登録日:2024/06/09 Sun 12:07:45
更新日:2025/05/16 Fri 08:26:59
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トポロジック・ガンブラー・ドラゴン
リンク・効果モンスター(
禁止カード)
リンク4/
闇属性/
サイバース族/攻3000
【リンクマーカー:上/左/右/下】
効果モンスター2体以上
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、このカード以外のモンスターがリンクモンスターのリンク先に特殊召喚された場合に発動する。
自分は手札を任意の枚数ランダムに捨てる(最大2枚)。
その後、捨てた数だけ相手は手札を選んで捨てる。
(2):このカードがEXリンク状態の場合に発動できる。
相手は手札を2枚まで可能な限り選んで捨てる。
この効果で相手の手札が0枚になった場合、さらに相手に3000ダメージを与える。
《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》とは、「COLLECTORS PACK 2018」に収録された
遊戯王OCGのモンスターである。
概要
召喚条件は「効果モンスター2体」。
トークン不可を除けば非常に緩い縛りになる。
(1)はリンク先にモンスターが特殊召喚された場合に、互いに手札を2枚捨てる「強制」誘発効果。
自分は「ランダム」かつ相手は「選んで」捨てるため、相手の墓地利用を手助けする恐れがある。
そもそもモンスターの展開をした後の効果なため、
手札誘発対策には成りえない。
しかしこの難点が霞む程には、緩い条件かつ2枚ハンデス効果が強力なこと変わりはない。
現にこのカードは、この(1)効果が高く評価されている(後述)。
(2)はEXリンク達成時のハンデス&バーンを発生させる起動効果。
こちらは相手にのみ捨てさせる効果になる。
ただし強制効果の(1)効果を発動したターンには発動できない制約があるため、EXリンクの終着点にする以外ではL召喚したターンに発動できない。
そもそも「EXリンクを達成した自分のターン」という条件の時点で、相手が抵抗できていない分オーバーキルになりやすい。
活用法
このカードの主要な使い方。
それは「自分ターン→相手ターンで(1)効果を連続発動し
4ハンデスを仕掛ける」となる。
相手ターンであっても、誘発効果なので「リンク先に特殊召喚され」れば効果は発動できる。
これは例えば汎用性が高い《
リンクリボー》の自己蘇生で簡単に満たせる。
いくら「捨てるカードの
選択権が相手にある」といっても、その枚数が4枚になればそれば「壊滅的な被害」になる。
それでも相手の手札が2枚残るが、別途ハンデスや
制圧効果モンスターを立たせておくことで完全封殺となる。
逆にそれに失敗し、残った手札2枚からなる反撃を止められず逆転負けになった試合もあるそうな。
無論、この方法は自分も手札を4枚失わないといけない。
そのため、この運用は最低でも
「手札を4枚握りつつ《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》とトリガー役のモンスターを出せる」デッキで初めて使用できる。
そしてこの条件は、10期以降の展開デッキであれば決して難しい条件ではない。
現在に至るまでの「モンスターを特殊召喚して大型モンスターを出す」デッキでは、相手の致命的妨害を貰わない限り
手札1~2枚の消費で最終盤面を完成させる「1枚始動(あるいは2枚始動)」要素が珍しくなくなっている。
まして当時は《
水晶機巧-ハリファイバー》がまだ使用できる時代だったため、このカードも実質リンク2の軽さでL召喚できた。
以下にこのカードを最大限活動できていたデッキを記載する。
剛鬼モンスターのサーチ効果により、手札を減らさずにモンスターを展開することが可能。
さらに自己サルベージ効果を持つ《
神剣ーフェニックスブレード》もあるため、トロイメアLモンスターの手札コストも解決しドローで手札を増やせる。
この利点を生かした【剛鬼トロイメア】にて、余った手札を生かしたハンデス妨害を発揮できる。
2019年後半に《SPYRAL-ジーニアス》《SPYRAL RESORT》が立て続けに
準制限カードに緩和され、展開能力が一部復旧したことにより、本デッキでも姿を見せる。
潤沢にカード・アドバンテージを稼ぐ本デッキでは《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》の使用条件は簡単に満たせる。
相手ターンの特殊召喚手段も《SPYRAL MISSION-救出》の蘇生効果が該当し、《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》の4枚ハンデスが可能。
後は《トライゲート・ウィザード》の発動無効と《SPYRAL-ボルテックス》のフリーチェーン破壊で、逆転の芽を摘めば勝利となる。
相手の手の内を事前に潰して任務遂行と書けば、とても優秀な働きと言えるだろう。
