、ドレスと同色に染められた細長く結ったドレッドヘアー状の三つ編みを後ろで束ねているグラマラスな美女。
一方プライベート時には、眼鏡をかけて髪を三つ編みツインテールにしているという素朴な雰囲気になる。
普段は異常なゴミ屋敷*1の如き豪邸の大部屋に平然と在室しており、ドレスもよく見ると屋敷の中同様のゴミ山に似た模様が描かれているのが分かる。


ハリウッド映画主題歌になった『手ーHANDSー』は全世界で6000万枚を売り上げギネス記録を達成。*2
日本のみならず全世界で驚異的な人気を誇るカリスマ歌手だが、駆け出しの時代には意外にもアニソンも手掛けており、『フラッシュ☆プリンセス!』33話で流れた彼女の挿入歌にしてデビュー曲『Inherit The Love』は動画サイトで200億再生を果たし、この曲が収録されたアルバムは全世界で8000万枚を売り上げ伝説になった。
世界一の歌姫なだけあって彼女のファンには全世界の俳優・財界人・運動選手(アスリート)など多種多様のVIPが名を連ねており、音楽界のスーパースター達が塵芥祭への出演を即決したのも、全員MAYAの大ファンだったからに他ならない。
影響力は凄まじく、彼女が一度歌えば某国で長引いていた泥沼の内戦が即座に停戦・和解に至り、MAYAの生ライブ配信見たさに国民も国王も仕事を放棄してライブ中継を楽しみに待つ国が出た程。

単行本8巻収録の『極道新聞』2019年10月15日刊によると極道が運営する大手芸能プロダクション『ラコンタ』グループの看板であり、2020年に東京で大規模フェスの開催を報道。
存在は極道界でも秘匿されていたためか、極道アリーナの集会でMAYAが八極道に名を連ねていることに驚愕する極道もいた。


【人物】

一人称は(わたし)
斗女と出逢う以前には家族を含めた周囲のあらゆる人間からゴミ呼ばわりされ壮絶な迫害・いじめ・性的暴行を受け続けてきた過去を抱えていることが仄めかされている。
その影響なのか名声に反して性格は自己肯定感が尋常でないほど低く、超ネガティブかつ自虐的。自分のことを「ゴミ」と自罰的に蔑んでいる。
おまけにわざわざ総理官邸にまで足を運んでおきながら、遠くから極道(きわみ)の姿を見ただけで満足してその場を立ち去り、官邸の女子トイレ内に隠れてガタガタ震えて怯えるほどに内気。
一応外面は取り繕えるようで、極道(きわみ)のことを様付けして「推し」とまで呼び、極道(きわみ)とホテルの一室でダンスを踊った際は表面上は思慮深く物憂げな態度の美女のように振舞っていたものの、内心では限界オタク状態と化してとんでもなく興奮していた。

芸能人としての表の顔から堅気に対しての配慮もある程度しているようで、局の人間に何度も迷惑をかけたことに落ち込む様子を孔富からは「そうやって人様気遣えるだけでアナタたいしたモノよォ~~?」と賞賛されながらも慰められていた。

……が、その本性は、自らのファンも含む「大衆」への憎悪と殺意に満ちており、大衆を「大衆と唾棄。自分達が計画する悪事によって全人類の皆殺しを切望する八極道随一の危険人物。
忍者への憎悪も非常に強く、華虎の意志を動かして忍者討伐の順番を素直に譲らせたほど。

ただし、大衆へ向ける心象は格上の怪物扱い。
大衆の存在を「ひとりひとりは脆弱(よわ)くとも何千何万と群れれば如何なる強者も喰らい殺す」と評して侮るどころか最大限の危機感を抱いており、自分達の存在をあくまでも怪物に挑む挑戦者と見做している。

また今までの八極道と同じく、一般極道とは違って「自分達の側が悪党」という自覚はある。


【関連用語】

  • 株式会社ラコンタ
「ラコンタグループ」とも呼ばれるMAYAが所属している大手芸能プロダクション。
存在が明かされたのは単行本のおまけページ。
主力事業である所属アーティストの音源やライブ関連の興行が好調なのもあり、2020年3月の最終損益を1500億円の黒字と見込んでいる。
2020年に東京で行う予定の大規模音楽イベントは全世界の注目を集めており、日経平均株価にも影響を与えることが確実視されている。
社名の由来は恐らく、フランス語で「物語る、いい加減なことを言う」という意味の動詞・"raconter"と思われる。

