ウインバリアシオン(ウマ娘 プリティーダービー)

登録日:2025/03/08 Sat 11:11:30
更新日:2025/03/26 Wed 01:15:17
所要時間:約 13 分で読めるっす





やってみせるっす……! 努力は、必ず報われるんだから



ウイン(Win)バリアシオン(Variation)は、『ウマ娘 プリティーダービー』の登場キャラクター。
CV:月城日花

+ 目次

◆プロフィール


キャッチコピー:七転八起。何度負けてもその心は砕けない!
誕生日:4月10日
身長:159cm
体重:増量中
スリーサイズ:B76・W55・H80
靴のサイズ:左右ともに23.5㎝
学年:高等部
所属寮:栗東寮
得意なこと:スイカ割り、柔軟体操
苦手なこと:コンテンポラリーダンス、モデル歩き
耳のこと:クラシック音楽には反応しやすい
尻尾のこと:戸惑いはするけど、触られるのは嫌ではない
家族のこと:爪をケアする方法は、母親から教わった

ヒミツ:①慣れた場所なら目をつむっていても歩ける / ②しじみの身を残すのは許せない派


◆概要

ハーツクライ産駒初の重賞馬だが、同期の三冠馬オルフェーヴルの後塵を拝し続けた23戦4勝・2着7回*1のシルバーコレクター「ウインバリアシオン」をモチーフとしたウマ娘
2024年2月22日放送の3周年記念ぱかライブにて、そのオルフェーヴルらと共に発表された。なおクラブ馬主「ウイン」からは初のウマ娘化となる


モチーフ馬は鹿毛だが、史実の勝負服・メンコカラーを交えたと思われる赤髪になっている。鹿毛→赤髪はありがちな傾向だが、その中でも明確な「赤」。
耳ではなく髪の右前に羽飾りをつけており、モデル馬のメンコ耳部分と同じような赤白カラーの耳カバーを着用。
前から見るとウルフカットのような印象を与えるが、実際には後ろを赤黒のリボンで二つ結びにしている長髪。

名前の「バリアシオン(Variation)」がバレエ用語*2であるのを意識してか、バレエダンサーの父親を持つことを始めとして様々な部分でバレエ要素が強いキャラクター。
ライバルと切磋琢磨し、努力を重ねて舞台の「主役(プリンシパル)」となった父親の姿に強く憧れ、自分も同じように「主役(プリンシパル)」たる存在になりたい、という夢を持っている。
当初は父親を追ってバレエをやっていたが、手応えを得られず、そんな時に出会ったレースの熱狂を見てそちらに転向した。
バレエ経験者だけに今でも平衡感覚や体の柔らかさなどは人並み外れている。

性格は真面目で勤勉。
見た目や態度、口調に至るまで、どことなく中性的な印象を与えるが、ボーイッシュというほどではない。一人称は「あたし」
また、「~っす」という語尾も特徴だが、常時付けて話すわけではなく、
「タメ語」「~っす」「ちゃんとした敬語」のグラデーションもあり、ある程度砕けた言葉遣いとして使う傾向。

繰り返すが名前は「ウイン/バリアシオン」という区切りだが、本作での愛称は名前っぽい「シオン」でほぼ統一。
育成シナリオ内のファンの声援で「バリやん」と呼ぶ声も。

リンゴが大好きだが、好きすぎて崇拝の域に入っており、おいそれと食べることができない
実馬のウインバリアシオンはリンゴが大嫌いであり、それだけ聞くと何かの間違いのような設定に思えるが、
それに加えて実馬が奇しくもリンゴの名産地・青森で種牡馬入りしていることの合わせ技なのではないかと思われる。
リンゴほどではなくともヒミツを見る限り好物寄りと思われる「しじみ」も、青森は島根に次ぐ2位にあたる名産地である。


◆アプリ版において

性能

バ場 芝:A ダート:G
距離 短距離:G マイル:E 中距離:A 長距離:A
脚質 逃げ:G 先行:E 差し:A 追込:A
通常版育成ウマ娘は2024年12月10日に☆3「ドラマティック・チュチュ」として初実装。
4thアニバも徐々に近づき始めていた年末、思わぬタイミングで最大のライバルであるオルフェーヴルに先んじての登場となった。
また、12月のガチャはこの後、第3衣装グラスワンダー→正月ストイベ衣装のカツラギエース&ミスターシービーと続いたため、結果的に2024年最後の新規実装ウマ娘にもなっている。

