グローアップ・バルブ(遊戯王OCG)

登録日:2011/03/02 Wed 16:28:42
更新日:2025/02/22 Sat 08:56:01
所要時間:約 10 分で読めます





《グローアップ・バルブ》とは、遊戯王OCGに存在するカードの1つ。

《グローアップ・バルブ》
チューナー・効果モンスター
星1/地属性/植物族/攻 100/守 100
このカード名の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):このカードが墓地に存在する場合に発動できる。
自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送り、このカードを特殊召喚する。

【概要】

第7期2番目のパック「STARSTRIKE BLAST」で登場したチューナーである。

デュエル中1度だが、デッキトップを墓地に送りつつ墓地から特殊召喚できる。

……つまり、実質ノーコストの自己蘇生効果持ち
それどころか、運が良ければ墓地肥やしができることを考えると、この効果は事実上メリットである。

1度限りとはいえ、ぶっちゃけこの効果だけでもデッキに採用する価値がある。
同じく自己蘇生できるチューナーの《ゾンビキャリア》(星2/闇属性/アンデット族)との違いは以下。


①地属性
地属性☆4非チューナーとで、魔法を封殺する《ナチュル・ビースト》が呼べる。
また、エラッタ後の《ゴヨウ・ガーディアン》は地属性のチューナーを指定しているので、そちらの素材にもなる。

②植物族
《ローンファイア・ブロッサム》でデッキから連れてこられる。
また、植物族には《スポーア》や《薔薇の刻印》、《ブラック・ローズ・ドラゴン》などの墓地コストを必要とするカードが多く利用できる。
一度再生したら除外も痛くない。

③レベル1
レベルが低いおかげで非チューナーとのレベル調整が楽。
手軽にシンクロ召喚に繋げることができる。
《ワン・フォー・ワン》にも対応し、デッキから特殊召喚可能。


④実質コストなしの蘇生
自己再生+墓地肥やしは強力の一言。
《ゾンビキャリア》と併用すると、デッキトップに置いたカードを墓地に送るコンボ*1もできる

以上のように十分差別化は可能であり、 むしろ併用できるほど相性もいい

取り敢えずデッキに入れても腐ることが少なく、数少ない『どんなデッキでも活躍する』カードである。



だから!
あれほど!
チューナーに!

自己再生能力を持たせるなと言ったじゃないかぁぁぁあああ!!!


???「ヒャーッハッハッハ!《グローアップ・バルブ》ゥッ!?どうしてここにいる?《グローアップ・バルブ》ゥゥゥッ!!お前は死んだんだぞ?駄目じゃないかぁ!死んだヤツが出てきちゃあ!死んでなきゃぁぁぁ!!」


KONAMIは《ゾンビキャリア》から何を学んだのだろうか?

フィッシュボーグ・ガンナー》等の回数制限がない調整ミスの最強チューナーを除けば、
汎用性実用性共に間違いなく最強格のチューナーであろう。

デッキからランダムにカードを墓地に送る【ライトロード】にはぜひ入れておきたい。
特殊召喚モンスターの《カオス・ソーサラー》とも相性がよく、《アーカナイト・マジシャン》をシンクロ召喚できる。
適当なレベル7シンクロがいれば、このカードを蘇生して《クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン》や《ゴヨウ・キング》を作れる。

水晶機巧-ハリファイバー》とは何かと相性がよく、リクルートするチューナーとして手頃。また、召喚した《グローアップ・バルブ》を素材に《リンクリボー》をL召喚し、そのまま《グローアップ・バルブ》を自己蘇生させるだけでL召喚できる。


チューナーということに目が行きがちではあるが、ノーコスト蘇生なのでなどのリリース要員にすることもできる。

というか、《おろかな埋葬》のような墓地肥やしをはじめ、本当に様々なカードと相性がいいのだ。
ここには書き切れないほどなので、各自コンボを考え出してほしい。


なお、細かい点だが、デックトップの墓地送りは コストではなく効果
よって《マクロコスモス》や《M・HERO ダーク・ロウ》の効果が適用中でも発動可能。(その場合、デックトップは墓地に行かずに除外する)
しかしデッキに触る故《灰流うらら》には妨害されてしまうので気をつけよう。


さて、遊戯王の販売方法において優秀なカードのレアリティはほとんどがスーパーレア、シングルの価格が高騰するものである。

これだけ利点を挙げた最強のチューナーなのだ。
「このカードも例外ではなく、どうせ持ってる奴少ないんだろ?」と、諸兄はお考えだと思う。



しかし、よく聞いてくれ。



このカードのレアリティは、ノーマルなのだ。

これだけの性能を持ちながら1枚わずか数十円で買える。
そこだけはKONAMI GJ!
しかし海外ではその能力が評価されたのか、何とウルトラレアにまで格上げされている。
そのため海外版のは1枚約ウン千円ぐらいする。

