ヘルナラク

登録日:2024/12/02 Mon 21:39:34
更新日:2025/06/25 Wed 22:39:04
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この地球に危機が迫っておる。

ヘルナラクが狙っておるのじゃ。



ヘルナラクとは、円谷プロ制作の特撮ドラマ「ウルトラマンアーク」に登場する怪獣である。



【データ】

別名:冥府闇将軍獣
身長:67m
体重:測定不能
出身地:魔界
スーツアクター:桑原義樹
デザイナー:水上桜


【概要】

宇宙獣ザディーメが残した次元の裂け目から現れた、この世とあの世の境界にある「魔界」に君臨する怪獣。
ヘルナラクを追って現れた宇宙侍ザンギル曰く、自らの手先である「幽体怪獣」を生み出して地球へと送り込み、「怪獣幕府」なるものを作ろうともくろんでいる「冥府の闇将軍」である……とのこと。
ただし以上はあくまでザンギルの弁であり、本人(?)は一切喋らないため、実際にはどのような存在で、具体的に何をしようとしていたのかは不明。
少なくとも「怪獣幕府」とか「闇将軍」とかは時代劇かぶれのザンギルさんが勝手にそれっぽいワードをチョイスしただけと思われる。だが、"闇"将軍たる肩書きや、怪獣達を支配下に置いて操る能力、後述する戦闘力や狡猾さなどから、アーク、ブレーザー世界のどちらにおいても脅威となりうる存在であったのは確かである。

幽体怪獣同様復活させられたザンギル曰く、本来は「アーク」世界の地球に侵攻するはずだったが「とある勇者」によって食い止められているらしい。


【外見】

体型そのものはオーソドックスな爬虫類然とした姿ではなく、大きな頭部と高さのずれた目が特徴的な人型に近い体型。

だがそれ以上に異質なのが、「アーク」の前作「ウルトラマンブレーザー」に登場した怪獣たちのパーツがごちゃ混ぜになっているようにくっついている、というものである。

怪獣のパーツは主に左半身に集中しており、左足にバザンガの外殻、左肩にゲードスの頭部、左胸にタガヌラーの前足、左腕にタガヌラーの鎌とレヴィーラの触覚とニジカガチのウロコ、尾はモグージョンという配置になっている。また、正面からのシルエットや目の配置はゲバルガに酷似している。
そもそも死んでないドルゴは仕方ないが、デルタンダル、イルーゴ、ズグガン、ヴァラロン、ゴンギルガンはいない。ザンギルもない。


【能力】

基本的な戦法は左腕のタガヌラーの鎌をメインとした肉弾戦と目から放つ光線「冥府闇眼光」。
アークを捕まえて盾にする等、知能的な戦術も得意とする。

だがヘルナラクの最も恐ろしい能力は、体を左右に分割しそこから幽体怪獣の卵を射出し、瞬時に孵化させて手駒として操るというもの。

幽体怪獣はその見た目通りブレーザー怪獣がメインで、幽体故に攻撃は通じず、あちらからは物理干渉可能という理不尽仕様だが、ザンギルの刀から出る音が干渉すると実体化し、それをSKIPが解析することで対処可能となった。

生み出せるのは1匹は勿論のこと、複数体同時召喚も可能で数の暴力で攻めたり、あえて小出しにして1日置きに送ることで消耗戦を仕掛けるといった戦略的な運用もできる。
卵を単純に遠距離用の飛び道具として使うこともできる。

弱点はこの卵を生み出すコアそのものであるが、体を閉じてしまうと強固な外殻に阻まれてしまうため狙うのは非常に困難。

また、ザンギルのように意志の強い存在を復活させてしまうと反逆されてしまうという欠点もある。
一応ヘルナラクも闇のエネルギーの供給を停止するという対応は取ってはいるが…。



【活躍】

存在自体は第16話「恐れの光」にて自身が復活させたモグージョンが自分の光を浴びてしまい見た「恐怖のイメージ」で登場していたが、第18話「アーク協力要請」の終盤にて遂に登場。
閉じようとする次元の裂け目から現れようとしたが、アークに押し戻されて彼ごと次元の奥へ移動。

そこは「ウルトラマンブレーザー」なる戦士がいる世界で、その世界の防衛戦力であるロボット「アースガロン*1と戦闘し一蹴、続けて現れたブレーザーとも戦いを繰り広げる。*2

そこにこの世界に迷い込んだユウマが変身したアークも参戦。2対1になっても互角以上に渡り合うも、ブレーザーのスパイラルバレードとアークのアークファイナライズで胸に風穴を開けられ、コアが露出してしまう。

