水晶機巧-ハリファイバー

登録日:2018/06/14 Thu 22:18:22
更新日:2025/05/10 Sat 23:14:42NEW!
所要時間:約 21 分で読めます




水晶機巧(クリストロン)-ハリファイバー》とは遊戯王OCGに存在するモンスターである。
Lモンスターであり、【水晶機巧】のカテゴリに属するカードの1つ。



【概要】

2017年10月改訂後のSPYRAL1強環境の中発売された「LINK VRAINS PACK」に収録された。
このパックはアニメとは関係なく過去のいくつかのテーマに新規のLモンスターが作られた。
新ルールに対応しにくくてエクストラの展開が難しかったテーマが救済された一方、素材縛りが緩く汎用性がありすぎる上にカードパワーが高すぎたために環境を更に高速化させたという面も持つ問題児満載のパック。
聖騎士の追想 イゾルデ》《アロマセラフィ-ジャスミン》《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》など素材縛りの緩さからテーマの名前を持ちながら各地で出張し暴れまわるカードを多数輩出したが、《水晶機巧-ハリファイバー》はその中でも代表格とも言える存在。
Lモンスターそのものの特殊召喚条件の緩さもあり環境は青一色となった。
では効果を見てみよう。


【カードの効果】

水晶機巧(クリストロン)-ハリファイバー
リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
 
リンク2/水属性/機械族/攻1500
チューナーを含むモンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
手札・デッキからレベル3以下のチューナー1体を守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。
(2):相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにフィールドのこのカードを除外して発動できる。
EXデッキからSモンスターのチューナー1体をS召喚扱いで特殊召喚する。


素材や効果が「水晶機巧」と何の関係もない効果となっているがこれはS召喚救済の目的で作られた面もあるからだと思われる。
事実このカードの登場後アクセルシンクロや相手ターンシンクロが狙いやすくなった。
また効果やリンクマーカーの性質上、新マスタールール導入後難しかったSモンスターを複数並べる行為もやりやすくなった。
カテゴリーの名前を持っている割にはカテゴリーに関する効果を持たず汎用性がやたら高いのは上記の《聖騎士の追想 イゾルデ》《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》にも言えることではある。

【解説】

◆L素材について

L素材にチューナーを含むことを要求するこれまでのLモンスターの中では少し変わった指定。
水晶機巧のカテゴリーがシンクロ主体である事やS召喚のサポートカードと言う面があるためこういった指定になったと思われる。
S召喚のような指定ではあるがチューナー同士でも良くレベルを合わせる必要がなくレベルを持たないXモンスターやLモンスターも使えるのでS召喚より遥かに緩い。
素引きした《グローアップ・バルブ》で《リンクリボー》を経由すれば1枚でL召喚することが可能で、《ジェット・シンクロン》でも蘇生効果使用時に手札コストを使う必要があるものの似たような動きが可能。
ジャンク・シンクロン》などの釣り上げ効果をもつモンスターを使うことで1枚でL召喚が可能。
これらのカードを使わずとも汎用手札誘発モンスターはチューナーが多く、非チューナーを特殊召喚してチューナーと共に2体並べるだけでもいい。
そのため特殊召喚条件は非常に緩い上に軽いと言える。


◆(1)の効果

(1)の効果はL召喚成功時に手札かデッキからレベル3以下のチューナーを守備表示で特殊召喚できる。
「水晶機巧」や「機械族」の縛りもないため非常に広い範囲からリクルートが可能。
ただし守備表示で特殊召喚されるため殴るのには使えず、特殊召喚したモンスターはそのターンは効果が発動できない。
しかしあくまでフィールド上で発動できないだけで、永続効果や墓地で発動する効果などはそのまま使える。
ついでに特殊召喚したモンスターは素材に使う分には何の制約もないためそのまま《水晶機巧-ハリファイバー》と新たなL召喚をすることも可能。
自己再生効果で1枚で実質的に素材2枚分になる《グローアップ・バルブ》やトークンを生成できる《幻獣機オライオン》《BF-隠れ蓑のスチーム》とは相性が良く連続L召喚をするのにうってつけ。
S召喚サポートのような体面を持つカードだがS召喚をしないデッキでもL召喚の中継点として使われていることは珍しくもなんともない状況である。
この場合(2)の効果のためのSモンスターすら入ってないこともある。

