アクセスコード・トーカー(遊戯王OCG)

登録日:2024/07/01 Mon 07:06:38
更新日:2025/03/06 Thu 14:09:04
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いくぞ、Ai! これが俺の最後のリンク召喚だ!

現れろ、未来を導くサーキット!

アローヘッド確認!召喚条件は効果モンスター2体以上!

サーキットコンバイン!

まだ見ぬ世界へ繋がる風をつかめ!

リンク召喚! LINK4!

アクセスコード・トーカー!

アクセスコード・トーカー
 
リンク・効果モンスター
リンク4/闇属性/サイバース族/攻2300
【リンクマーカー:上/左/右/下】
効果モンスター2体以上
このカードの効果の発動に対して相手は効果を発動できない。
(1):このカードがL召喚した場合、そのL素材としたLモンスター1体を対象として発動できる。
このカードの攻撃力は、そのモンスターのリンクマーカーの数×1000アップする。
(2):自分のフィールド・墓地からLモンスター1体を除外して発動できる。
相手フィールドのカード1枚を破壊する。
このターン、自分は「アクセスコード・トーカー」の効果を発動するために同じ属性のモンスターを除外できない。

《アクセスコード・トーカー》とは、『遊戯王OCG』に存在するカードの1枚である。
2020年1月11日発売のパック「ETERNITY CODE」が初出。


概要

白と金色を基調とした鎧とが特徴の「コード・トーカー」モンスター。

素材指定はとても緩い「効果モンスター2体以上」。
ただしこのカードの効果は両方ともLモンスターが必要なため、実質的にもう一つ縛りがある。

まず目を引くのは(1)(2)の効果に対する回数制限…ではなく、相手のチェーン効果を封じる効果外テキスト
当然「発動を無効にする」カウンター効果を無視して安全に効果を通せる上、後述する独自の利点も生み出している。

(1)は攻撃力上昇効果。
素材が2体からなのもあり、リンク3を素材にして攻撃力5300の状態で運用するのが基本となる。
尤も最低値のリンク1でも3300で青眼ラインを突破できるため、1キルラインに届けば十分と軽く考えることも重要。
ちなみに「リンク2以上のLモンスターをL素材とする場合、そのリンク数を1とカウントする事ができる」というルールの存在から、手間はかかるがリンク4以上を素材にして攻撃力を6300以上にすることもできる。(最大値はリンク6を対象にした時の8300。)
しかし、ここまでのお膳立てをするのはかーなーり大変なので、普通のデッキではまず試みられる事はない。

また、「L素材として墓地へ送られた」ではないため、素材が表側表示で除外された場合も参照できる。

ここに前述のチェーン不可が働くことで、《奈落の落とし穴》等の「特殊召喚に成功した時に発動する除去カード」を回避できる。
内容とは別に「この効果が存在すること」自体がメリットになっている。



(2)は対象を取らない破壊の起動効果。
一見すると「起動効果の単体破壊」という現代の水準ではやや厳しい効果。
しかし対象を取らず、またコストの捻出さえできれば回数制限もない
さらに前述のチェーン発動不可の効果がここでも適用されるので、効果を無効にされず、サクリファイス・エスケープも許さず、強引に相手の盤面を突破可能。

フィールド・墓地の両方からコストを選べるが、やはり基本的には墓地から選びたい。
どうせ最終盤面に残さないモンスターであれば、素材やコストで消費させた後墓地コストに充てる方が合理的だからである。
ただしこの効果は《アクセスコード・トーカー》本人をコストに除外することもできる。
これによって《スキルドレイン》などの「フィールド上のモンスター効果を無効にする」効果を掻い潜って除去ができる。
(類例:《ダイナレスラー・パンクラトプス》)
(1)効果で得た高攻撃力を失ってしまうものの、緊急手段として覚えておくと役に立つ場面もある。


弱点

  • チェーン不可では免れられない妨害効果
相手の妨害を効果外テキストで回避できる特性は確かに頼もしいが、これで全ての妨害を防げるわけではない。
このカードが強く出られるのは「落とし穴」シリーズや《激流葬》といった、「L召喚が成功した時に発動する除去」と「効果の発動時にチェーンしてくるカード」のみ。
と言った系統のカードには弱い。
また、上の《激流葬》にしても、素材のモンスターを特殊召喚した時点で発動されてしまってはL素材不在で出せなくなってしまう。

  • (1)発動から(2)使用までの隙間
細かいルールの話になるが、(2)が起動効果なので(1)効果適用後に一度相手に優先権を渡さなければならない。
この「優先権を渡す」とは、相手に「このタイミングで発動出来る効果(=スペルスピード2以上の効果)はありますか?」と確認すること。
なので相手は該当するカードを握っているなら、このタイミングで《アクセスコード・トーカー》を無力化ないしは除去できてしまう。
この「スペルスピード2以上かつフリーチェーンで発動できるカード」、代表的なものでは《無限泡影》などがある。

