鬼塚慶次(テラフォーマーズ)

登録日:2025/02/19 (水曜日) 14:59:49
更新日:2025/02/20 Thu 17:27:35
所要時間:約 8 分で読めます




女は殴らないし 仲間たちも殺させない

これはオレが決めたことだ
誰の基準でもない オレが守れば済むオレの基準だ
だから必ず守る


それでもオレは 死なない

オレは…『強い』からな



鬼塚慶次とは、漫画『テラフォーマーズ』に登場するキャラクター。
CV:小野大輔


■プロフィール

国籍:日本
性別:男
年齢:24歳
マーズランキング:8位
ジャパンランキング:8位

身長:175cm
体重:61kg
好きな食べ物:刺身(特にエビ)
嫌いなもの:を平行に持って歩く人
瞳の色:黒
血液型:O型
誕生日:6月23日(かに座)


■概要

第二部から登場。
アレックスや加奈子と同じ日米合同第一班に所属している。

U-NASAにスカウトされた際の前職は郵便配達員。そのさらに前の職業はボクシングライト級世界チャンピオン
しかもライト級だけでなくSフェザー級でも世界一位に上り詰めており、本人は二冠を超えて三冠まで狙っていた。

得意とする戦法は相手の拳を避けてこっちの拳を確実に当てる、教本通りのアウトボクシング。ちなみにサウスポー。
KOは基本取れず、たいていは判定勝ちという盛り上がりに欠ける戦い方のため、ボクシングファン以外からの知名度はほぼ無い。
ただし同業者や武術を嗜む者からの評価は高く、面接を行った小吉は名前を見ると「うおっ、本物だ…」と驚き、に至ってははわざわざサインをもらいに来るほど。

第三部では一警護に転職。
コードネームはモンハナシャコの眼から取って「神眼(ブルーアイズ)」。


■性格

強くなるんだ 慶次
力の無い男が無理に優しさを見せてもそれは『無理』でしかない

────だから 強くなるんだ慶次
世界で 一番強くなるんだ

世界中の誰に対しても
────優しくなれる様に


性格は端的に言うと地味でストイック

7歳からランニングを毎日欠かさず続けており、ボクシングジムに入って以降はさらにボクサーとしての鍛錬に平行してトレーニングを行っている。
そこまでしておきながら唯一のモチベーションが「本土から故郷の島を見る」という、ここまで来るとちょっと引くレベルでストイックな男。
母親からも「修験者」呼ばわりされている。

それだけ鍛え続ける理由は父が残した言葉のため。
弱い人間が無理に優しくしてもそれはただの『無理』でしかない。だから世界中の誰に対しても優しくできるよう、慶次は世界一強い男(チャンピオン)になったのである。

また、チャンピオンになった際の試合で、でかなりギリギリの判定勝ちで勝ち抜いた経験から、普段のトレーニングを「"もう少し"を掴み取るため」と考えている。

また、「女の子は殴るな」「優しくしろ」という、言ってしまえば当たり前のことも守っている。

ただし、慶次の場合、本物の戦場で、しかも自分を殺す気で攻撃してくる女性相手すら殴ることはしない
特に西春麗との戦いではすぐ近くに猛毒を巻き散らす紅がいる状態で、片方の睾丸を叩き潰されてなお最後まで殴ることはなかった*1


強いから優しいのではなく、優しくなるために強くなった男。
男の中の男、それが鬼塚慶次である。


■来歴

新潟県出身。本土から離れた離島で生まれ育つ。
普段は標準語で話しているが、故郷の島の老人方相手では方言も使う。

島には学校が無かったようで、毎日フェリーを使って学校に通っていた。
最終のフェリーが四時半なせいで学校では友達があまり多くなく、家で過ごす時間が多かった。
その際に母親に古今東西のあらゆる映画を見させられたらしい。

中学卒業後は島から出て本土のボクシングジムに入り、周りの人間がふと慶次のほうに目を向けた時にはいつの間にかジムの神棚にチャンピオンを飾っていた。

両親のうち、父親は学生時代に死去し、母親も病のためベッドから動けない状態となっている。
ボクサー時代にはあまりの地味さに「お前に体の弱い母親でもいればちったぁドラマになるのにな」と言われたこともあったが、わざわざ言いふらすことでもないとして伏せている。

本土に渡って以降も毎週実家に足を運んで母親に顔を出しており、母親からマザコン呼ばわりされることも。ついでにドギヅい下ネタをぶち込まれることも

ライト級チャンピオンに上り詰めた後も島に顔を出しながらSフェザー級でのチャンピオンを目指していたが、そのタイミングで網膜剥離を発症。
手術によってある程度は回復したものの現役は引退。しかも眼の手術を受けた際に詐欺に遭い、多額の借金を抱えてしまった。

故郷の島へ戻って再就職した一年半後、U-NASAからスカウトを受けるが、その一週間前に母親が死去
借金を帳消しにする提案はされたものの、戦う理由が無くなったことで提案を蹴ってしまう。

しかし網膜剝離の後遺症で遠くのものにピントが合わなくなってしまっていたため、母親が眠る島を自分の眼で見たいという思いから改めてスカウトを受けることとなった。

ちなみに、中学での体育の最終成績は「3」。


M.O.手術

手術ベースはモンハナシャコ
シャコ目ハナシャコ科に属する甲殻類の一種である。
作中では紋華青龍蝦(モンハナシャコ)と表記されることも。

特徴はきわめて高性能な眼
見える光の種類がやたらめったら多く、普通の人間が捕らえる可視光線はもちろんのこと、紫外線や赤外線、果ては電波すら見えているという説もあるほど。