◆(2)の効果

(2)の効果は相手ターン限定で除外することでEXデッキからS召喚扱いでシンクロチューナーを特殊召喚できる。
ドロー効果やカードの破壊効果を持つカードを出したい。チェーン2以降で特殊召喚するとタイミングを逃すカードがある点には注意が必要。
シンクロチューナーは相手ターンにS召喚を行う効果を持つものもあるため、それらを使いS召喚し妨害しに行くことも可能。

【環境において】

素材縛りが緩く軽い割には非常に強力な効果を持っているという単体性能は脅威であり、瞬く間に必須カード扱いを受ける。
さらに、この後に登場した《サモン・ソーサレス》と組んで《ファイアウォール・ドラゴン》に繋ぎL召喚を連打してソリティアしまくる悪夢のような光景が日常的に行われていた。
トロイメアのLモンスターと絡めて先攻EXリンクなんてことも難しくはない。
ソリティアまでしないにしてもこれまで出すには重めだったリンク4かつモンスターを3体要求する《ヴァレルロード・ドラゴン》などもこのカードが1枚あれば特殊召喚が可能という無法っぷり。
緩い縛りと範囲が広いリクルート効果とがあいまって《水晶機巧-ハリファイバー》登場以後、リンク4以下は実質リンク2と大差ない状況となってしまい、素材のバランスが崩壊した。
結果としてS召喚のサポートというよりL召喚のサポートカードと言う面が強くなってしまったのは皮肉というかなんというか。

登場以後《サモン・ソーサレス》《幻獣機オライオン》の組み合わせでソリティアを繰り返して規制が危惧されるもしばらく無制限に居座り続ける状況が続いていたが、
《BF-隠れ蓑のスチーム》《ダンディライオン》《グローアップ・バルブ》など容易にL素材の水増しが可能なモンスターを噛ませる事で簡単に高位Lモンスターを出せる危険性、特に《ファイアウォール・ドラゴン》と組んだ凶悪な先攻ソリティア制圧コンボや即死コンボの横行に加担した事が決定打となり、遂に2019年1月1日に制限カードに指定された。

ついでとばかりに一緒に暴れていた《BF-隠れ蓑のスチーム》《ダンディライオン》《グローアップ・バルブ》も根こそぎ禁止カード指定という無期懲役判決が下された。
1枚あればソリティアできるためあまり意味が無いようにも見えるが、P召喚系のデッキなど2枚採用のデッキもあったためそれなりに影響を受けたデッキもある。

リンクソリティアを加速させたこいつや《サモン・ソーサレス》の反省からか近年は素材を増やす効果を持つLモンスターをそのままL召喚に転用されないような制約を持ったLモンスターが増えている。

なお1箱で2枚しか入っておらず、全部で5種類の内の1枚のウルトラレアでの収録のためシングルでの取引価格は高い。

◆制限後

登場前からすぐに禁止になるとを囁かれ、実際登場するやいなや禁止化されてもおかしくない勢いで暴れていたが、相性のいい関連カードが規制を受けてきたため規制こそ受けたものの制限に留まった。
同期の投獄され禁止カードになった《サモン・ソーサレス》と《トロイメア・ゴブリン》と比較しても決して勝るとも劣らぬ性能であるにも関わらずしぶとく禁止は免れた。

この頃になると多様な活用方法が考案され、数多のデッキに採用されていくようになる。
ガチ・カジュアル、環境・ファンデッキ、シンクロ・非シンクロ問わず非常に多数のデッキでの採用実績はこのカードの汎用性を物語っていると言える。
「強い」「壊れ」「必須カード」などと言われるカードは数あれど「インフラ」とまで称されたのはこいつと《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》ぐらいであろう。