  • やってることはあくまで「破壊」
いくら「対象を取らない」「チェーン発動できない」といえど、所詮は破壊効果に過ぎない。
つまり「効果では破壊されない」効果を持ったカードは対処できない。
また「相手によって墓地に送られた場合」「このカードが破壊された場合」などの地雷効果も素通ししてしまう部分も欠点。
除去手段として過信しすぎると、思わぬ場面で足元をすくわることになる。


活用法

効果への耐性は無く、相手ターン中の妨害もできないため、L召喚しても長持ちしない。
I:Pマスカレーナ》を素材にすれば破壊耐性は得られるが、相手ターン中の影響力が小さいカードに充てる利点も小さい。
またコストとしてLモンスターを除外するため、ターンを跨いだところでコストが残っているとも限らない。
このカードはリソース回復効果を持っていないので、消費したカードは失ったままとなり循環させることができない。

そのため、このカードの用途は「L召喚したそのターンでトドメを刺す」のが基本。
他の制圧・妨害カードで相手を凌ぎ、このカードで一気に攻めてゲームを終わらせる。そうした「フィニッシャー」役としては超一流の能力を有している
押し切れない状況でも、対象を取らない単体除去を乱射できるため、相手フィールドを荒らすことで反撃の芽を絶つリセットカードとして貢献できる。
また、容易に4300以上の攻撃力を得られるため、非常に強固な効果耐性を持ち戦闘破壊しかできないモンスターを処理する目的で登場することも。

複数のLモンスターとの併用が前提であるため、L召喚デッキでの採用が基本となる。
Lモンスターを複数枚採用する余裕のないデッキでは本領発揮できないため、素直に違うモンスターを入れた方が良いだろう。
同じリンク4のフィニッシャーとしては《ヴァレルソード・ドラゴン》もあり、他のリンクモンスターが必須ではなく単体で機能する点はあちらが勝る。
この辺りはデッキの特性と好みで使い分ける事になるだろう。



相性の良いカード

かつて《水晶機巧-ハリファイバー》が使用できた頃は、《エフェクト・ヴェーラー》をリクルートして《神聖魔皇后セレーネ》を経由しL召喚、攻撃力5300かつ最低2枚破壊の形態をあらゆるデッキで可能にしていた。
水晶機巧-ハリファイバー》の禁止化以降は、あくまでリンク4を出して割に合う展開力が求められる。
ある程度L召喚に寄せたデッキであれば使用できるカードだが、効果破壊を使うなら属性が統一されていないデッキが望ましい。
例えばL召喚を多用するデッキでも、炎属性しか特殊召喚できない制約がついて周りEXデッキに余裕がない【転生炎獣】との相性は悪い。

とはいえ現実的には多くても3枚くらいの破壊になりがちなので、ある程度属性が散っていればいい。
あるいは「1~2枚でも破壊できれば十分」と割り切るならば、属性統一気味でもそのデッキに合うLモンスターを幾らか採用したデッキに併せて採用するのもアリだろう。
例えば闇属性以外のLモンスターを使用できない【オルフェゴール】においても、チェーン不可で1枚破壊できれば十分として運用している。
その上でこのカードを使用しやすいデッキの例を列挙する。

ここからは個別に相性が良いカードを挙げる。

  • 蘇生効果持ちリンク3モンスター
トランスコード・トーカー
 
リンク3/地属性/サイバース族/攻2300
【リンクマーカー:上/右/下】
効果モンスター2体以上
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが相互リンク状態の場合、このカード及びこのカードの相互リンク先のモンスターの攻撃力は500アップし、相手はそれらを効果の対象にできない。
(2):「トランスコード・トーカー」を除く、自分の墓地のリンク3以下のサイバース族Lモンスター1体を対象として発動できる
(この効果を発動するターン、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない)。
そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。

神聖魔皇后セレーネ
◤ ▲ ◥
 
リンク3/光属性/魔法使い族/攻1850
【リンクマーカー:左下/下/右下】
魔法使い族モンスターを含むモンスター2体以上
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動する。
お互いのフィールド・墓地の魔法カードの数だけこのカードに魔力カウンターを置く。
(2):フィールドに「エンディミオン」カードが存在する限り、相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。
(3):1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに、自分フィールドの魔力カウンターを3つ取り除いて発動できる。
自分の手札・墓地から魔法使い族モンスター1体を選び、このカードのリンク先となる自分フィールドに守備表示で特殊召喚する。

