登録日:2025/03/04 Tue 20:17:25
更新日:2025/04/30 Wed 11:58:45
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閉ざされし世界を切り裂く我が烈風!
リンク召喚!現れろ!リンク4、ヴァレルソード・ドラゴン!
《ヴァレルソード・ドラゴン》とは、
遊戯王OCGに存在するカードの1つである。
初出は第10期第5弾「CYBERNETIC HORIZON」。
カードテキスト
リンク・効果モンスター
リンク4/
闇属性/
ドラゴン族/攻3000
【リンクマーカー:上/左/左下/下】
効果モンスター3体以上
(1):このカードは戦闘では破壊されない。
(2):自分・相手ターンに1度、攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる(この効果の発動に対して、相手はカードの効果を発動できない)。
そのモンスターを守備表示にする。
このターン、このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
(3):1ターンに1度、このカードが表側表示モンスターに攻撃宣言した時に発動できる。
ターン終了時まで、このカードの攻撃力はそのモンスターの攻撃力の半分アップし、そのモンスターの攻撃力は半分になる。
解説
《
ヴァレルロード・ドラゴン》を発端とする「ヴァレル」モンスターの1体。
本家と比較した場合、翼が黄色に染まり頭部には鋭利な角が生えるなどの外見の変化がある。
後述するアニメでは、頭部の角が合体して一本の刃となり敵を切り裂く演出がなされた。
そして本家《ヴァレルロード・ドラゴン》と同様に、口から弾丸を発砲する技能も披露していた。
そのため由来は「
銃剣」なのだろう。
このカードの特徴を一言で表現すれば「戦闘のプロ」。
持っている効果全てが戦闘に関係しており、ひたすらに戦闘ダメージを稼ぐことに特化した1枚になっている。
召喚条件は「効果モンスター3体以上」。
高リンクモンスターの条件としてはやや厳しめで、必ず頭数を3体以上揃えないといけない。
特に《神聖魔皇后セレーネ》などの展開効果持ちL3モンスターを使えない点が苦しい。
(1)は戦闘破壊耐性効果。
昨今では攻撃力3000越えのモンスターも珍しくないため、あって困るものでもない。
(2)はモンスターの表示形式を「攻撃表示から守備表示へ」変更する効果。
更に表示形式の変更に成功した場合、2回攻撃ができるようになる。
このカードは(3)の効果で自己強化ができるため、それも込みの連続攻撃が決まればリーサルを狙うには十分。
ただしネックになるのは「攻撃表示から守備表示へ」変更する効果の設定。
うっかり相手のモンスターを守備表示にしてしまうと、戦闘ダメージを与えることができない。
敢えて相手のモンスターの表示形式を変える場合、別のモンスターで戦闘破壊させるための補助くらいになるだろう。
基本的に自分のモンスターを変更させることになるが、それはつまり《ヴァレルソード・ドラゴン》の他にもう1体モンスターを隣に置くことを要する。
表示形式の入れ替えさえできればよいので、適当に余り物を残せるならここは解決している。
なお守備表示にする都合、Lモンスターはそもそも対象に取れない点には注意。
またこの効果は、効果処理時に対象にしたモンスターが不在になっても2回攻撃は可能。
つまり
「ヴァレット」モンスターの効果を発動させつつ2回攻撃の権利を得ることができる。
(3)は自身の攻撃力上昇と相手の攻撃力減少効果。
《フォース》や《
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》と類似した効果で、必ず相手の攻撃力を上回ることができる。
これら類似カードと異なる点は「対象を取らない」こと、そして「先に《ヴァレルソード・ドラゴン》の攻撃力が上がり、その後に相手モンスターの攻撃力を下げる」という順番の処理がなされていること。
特に後者の要素が重要で、仮に「効果を受けない」耐性により相手の攻撃力を下げられなかったとしても、
《ヴァレルソード・ドラゴン》の攻撃力を上げることができる。
