黒魔女ディアベルスター

登録日:2025/03/03 Mon 16:50:22
更新日:2025/04/18 Fri 22:44:16
所要時間:約 8 分で読めます






奪う者と奪われる者

皮肉にも平等に存在する両者

それなら......



全てを奪われた少女の 全てを奪う闘いが始まる




黒魔女ディアベルスター》とは、遊戯王OCGに登場するカードの一枚。


【性能】


効果モンスター
星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2000
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードは自分の手札・フィールドのカード1枚を墓地へ送り、手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
デッキから「罪宝」魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットする。
(3):このカードが相手ターンに手札・フィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
自分の手札・フィールドからカード1枚を墓地へ送り、このカードを特殊召喚する。


【概要】

AGE OF OVERLORDで登場した最上級モンスター。
レベル7、攻撃力2500の闇属性魔法使いというのは《ブラック・マジシャン》を彷彿させる。
だが彼女は(1)の効果でお手軽に手札から召喚できる為、最上級モンスターの重さはあまり感じられない。
更に(2)の効果は「罪宝」魔法・罠カードのサーチであるが、なんとデッキから直接フィールドに「セット」する形。
というわけで最近ではお馴染みになりつつあるうらら避けが出来るわけである。
(3)の効果は自己蘇生。相手ターンに墓地に言った場合に自らを特殊召喚出来る。
無論そのまま(2)の効果に繋げられるが、相手ターンのみなので受動的になりがち。
なんとかして手札コストなどでうまく使いたいところ。

以上の3つの強力な効果を持っている至れり尽くせりのカード。
あまりにも至れり尽くせり過ぎた為、2025年3月現在では制限カードとなっている。
とはいえ彼女は速攻魔法カード《“罪宝狩りの悪魔”》 でサーチ出来る為、枚数の少なさはそれほど気にならない。まぁそっちも制限カードなんだけど。

(2)の効果でサーチする「罪宝」もまた強力なカードが多い。
特に《裏切りの罪宝-シルウィア》は表側カードであれば対処に取られない限り何でも無効にできる非常に強いカード。
「ディアベルスター」モンスターのリリースが必要なものの、リリースモンスターが《黒魔女ディアベルスター》本人であれば(3)の効果で即座に返ってこれる。

強力な効果ばかりだが、(1)にしろ(3)にしろコストを要求されるので、リソース管理に困るという弱点もある。
またカード自体が地味に手に入れにくいのも弱点と言えば弱点。

総じて出張性能が非常に高いカードであるが、やはり真価を発揮するのはテーマデッキ。
特に【スネークアイ】は相性がいいだけでなくストーリー的にも繋がりの濃いテーマであり、彼女もまたトーナメントクラスで大活躍をした。

遊戯王マスターデュエルでもレアリティは堂々のURでカットイン付き。
デュエリストなら彼女の姿を見たこと無い人はそういない、第12期を代表するカードだろう。


【キャラクターとして】

しかしその外観は確かに美女であるが、黒いローブの下には白い紙と白い肌。ナイスバディだが何処か強そうな肉体。そして禍々しいナイフを構えたという、如何にも怪しい魔女。
更に上述の《“罪宝狩りの悪魔”》 のイラストはそんな彼女が指名手配されているというイラストである他、《スネークアイ追走劇》ではブチ切れた彼女が「百鬼羅刹」を追いかけているというもの。
設定資料でも片手でダンベルを持ってトレーニングしているという、如何にも乱暴で肉体派な印象を与える。ムキムキイヤーッ!!

かつての仲間たちの成れの果てである2つの「罪宝」の他、ひょんなことで出会った《蛇眼の炎燐(スネークアイズ・ポプルス)》を従えており、カードイラスト等では一緒に登場している。
この《蛇眼の炎燐》。どうにもディアベルスターが眠っている間に彼女の魔力を吸っているとか。
一見小型の魔物であるが、ある意味では切り札である。

ちなみにひょんな事から絡むこととなった「百鬼羅刹」とは長い付き合いとなり、以降も彼らの魔法や罠カードで姿を見せている。大体怖い顔している。

だが25周年特別映像「Yu-Gi-Oh! CARD GAME THE CHRONICLES」では大口を開けて眠っていたり、設定資料でも散らかった机に突っ伏して居眠りし、従えている「罪宝」が慌てて世話をしている様子も見られる。


【ストーリー的なあれこれ】

性能やキャラクターだけでも非常に魅力的な彼女だが、実は第12期を代表するというのはそれだけでなく「罪宝」を巡るストーリーの主人公なのである
以下に、ディアベルスターが歩んだ形跡を、実際のカードを添えて紹介する。


ディアベルスターには宿敵である《原罪のディアベルゼ》が存在する。
白い魔女装束に身を包み「善い魔女」として巷では話題だが、実際のところは「ナチュラル嘘つき」であり、ディアベルスターの前では悪辣過ぎる本性を露わにする。
罪宝を巡った2人の魔女、その出会いは彼女達が子どもの頃に遡る。

というわけで以下がそのディアベルスターの子ども時代である。


《白き森のアステーリャ》
効果モンスター
星2/光属性/魔法使い族/攻0/守0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の手札・フィールドから魔法・罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。
デッキから魔法使い族・光属性チューナー1体を特殊召喚する。
(2):このカードが墓地に存在する状態で、
魔法・罠カードがモンスターの効果を発動するために自分の墓地へ送られた場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。