その活躍っぷりからシンクロのプッシュがほぼされなかったエクシーズ時代においても、
氷結界の龍 トリシューラ》と並んでS召喚に残された最後の希望として扱われる程。

そして海外で《輪廻天狗》と共に【植物天狗】として暴れに暴れ、エクシーズの環境に押されたのもあり、
どんなデッキでも入りうるこのカードは2012年3月から遂に禁止カードとなった。

こうして、このカードはその役目を終えた……






……と思われたが、ARC-Vでの不遇だったシンクロの猛プッシュに合わせてか2015/10/1に制限復帰する事が決定。
ランク4環境でどこまで活躍できるかと思われたが、当時の環境トップだった【EMEm】および【EM竜剣士】にて
《ナチュル・ビースト》の素材として利用された。流石。

しかし、問題の本質はLv4エクシーズができるデッキならどんなモンスターをもサーチできてしまう万能墓地肥やしの《ラヴァルバル・チェイン》の方であり、そちらを身代わりにするような格好で2016/4/1に制限解除が決定した。
複数積んでくる確率を高めようにも、デュエル中に1度しか効果を使えないこのカードをデッキに複数枚積むメリットはほぼないため、妥当な措置だろう。


2017年にはリンクモンスターの《水晶機巧-ハリファイバー》が登場。
チューナー1体以上を含むモンスター2体でリンク召喚でき、レベル3以下のチューナーをリクルートできるため、
《グローアップ・バルブ》はL素材としても連れてくるチューナーとしても有用となった。







……L素材として有用とされ過ぎてしまった。
《水晶機巧-ハリファイバー》や《サモン・ソーサレス》のお手軽リクルートリンクモンスターと共に多くのデッキに入れられるようになり、それは《サモン・ソーサレス》が禁止カードとなった後も多くのデッキに顔を出していた。
古参最強チューナーの一角の名は伊達ではなく、《BF-朧影のゴウフウ》を筆頭に活躍するぶっ壊れチューナーに引けをとらない活躍っぷりを見せた。
そして……





2019/1/1
グローアップ・バルブ
二度目の禁止カード指定

こうして《グローアップ・バルブ》は再び表舞台から姿を消した。

よほどのインフレが進まない限りは弱体化エラッタなしの釈放は絶望的な一枚となってしまった……。


…しかし2023/4/1、 突如としてノーエラッタでの2度目の制限復帰が決定。
それほどインフレが進んでしまったのもあるだろうが、少し前から進めていたシンクロプッシュの流れもあると思われる。
更に環境には墓地のカードが動く度にそれに反応してX召喚する墓地メタテーマの【エクソシスター】が猛威を奮っているため、抑止力になると判断されているのかもしれない。
それでも《水晶機巧-ハリファイバー》が禁止になった2022/7/1からそれなりに経過した後での釈放であり、よほど警戒されていたのが窺える。


【アニメでの活躍】

アニメ版の効果は以下の通り。

このカードが自分のスタンバイフェイズ時に墓地に存在する場合、このカードのレベルを1つ上げる。
その後、このカードのレベルと同じ枚数のカードを自分のデッキから墓地へ送り、墓地に存在するこのカードを自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。

アニメ5D'sのWRGPのチームユニコーンとのデュエルで登場。
チームファイブディーズのセカンドホイーラーのアキが使用した。
ブラック・ローズ・ドラゴン》がS召喚された後に蘇生され、レベル・クライムトークン(OCGの星蝕トークン)と共に《スターダスト・ドラゴン》のS素材となった。
シグナーの竜2体が並び、観客と視聴者を沸かせてくれた。

墓地でレベルが上がるという珍しい効果があったが、使われることも説明される事もなく、レベル1のまま使用された。



追記・修正はデッキの1番上のカードを墓地に送りながらお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 遊戯王
  • 遊戯王5D's
  • 遊戯王ファイブディーズ
  • 遊戯王OCG
  • 星1
  • 地属性
  • 植物族
  • チューナー
  • 十六夜アキ
  • ハリファイバーの相棒
  • 墓地肥やし
  • 自己蘇生
  • 元禁止カード
  • STARSTRIKE BLAST
  • 攻撃力と守備力の数値が同じ
  • GP再録
最終更新:2025年02月22日 08:56

*1 狙ったカードを墓地に送る、ドローロックを解除するなど。