適性としては綺麗な中長距離後方型。
距離面はどちらでもこなせるが、所持スキルは追込に特化しているため、基本的に追込での使用となる。

[ドラマティック・チュチュ]

プリンシパルとして、
舞台の中央に立つっす。…必ず。

画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[ドラマティック・チュチュ]ウインバリアシオン」勝負服
© Cygames・JRA

バレエ衣装をモチーフとしたデザインで、「ウイン軍団」の勝負服「黒縦縞白袖赤一本輪」のカラーリングを大体そのまま反映。
彼女の場合は本人も全体に同様のカラーリングを採用しているため、統一感が強い。
因みにシオン曰く、衣装のチュールレースは柔らかくてついつい触っていたくなるとのこと。

所持スキル

彼女らしさを色々と感じる内容。進化前のレアスキルのネーミング(「肉薄」はレアスキル側は初出)とか。
追込指定があるだけでコースや距離帯への依存がなく使いやすい速度スキルが揃っており、
コース特効要素はない反面、適性のある中長距離ならどこでも本来の力を発揮できるラインナップ。

ただその登場時期の性質上、大多数のトレーナーに同じ中長距離型・追込得意のオルフェーヴルが近々、更なる高性能で実装されるだろうと予想されることとなり、
実際に2025年2月の4thアニバで育成実装を果たしたオルフェの性能はトップを争える凄まじいものであったが、
シオンも単体で見れば実装時点の一線級の水準を満たすくらいの性能は間違いなく持っているので、そのあたりは誤解なきよう。
対人コンテンツでオルフェと同時採用というのも十分実戦的。

通常スキル:
まなざし、折れない心、影踏み、徹底マーク〇(覚醒Lv2)、推力十分(覚醒Lv4)

レアスキル:
(覚醒Lv3)肉薄(レース後半以降に追い抜こうとすると速度が上がる/追込)
グラン・ジュッテ(レース後半以降に追い抜こうとすると速度がすごく上がる/追込)

(覚醒Lv5)ネバーギブアップ(レース中盤のコーナーでしばらくの間速度が少し上がる)
邁進アン・レール(レース中盤のコーナーでしばらくの間少し前に出る、その後最終直線でわずかに前に出る)



悔しくても、妬ましくても、情けなくても…


それでも!…立ちたいんだ!


舞台の真ん中に!

画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[ドラマティック・チュチュ]ウインバリアシオン」固有スキル発動」
© Cygames・JRA

固有スキルは「鋭気のアレグロ」。
「レース中盤以降に追い抜くと終盤の最終直線に入ったとき少しの間速度が上がる、作戦が追込で中盤以降に3回以上追い抜くと少しの間ものすごく上がる」
という、得意の追込脚質を推奨した終盤速度用スキル。

効果が短めになる「少しの間」ではあるが、中盤~最終直線の期間で3回追い抜くという容易な条件で「ものすごく上がる」うえ、
発動タイミングも中長距離では安定して使いやすい最終直線開始時であり、シンプルな速度固有としてはトップクラスの性能。
しかも、最近では珍しいことに後半の効果が継承スキル版にも残るため、「少しの間わずかに上がる/上がる」として継承可能で、追込専用の継承要員としても価値がある。
……ただ、継承要員として育成する際には、一つ「大きな問題」があるのだが……。

悔しさで膝をつき涙を流しながらも、それでも諦めずにカーテンの隙間から覗く光り輝く先へと駆けていくその光景は、正にウインバリアシオンというウマ娘の心象風景を如実に現した固有演出といえる。

最も美しく、輝かしい存在に…なれたっすかね。

固有二つ名は「不屈のプリンシパル」。
条件は「皐月賞、日本ダービー、菊花賞、天皇賞(春)、宝塚記念(シニア級)、有馬記念(シニア級)を勝利し、基礎能力[根性]が1200以上になる」。
能力条件は登場時期を加味すれば難しいものではないが、見ての通りとにかくオルフェーヴルに勝てという内容。
後述するがウマ娘固有目標型のシナリオの場合、目標外出走が1つで済むのでガチ育成との両立も一応狙える一方、その割には異常に難度が高い条件になっている。
後の2025年4thアニバで追加されたレジェンズシナリオでは「ウマ娘固有の目標を使用するがシナリオ固有のライバル等は登場しない」ため、単に目標外出走1つ挟めば狙える難しくない条件となっている。