この効果により、攻撃力を下げられる相手ならばどれだけ高い攻撃力だろうと戦闘破壊することができ、
「効果を受けない」モンスター相手だったとしても理論上は攻撃力6000までの相手を戦闘で破壊することができる。(3000+6000/2=6000)
総じて、攻撃が通れば多大な戦闘ダメージでゲームを終わらせる「フィニッシャー役」と成り得る存在。
本家《ヴァレルロード・ドラゴン》と同様に(2)の効果で、攻撃反応効果を反動させない手管もあり攻撃は通しやすい。
その一方で戦闘以外の効果を持たず、守備表示モンスターや効果無効の永続効果などで攻撃を止められる脆い一面もある。
このカードをL召喚するにも負担が多く、もし仕留め損なえば除去され相手に一本取られる危険にも繋がる。
そういう意味で、出した時点で「やるかやられるか」という、外見以上に尖った性質を持ったカードと言える。
評価の変遷
このカードは登場当時から高い評価を受け、多くのデッキで使用されていた。
特に高リンクモンスターの召喚を補助する《
水晶機巧-ハリファイバー》の存在も大きく、「効果モンスター3体以上」というハードルを楽々通過することもできた。
手順としては《水晶機巧-ハリファイバー》をL召喚した後に自己蘇生効果を持った星1チューナー(《
グローアップ・バルブ》《ジェット・シンクロン》)を特殊召喚。
その星1チューナーを素材に《
リンクリボー》をリンク召喚し、さらに素材にしたモンスターを自己蘇生。
これだけで「リンク4分の効果モンスター3体」を揃え、簡単に《ヴァレルソード・ドラゴン》のL召喚が達成される。
レベルや種族・属性を気にせず素材にできるという点も、類似カードとの優位点として働いていた。
展開力に自信のあるデッキが先のターンで
制圧、そこで挫いた相手にトドメを刺す用途で流行。
このようにあらゆるデッキで活躍していたカードだが、第10期最後のパックに収録されたカードがその立場を揺るがすことになる。
それが
《アクセスコード・トーカー》である。
《アクセスコード・トーカー》の優れている点は以下の通り。
- 召喚条件が緩く「効果モンスター2体以上」。特に《神聖魔皇后セレーネ》を使い実質リンク3相当の負担でL召喚が可能。
- チェーンして発動されない破壊効果持ち。これで壁モンスターなど戦闘の妨げになるカードを予め始末し安全に戦闘できる。
《ヴァレルソード・ドラゴン》よりも安全確実に攻撃を遂行でき、もし仕留め損ねたとしてもボード・アドバンテージを減らした分巻き返しに至りにくい。
そのため《アクセスコード・トーカー》と何かと比較される立場になっている。
一方で《ヴァレルソード・ドラゴン》が優れている点は以下の通り。
- 他Lモンスターの併用が必須ではない。特に《アクセスコード・トーカー》は元々L召喚に寄せている(かつ属性も多少は散っている)デッキがリーサルウェポンとして用いるカードである。そこまでLモンスターを使うほどEXデッキに余裕がない場合はこちらが優先しやすい。
- 効果耐性持ちに対して有効。前述の通り相手モンスターが効果耐性を持っていても自身の攻撃力を上げられるため、《アクセスコード・トーカー》 では破壊効果が意味をなさない場面でも突破の期待ができる。
- 総ダメージ量はこちらが上回りやすい。《アクセスコード・トーカー》 は基本的に攻撃力5300で1回攻撃になることが多いが、こちらは攻撃力3000+aの状態で2回攻撃できる。
デッキの特徴や想定する勝ち筋に合わせて、選ぶとよいだろう。
アニメでの活躍
初登場は40話「勝利への渇望」にて「vs Go鬼塚」との決闘で使用。
その際
「私にこれを出させるとは……!」と発言している事から、彼のデッキにおける切り札ポジションである事が窺える。
《ハイバネーション・ドラゴン》《シェルヴァレット・ドラゴン》そして《ブースター・ドラゴン》を素材にしてL召喚。
鬼塚の《
剛鬼ザ・ジャイアント・オーガ》に攻撃し、(3)の効果によってあちらの耐性を掻い潜り攻撃力を下げる。
これで《メタルヴァレット・ドラゴン》にて撃ち抜く所だったが、攻撃力が変化したことであちらが即座に攻撃力を1000ポイント回復させることで回避。