この能力は慶次にも備わっており、明かりの無い夜間であっても、人間の眼では感知できない光を捉えることで暗視ゴーグルのようにはっきりモノを見ることができる。
また、人間やその他の動物の眼を欺くことのできる保護色を持った相手でもその姿を捉えることが可能。

U-NASAからの誘いに乗った際、ベースとなる生物の要望として「目のいい生き物」を要求した慶次だったが、結果としてその要望は叶ったと言えるだろう。
遠くにある故郷の島を見るにあたって円偏光を見る必要があるかは知らんが

そしてもう一つの、モンハナシャコ最大の特徴が「きわめて強力なパンチ力」。

モンハナシャコにはカマキリのような鎌のついた前肢が備わっているのだが、獲物や外敵に対し、モンハナシャコはその前肢を勢いよくスナップさせることで周りの水が瞬間的に沸騰するレベルの超強力なパンチを放つことができる
一般的にモンハナシャコの体長は17cm程度なのだが、そのサイズで、しかも水の抵抗がある状態ですら貝殻を叩き割り、水槽をブチ抜き、ダイバーの指をもっていくことすらある。

それが人間の、しかもKOを取れないまま世界チャンピオンになったボクサーの腕に備わったとなれば、その威力は推して知るべし。
防御力に優れるクロカタゾウムシベーステラフォーマーの甲皮を真正面から砕いているあたり、おそらくまともに当たれば防げる者はいないだろう。

また、甲殻類がベースになっているため、手足がもげても人為変態によって再生できるというメリットがある。
ただしもげる前のそのままとはいかないため、改めて鍛えなければ本調子にはならない。
本人の口振りから、その気になれば自切もできるらしい。その場合はある程度は元の状態に近い状態で再生できるようだ。

ちなみに、モンハナシャコは本来は幹部のために用意されたベースであり、中国班からは「モンハナシャコが最強」と非常に高く評価されていた。
しかし幹部を含め乗組員の誰にも適合しなかったために取り置かれていたところ、慶次に適合したという流れ。


■専用武器

対テラフォーマー甲殻一体式パワーリスト『ガナ・フライ・ナウ』

人為変態を行った慶次の両腕に自動的に装備されるパワーリスト。
パワーリストとは言うものの、その見た目はどちらかというとガントレットとかグローブとか、腕全体を覆う防具といった雰囲気。

甲殻一体式、と銘打たれている通り、他の専用装備と違って人為変態と同時に腕の甲殻が自動的に変化してパワーリストとなる。
それに加えてかなり有機的な質感をしていることもあり、他のクルーからは肥大化した身体の一部と勘違いされており、「ボクサーだから武器が無いんだな」と思われていた。

かなり重量があるうえに堅牢な作りになっているため、敵の攻撃を受け止める防具であると同時にパンチの威力を高める武器の機能も併せ持つ。
人為変態による筋力増幅のおかげで重量はまったく気にならないらしい。

1vs1での戦いの場合は自分の身を護るために装着したまま戦うが、他の誰かを護りながら戦う場合はむしろ『ガナ・フライ・ナウ』を解除(テイク・オフ)して身軽になった状態で戦う

人為変態による筋力増幅で元から大して重量は気にならなかったのがさらに軽量化され、「現役と同じ動き」と言わしめるほどのステップで敵の攻撃を躱しながら戦うことができる。
当然ながら、防具を捨てているので防御力は落ちてしまう、いわゆる背水の陣ではあるものの、現役時代と同じ「相手に打たせず、こちらから打つ」アウトボクシング戦法によってその弱点をカバーすることができる。


■余談

現役時代は盛り上がりに欠けるだの金にならないだの、散々な言われ方をしていた慶次だが、火星に来て以降は(読者目線では)名勝負製造機と言われるほど戦闘が盛り上がることに定評がある。
それに加えて本人の男気やシャコ+ボクサーのロマンもあり、「テラフォーマーズ」という作品の中でもかなりの人気を誇るキャラクターである。
本人からしてみればこの人気が現役時代に欲しかっただろうが

シャコのパンチについての部分で、水の抵抗がある状態で、とは言ったものの、実は本物のモンハナシャコは周りに水が無いとむしろパンチの威力が落ちる
というのも、あまりにも威力がありすぎて水の抵抗が無いと勢い余って腕がもげたり自分の身体にダメージが入ったりするので、本気のパンチが出せないのだ。
つまりはその力を持つ慶次も……と言いたいところだが、M.O.手術は本来のベースに加えてツノゼミの遺伝子を利用して強度を高めてあるうえ、根本的に人間とシャコでは身体の構造が違いすぎるので一概に同じとは言い切れない。

本編で小吉の肘を見て雀蜂以外のベースを持っていると思ったり(後に複数の生物をベースにすると理論上死ぬことが明かされた)、
外伝作品で「闇M.O.手術手術はツノゼミだけだから成功率が高いのかも知れない」と発言したりと何故かM.O.手術の設定関連で読者に混乱を招く発言を何度かしている。



今…オレがお前にパソコンを向ける動機は二つ
一つはできたばかりの素敵な記事を追記・修正するためで──

もう一つは只の……
変えられないオレの── 習慣(いきかた)

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最終更新:2025年02月20日 17:27

*1 一応、慶次はあくまで仲間が潜入する時間稼ぎのために戦っていたので相手を倒すこと自体は目的ではなかったというもあるが