優秀すぎてスパイアクション物語としては盛り上がらなさそうだけど
高い展開力を持つのみならず手札の枚数を多く保つことも得意としている。
【未界域】の
ババ抜き効果にはドロー効果もある上、手札から捨てられても固有効果を発動できる。
守護竜を中心とした、
ドラゴン族モンスターの大量展開を得意とするデッキ。
名前に反して《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》はサイバース族のため種族サポートを受けられない
(守護竜LモンスターがいるとそもそもL召喚できず、また《守護竜アガーペイン》でEXデッキから特殊召喚できない)ことから、一見相性は悪く見える。
守護竜Lモンスターは効果使用後に適宜処分し、《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》L召喚の枠を確保。
さらに《混源龍レヴィオニア》を併用することで、先攻1ターン目で3枚ハンデスを容易に達成可能。
さらにさらに相手ターンに《
天球の聖刻印》の効果を(1)→(2)と使用して《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》の(1)効果を誘発させれば計5枚ハンデスができる。
そして禁止へ…
この様に「大量展開を得意とするデッキ」のメインウェポンとして広がりを見せてしまった《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》。
性質上EXデッキに入るモンスターのため、素引きしないと使えない「
ハンデス三種の神器」と異なり、余程の事故や妨害がなければ安定して運用することができたのもまずかった。
「相手に4ハンデスを強いらせ、相手の抵抗手段を奪う」というゲーム進行を、高い確率で成立してしまうのだから。
この活躍を公式からも危険視されたのか、あえなく登場からおよそ1年半後にあたる2020年1月付で禁止カードに指定されてしまった。
制限解除の可能性については、
多くのプレイヤーから絶望視されている。
高Lモンスターの召喚を補助する《
水晶機巧-ハリファイバー》の禁止は大きなマイナス点ではあるが、
ただでさえハンデス効果の調整が困難なことに加え、「先攻制圧」という不健全な用途に限定されているところも大きい。
さらには禁止化以降もインフレは着々と進み、「1~2枚始動」デッキは多数登場してしまう。
つまり素材縛りや運用条件も相まって
「《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》が様々なデッキで使用できる汎用パワーカード」という地位が確固たるものになっている。
一方的な先攻全ハンデス合戦が横行するばかりか、下手をすれば「制約でL召喚ができないデッキ」の価値をも下げかねない。
そういう具合で、大きな弱体化を伴うエラッタでもされない限りシャバの空気を吸うことは絶対に無い永世禁止カードと言えるだろう。
アニメでの扱い
トポロジック・ガンブラー・ドラゴン (アニメ版効果)
リンク・効果モンスター
リンク4/
闇属性/
サイバース族/攻3000
【リンクマーカー:上/左/右/下】
効果モンスター2体以上
(1):自分の手札があり、このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で
このカード以外のモンスターがリンクモンスターのリンク先に特殊召喚された場合に発動する。
お互いの手札を全て破壊する。
(2):1ターンに1度、相手の手札があり、このカードがEXリンク状態の場合に発動できる。
相手の手札を全て破壊し、相手に3000ダメージを与える。
この効果は無効化されない。
(3):EXリンク状態のこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドのリンクモンスターは効果では破壊されない。
ハンデス効果については、以下の差異がある。
- リンク先に1回特殊召喚するだけで「先攻1ターン目から能動的に」全ハンデスが可能
- 自分の手札が最低1枚あればよいため、事前に魔法罠カードを伏せるなどして自分の被害を低減できる
- ハンデスの方法が「破壊」なので、《ベビケラサウルス》【炎王】等と組み合わせアドバンテージ差をつけダメ押しも完備
初登場はスピードデュエル「Playmaker vs リボルバー(3戦目)」。
父の命と引き換えにリボルバーがStorm Accessで入手し、《チョバムアーマー・ドラゴン》とリンク3の《マズルフラッシュ・ドラゴン》を素材にL召喚される。
直後に《ドロップドラコ》をリンク先に特殊召喚することでハンデスを行い、《ドロップドラコ》の効果でお互いに900ダメージを受け引き分けになる。
その後、仕切り直しのマスターデュエル「Playmaker vs リボルバー(4戦目)」でも再登場。
《リンク・デス・ターレット》による展開でEXリンクを完成させ、(2)の効果で止めを刺す予定が
Playmakerの「ダメージ量を減らす」《ドロップフレーム・ウェッジ》によって耐えられてしまう。
