宇宙侍ザンギル

登録日:2023/11/18 Sat 16:27:56
更新日:2025/04/17 Thu 19:55:23
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拙者の名はザンギル。お主と話がしたい。


ザンギルとは、特撮ドラマ『ウルトラマンブレーザー』第17話「さすらいのザンギル」に登場した宇宙人である。




【データ】

別名:宇宙侍
身長:2.2m~54m
体重:77kg~54000t
出身:宇宙
演(人間態・CV):唐橋充
スーツアクター:岡部暁


【概要】

その別名の通り宇宙を旅する宇宙人の剣士で、包丁刃のように鋭い頭部と、刃そのものと化した右腕が特徴。この右腕は通常の手のひらに変化させることも可能。更にはウルトラシリーズの宇宙人らしく地球人そっくりの姿に変身することもでき、人間態は髭を生やした貫禄溢れる中年男性。ただし、具体的にどこの星の何星人かは不明。

侍らしく義理人情溢れる性格で、良くしてくれた人物には礼儀を忘れない。
地球、とりわけ日本の文化には強い興味を示し、一人称も日本の侍に合わせ「拙者」としている。要するににわか侍である
また、行きつけの喫茶店でコーヒー(ホイップつきコーヒーゼリーセット)を飲む際には、「美味しくなーれ」棒読みで呟くなど、ややお茶目な一面もある。
『アーク』ではSKIPの石堂シュウが淹れたコーヒー(インドネシアの高級豆の自家焙煎・蒸らす時間は25秒に一回・お湯の温度は92.7度)に感激。互いがコーヒー好きとして意気投合する。あまりにも感激だったのかシュウの笑い方もウェヒヒヒ…とヘンな口調だった

だが昔は強者を倒すことに生きがいを感じる戦闘狂で、その時に戦ったとある剣の達人に敗れ、改心する。
その時にその達人から「成仏できず彷徨う怪獣の魂108つを救う」という依頼を受け、その魂を実体化させられる結晶を受け取り、その使命を全うすべく活動を始めた。


【能力】


生命というのはの、大きな輪のようなものじゃ。

ひとつの命の死は、別の命に受け継がれる。

命の潮流に心をゆだね、流れるように斬る。

名付けて、斬鬼流星剣!

侍の名の通り、右手の剣「流星剣」による白兵戦「斬鬼流星剣」がメイン。
この剣を鳴らすことで幽体と実体の境界を揺るがす能力を持っており、幽体怪獣を実体化させて物理攻撃を与えることが可能。
この剣からは光線を放つこともでき、結晶の力で幽体を斬ることもできる上にその能力は他人にも譲渡可能。人間態でも腕を剣に変化させることもできる。
また、その鋭い頭部を利用して自らを巨大な剣とした頭突き攻撃を行うこともできる。

『アーク』ではSKIPのサポートロボット・ユピーが流星剣の音波を解析、専用装備である音波銃・ソニッターにダウンロードさせている。



【『ブレーザー』本編での活躍】

達人の指令に従い怪獣達の魂を鎮めて回っていたザンギルは地球に来訪。
だが魂が実体化した怪獣(タガヌラー・バザンガ・ゲードス・デルタンダル)が地球人に目撃され、近くにいた自分自身も目撃されてしまったことでSKaRDにマークされてしまう。

そんな中107体目となるレヴィーラを鎮めた所で調査中のヒルマ・ゲントと遭遇。
彼とその中にいるブレーザーにただならぬものを感じたザンギルは彼を行きつけのカフェに案内し、そこで108体目の怪獣の魂の鎮魂に協力するよう依頼。



その怪獣は、かつてブレーザーをも苦戦させた神とも呼ばれた怪獣、ニジカガチだった。


ニジカガチの魂は力が強すぎた上に結晶の力まで吸収し物理的干渉ができるほどに実体化、怨霊として暴れ出していた。
丁度ニジカガチが出現し、ザンギルはゲントと共にその場に急行*1し、ゲントはブレーザーに変身、ザンギルも巨大化

だが幽体化して攻撃をかわすニジカガチに2人は苦戦。ザンギルはブレーザーのチルソナイトソードに自身の能力を付与し、一気に攻め立てる。

一度は真っ二つになるニジカガチだったが、隙を突いて分離した魂で挟み込むようにザンギルに憑依し、肉体を乗っ取ってしまった。

そのままブレーザーを攻撃するザンギルだったが、駆け付けたアースガロンに妨害された隙にブレーザーに斬られ倒れる。
するとニジカガチの魂がザンギルから抜け出して逃亡を図るも、ブレーザーと起き上がったザンギルの同時攻撃によって遂に消滅するのだった。

アーくん曰く、ブレーザーはチルソナイトソードで峰打ちしていたため、ザンギルは仮死状態になっていただけだったのだった。

かくして108体の怪獣の魂の鎮魂を終えたザンギルはカフェでゲントからこれからどうするのかと尋ねられるが……














拙者にこれからは……ない。



実はザンギルも既に亡くなっており*2、あの結晶によって生きながらえている状態だったのだ。
だが最後にゲントやブレーザーという仲間に会えたことを誇りに思うと語るのだった。

ゲントは警戒していて初対面では明かさなかった自分とブレーザーの名を明かす。



ありがとう、ゲント殿、ブレーザー殿……



そう言って消えようとするザンギルを、ゲントはコーヒーがまだだと言って引き留めるも、「それだけが唯一、心残りじゃのう……」と笑顔を浮かべつつ、ザンギルは光となって成仏していった。


ゲントは店主から連れはどこに行ったのか聞かれたが、「先に帰りました」と答えるしかなく、彼が注文したセットのコーヒーを飲むのだった。



『アーク』にて】



鬼に逢うては鬼を斬り……

亡者に逢うては亡者を斬る……

斬鬼流星剣、参る!!