また、プレイヤー間では上記のカードが禁止化された時も規制すらされず、されたと思えばほぼ無意味な制限止まりであることに物議を呼び起こし、その対応については様々な邪推憶測がされていた。
最高の相棒であった《リンクロス》が制限・禁止になった改定でも《水晶機巧-ハリファイバー》はスルー
つまりKONAMIは半年にも満たない新カードより、当時1年とかそんなレベルではない程に暴れ続けている存知の禁止級の問題児を優先したことになる。
やっぱりというか、ここまでくるとどうすれば禁止になるかという話題が《水晶機巧-ハリファイバー》を囲むのであった。
まぁ禁止にされたら相当数のデッキが路頭に迷うことになるのでそれはそれで困るといった意見も多い。往年のラバチェと同じである。


【相性のいいカード】

◆(1)の効果

デッキから呼ぶのに向いたチューナー。
特殊召喚されたターンはフィールド上で効果を発動できないデメリットが適用されるので、《ユニゾンビ》などを出しても効果は使えない。
1回フィールドから離れると関係が断たれるので、主に墓地で発動する効果を持ったチューナーが挙げられる。

フィールドから墓地へ送られた後も墓地効果で特殊召喚できるため、《水晶機巧-ハリファイバー》から呼び出せばリンク4までが確定する。
ヴァレルロードなどの3体要求するLモンスターも特殊召喚した《グローアップ・バルブ》を《リンクリボー》に変換してから自己再生させればモンスターを3体並べることができる。
L素材としても適している。
あまりにも相性が良すぎたためか2019年1月1日で禁止カードに指定され、その役割を下の《ジェット・シンクロン》に譲ることになった。

  • ジェット・シンクロン
基本的にできることは上記の《グローアップ・バルブ》と同じ。
自己再生に手札コストを要求されるので単純に使うには《グローアップ・バルブ》に劣るが《水晶機巧-ハリファイバー》と同じ機械族のため呼び出してすぐに《サモン・ソーサレス》をL召喚できる。
更に自己再生効果を使えば《サモン・ソーサレス》で機械族モンスターを特殊召喚することが可能になる。
2018年10月1日改訂で《サモン・ソーサレス》が禁止になり機械族である利点が大きく失われ、手札コストの影響もありグローアップ・《グローアップ・バルブ》に大きく穴を開けられた。
しかし次の2019年1月1日改訂で《グローアップ・バルブ》が禁止になり、手札コストが必要な事以外はほぼ同じことができるため多くのデッキでその役割を引き継ぐことになった。
《サモン・ソーサレス》の禁止後も機械族を素材に要求する《幻獣機アウローラドン》が出てきたため、《幻獣機オライオン》とシェアを二分する形となっている。

《サモン・ソーサレス》を使う場合によく使われる。
機械族なので《水晶機巧-ハリファイバー》とそのまま《サモン・ソーサレス》を展開し、墓地へ送られた後に発動するトークン生成効果で《サモン・ソーサレス》のリンク先に機械族を置く事ができる。
機械族を使わないデッキでも2枚目以降の《幻獣機オライオン》を呼び出せばよく、手札にダブっても召喚権を増やす効果もあると、出張パーツ適正が高い。
《サモン・ソーサレス》禁止後は《幻獣機アウローラドン》によりリクルートされるようになったため、こちらから呼び出される機会は少なくなっている。

やることは《幻獣機オライオン》に似ているがこちらは鳥獣族。
《水晶機巧-ハリファイバー》を意識して登場後のリミットレギュレーションにおいて制限カードに指定されたがピン刺しが主流なので正直な所【BF】以外には全く意味がない。
2019年1月1日にリンクソリティア規制の一環で《水晶機巧-ハリファイバー》及び関連パーツの規制に巻き込まれ禁止カードになってしまった。
《水晶機巧-ハリファイバー》の影響でBFのチューナーが2体葬られてしまったため【BF】にとっては厄病神的な存在。