  • ●●●共和国
「政治・宗教・民族…ありとあらゆる対立のるつぼ」と称されたとある国。
「国をより善くするため」という理由から2020年時点でも政府軍と反政府軍同士で民間人を巻き込みながら激しい内戦を繰り返していた。
だが政府軍反政府軍問わず国内全体で熱狂的なMAYAファンを抱えており、国内唯一のラジオ局が停戦の願いを込めてMAYAへのオファーを決意している。
そのラジオ局の願い通りオファーが快諾、MAYAの歌を聴いただけで感動から両軍の殺意が洗い流され、停戦への道を歩むことになった。
しかし刺花の「いいタイミングでいいオファーがありまして。"祭"の"予行演習"にピッタリかと」というアイデアで塵芥祭のデモンストレーションの標的に決定。
結果MAYAの歌を聴いた大統領を含む国民の9割に当たる900万人が大量爆死。確かに内戦は終わったが「とりあえず肩慣らしに"国"ひとつ滅ぼそう」という極道(きわみ)の宣言通り国家そのものが事実上の滅亡状態となった。

貴女の歌…大好き…!!聴いてると心が明るくなる…温かくなる
パパとママが…お兄ちゃん達が生きてた頃みたいに──…!!
だから…!お願い…!!

歌って…!!

帝都八忍の一人にしてやはりというか十年来の大親友。
お互いに「斗女たん」「真夜たん」と呼び合う仲で、5章の時点で示唆されてはいた。
それも斗女の肉体の状況を知っている時期の親友だったようで、偶然街中で再会した際には彼女が生きて町を歩いている事に号泣する程感激しており、人生で初めて自分の歌を「好き」と肯定してくれた人物だったという。

大衆への憎悪に染まっても唯一斗女だけは殺意の対象外。
大衆を大量殺戮することには何の躊躇も罪悪感もないが、斗女を巻き込むことにだけは忌諱感を抱いており、一人孤独に悩んでいた他、不意打ちで彼女を歌で爆破した際も涙を流しながら最大限の慈悲を向けている…とは言え結局は「斗女に自分が大量殺戮している姿を見せたくない」という極道らしい身勝手な理屈で親友を爆破している。

  • 歌魔人ダウナーニャ
「フラッシュ⭐︎プリンセス!」32話からの敵幹部。
友情と恋情の狭間で揺れる想いの天秤模様や妖精メカルンとの関係性は極道(きわみ)「終盤に向けてフラプリのテーマを再確認させるような美しきエピソード」と語る。
ちなみにデビュー直後のMAYAが本作で1度だけモブ役の声優を務めていたことがあり、(マニア)しか知らないディープなネタとして語り継がれている。


【能力】


(聴いて みんな聴いて)
(私の歌を聴いて───)

(そして)

≪死ね≫


麻薬で強化された能力は歌唱力。
本人は非常に謙遜しているが、仮に華虎と10回戦えば10回殺されるとした上で、数度相打ちに持っていけるのが精一杯だという。*3
純粋な歌唱力も絶大なもので、壮絶な内紛真っただ中の国の内紛をラジオ経由でただ歌うだけで感動のあまり敵意と戦意を萎えさせて瞬く間に停戦にまで至らせることができる。
単行本おまけで彼女の熱狂的ファンは「歌を聴いただけで時々絶頂する」「あの声は凶器です」とまで語っていたが、実際にその通りの技巧を備えていた。


極道技巧

  • 聴いたら死ぬ声(仮称)
真夜の極道技巧(スキル)
聴いた人間に血圧異常を引き起こさせる特定の“音波”によって、(チョク)だろうと電波越しだろうと関係なしに肉体を内から破裂・爆死させる。
その破裂の仕方も、首や胴体が勝手に千切れ飛んだり頭が粉々に弾け飛んだりといった想像を絶する有様。
発動時には台詞の吹き出しの線が網状に変化するという演出が盛り込まれている。
また、元が単純なフィジカルやタフネスでは防げない「音」である為華虎を「(殺し切るまでに自分が華虎の攻撃に耐えれるかは置いといて)殺す事が可能である」と周囲含めて評価されている。*4

極道(きわみ)「最凶の“殺傷力”」「無敵の声」と評しただけあって劇中ではデモンストレーションとして内戦中の某国にてラジオ経由で披露し人口の9割に当たる約900万人を一度に大量爆死させ、本編で描写された中で八極道最多の殺人数を記録。
斗女に対して使用した際は顔の穴という穴から大量の血を噴出させて瀕死の重体に陥らせる程度のダメージを与えていた。MAYAの手加減によるものか、忍者の耐久力で即死に至らなかったのかは今のところ不明*5
斗女のダメージを見た右龍「内側から爆薬(マイト)爆破(ボム)られたみてーな」と評している。


塵芥芸者衆(じんかいげいしゃしゅう)


死ね

大衆(セカイ)よ てめえら

みんな死ね

極道陣営5番手。
リーダーであるMAYAと同じく、ゴミ山の柄の服を身に纏った芸能関係者5人で構成される*6
本拠地はMAYAが座す大量のゴミとガラクタで埋め尽くされた異様な邸宅の大広間。

MAYAの掲げる人類絶滅(ゼンゴロシ)の思想に希望を見出し、全会一致で賛同している八極道配下の中でも随一の危険集団。
明確に全人類の皆殺しを目的としている集団は極道陣営の中でも現状この集団のみである。
詳細は個別項目を参照。


【活躍】


嗚呼…刺花さん
どうしましょう…どうしましょう…
あそこには官邸には今“あの方”が…!!