これを不利と見たのか、ヘルナラクはバザンガを召喚し撤退。ブレーザーにエネルギーを分けてもらったアークがブレーザーに投げられて後を追う。

そのままアーク世界に到着し、4日に渡って卵を産み続けて星元市を占拠し、防衛隊の総攻撃を待ち受けるが、その前にアークと交戦。

アークを圧倒するも卵をSKIPと防衛隊に破壊され、アークはブレーザーから授かったエネルギーからブレーザーキューブを生成、アークアイソードにセットして「アークスパイラルバレード」を放って再び風穴を開けられ、そこにアークファイナライズをコアにぶち込まれて爆散した。

それと同時にブレーザーもバザンガを撃破、卵もすべて消滅し闇将軍の野望を露と消えたのであった。


【余談】

  • 名前の由来は「ヘル(地獄)」+「奈落」だと思われる。

  • 『ブレーザー』とのコラボ回として4話に渡って展開されたが、ヘルナラク自身はほぼ終盤に登場し、2人のウルトラマンを苦戦させたものの、アークはギャラクシーアーマーどころか基本2アーマーすら使わずに倒しているため、「そこまで強くないのでは?」という声もある。また、「本気で攻めるならニジカガチやヴァラロンを復活させるべきだった」という疑問もあるが、前者に関しては苦戦自体は確かにさせているし*3、後者に関しても「どの怪獣を復活させられるかを任意で決められない」という制約があったのかもしれない*4
    加えてヘルナラク自身もブレーザー世界に次元の裂け目が開く2日前から戦い続けていたらしく、疲労状態だった可能性が高い。
    ブレーザー側の戦力もヘルナラクが一度浮遊して次元の裂け目に飛び込んでいく姿を確認していた可能性が高いのにも関わらずアースガロンは空中戦が得意ではないmod.2での出撃、ブレーザーは最強形態であるファードランアーマー*5どころかチルソナイトソード*6すら持ち出してこなかったため、全員が万全とは言い難い状態での戦闘だったのかもしれない。
    また、コラボ回ながら前作の登場人物が一切登場しない*7という珍しい展開がなされている。



  • 「ナラク」「過去の怪獣の復活」と、『ウルトラギャラクシーファイト』シリーズのメインヴィランであるアブソリューティアンに酷似した特徴を持つが、関連性は不明。

  • ヘルナラクが関わった第16〜19話は本作のメインヴィランであるゼ・ズーの一派とは(今のところは)無関係で一見すると本筋から外れた話に思えるが、『全く関係ない地球に災厄を押し付けて自分たちだけ助かって知らん顔しようとしているゼ・ズー一派』に対して『アークの世界にヘルナラクが行けば一時的にせよ厄介ごとは去るのにあえて引きとどめて戦おうとしてくれたブレーザー世界の人々』という形で対比されている…と見ることが出来ると言える。

追記・修正は怪獣を復活させてからお願いします。

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最終更新:2025年06月25日 22:39

*1 パイロットは映っていないが、ブレーザーと同じ画面で戦闘を続行していることから少なくともゲントは搭乗していないと思われる。また、mod.2ユニットを早い段階でパージしCQCモードで格闘戦をしかけていたことから、メインパイロットはアンリだったのではとの見方が強い。

*2 この際アースガロンやブレーザーの攻撃もヘルナラク及び召喚された幽体怪獣にも通じていたことから、こちらの世界でも以前のケースとは違い、対抗策は講じられていた模様。

*3 そもそもアークは連日の戦闘の疲弊に加えて自分の世界での幽体バザンガ戦からの連戦であり、変身直後にタイマーが点滅し始める有様であった。ちなみに消耗が激しいとアーマーを維持できないのは6話のシャゴンとの戦いでも描かれている

*4 もちろん劇中映ってない所で召喚されてブレーザー世界で暴れていた可能性もある。

*5 カラータイマーがすぐに点滅することこそなかったが月面でのヴァラロン戦のようにアーマーを纏う余裕がなかったのかもしれない

*6 ザンギルとゲントが知り合いであり、さらに既に死亡していることに加え、前々話でアークが斬鬼流星剣を放った際にザンギルが剣を持ったブレーザーを重ねて見ていたため所持していたのは確実

*7 『ブレーザー』の宇宙で登場したのはあちらの世界でGGF(Global Guardian Force=地球防衛隊)に所属している「アーク」での登場人物。あちらにおけるシュウはコーヒーより紅茶派である。