黒魔女の幼少期は白い服に身を包み、大きな本を両手で持った、モノクルをつけた大人しそうな少女。
ものをくっつける「くっつき魔法」が好みらしい。
「いつも空をぼーっと見てる」と物静かな性格であるが、大事な本を破られたら泣いてまくし立てる等、怒ると怖い描写はあった。
なおその本を破るのは《原罪のディアベルゼ》の幼少期《白き森のリゼット》。
どうにも「かまってくれない」からと良く破るらしいが、割と激しい喧嘩をして最終的には二人とも泣くという、何処か微笑ましいやり取りを繰り返していたようだ。

だが、彼女達が住まう白き森には「はいるべからず」「いいつたえ」「あくま」「わざわい」と明らかにやばいワードが立ち並ぶカードが沢山ある危険な森。
そんな森で何かが起こったらしく、アステーリャとリゼットは喧嘩どころではない「戦い」を始めることとなった。


《ライク・ザ・ディアベル》
速攻魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):魔法・罠カードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。
自分の手札・墓地から魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットする。
この効果でセットしたカードはこのターン発動できない。
(2):自分メインフェイズに、自分の墓地からこのカードを含む魔法・罠カード3枚を除外して発動できる。
自分の手札・墓地から「ディアベル」モンスター1体を特殊召喚する。

少し成長したアステーリャが様々な経験をしているイラスト。
騙されたとはいえ仲間を失うこと担った彼女は1人、罪宝を求めて過酷な旅を続ける。
白き森を抜け出した後のアステーリャはこうやって「ディアベルスター」になったのだろう。
なおこの時点でもうナイフを手に取っている。


やがて成長した黒魔女は、かつてのリゼットと激しい戦いを繰り広げる。
だが白き森での出来事にはアザミナと呼ばれる者が関係していた。
共通の敵を見つけたためか、それとも2人の仲違いの理由か……ともかく2人は協力する事となる。
ピンチに陥ったディアベルゼを助けるべく、ディアベルスターは…ゴブリン共を無理矢理従わせてと協力して走る……!


《フィリアス・ディアベル》
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):デッキからレベル8以上の「ディアベル」モンスター1体を手札に加える。
相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、手札に加えず特殊召喚する事もできる。
(2):このカードが除外された場合に発動できる。
自分フィールドの全ての「ディアベル」モンスターの攻撃力は500アップする。

《聖アザミナ》の攻撃から《黒魔女ディアベルスター》は《原罪のディアベルゼ》を守っているイラスト。
カード名のフィリアスとは「友愛」や「愛情」を意味するギリシャ語であり、ここに来てようやく2人は和解に至ったのだと思われる。
激しい敵の攻撃にディアベルスターは今まで集めた罪宝の力を解放し、そして……!



《断罪のディアベルスター》
効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻2500/守2100
このカード名はルール上「罪宝」カードとしても扱う。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の手札・墓地から魔法カードと罠カードを1枚ずつ除外して発動できる。
このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
(2):自分・相手ターンに、LPを半分払い、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
その後、フィールドに他の「ディアベル」モンスターカードが存在する場合、EXデッキから幻想魔族・魔法使い族Sモンスターのチューナー1体を特殊召喚できる。

罪宝の力を身にまとい、悪魔となったディアベルスター。
ちなみに設定では罪宝の力を「くっつけ魔法」で無理矢理接続しているらしい。
まさかの子供時代の得意魔法がここに来て切り札となった。
同時に《原罪のディアベルゼ》もまた罪宝の力を解放、《白魔女ディアベルゼ》となる。
互いが互いのかつて名乗っていた異名を名乗り、2人は遂にアザミナを打倒する。
だが……。


《罪なき罪宝》
永続罠
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分の墓地・除外状態の「ディアベル」モンスター1体を対象として発動できる。
自分の手札を1枚選んで捨て、対象のモンスターを特殊召喚する。
●自分の魔法&罠ゾーンの表側表示のモンスターカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを特殊召喚する。

戦いは終わったが、ディアベルゼの力の解放は無理をして行っていたらしく、彼女は力尽きてしまう。
そんな彼女をディアベルスター……いや、アステーリャは優しく抱きしめている。
2人の表情はわからない。だが、アステーリャとリゼットの喧嘩はいつもこうだった。

「最終的には二人とも泣く」



カード的にはこれでストーリーが終わっており、2人の安否が気遣われていた。
しかし2025年2月、《黒魔女ディアベルスター》のイラスト違いカードが登場。
そこにはまさしく魔法使いという出で立ちで、モノクルをつけ、大きな本を手にかけているディアベルスターが描かれていた。
「単なる魔法使いとして歩んだifの世界」という意見もあったが「ザ・ヴァリアブル・ブックEX5」にて、ストーリーが終わった
大きな本は「紙芝居」であるらしく、それを人々に見せて表向きは路銀を稼いでいる。
その内容については…ぜひとも本を取ってほしい。

で、他の人物はどうなったかというと、最終的には罪宝となった家族達は残念ながら果ててしまったらしい。
だが、イラストの下の方で寛いでいる何処か小憎たらしい猫は、あのナチュラル嘘つきのいたずらっ子そっくり。
また喧嘩をするのだろうか、それとも今度こそ仲直り出来たのだろうか、それはもはや歴史の語るところではない。
そして彼女の周りに妙に赤い…例えるならポプラの木のような子どももいる理由も、やはり想像するしか無いだろう。








追記・修正は、ゴブリン共を無理矢理従えてからお願いします。


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