サポートカード

サポートカードが先行したオルフェとは逆に、2025年5月時点で未登場。

個別ストーリー

スカウトするウマ娘を探していたトレーナーは、ひたむきに一人トレーニングに励むシオンを見つける。
その姿になんとなく感じ入るものがあったトレーナーは咄嗟に応援の声を上げてしまい、それから直接話し、しばらく走りを見させてもらうことにした。
シオンは自分を見つけてくれる人がいたことを喜び、嬉々としてそれを受け入れる。

ところが、後日走りを見ていると、どうにも不自然で苦しそうな、集中を欠いた様子であった。
シオンに思い当たる原因があるか問い質し、肉体的な問題ではないことを確認する。

確かに、さっきまで記者も大勢居たし──オルフェーヴルも、帰っ……
あいつは関係ない!!

図星を突かれる名前が出てきて、シオンは思わず怒りの声を上げてしまう。
すぐに我に返り、非礼を詫びながら悲痛な表情で去っていってしまった。

……父さんの、ように……真っすぐ、歪みのない心で……走らなきゃ……!
……。考えない、ように……ううん、捨てないと。
これは……悪いもの、なんだから。

明らかに放っておけない様子であったもののすぐに見つけることができず、結局トレーナーとして体を鍛える朝のランニング中に偶然再会。
彼女が呟いた「悪いもの」という言葉とそれまでの言動。
何故かはともかく、オルフェーヴルを過剰に意識していることが何らかの原因であると推測するのは容易だった。

入学後に何度も挑んでは敗れた、「主役」の輝きの持ち主。
今となってはいつも彼女の存在が脳裏をよぎり、鬱屈とした感情が積もり、体を縛っていた。

父さんはプロのバレエダンサーで、ある演目で……仲間であり友人であるライバルと、主役の座を目指したんす。
『彼がいたから、辿り着けた』……父さんはよく、そう言ってました。
あたしは……それに、憧れたんすよ。
ライバルと切磋琢磨して、力を磨いて……そうして手に入れた、たった一つの主役の座。
……美しく、最も輝かしい存在。

なのに、あたしは……あたしの中には、ドロドロとした黒いものがあって……全然、綺麗じゃないんす。

オルフェーヴルを超えられるのかという絶望感、それ以上に、「こんな嫉妬にまみれた気持ち自体、憧れた存在には相応しくない」という自己嫌悪だった。

その気持ちを打ち明けたシオンに対して、それに向き合って立ち直ってもらうべく、
思い立ったトレーナーは、シオンと共にシオンの父親と面会し、シオンの見本と言える存在である彼から話を聞いた。

できるように努力してから、文句を言ったらどうだ? やりもしないで、愚痴を吐くな。

君こそ、こちらにケチをつける暇があるのなら、昨日の失敗を反省したらどうかな?

そこで語られたのは、彼のライバル関係は、娘がそれまで認識していたような美談めいたものではなく、
いつも対立し、表には出せないようなケンカも山程あった、バチバチのライバル関係だったということ。
「主役」の座を掴むため、感情に貴賤など付けている場合ではなく、負の感情でも何でも力に変えて全力で競い続けた──という話だった。

トレーナーの期待通り、負の感情に向き合うための後押しを貰うこととなり、
その言葉を受け止めながら学園に戻ったシオンは、その答えを形にすべく、もう一度トレーナーに自分の走りを見てもらう。

叫べ、シオン!全部──力にするんだ!

くそっ、くそ、くそくそくそ!!
オルフェーヴル……オルフェーヴルッッッ!!
嫌いだ! 大っっっ嫌いだ! 何が王だ! 誰が民だ!!
いつも、いつも、いつもいつも!! あたしを……見下すなぁッ!!

ぶっ飛ばしてやる! ぶち抜いてやる!!
あんたなんか……あんたなんか!!

負かしてやる!! 見下ろしてやる!!
その金ピカ、ぐちゃぐちゃにしてやる……!!
主役(プリンシパル)はっ!! ……あたしだぁあああああッ!!

ドス黒い憎悪を全力でぶち撒けた心の叫び(ハーツクライ)と共に駆け抜けた、そのタイムは上々のものだった。
直後、シオンはトレーナーに、自分と正式な契約を結んでくれるよう頼み込む。
真面目に努力していればいつか誰かが自分を見つけて、選んでくれるはずだ……そんな甘えた考えを払拭するために。

あたしが……貴方を、選びたいっす。あたしのために。
い……イヤ、とは、言わせないっす!
そのっ……さっきの走りも、見ててくれたっすよね!?

