トランセンド(ウマ娘 プリティーダービー)

登録日:2024/04/21 Sun 22:01:13
更新日:2025/01/21 Tue 12:29:27
所要時間:約 19 分で読めるみたいだよん



画像出典:【ウマ娘 プリティーダービー】CM「オシャ娘」篇
© Cygames・JRA
さて、情報交換といこっか。
新作のお菓子でも食べながらさ


トランセンド(Transcend)とは『ウマ娘 プリティーダービー』の登場キャラクター。
CV:塚田悠衣

+ 目次

◆プロフィール

キャッチコピー:ゾクゾクしたい!未知を求める情報屋さん
誕生日:3月9日
身長:164cm
体重:機密事項
スリーサイズ:B86・W57・H84
靴のサイズ:左右ともに25.5cm
学年:高等部
所属寮:栗東寮
得意なこと:動画編集、箸づかい、あやとり
苦手なこと:予定調和、フーセンガム
耳のこと:地獄耳!
尻尾のこと:新作尻尾ケア用品の実験台にしがち
家族のこと:両親のSNSはあえてフォローしていない
ヒミツ:①栗東寮にらめっこ大会の優勝者*1
自己紹介:てワケで、よろしくね~トレちゃん♪ゾクゾクワクワクすること、いっしょに探しに行こーぜい

キャラクターソング:ZOKZOK

トレーナーへの呼び方:トレちゃん

「前へ行け」

追いつけなかった。
交わせなかった。
どれほどの圧力も
お前を脅かすことは
できなかった。

だから行け
東へ、西へ、砂漠の国へ。
その逃走と闘争を
私たちは見届けよう。
かなた後ろから見守ろう。

2017年URA「名ウマ娘の肖像」トランセンドより


◆概要

画像出典:【ウマ娘 プリティーダービー】CM「オシャ娘」篇
© Cygames・JRA

中央ダートGⅠを4勝、ドバイワールドカップで2着といった記録を持つ、2009年クラシック世代のダート強豪競走馬「トランセンド」号をモチーフとしたウマ娘
3rdアニバ直前の2024年2月22日のぱかライブにおいて、フリオーソやエスポワールシチーと共に発表された新たなダートウマ娘の1人。
前田幸治氏(ノースヒルズ)が馬主を務める競走馬としては初のウマ娘でもある*2

赤みがかった茶髪のおかっぱヘアーに、右耳には赤と黒のリボンを着用。
加えてビワハヤヒデゼンノロブロイイクノディクタスなどに続くメガネキャラ……ではあるものの、
前任たちと異なりコレは伊達メガネとのことで、度は入っていない飽くまでもファッション的なモノ。
なのでレース時などの所謂「本気」の際にはメガネオフモードになったりもする。
よく見るとイラストでも他のメガネウマ娘はメガネにレンズの反射表現があるが、それがないという違いがあったりする*3
そのためお決まりのメガネ着脱論争に対しても「メガネ好きとしてそのヒントに気付けなかった方が悪い」という声も

作中での呼び名は原則「トラン」と略す形。
非常に好奇心旺盛でサブカル大好き、新しいものにとにかく目が無い情報通のウマ娘。
コミュニケーション能力や話術にも優れ、あらゆる場所にひょっこり現れては周囲の第三者と気兼ねなく接し、その過程で情報を蓄積している。
その根底にあるのは「ゾクゾクする何か」を求める欲求であり、逆に型に嵌まった、予定調和な日常を嫌っている。

なので中央トレセン学園に在籍してはいるものの、実の所"走ることそのもの"はそんなに好きではないらしく、
レースにおいて実力あるライバルたちとの激闘、その先にある「イメージの先にある、誰が勝つかわからないようなゾクゾクするレース」を求めるがために走っているという面が強い。
上述した情報通の一面はそういったレース方面においても如何なく発揮されるため、
特に自身が後に挑むことになるダート戦線における実力あるライバルたちの情報収集・分析には余念が無い。

また、そういった点から交友関係も広く、檀家のおじいちゃんから北国の子供たち、怪しい裏町の闇商人などなど、全国各地の色んな人間と繋がりがある。
その手の活動の一環として地域のボランティア活動などにも定期的に参加しているため、周囲からの評判も上々。
かといって本当にヤバい何かに精通しているというわけではなく、飽くまでも情報収集と、トランセンド自身がこういった交友を好んでいるからである。

その独特のキャラ性、距離感はパートナーたるトレーナー相手にも如何なく発揮される。
正式契約前から知り合ったトレーナーのことを「トレちゃん」と呼びながら非常に砕けた言動・態度で接しており、
対するトレーナーもそれに対して不満や困惑を見せることなく、日常のあらゆる新しい発見に一喜一憂しながら日々をエンジョイするという、
トレーナーと担当というよりも歳の近い遊び仲間みたいな関係性を築いていると言える。
ギャルゲーの友人キャラのようだなんて評もあったり。