これらのカードが該当。
モンスター1体を蘇生できるため、この効果でL素材を確保。
つまり実質的にリンク3分の労力でリンク4を召喚できる。
そしてL召喚後も(1)の効果の対象にすることで、攻撃力を5300にできる。

相手の墓地から同属性モンスターを蘇生できるL2モンスターたち。
これらの効果で蘇生したモンスターと素材になることで先述の《神聖魔皇后セレーネ》が出せるので、《水晶機巧-ハリファイバー》同様、リンク2から攻撃力5300の《アクセスコード・トーカー》が出せる。
《水晶機巧-ハリファイバー》と比べると状況を選ぶものの、それでもやはりリンク2からのリターンとしては破格。
もちろん、無理に《神聖魔皇后セレーネ》を経由せずとも、これら+蘇生したモンスターに1素材追加して攻撃力4300の《アクセスコード・トーカー》を出す動きだけでも十分強力である。

  • アップデートジャマー
《アップデートジャマー》を素材にしたLモンスターは2回攻撃が可能。
他にリンク3以上のモンスターを素材にしなくても、攻撃力4300かつ2回攻撃の《アクセスコード・トーカー》が完成。
これだけで相手の初期ライフ8000に届く。

デッキバウンス効果を発動できるLモンスター。
《アクセスコード・トーカー》では対処できない破壊耐性持ちカードもこちらで始末が可能。
特に《トロイメア・ユニコーン》はリンク3として屈指の汎用カードなので、上記の蘇生リンク3ギミックが使えない場合、汎用同士として組む機会は多い。
ただし闇属性なので、他属性Lモンスターを経由しておかないと複数除去ができないのが注意点。嵩増しに便利な《リンクリボー》とも被る。
《星鍵士リイヴ》は星遺物系のデッキ専用でリンク2だが、サイバース族なのでお手軽1ドローできる《デコード・トーカー・ヒートソウル》を中継の選択肢にできる、光属性なので闇属性よりは属性を散らしやすい、対象を取らないので相手の対象耐性を徹底的に腐らせられる点は優秀。


アニメでの活躍

遊戯王VRAINSの最終デュエル「Playmaker vs Ai」戦でPlaymakerが使用。
本記事冒頭の台詞通り、『VRAINS』劇中で最後にリンク召喚されたモンスター。まさしくフィニッシャーである。
《-Ai-Q》により一度しかL召喚できず、さらにPlaymakerの場にカードはなく手札も1枚という状況だった。
しかし手札の《ドラスティック・ドロー》と墓地のカードをフル活用し、《リンクスレイヤー》《サイバース・ウィザード》《バックアップ・セクレタリー》《ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード》と素材を揃えてL召喚。
危機的状況からL4モンスターを召喚させる手腕にはAiも驚愕していた。

リンク5の《ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード》を含めたことで攻撃力を7300まで上昇し、墓地の6属性全てのリンクモンスターと引き換えにAiの場を殲滅。
残された《ジ・アライバル・サイバース@イグニスター》の戦闘破壊を狙うも、《グッサリ@イグニスター》によって攻撃力を互いに3000にさせられたことで相打ちとなる。
しかし戦闘破壊はできたので《サイバネット・クロージャ》の効果トリガーとなり《デコード・トーカー》の復活に貢献している。
なお、(2)の効果名は「アクセス・インテグレーション」。
なにか含みのありそうな効果名だが、そのモーションは手持ちのランスを槍投げの要領で勢いよく投げつけるだけだったり…。

最初期からいたモンスター等で高い攻撃力のモンスターを出す流れは、遊戯王5D’sのラストデュエルを締め括った《ジャンク・ウォリアー》を彷彿とさせる。
ただし、こちらの場合、大トリを《ジャンク・ウォリアー》枠である《デコード・トーカー》に譲っているが本カード自体のバックボーンは皆無で、いつどこで手に入ったのかすら不明という、最後の切り札にしてはちょっと締まらないところもある存在である。


余談

現在に至るまで最高峰の汎用フィニッシャーとして君臨する《アクセスコード・トーカー》だが、当初の評価はさほどでもなかった。
理由として登場当時は、以下のような「分かりやすい超絶パワーカード」が時を同じく誕生しており、それにて影が薄かった部分もある。
これらのカードが規制された後に本格的な注目を集め始め、評価と価格が上昇し一時期は数千円の値段で取引されたこともある。
現在は再録もされ、Lモンスターを使用しないデッキの進出による多様化もあり価格は落ち着いている。

また、グッドスマイルカンパニーよりMODEROID(プラモ)として2025年5月に発売が予定されている。



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最終更新:2025年03月06日 14:09