ヴァレルロード・S・ドラゴン(遊戯王OCG)

登録日:2024/07/08 Mon 06:42:07
更新日:2025/04/30 Wed 09:50:37
所要時間:約 8 分で読めます






雄々しき竜よ。
その獰猛なる牙を今、銃弾に変え撃ち抜け。

シンクロ召喚!いでよレベル8!

《ヴァレルロード・S(サベージ)・ドラゴン》!


シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚に成功した場合に発動できる。
自分の墓地からリンクモンスター1体を選び、装備カード扱いとしてこのカードに装備し、そのリンクマーカーの数だけこのカードにヴァレルカウンターを置く。
(2):このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの攻撃力の半分アップする。
(3):相手の効果が発動した時、このカードのヴァレルカウンターを1つ取り除いて発動できる。
その発動を無効にする。

《ヴァレルロード・S(サベージ)・ドラゴン》とは、「SAVAGE STRIKE」に収録された遊戯王OCGのモンスターである。


概要

アニメ「遊戯王VRAINS」にて、ライバルキャラクターのリボルバーが使用するカード。
ヴァレルロード・ドラゴン》の派生形態であり、カード枠が白いSカードに合わせてボディも白く染まっている。

アニメではウィンディの【嵐闘機】撃破を皮切りにリボルバーのデュエルで多数登場。
その上で相手から除去されたことが一度もないという、恵まれた立ち位置にいた。

そんなカード効果を見ていこう。

S素材には縛りがないが、(1)の関係上で実質的なデッキ縛りは存在する。

(1)は墓地のLモンスターを装備、ヴァレルカウンターを乗せるする効果。
これによって(2)(3)の効果を使用することになる。

(2)は装備したLモンスターの攻撃力半分だけ攻撃力を上げる効果。
元々の攻撃力が3000と高いので、4000を超えることも難しくはない。
逆に言えば、元から高い攻撃力を持つため無理して攻撃力の高いリンクモンスターに拘ることもない。

(3)はカウンター効果。
モンスター・魔法・罠の全てに対応しているため、相手を選ばす利便性が高い。
そして「効果の発動」を無効にするので、「カードの発動」のみならず「カードの発動を伴わない効果の発動」も無効にできる。
ただし「無効にする」止まりで破壊まではしないので、素材利用や第二の効果を使用される恐れはある。
なので「無効止まり」でよい効果なのかは考えないといけない。

ちなみに装備しているリンクモンスターがフィールドを離れた場合、
(2)の攻撃力上昇は消滅するがカウンター自体は残るため(3)効果は有効のまま。
なので無効効果のみをアテにするなら、装備カードは何らかのコストにあててもよい。

運用の際の注意点

攻撃力と制圧力を兼ね備える優秀なモンスターだが、(1)の能力が他能力の根幹となっている
そのため、以下のような点に注意しなければいけない。
・Lモンスターが"墓地に"必要
まず、Lモンスターはレベルを持たないのでS素材にできない。
展開力自体はシンクロとリンクに共通して必要な要素ではあるが、これ自身を出すのとは別にLモンスターを墓地に送る必要がある。
そのため、連続リンク召喚の終着点にできるフィニッシャーや、自身のリリースがさらなる展開を兼ねるLモンスターを用意することが望ましい。
それに加え、展開補助効果を持つLモンスターはその後の展開を縛るものや「L素材にできない」制約を持つことも多いため、実際に採用できるデッキはそれなりに限られる。

なお、装備させるLモンスターは《ゲール・ドグラ》などでフィールドを介さず墓地に行った物でも大丈夫。
ただし「装備させるためだけに」貴重なEXデッキの枠を消費するのは、あまり合理的とは言えない。

・(1)効果を解決するまで無防備
S召喚に成功しても、その時点では(2)(3)効果は使用できない。
そのため
など、このカードを無力化させる手立ては案外多い。
このあたりは、S召喚成功直後から無効効果を使用でき手札誘発の対策になる《フルール・ド・バロネス》等には無い欠点になる。
そもそも墓地にLモンスターを置いた状態でS召喚を画策した時点で相手にもバレやすい。

・シンクロフェス、リンクフェスのいずれでも使用できない
「マスターデュエル」における、少々趣が異なる話。
同ゲームでは「フェス」と呼ばれる、通常のレギュレーションと異なるイベントが開催される。
その中で「シンクロフェス」ではSモンスター以外を、「リンクフェス」ではLモンスター以外を使用できないため、《ヴァレルロード・S・ドラゴン》が実質機能しないことを意味する。

採用デッキ事情

当然ながら、本カードは発動の無効で相手に盤面構築と逆転をさせない「制圧」の役目を担う。

とはいえ上記のように欠点も目立ち、また使用できるデッキも限られている。
リボルバーが同じくアニメで使用したヤツと比べれば、きちんと理性とリスクが機能していると言える…かもしれない。
あくまで制圧をこのカードのみに頼るのではなく、別途制圧効果を持ったテーマが穴を埋めるために採用することになるだろう。