「新しいもの好き」というキャラ付けは、史実において新設された重賞の第1回を2つ勝利したり、「1つの年に中央で開催された3つのダートGⅠを全勝する」という“本来有り得ない記録”を達成した特徴から来ていると思われる。
また、それがサブカルオタクという形になったのは、特にPCで本記事を見ているアニヲタ諸兄なら確実にお馴染みであろう同名の電気機器企業の存在を意識しているのではとも。
そっちの日本公式アカウントは過去モチーフ馬の方にもリアクションしていた実績があり、案の定トランの登場にもリアクションしていた。

◆アプリでの活躍

性能

バ場 芝:F ダート:A
距離 短距離:G マイル:A 中距離:A 長距離:G
脚質 逃げ:A 先行:B 差し:F 追込:G
2024年3月12日☆3「ZOKU-ZOKU GIZMO」として実装。
上述したぱかライブでの発表から数えてたったの19日で実装されており、
それまでの最速記録であったネオユニヴァースの57日すら大きく上回る超爆速実装であったことから、プレイヤーたちに大きな衝撃を与えた。
そしてそうそう更新されることはない……と思われていたが、2024年6月24日のぱかライブTVにて登場が告知されたウマ娘・ドリームジャーニーが26日のガチャ更新から実装されることが告知。2日という理外の速度で実装されたため、最速実装の座を譲っている。

…が、詳細は後述するが、トランセンドという競走馬の史実も併せて考えると、
この時期=3月12日に実装するということに深い意味があったため、特例中の特例であったのも間違いない*4だろう。

適性としてはやはりダート専門のマイル・中距離を得意とする逃げ型。
一応、芝の適性はFあるため、多少運は絡むが改造できなくもない。

[ZOKU-ZOKU(ゾクゾク) GIZMO(ギズモ)]

やっぱベルトは巻いてなんぼ。
もっと足してもいいかも~。

画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[ZOKU-ZOKU_GIZMO]トランセンド」勝負服
© Cygames・JRA

馬主である前田幸治氏が所有する競走馬の勝負服「水色赤十字襷赤袖水色一本輪」がベースカラー。
黒色のインナーとショートパンツ、その上から赤いベルトをたくさん巻いた水色のパーカーを羽織っている。
首元の白色ネックスピーカーや胸元のウエストポーチなどの小物類も特徴的。
堅苦しさや高貴さ、アスリートらしさといった要素などとはかけ離れた現代っ子らしいイメージになっている。
そしてこれまた上述したように、勝負服の際はメガネが外されているのも大きな特徴。

デザインについてはトランセンドが「勝負服だからって堅苦しいのは合わないし、お遊びは必要」という考えから、
トレーナーとも意見をすり合わせ、あらゆる情報を統合した先で形になったもの。

成長補正はスピード・パワー・賢さにそれぞれ+10%ずつのバランス型。

所持スキル
トランセンドが得意とするダート・マイル・逃げなどで効力を発揮するスキルが揃っている。
特に逃げウマにとって必須級となる「先駆け」と「地固め」を両方とも自前獲得できるのはかなり嬉しい上、
覚醒レベル3の時点で、これまでSSR[心の栄養補給]ミホノブルボンの連続イベントでしか入手できなかった地固めの上位スキル「盤石の構え」を獲得できるというのも大きな武器であろう。水着サイレンススズカですら盤石を自前で持たなかったというのに…。
もう一つの覚醒レアスキルである「砂の開拓者」はダート専用の速度上昇スキルのため、やはりダートレースで走らせることで真価を発揮できるだろう。何?芝で使いたい?そこに水着ゴルシ継承固有があるじゃろ?

通常スキル:
マイル直線○、地固め、パイオニア、(覚醒Lv2)ポジションセンス、(覚醒Lv4)先駆け

レアスキル
(覚醒Lv3)盤石の構え(レース序盤にスキルを多く発動すると加速力が上がる)
情報強者(レース序盤にスキルを多く発動すると加速力が上がる、マイルか中距離レースの場合は効果が増える)

(覚醒Lv5)砂の開拓者(レース中盤が迫ったとき前方にいると速度が上がる/ダート)
『未知』を求めて(レース中盤が迫ったとき前方にいると速度がすごく上がる/ダート)


知りたい…もっと知りたい。


激やば情報、未知の世界…!


あはっ、最高~。


画像出典:ウマ娘 プリティーダービー「[ZOKU-ZOKU_GIZMO]トランセンド」固有スキル発動」
© Cygames・JRA

固有スキルは「Info:Acquired」。
効果は「レース後半まで前方をキープしていてライバルのウマ娘が加速スキルを発動すると少し前に出る、URAのダートレースならさらに速度がわずかに上がる」というもの。
レース後半までの上位キープに加え、他のウマ娘の加速スキル発動が条件とかなり独特。また、URA=中央開催のレースでのみ速度上昇効果も追加される。
もっとも、対人系イベントを筆頭に強敵とのゾクゾクする戦いであれば加速スキルを使われないことは有り得ず、終盤最速加速や後半発動の複合スキルなどに反応して張り合うことができ、「前に出る」効果なので発動タイミングに関係なく機能する。
一方で育成シナリオ序盤など、周囲がまともなスキルを持っていない有象無象ばかりだと発動できない可能性もある。
史実の戦歴を反映したと思われる中央ダート限定の追加効果は、ダートでは地方開催も当然有り得るため使えない場面も受け入れる必要がある。
爆発力は低めだが腐りづらく、トランの設定や史実要素を盛り込んだフレーバー色も強い固有スキルと言える。
このことや貴重な「盤石の構え」を自前で持っていることを活かして、芝適性を魔改造してまで使うトレーナーも多い。芝のサイレンススズカ再び。