決意と共にまくし立てるが、最終的には気恥ずかしさに負けて黙り込み、いつもの謙虚さに戻ってしまう。
言うまでもなくトレーナーも、自分から申し出るくらいのつもりだったのだが、彼女の意思を尊重してそこは黙っておき、頼みを受け入れるのだった。


──そんな姿をどこまで見ていたのか。

…………。

あら、どうかしましたの? そんなに──愉快そうなお顔をなさって。

…………。……何。ほんの、些事だ。

(なんか民から突然ものすごい怨嗟の言葉をぶち撒けられて怖い余……)

育成シナリオ

全体を見渡しても珍しいほど、最初から最後まで「対オルフェーヴル」一本で描かれるシナリオとなっている。

当然ながら、三冠レースにはメチャクチャ強いオルフェーヴルが出走。
皐月賞時点でスピード・スタミナB(700弱)・レアスキル2つ・加速を含む有効スキルの数々・距離Sという、
ガチ育成でも追い抜くどころか追いつかせることすら難しい強さとなっている上、
日本ダービーや菊花賞ではこれが更に強化されるという悪夢のような光景を目の当たりにすることになる。
皐月賞は史実で走っていないので目標外なのだが、史実2着であるダービーと菊花賞はしっかり目標レース。必ずこれとやり合うことになる。
おまけにシオンは所持スキルが速度系で固まっていて自前の加速スキルが無いため、クラシック級時点では有効な加速スキルを仕込むのが運頼みになってくる。
ましてや、皐月賞から菊花賞まで対応するスキルの習得はかなり難しいだろう。

過去にもサクラローレルシナリオでのナリタブライアンや、シュヴァルグランシナリオでのドゥラメンテといった「難関」と呼ばれるライバルは存在したが、
シオンのシナリオにおけるオルフェーヴルは、上述の仕様も合わさってそれまでのライバルを大きく上回る強敵と言っても過言ではなく、
シオンを育成するトレーナー(プレイヤー)の頭を抱えさせることとなった。
さらに言えば、上述したブライアンとドゥラはあくまで目標外レースに登場するライバルであった。
シオンのこの仕様に、同じような境遇にあるというか実際重ね合わされているヴィルシーナのシナリオでのジェンティルドンナに実装前から戦々恐々とする者も。
しかもシオンが実装された4年目においては、追加のシナリオが全てウマ娘固有目標型シナリオであったために、
対人戦を見据えたガチ育成でも必然的にこのオルフェとやり合う必要があった。
前述したが、継承ウマ娘として育てる場合にはダービーや菊花賞で敗北すれば勝利ボーナスが減ってしまうため妥協できず、
だがスキル目当てで性能の劣るサポカを使えばガチ育成より更に厳しくなる……という非常に悩ましい要素になっていた(レジェンズシナリオならこの問題も解消)。

唯一の付け入る隙は、追込なので前が壁になってあっさり勝てる場合も割とあることなのだが、
追込脚質を得意とするのはシオンも同じなので、同様の状況で自分が下位に沈んでしまうこともあるのが悩みどころ。


クラシック戦線に挑んだシオンはファンからも少なくない支持を得るようになる。
だが、それはオルフェがこの世代の主役であるという世間の印象と己の実感を覆すものでもなかった。

そしてこの年の有馬記念。シオンはジャパンCでシニア級ウマ娘たちの壁の分厚さを実感し、自分が挑むにはまだ早いと見送る*3
一方のオルフェはクラシック級の身ながら、シオンも対戦した当代の主役の一人ブエナビスタを一蹴。
勝利を飾り、凱旋門賞挑戦を高らかに宣言し、オルフェは中山レース場を熱狂に染め上げた。
画面越しにそれを見ていたシオンは、初めて会った時に感じたように、彼女こそが生まれながらの主役(プリンシパル)なのだと思い知る。
努力すればいつかは届く──そう念じてトレーナーとの用事も取りやめ、自主トレーニングに逃避するが、脳裏から鮮烈な黄金の輝きを消し去ることはできず……。
+ 育成シナリオ終盤のネタバレ注意
これまで以上に思い悩みながらも次の目標・日経賞に向けて準備を重ねていたある日、シンパシーを感じ仲良くなっていたヴィルシーナの姿を見かける。
いつものようにジェンティルドンナに並走を申し込み、及ばないながらも必死に挑む姿を見たシオンは──