その後もハンデス効果を《迷惑な鎧》の効果トリガーに利用されるなど、微妙に微妙な扱いとなっていた
(ただしPlaymakerの《
聖なるバリア −ミラーフォース−》を
パクった反撃を阻止したり、コンジェスタートークンを戦闘破壊するなど要所で活躍はしている)。
実は初登場したデュエルでは、「このカードを使用することなく(=父を犠牲にすることなく)リボルバーはデュエルに勝利できていた」という致命的なミスがある。
その鍵となるのが、アニメオリジナルカードの《ドロップドラコ》。
効果モンスター
星5/闇属性/ドラゴン族/攻 1000/守 2200
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにリンク3以上のモンスターが存在する場合、このカードは手札から守備表示で特殊召喚できる。
(2):自分・相手の手札・デッキ・フィールドからカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
その墓地へ送られたカードの数×300ダメージをお互いのプレイヤーに与える。
まず、問題のターン開始時点のお互いの状況はこちら。
Playmaker
手札:0枚
LP:400
フィールド:相互リンクしている《トランスコード・トーカー》《デコード・トーカー》
リボルバー
手札:《ドロップドラコ》《リンク・リカバリー》(《マズルフラッシュ・ドラゴン》を蘇生できる魔法カード。ただし相手に1枚ドローさせ、バトルフェイズを行えない)
ライフ:850
フィールド:《チョバムアーマー・ドラゴン》
つまり、以下の手順でリボルバーは勝利ができた。
- Storm Accessをせずに《リンク・リカバリー》で《マズルフラッシュ・ドラゴン》を蘇生、それにより《ドロップドラコ》を手札から特殊召喚
- 《チョバムアーマー・ドラゴン》と《マズルフラッシュ・ドラゴン》を素材にして《トポロジック・ボマー・ドラゴン》をL召喚
(《マズルフラッシュ・ドラゴン》のリンク先が「空いているEXゾーン」を指していた場合、《トランスコード・トーカー》のリンク先にL召喚)
- そのL召喚(正確には素材モンスターの墓地行き)をトリガーに《ドロップドラコ》の(2)効果を発動。
すると600ダメージがお互いに発生し、Playmakerのライフは0になりリボルバーが250を残して生き残る
少なくともPlaymaker vs リボルバーの3戦目→4戦目は、デッキ編成変更の暇もなく行われ、
その4戦目で《トポロジック・ボマー・ドラゴン》《トポロジック・ガンブラー・ドラゴン》両方が登場している。
つまり3戦目の時点で《トポロジック・ボマー・ドラゴン》もEXデッキにいることが確定しており、このキルルートも可能であった。
メタ的には引き分けにするためだけの出番であった《ドロップドラコ》だが、効果とシナリオを照らし合わせると(1)(2)共に効果発動条件範囲が不自然に広い。
このことから「リボルバーがミスを犯した」ことは、意図的なものだった可能性はある。
その場合の理由付けは、さしずめ「Storm Accessを成功させたPlaymakerへの対抗心で冷静な判断を失っていた」といったところか?
追記修正は腕をも切り裂く嵐の中でお願いします。
- 弱体化エラッタしようとするとトポロジックらしさが薄れるのがなぁ -- 名無しさん (2024-06-09 14:57:19)
- ↑何なら今の効果の時点で「全て排除する」ではない分トポロジックらしさが無くなってるからね。 -- 名無しさん (2024-06-09 19:03:02)
- 鳴き声がなぜかウルトラマンAの変身音というよくわからんやつ -- 名無しさん (2024-06-09 21:38:11)
- ランダムハンデスじゃないからそんなに強くはないとはいえ2枚はな -- 名無しさん (2024-06-10 06:50:58)
- アニメでやばいと思ってカード化してやばいと思って禁止されてそりゃそうだろうと思った。そんなカード -- 名無しさん (2024-06-10 12:33:54)
- アニメの活躍に惚れて試行錯誤でデッキを組み上げてショップ大会へ行きハンデスしたカードがインフェルニティだった時の絶望は今でも忘れない -- 名無しさん (2024-06-11 13:08:30)
- となりのトポロ -- 名無しさん (2024-06-11 23:33:42)
- 性質上先攻1ターン目限定かつ2回効果使って4ハンまでしないとほぼ使えないデザインにした時点で完全に詰んでる。自分のターン限定ならそこまでだったかもしれないけど。 -- 名無しさん (2024-12-04 08:02:01)
- L召喚状態+フィールド1回限定なら釈放されるだろうけど、先行制圧の補助にしかならない悲しみ。 -- 名無しさん (2025-05-08 13:37:43)
- 今ならティアラがいるからそんなに強くない?あとは墓地は第二の手札だから強くなくねという声もある(正しいかはさておき) -- 名無しさん (2025-05-16 08:26:59)
最終更新:2025年05月16日 08:26