汎用手札誘発の1枚。
《水晶機巧-ハリファイバー》で特殊召喚したモンスターの効果の発動を封じられるのは特殊召喚したターンのみなので相手ターンには普通に妨害として機能する。
《水晶機巧-ハリファイバー》をL素材として使わずシンクロチューナーに変えたい場合は妨害となるこのカードを特殊召喚することが多い。


◆(2)の効果

相手ターンにシンクロチューナーを呼ぶ効果。
S召喚扱いなので「S召喚に成功したときの効果」も蘇生も可能。
タイミングを逃さない効果が望ましいが、必ずしもそうである必要は無い。

S召喚成功時にフィールドの魔法か罠を破壊し、自身が破壊されると1ドローする1枚で2枚のアドバンテージを獲得できるレベル5シンクロチューナー。
自身も相手ターンでのS召喚効果も持つ。
魔法・罠の破壊効果とドロー効果は強制効果なのでタイミングを逃さないが、破壊効果は自分フィールドにしか魔法・罠カードがない場合自滅することがある点には注意。
アーティファクトーダグザ》登場後は、ダグザの効果でセットした《アーティファクトーデスサイズ》を相手ターンに破壊して特殊召喚しEXからの展開を封じつつ、そのまま自分は《フルール・ド・バロネス》をS召喚すると言うかなり嫌らしいコンボが成立した。
1度しか収録されたことがない事もあって高騰したが現在は再録され落ち着いている。

相手ターンにS召喚する効果を持つレベル2シンクロチューナー。
こちらのドロー効果はタイミングを逃す点には注意。

  • 水晶機巧-クオンダム
相手ターンにS召喚する効果をもつレベル4シンクロチューナー。
他の効果は出張ではまず使えない効果だがレベル4と言う点で差別化が可能。

《水晶機巧-ハリファイバー》で出せるモンスターの中では最高打点の2900を持つレベル8シンクロチューナー。
自分のLPを4000にする効果を持つが《フォーミュラ・シンクロン》同様にタイミングを逃す点には注意。

  • シューティング・ライザー・ドラゴン
《水晶機巧-ハリファイバー》が登場した後にVジャンプの付属で登場した、相手ターンにS召喚する効果を持つレベル7チューナー。
S召喚成功時にこのカードよりレベルの低いモンスターをデッキから墓地へ送ることが可能でその分レベルが下がる。
ただし墓地へ送ったモンスターはそのターン効果を使えないが、《水晶機巧-ハリファイバー》の場合相手ターンに《グローアップ・バルブ》や《BF-精鋭のゼピュロス》を墓地へ送ることで自分のターンに使う事が可能。
正直《水晶機巧-ハリファイバー》に露骨に噛み合わせるために作られたとしか思えない。


◆《水晶機巧-ハリファイバー》自身を出すのに相性が良いカードたち

自己特殊召喚効果や吊り上げ効果を持ったチューナーは元より数多く、
「S素材にできない」「特定モンスターのS素材にしかできない」縛りを無視でき、チューナー2体でも出せるので選択肢は幅広い。っていうか広すぎる。


場にモンスターがいなければ特殊召喚が可能でこれ1枚でトークン1個のお釣り付きで《水晶機巧-ハリファイバー》を出せる。
召喚権すら使わないので仮にこのカードが妨害を受けても他のギミックを動かすことが出来る。
《水晶機巧-ハリファイバー》の登場でカードパワーが跳ね上がりすぎたせいか2018年4月改訂で禁止カードになった。

下準備無しに1枚でチューナーともう1体のモンスターを用意できるカード、及びそれらに直接アクセス、もしくはそれらを疑似的に再現できるカード群。
《水晶機巧-ハリファイバー》を出さずに普通にシンクロしたり、他のカードをサーチやリクルートしてもいい。
この中で1番汎用性の高い終末の騎士だけは制限なので注意。