……
……──

(もう、頑張らないでくれよ)


すぐにそこから立ち去り、勝手に自分を重ねた挙げ句に、自分勝手極まる最低な感情を抱いてしまった自分に失望する。

あんな、こと……を。
…………思ったら、……終わりだろ。

他人を侮辱するだけでなく、自分自身の夢のためにも越えてはいけない一線。
それを必死で振り払おうと、立ち直るための言葉を紡ごうとするが、湧き上がるのはネガティブな感情だけで──

…………む、無理だ。

(……もう、いい。もう嫌だ)
(もう、受け入れさせてくれ)

あいつこそが、主役だ。
……あたしには、届かない。

そして、次の日のトレーナー室。

……あの。
『日経賞』で、レースを引退させてください。

完全に心が折れて引退を決意し、しかも解決策は見当たらず、呆気なくそのまま日経賞出走の時を迎えてしまう
引退どころでは済まない事態に陥ったり、レースどころではない問題で心が折れてしまうウマ娘などもいるが、
「強すぎるライバルに二度と敵わないと感じ、夢を諦める」という、競技者として至って真っ当な挫折は、ある意味ではこれまでの育成シナリオの中でも際立っている。

兆候はあったにもかかわらず、トレーナーと担当ウマ娘の距離感に悩んだ末に本人の意志を尊重したことが裏目に出てしまった判断を悔やむトレーナー。
だが当然諦められるはずもなく、一縷の望みを託して「最後にファン感謝祭でオルフェと走ってほしい」と頼む。
トレーナーへの恩義からシオンも渋々了承し、不躾なお願いにも意外とあっさり応じてくれたオルフェとレースをした結果、
かつて抱いた純粋な感情と共に諦めきれない気持ちが湧き上がったシオンは葛藤の末、引退を撤回。

……一方、その時の会話でシオンが引退しようとしていたのを知ったオルフェは機嫌を損ね*4直後の天皇賞(春)では大凡走してしまう*5ことに。
せっかく意を決したのにこのザマを見せつけられたシオンは、思わずオルフェに例の「ぐちゃぐちゃにしてやる」を直接言い放って宣戦布告。
宝塚記念ではしっかり手応えを得て、一度は格の違いを感じてしまった有馬記念を舞台にして正真正銘の「主役」になることを決意するのだった。


◆関連キャラクター

ライバル関係…というより、一方的にシオンがライバル視しているような関係性。
本作においては対等なライバルはもちろん、史実において力の差が大きかったライバル関係もポジティブに解釈して描かれることが多いが、
シオンとオルフェの関係性においては、シオンがオルフェに対してネガティブな感情を爆発させることが多いのが特徴的。

ただ、シオンがそのような態度を取るのは、オルフェのことをただ嫌っているからというわけではなく、
敵視している者から見てもなお眩しいオルフェの輝きや存在感が、シオンの目指す理想に限りなく近いからであり、
その点だけを見るならば、シオンはオルフェに対して強い「憧れ」や「敬意」を抱いているとも言える。
実際、出会ったばかりのころはオルフェと彼女の輝きに純粋に憧れていたが、彼女との力の差を見せつけられ続けたばかりか、
傲岸な態度を崩さず、容赦なく自分を見下してくるオルフェの言動から、徐々に彼女への憧れが憎しみに変わっていったことが語られている。
また、オルフェのことを日常生活でも注視しすぎた結果、彼女との関係性は決して良好とは言えないのに、
気難しいオルフェの日常生活における行動を推測したり機嫌の悪さを一目で判別できるほどにシオンは彼女の機微に詳しくなってしまい、
モブから「オルフェーヴルの理解者」呼ばわりされる始末。

一方のオルフェも、シオンに対しても当然尊大な態度で接しているため、彼女のことも有象無象と見做しているように見えて、
その言動の端々を取れば、とてつもなく分かりにくいがシオンのことを少なからず買っていることが窺え、
シオンの育成シナリオにおいても、かなり早い段階から、むしろ特別視しているのではないかというレベルで気にかけている。
そのため、二次創作では「シオンの自分へのネガティブな発言を偶然聞いてしまってショックを受けるオルフェ」なんてネタが描かれることも。