「無粋な手」は通じなかったものの、《ヴァレルソード・ドラゴン》の二度目の攻撃によって戦闘ダメージを与え勝利となった。
その後の45話「極限領域のデュエル」にて「vs
藤木遊作/Playmaker」との決闘でも使用。
《マグナヴァレット・ドラゴン》《シェルヴァレット・ドラゴン》そして《ショートヴァレル・ドラゴン》を素材にしてL召喚。
ここで《ヴァレルロード・ドラゴン》《
トポロジック・ボマー・ドラゴン》と相互リンク状態になるようにL召喚したことで、《
トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》を締めにEXリンク成立に貢献した。
ただしその後は《ドロップフレーム・ウェッジ》で攻撃を封じられ、あちらの効果が解除された後も《クラスター・コンジェスター》によって壁トークンを出されたことにより、戦闘ダメージを与えられなかった。
途中経過が省略された決闘だが、109話「不撓不屈の精神」でも「vs コピーAi」戦で登場しフィニッシャーとなっている。
この決闘は「時間稼ぎのために嗾けられた相手を一刻も早く倒さないといけない」という場面であるためか安定性の高い《ヴァレルロード・ドラゴン》ではなく爆発力・フィニッシュ性能で勝るこちらが登場。
ライフの減っていた相手に直接攻撃を叩き込み見事勝利を決めた。
最後の出番は116話「完全燃焼」にて「vs 穂村尊/Soulburner」との決闘で使用。
通常魔法《ヴァレル・ハーフ・リプレイス》により効果無効&攻撃力半減の状態で特殊召喚。
その後《ソーンヴァレル・ドラゴン》の効果で破壊され、最終的に《
ヴァレルロード・S・ドラゴン》に装備されるという、あっさりした出番であった。
追記修正お願いします。
- イラスト違いがかなり好きだったから不評なの知ってちょっと落ち込んでる。アニメの登場シーンに合わせてるし、格上が見下ろしてる威圧感があって好きなんだけどなぁ…。 -- 名無しさん (2025-03-05 07:42:56)
- 超越竜とか竜華は特殊召喚できる種族に縛りがつくものもあるため、ドラゴン族なのは恵まれている -- 名無しさん (2025-03-05 08:29:25)
- アクセスコードが出るまではLモンスターのフィニッシャーの第一人者だったな。当時はまたこいつで締めるのかと何度も思った。今はアクセスがその役割を担っている -- 名無しさん (2025-03-05 10:41:04)
- 当然別に弱くはないんだけどアクセスコードに慣れすぎて3素材必須なのが割と重く感じてしまう -- 名無しさん (2025-03-05 10:45:19)
- 方向性はちょっと違うけど、フィニッシャーとしてはアストラムもライバルだよね。まあアストラムも最近は見かけないけど。 -- 名無しさん (2025-03-05 14:45:54)
- 「相方格のヴァレルガード・ドラゴンもそう悪くはないが、いかんせんヴァレルソード・ドラゴンが優秀すぎて影が薄くなった」と……防御的な効果はよっぽど強力なカウンター持ちでもないと厳しいのか……銃モチーフなら早撃ちだろうし…… -- 名無しさん (2025-03-05 18:09:48)
- 一時期はヘイトすら買っていたのに本当に最近は見なくなったな。アクセスコードとの差別点も挙げようと思えば上がるけど、実際それで採用しているデッキってあるのか?って状態。上でも少しコメントで触れられているけど、ドラゴン族縛りのデッキで将来的に再評価されるのかな? -- 名無しさん (2025-03-06 14:46:51)
- vsジャイアントオーガのシーンは今見ても好きだわ。ヴァレソに対しては「こいつこんなに効果あんのかよ!?」って驚いたしジャイアントに対しては「こいつここまでしないと倒せんのかさん」って感じで強者同士のギリギリの攻防感が堪らなかったわ -- 名無しさん (2025-03-07 12:55:32)
- ↑わかる、あのデュエル自体本当に好き。リボルバーの狡猾な策も鬼塚の心意義も強かったし、それが最終的にリボルバーの剛腕効果で突破せざるを得ないギリギリの勝利って感じがして興奮する。 -- 名無しさん (2025-03-08 07:43:41)
最終更新:2025年04月30日 11:58