この他にもいっぱいいる釣り上げモンスター。
自身がチューナーならモンスターを釣り上げた時点で《水晶機巧-ハリファイバー》になれるが非チューナーの場合チューナーを釣り上げる必要がある。
とはいえ釣り上げの範囲が広いモンスターなら汎用手札誘発にはチューナーが多いので何とかなる事も多い。

  • 転生炎獣アルミラージ
この他にもいっぱいいるリンク1モンスター。
これらを経由すればフィールドに出したモンスターを速やかに墓地へ送ることが可能。
墓地へ送られた場合にサーチ・リクルートできたり自己再生できるモンスターと組み合わせることにより、《ジェット・シンクロン》や《クリッター》といった下級モンスターも始点となって《水晶機巧-ハリファイバー》になれる。

  • 手札誘発チューナー
エフェクト・ヴェーラー》を始め最近人気の《灰流うらら》等、
ただただ単純に汎用性が高くほぼあらゆるデッキに投入できるチューナー。
リクルート先の水増しに使え、極端な場合は適当に特殊召喚したモンスターと通常召喚したこれらとで《水晶機巧-ハリファイバー》をL召喚できる。
そうしたデッキはシンクロ軸でないため、ヴェーラーを蘇生できる《神聖魔皇后セレーネ》などを経て《アクセスコード・トーカー》という流れになることが多い。


◆《水晶機巧-ハリファイバー》から出すのに相性が良いカードたち

《水晶機巧-ハリファイバー》自身が「リクルート効果を持つリンク2モンスター」と言う事で単純にリンク3に繋げやすく、連れてくるチューナー次第では素材縛りもクリア出来る。

  • サモン・ソーサレス
悪友口さがない決闘者からは愛人とも言われる。
機械族チューナー引っ張ってこれば出せる上、上記の《幻獣機オライオン》を使えばトークンも生えてくるためリクルート効果も誘発すると言う凄まじい噛み合わせを見せる。
LINK VRAINS PACK発売後の環境におけるテンプレ展開として《水晶機巧-ハリファイバー》と共に暴れ回ったためLモンスター初の禁止指定を受ける。

  • 幻獣機アウローラドン
LINK VRAINS PACK3で登場した後輩その1。
こちらも機械族チューナーを引っ張ってこれば素材縛りをクリアできる。
発動後はL召喚出来なくなるが☆3の幻獣機トークンを3体も生み出せる。《水晶機巧-ハリファイバー》で引っ張ってきたチューナーが《ジェット・シンクロン》や《ブンボーグ001》なら自己再生からそのままシンクロ出来る。
幻獣機を2体リリースすれば幻獣機をリクルート出来るので自身+トークンで幻獣機チューナーをリクルートしつつ低攻撃力の自身を逃がせる。墓地に行った後も《ヴァレルロード・S・ドラゴン》の装備カードとしての使い道がある。
この組み合わせは「ハリラドン」としてLINK VRAINS PACK3発売以降におけるシンクロギミックの定番として定着している。
もはやハリラドンを決めるためだけに全力を注いだデッキすらも誕生した。
ちなみに《水晶機巧-ハリファイバー》を使わない場合の1枚ルートとしては、
デスガイドNS→クリッターSS→警衛バリケイドベルグSS→クリッターの効果でワンショット・ブースターをサーチしてあちらの条件でSS→アウローラドンSS
というものがある。

  • 神聖魔皇后セレーネ
LINK VRAINS PACK3で登場した後輩その2にして愛人その2とも
素材に魔法使い族モンスターを含めた2体以上を要求するが《エフェクト・ヴェーラー》などの魔法使い族チューナーでクリア出来る。
素材にした魔法使い族チューナーを蘇生して《アクセスコード・トーカー》などのリンク4に繋げる中継役。
効果の都合上、場と墓地に魔法カードが3枚以上存在する必要があるので【閃刀姫】などの魔法カードを多用するデッキでよく使われる。