第16話「恐れの光」から第17話「斬鬼流星剣」にかけて、まさかの再登場。
オニキスの影響により出現した次元の裂け目から謎の物体が出現。
そこから現れ人々を襲う幻視怪獣 モグージョンに苦戦するアークに対し、上記の台詞と共に加勢。

かつてのブレーザーのように、アークアイソードの刀身に自身の力を注ぎ込んで通常攻撃が通じなかったモグージョンを圧倒。とどめの一撃に持ち込もうとするが、突如苦しんで姿を消す。
アークは機転を利かせアークメガバリアーの破片でモグージョンの光線をはじき返し、アークアイソードの刀身で催眠攻撃を跳ね除け、アークソードフィニッシュとアークファイナライザーの合わせ攻撃で撃破した。
事件解決後、ザンギルはユウマとシュウの前に姿を現しこう告げる。

この地球に危機が迫っておる。

ヘルナラクが狙っておるのじゃ。


そして次元の裂け目が見える「丑寅の方角」=北東の空へと飛び去った。



……と思いきや、
地面に突き刺さって気絶していた。

\チーン/\カァー/


その後、SKIP星元市支部に連れられたザンギルは「空に不吉の光が現われし時、災いが起こる」と無理を推して立ち去ろうとする。
シュウの淹れたコーヒーを交えながら彼は、自身がまつろぬ魂が眠る『魔界』から来た事を告白。
そこには『冥府の闇将軍』を名乗る怪獣・ヘルナラクが存在しており、『怪獣幕府』を打ち立てるために死せる怪獣の残留思念を卵に封じ込め、次元の裂け目を通じて物理法則に反した幽体怪獣として各世界に送り込んでいるというのだ。

ユウマ「いちいち言うことが時代劇っぽいな……」
シュウ「私は時代劇好きですよ」*3

アークに変身するユウマにゲントの面影を見たザンギルは、モグージョンとの戦いで「まだまだ太刀筋が固い」「雑念が多い」と厳しく評価し、幽体怪獣を斬るには「心で斬る」ことが必要だと告げ、斬鬼流星剣の真髄、そして次元を超えて命の調和を乱すヘルナラクへの怒りと地球の安寧と調和を守る運命を彼に伝える。

やがてゲードスとタガヌラーが出現。
と同時に、ザンギルの体に異変が起きる。
ザンギルもまた、ヘルナラクにより強制的に復活させられた幽体怪獣のひとりであったのだ。


痩せても枯れても宇宙侍……

闇将軍の意のままにはならん!

だが、強い意志でヘルナラクの支配から脱し、その野望を打ち砕くために地球の味方についた彼の肉体は消滅の運命にあった。
死を覚悟しつつもザンギルはタガヌラーを迎え撃ち、SKIPもまたはゲードスの迎撃に赴く。
アークに変身したユウマはゲードスをアジの開きにして倒し、ギャラクシーアーマーの空間移動能力をもってザンギルの援護に向かう。

一方ザンギルの方は、何体も現れ数で攻めてくるタガヌラーによって窮地に陥っていた。
だがSKIPが星元市の協力を得て流星剣の音波を全市内に流したことで、タガヌラーの群れは弱体化。
駆けつけたアークはギャラクシーアーマーの力でソリスアーマー&ルーナアーマーを分身として実体化、3体で瞬く間に撃破していく。そして……


――この世ならぬものを斬るには、『心』で切らねばならぬ。――

アークギャラクサーを手に斬鬼流星剣を発動、タガヌラー軍団を一刀両断!
迷いなきアークの一閃に、ザンギルはブレーザーの面影を見た。
更なるタガヌラーの増援もギャラクサーディフュージョンアローによって完全に掃討され、事件はひと度の終息を迎えた。

戦いを追えて、ザンギルはかつて孤独だった頃、次元を超えた友、流星剣を託せる者ができたことを振り返り、やがて来るヘルナラクの脅威から地球を守るようユウマに託す。
そして、シュウから手渡された末期のコーヒーを美味しくなーれとおまじないをかけながら口にし、成仏するのであった……


やはり……コーヒーは美味いのぉ……

さらばじゃ……


【余談】

  • 名前の由来は、「(ざん)」+「()る」だと思われる。

  • デザインは同話の監督も務めた辻本貴則氏。「宇宙侍」のイメージから刀剣類そのものをモチーフとしており、胴体のディテールは柄巻をイメージしているとの事。
    • 恐らくは胸部の発光体も、日本刀のパーツの一つである目貫がモチーフと思われる。



  • ザンギルを倒した剣の達人は作中で名を明かされていないが、そのシルエットから(もしくはその同族)だと思われる。その姿にメビウス村は燃え上がった
    • なお、その彼もまた最終的に死亡している事からザンギルの回想は死後の世界での話ではないかという考察が存在する。





追記・修正は怪獣の魂を鎮めてからお願いします。

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Next 汚染獣 イルーゴ

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最終更新:2025年04月17日 19:55

*1 ゲントは職場に宇宙人は連れてけないと断ったが、ザンギルはゲントを抱えて大ジャンプして現場に向かってしまった

*2 おそらく例の達人に倒された時だと思われる

*3 「#石堂シュウの日記」によればコーヒー好きの同志に出会ってテンションが上がってとっさに言ってしまっただけで、シュウはろくに時代劇を見ていないらしい