「チューナー及びシンクロチューナーを特殊召喚してS召喚を補助」
「そもそも自身が高Lモンスターの素材として墓地に行きやすいので、装備対象として困らない」
という理由から、《水晶機巧-ハリファイバー》と抜群に相性が良かったカードの一枚。
後述する《幻獣機アウローラドン》の存在もあり、幅広いデッキで手軽に採用できるエリートの地位を得ていた。

《水晶機巧-ハリファイバー》の禁止以降は、前述の通りデッキを選ぶカードとなっており、リンクとシンクロ共存デッキの選択肢になる。

とはいえ、逆に言えば「シンクロとリンクを無理なく両立しているデッキ」であれば普通に現役。場に高打点+万能無効化持ちがいるというのは安心感がある。
相手の動きを止めるための一手、あるいは高打点で相手を突破するための一手として、上手いこと組み込めば随所で良い働きをしてくれるだろう。

というのはOCGでの話。
海外版TCGではなんと2024年4月15日に《フルール・ド・バロネス》ともども禁止カードに指定されている。
理由は【スネークアイクシャトリラ】というデッキで流行したため。
増殖するG》が規制されているなど日本と環境が大きく異なることが原因であろう。

このように今となっては一線を退いていると思うものが多いカードではあるが、現在でもきちんとパワーが有るカードである。
ロートルと舐めてかかってくる相手には「どうせお粗末な呪文だったんだろうさ」と弾丸を打ち込んで底知れぬ絶望の淵へ沈めてやろう。

相性の良いカード・テーマ・デッキ

S素材一式を用意しつつ能動的に自身を墓地に送り装備候補にできる、抜群に相性が良い一枚。
《幻獣機アウローラドン》(1)効果でレベル3の幻獣機トークン3体を生成し、
続けて(2)効果で自身と幻獣機トークン1体をリリースしてレベル2の《幻獣機オライオン》を特殊召喚。
後は《幻獣機オライオン》と幻獣機トークン2体でS召喚することで、攻撃力4050かつ3回無効の《ヴァレルロード・S・ドラゴン》が完成。

  • P召喚テーマ
ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》《軌跡の魔術師》《奇跡の魔導剣士》等のLモンスターを使用する。
特に前者二枚は素材として勝手に墓地に行くため装備候補に困らない。
特に【魔術師】においては《調弦の魔術師》で簡単に出すことができる。
ただし同じ手間で《フルール・ド・バロネス》が召喚可能であり、さらにはバロネスの破壊効果を利用したさらなる展開も可能なため、やや肩身は狭い。
打点や妨害回数でうまく差別化しよう。


装備するLモンスターは《ドラグニティナイト-ロムルス》。
《ドラグニティ・グロー》を交えたコンボで《ドラグニティアームズ-ミスティル》を特殊召喚するために墓地に送ることになるので、自然に装備の準備ができる。

低Lモンスターが素材として墓地に行くため装備候補には困らない。
また《オルフェゴール・カノーネ》がチューナーなので、これと《オルフェゴール・トロイメア》の組み合わせでS召喚可能。
このテーマには闇属性の展開縛りがあるが、自身も闇属性なので共存が可能なのも嬉しい。

  • 【ドラゴンリンク】
展開力が高いドラゴン族モンスターを中心としたデッキ。
リンク5の《ヴァレルエンド・ドラゴン》のためにリンク2のモンスターを素材にするため、その後であれば装備対象を確保できる。

高いリソース生成能力を持ったデッキであり、それを活かしたL召喚を得意とする。
そして相性の良いチューナーもいることからS召喚も併用しやすく、デッキ条件をクリアできる。
他の利点は、この「装備状態になったLモンスター」も、スネークアイの「フィールド上のカードを墓地に送る」コストにできる。

ちなみにこのデッキで装備させる主なLモンスターは、リンク1の《リンクリボー》。
一度しか効果を無効にできないが、他のカードでさらに蓋をすればいいのでこれでも上首尾であるという判断。

スクラップの基本初動である《スクラップ・ラプター》+《スクラップ・リサイクラー》のコンボで作成可能。
少々手順が長くなるが最終的な着地点としていわゆる「バリラドン*1」に持っていけるので、相性は悪くない。
上手く回せば他にもシンクロやリンクをガンガン立てられるデッキなので、制圧の質を高めていくことも可能。

なお、《水晶機巧-ハリファイバー》が禁止になる前は今の展開ルートよりも簡略的かつリソース消費や効果発動回数を少なく抑えられていた。



追記修正は最大6個のヴァレルカウンターを乗せてからお願いします。

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最終更新:2025年04月30日 09:50

*1 バリケイドベルグ経由でアウローラドンを出すコンボ。ハリファイバー経由のアウローラドン展開の代用として考案された。