  • ギガンティック・スプライト
スプライトに属するランク2Xモンスター
一見するとレベルを持たない《水晶機巧-ハリファイバー》とはなんの関係もない様に見えるが、実はリンク2モンスターをレベル2モンスター扱いとして自身のX召喚の素材に出来るため、《水晶機巧-ハリファイバー》からレベル2チューナーをリクルートすれば出せてしまう。
そのままリクルート効果を発動してレベル2・ランク2・リンク2に特化した【スプライト】の展開に繋げられるだけでなく、
融合・シンクロ・エクシーズ・リンクのいずれかを素材に持っていれば元々の攻撃力が倍化して3200の《青眼の白龍》ラインを超えたアタッカーにもなれるため、リクルート効果を使わなければ《ダウナード・マジシャン》を経由して素材4つの《天霆號アーゼウス》も出せる。
遂にエクシーズにまで手を伸ばしたか。


◆最高の相棒

リンクロス
リンク1/光属性/サイバース族/攻 900
【リンクマーカー:下】
リンク2以上のリンクモンスター1体
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
そのリンク素材としたリンクモンスターのリンクマーカーの数まで、
自分フィールドに「リンクトークン」(サイバース族・光・星1・攻/守0)を特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「リンクトークン」をリンク素材にできない。

10期終盤に現れた、リンク2以上のモンスター1体を素材に要求するリンク1。
L召喚時に素材にしたLモンスターのリンクマーカーの数までリンクトークンを生み出す。
このターン、リンクトークンをL素材に出来なくなる*1が、それ以外の召喚やコストなどに使う分には何の問題もない。
そして《水晶機巧-ハリファイバー》は(1)の効果でチューナーをリクルートする。

…そう、10期終盤にてS召喚はチューナーを引っ張ってくるLモンスターの《水晶機巧-ハリファイバー》とLモンスターをS素材に変換する《リンクロス》と言う最高のコンビによって更なる加速を見せたのである。

普通に《水晶機巧-ハリファイバー》で引っ張ってきたチューナー+リンクトークン×2の組み合わせだけで☆3〜6*2のSモンスターが呼べる上に、トークンを生む《幻獣機オライオン》とS召喚時にチューナーを釣り上げる《武力の軍奏》と組ませるだけでも5体もモンスターが並んだりと更なる展開が可能となる。
更に《リンクロス》自身にはL素材に出来ないなどの制約はないのでリンクトークンを他のモンスターに変換してしまえば普通に更なる高リンクへの素材に出来る。
ソリティア御用達の《星杯の神子イヴ》に繋げたり、《虹光の宣告者》で儀式モンスターや魔法をサーチしつつ《シューティング・ライザー・ドラゴン》で落とした儀式魔人をコストに儀式召喚をしたりと最早書ききれないレベルで出来る事が増えた。
このコンビによってEXデッキからの召喚制限と召喚制限もなくレベル合わせの必要もない手軽なL召喚の登場で下火となっていたS召喚が完全に息を吹き返したとまで言われるレベルの活躍を見せ、10期終盤の環境デッキにおける鉄板コンボとして大会環境を駆け巡っていた。

Sモンスターの召喚制限がある中でもこれだけ暴れており、このままルール改訂で召喚制限が緩和されれば更なる暴走をするのは火を見るよりも明らかな為か、《リンクロス》は2020/4/1に制限カードへ、3ヶ月後の7/1には遂に禁止となった。
制限になって以降は新型ウィルスの影響で大会などのイベントがほとんど開催されてない中での予定通り異例の禁止指定であった。*3
誰がどう見てもヤバい性能持ってたのにノーマルでの収録ってそういうことじゃ…