でも…嗚呼でもでもいいのかしら
私なんかがいいのかしら

だって……だってだって
私なんか私なんか
ただの───…

ゴミなのに…

六章まではあまり出番らしい出番はなし。
四章ではわざわざ総理官邸迄足を運び偶然出くわした機動隊員を自身の極道技巧で殺戮することこそあったが、極道(きわみ)の姿を遠目に見ただけで感極まりトイレに閉じこもる奇行に走ったため結局存在が露呈することはなかった。
五章では「救済なき医師団」との戦いが決着し崩壊気味の水処理センターへ塵芥芸者衆を引き連れ出現。
華虎の憤怒に満ちた形相の圧に一切臆することなく忍者抹殺の意志を見せたことで華虎を退かせることに成功。無事極道陣営5番手の座を守り抜き、悪事を実行に移していった。


『第六章:天秤は厄祭に堕つ』


大衆とは 怪物です

ひとりひとりは脆弱(よわ)くとも 何千何万と群れれば如何なる強者も喰らい殺す
その思考は読み難く突如不意に牙を剝き 幾人か罰したところで怯むことは決してない───

塵芥芸者衆よ 我々が挑む(・・)のはそんな怪物です
怪物は───強大な忍者に護られることでしょう
忍者はいつもどこからともなく悪事(わるさ)を嗅ぎつけ極道の邪魔をする…!

だからみんな───闘って
私の歌が 全世界に響くその刻まで…!!

征きましょう
すべてを殺す聖戦へ───

自分達の悪事の予行演習として某国の人口の9割を皆殺しにして国を実質滅亡に追い込んだ矢先に親友・雄鷹斗女とバッタリ再会。
再会するとは夢にも思っていなかったどころか再会シーンの描写や発言を見る限りそもそも生きているとすら思っていなかったため、一時は「斗女を殺したくない」という想いから大衆へのテロを決行に移すか苦悩するも、しかし結局は自身を見出した村松組長が「忍者に殺され、大衆共に再び殺された(・・・・・・・・・・)事への復讐の為に計画を発動する事を決意すると、
「斗女たんにはそんな姿を見てほしくなかった」「大衆共とは一緒に殺したくなかった」と言う感情から祭り前日に斗女を呼び出し、自分が極道である事を極道技巧を発動させて語る*7事で爆破し、全人類を滅ぼすための祭へと向かう。


【余談】

紅一点を加味したのか、6章の各話サブタイトルは『Cocco』や『椎名林檎(東京事変)』、『JUDY AND MARY』『YOASOBI』など女性アーティスト(または女性ボーカルのバンド・ユニット)がメインになっている。




追記修正は動画サイトで200億再生を達成してからお願いします。


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最終更新:2025年06月21日 13:14

*1 屋敷内は単にガラクタが積み重なっているだけでなくハエが飛んでおり、生ゴミや腐敗物がゴミの中に存在していることが分かる

*2 単行本14巻のおまけページによるとギネス記録は3度更新したという

*3 因みに刺花は「10回中1回は勝てる」と高評価していた。もっともMAYAの言い分も「10回中数回は相打ちの形で華虎を殺せる」とも取れるが

*4 華虎は最近麻薬によって超強化されたとは言え鯨の出す音波でダメージを喰らった事がある為、「音波攻撃は通る=通れば爆破可能」と考えていると思われる

*5 但し、斗女を爆破した後の『爆散や欠損はしていない瀕死の肉体』を見て一切動揺や疑問は見せていなかったため前者の可能性が高め。勿論親友を手にかけた極限状態の精神故にその事に思い当らなかった可能性もあるが、これまでの八極道の精神力を考えれば極限状態でも『異常』には気付ける見込みがある

*6 一方で第四章の当時詳細が判明していなかった格闘界、闇医者、芸能界の八極道(=華虎、孔富、MAYA)とその配下が総理官邸に出撃する際のシルエットでは、根城らしきゴミ屋敷の室内には芸能界を司る八極道=MAYAの他に刺花を含めて『4人』のシルエットが存在していたが……尚、華虎の配下であるジョーと救済なき医師団はしっかりと後の伏線として機能する様にシルエット図を巧妙に描写されていた

*7 正確には語った後の「ごめんね・・・」の一言のみ吹き出しが違う為そこで発動させたものと思われる