同室。
史実で同じ父を持ち、同期のスターの後塵を拝しつつ細く長い活躍をしたという境遇のみならず、
『ウマ娘』としては互いに中性的な見た目と言動、そして控えめな性格と、色んな意味で似た者同士の間柄。
ただ、体格面ではおひんば感漂うスレンダーボディーなシオンに対し、DKPIガッシリボディーなシュヴァルと、割と対照的である。
何かにつけてお互いどうぞどうぞと遠慮し合うのがいつもの流れだが、学年上もシオンが先輩となっているため、どちらかと言えば先輩らしい対応が多い。

  • ヴィルシーナ
態度のデカい同期の後塵を拝する(そして史実では三冠2着を連発した)者同士、
かつルームメイトの姉にして、史実世代も1つ下と、色々と繋がりが多いウマ娘。
そういった要素から頻繁に絡みがあり、育成シナリオの本筋にも前述のように少なからず関わっている。
史実での対戦経験はあるものの、ヴィルシーナ3歳時では路線が重ならないので育成シナリオ中での対決はない。

絡みは多めで、育成イベントではちょくちょく出てくる。時にはカノープスの仲間を引き連れてくることも。
誕生日会話も、オルフェと並ぶ2パターン目にネイチャが採用されている。

例によって主役になれない者同士だが、ウインバリアシオンの調教師=ナイスネイチャの主戦騎手・松永昌博という大きな繋がりがある。
シルコレではないネイチャが割とプッシュされているのはそのためだろう。

ウマ娘における「挑み続けたライバル」代表格。
しかし純粋にオペラオー大好きなドトウとは絡ませづらいのか、ヴィルシーナやネイチャのように出番は多くない。
そのあたりも加味してか、目標全クリア後(=シオンの感情も区切りがついた状態)のイベント「あいつがいたから」にて、
「ついに一矢報いたけど、それでも自分はオルフェの背を追う側のままな気がする」と言うシオンを、
追い続けるだけであっても、お互いを高め合うライバルでは居られる」と肯定する役として登場する。


◆余談

彼女のキャラクターソング「どこまで走れば」は、一見ではキャラソンとは思えないJ-POP感とそれを歌い上げる歌唱力、
一方でキャラソンとして見ればシオンの「どこまで走れば憧れに届くのか」という要素をこれ以上ないくらい表現した内容から評価が高い。
収録の「WINNING LIVE 22」は2024年10月16日と育成ウマ娘実装前に発売されているが、育成シナリオにも言うまでもなくハマる内容なのもあり、
アプリ版においてウマ娘ストーリーの「ぐちゃぐちゃにしてやる」を筆頭に何度もこの曲のインストがBGMとして使用されている。
キャラソンのBGM採用はシオンに限ったものではないが、要所では基本的にこれが流れてると言ってもいいくらい使用頻度が高い。

史実のエピソードとして、4歳時の2012年日経賞で「重賞入着なしの6歳・12番人気・単勝167.1倍」の大穴馬に逃げ切りを食らい、
1番人気ルーラーシップ(バリアシオンは2番人気)と並び2着に敗れたのは有名。
なにせ、その勝ち馬の名が「ネコパンチ*6という珍名極まるものだったためで……
ホームボイスにこれを拾った「猫って瞬発力すごいっすよね。あたし、昨日も猫パンチ食らって…全然避けれなかったっす…」というものがある。

実馬が現在過ごしている生産牧場の担当者が公式X(旧:Twitter)にて、シオン役の月城日花氏が「ぱかライブTV」やリアルイベント等に出演したことを、
ウインバリアシオンが人間の女に化けて◯◯していた」といったユニークな表現で何度か話題にしており、ファン間でも似たような言い回しが用いられていることが時々ある。


──いつか、いつかいつか必ずっ!!
この記事をあんたより追記・修正してやるーーーーーっ!

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  • 「ばかやろーっ!!」
最終更新:2025年03月26日 01:15

*1 それもGⅠ4回・GⅡ3回

*2 フランス語で、綴りを見てもわかるが元々の意味合いは英語の「バリエーション」と同じ。

*3 12月後半にレース出走制限がかかる

*4 その時の台詞だけだとシオンはまだ引退を考えているように見えるものだったため、(春天での会話はどちらともとれる内容だが)しばらく誤解が解けていなかった可能性もある。

*5 ゲーム上でも二番人気にすらならないくらい弱体化している。

*6 ちなみに現在は猫で有名な養老牧場であるノーザンレイクにて余生を過ごしている。尚、メイショウドトウも2021年からここで余生を過ごしている。