【《水晶機巧-ハリファイバー》1枚からできること】

  • 構築にもよるが機械族チューナーから《幻獣機アウローラドン》を出し、レベル4~12までのS召喚。
  • 同じく《幻獣機アウローラドン》からランク1・4~9までのX召喚。
  • あらゆるリンク3モンスターのL召喚。特に縛りがない場合は《幻獣機オライオン》や《神聖魔皇后セレーネ》等でリンク4も。
  • 《天威の龍拳聖》による対象を取らない破壊。
  • ストライカー・ドラゴン》から【ドラゴンリンク】の展開。
  • 《グローアップ・ブルーム》による上級アンデット族モンスターのサーチ。《アンデットワールド》発動下ならリクルート。
  • 王神鳥シムルグ》によるあらゆる鳥獣族モンスターのリクルート。
  • 上記のS召喚のルートから《虹光の宣告者》による儀式カードのサーチ。
  • 水属性モンスターor機械族モンスターから《ユニオン・キャリアー》をL召喚し、なんらかのモンスターをデッキから装備。
    • ↑に《幻獣機オライオン》《リンク・スパイダー》《セキュア・ガードナー》を絡めることで、機械族orサイバース族or風属性or地属性の万能墓地送り。
etc…


【そして、遂に……】

シンクロデッキの潤滑油として、インフラ枠として落ち着いていた《水晶機巧-ハリファイバー》。
しかし、2022年7月1日の制限改定をもって遂に禁止カード行きが決定
融合インフラ枠だった《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》の後を追うように、自分も牢獄にぶち込まれることになってしまった。

遊戯王マスターデュエルではアナコンダと共に現役……だったのだが
なんとこちらでも2022年9月30日付で禁止カード行きが決定してしまった
ちなみに逆にヴェルテ・アナコンダは制限止まりになっている。

ヴェルテ・アナコンダ「ザマァ」
ハリファイバ―「ちくしょおおおおおお!」



【余談】

名前の由来は「玻璃」+「(繊維の)ファイバー」。玻璃はガラスのことも指すのでガラス繊維のことともとれ、
ガラス繊維が通信分野の光ファイバーケーブルで活用されていることを考えると、まさに「光差す道となれ!」ということなのだろう。結果的に自身の破滅の未来に繋がった事を考えると盛大な皮肉となってしまったが


海外でもそのやばさは認識していたためかTCGの《水晶機巧-ハリファイバー》収録は見送られていた。
その後TCGでもOCGから2年以上経った2020年3月に収録が決定…がTCGでもゴウフウは禁止になっているが《グローアップ・バルブ》は規制を受けていない。
一応TCGのレギュレーション発表はOCGとは異なり不定期なため、発売前に規制するという可能性もあったがそれもなく、果たしてTCGでの活躍はどうなるかと注目されていた。
結果、《水晶機巧-ハリファイバー》収録の1ヶ月後に《グローアップ・バルブ》と《BF-隠れ蓑のスチーム》、加えて《水晶機巧-ハリファイバー》をL召喚する為に使われていた《亡龍の戦慄-デストルドー》が禁止指定を受けた。
更に半年後には《ジェット・シンクロン》と《幻獣機オライオン》までも禁止となった。
OCG以上の巻き添え規制をやらかしておきながら何故か《水晶機巧-ハリファイバー》自身は無制限カードのままだったが、収録から約2年後の2022年5月に遂に制限カード化、2022年10月(OCGの3ヶ月後)に禁止カードとなった。
なお、《水晶機巧-ハリファイバー》と相性の良かった《星杯の神子イヴ》はTCGでは先んじて2020年1月の改定で禁止されており、TCGでは《星杯の神子イヴ》を用いたコンボは使用できなかった。


追記・修正はハリファイバーを3枚パックから当ててからでお願いします。

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最終更新:2025年05月10日 23:14

*1 《リンクロス》で出した物だけじゃなく、リンク・ディヴォーティの効果で生み出される同名のトークンも対象となる。巻き添えにされるディヴォーティは泣いていい。

*2 ☆3チューナーの《D・スコープン》は守備表示の時☆4になる永続効果を持っている。《水晶機巧-ハリファイバー》は「効果の発動」が出来なくさせるだけで永続効果は無効にしない。

*3 ちなみに禁止になるまでの期間は172日とEXデッキのモンスターの中では最速記録を更新。その内100日近くは新型ウィルスの影響でイベントが潰れていた為、大会環境と言う視点で見ると僅か2ヶ月程度しか使えなかったので実質的な最速禁止記録保持者と言う見方もある。