発動演出はサイバーチックな部屋の中で、多数のモニターを前に高速タイピング、新たな情報を入手するというもの。途中、どこかで見たようなタブが画面にうつる。
最後に見せる得意げな笑みとウインクも含め、ウマ娘のトランセンドというキャラの特徴をこれでもかと表している。
ちなみにデスクにはこれまた現代のゲーマーやらプログラマーを反映されたのか、エナジードリンクらしき飲み物の空き缶やお菓子が散らばっている*5そこはZoneじゃないんだ…

う~~ん…! ゾクゾクしたぁ。

固有二つ名は「未知の探究者」。
取得条件は「チャンピオンズCを二連覇し、レパードS、みやこS、フェブラリーS、マイルCS南部杯、JBCクラシックを勝利し、基礎能力[賢さ]が1200以上になる」。
賢さカンストが求められるが、実装時点のUAFシナリオでのインフレ度合いを考えればもはやそう難しくはない。
勝利レースも多岐に渡るが全て目標レースに含まれるため、ステータスに気を遣いつつ順当に勝ち進めばいいだけ……なのだが、
後述する育成シナリオ内のネタバレにおける"ある問題"を含めるとJBCクラシックでの勝利が最大級の鬼門と化すため、
ウマ娘固有目標型のシナリオにおいては要素だけ見れば簡単なのに実は取得難度の高い二つ名になっている。*6
とはいえ共通目標型の場合は出走レースの問題が生じ、ラークシナリオに至っては達成不可能*7なので、スケジュールの縛りを受け入れてクライマックスシナリオに臨むのが現状安定した取得方法と言える…と言いたいところだが、
賢さ補正が10%と低いことと、クライマックスシナリオはそもそもダートウマ娘には不向きだったり、インフレに取り残されたシナリオ故に賢さを上げづらいというジレンマも抱えており、フジキセキの「麗しの三冠ウマ娘」などと並ぶ最難関の固有二つ名と言っていい。

サポートカード

2024年3月12日の育成実装段階では共通のRも含めてサポートカードは1枚も存在していない。
続報を待とう。

個別ストーリー

ねぇ、トレちゃーん。昨日発表されたクラファン、チェックした~?
ウチが気になったのはね~……あっ。そのカップケーキ、今日発売したやつじゃんよ~。

アールグレイが合うよ。

第1話の開始早々、夕暮れ時のトレーナー室で砕けた会話を交わすトレーナーとトランセンド。
いきなりそんな仲の良い学生同士みたいなノリを見せられて面食らったプレイヤーも多かったことだろう。

というのもこのトレーナーもまた息抜き目的も込みで、知らないもの、見たことないもの、経験したことのないものを楽しむのが趣味だったのだが、
そんな折にとあるB級映画の公開撮影を見学に来た際に、その場にいたトランセンドとばったり遭遇。
以降、何かと色んな所で共通の趣味の話をしていく内にすっかり意気投合してしまい、今に至ったとのこと。

しかも正式な担当も決まっていない新人である自分に対し、お茶とお菓子と楽しいお喋りを報酬代わりに、
今注目の将来有望なウマ娘の情報まで持ってきてくれるという情報通っぷりにはトレーナーも舌を巻く他なかった。

しかし、何日も何人も、トランセンドが提供してくれるウマ娘たちの情報を逐一チェックし、互いの意見を交換し合っていたが、
トレーナーとしては「この子だ」と思えるようなピンと来る子は未だ見つからずといったところだった。

そんな最中で流れ始めた映像が、有望なダートウマ娘として目されているワンダーアキュートの併走シーンの様子。
強敵と名高いアキュートが相手ということで、周りのウマ娘たちは入着が出来れば精々と消極的な会話をしているようだが。

トランセンドなら、どう走ってた?

ふとトレーナーの頭に浮かびスルリと漏れたのはそんな言葉。
目の前の自身と同じ趣味嗜好を持つトランなら果たしてどうしていたのだろうかという興味。

トレーナーの問いかけに一瞬ポカンとしながらも、トランは何てことないようにその疑問に答える。
入着狙いという消極性、見せるためだけにレースをしているなら、悪目立ちを防ぐという意味でも理解はできなくはない。
だがレースという世界の本質は勝負事。1着という勝利を狙ってこそ。そのために倒れるくらいに全力で挑みたいというのがウマ娘としての本能。

でもほら、見られているからこそ、安全圏内で走るだけなんて、あまりにも──

確かに、つまらない

……。うん、そう。つまらない。
入着狙いなんかじゃ足りない。1着だったって、足りないくらい。
もっと予測できないような──
ゾクゾクするような走りがしたいよね。

その先で更に紡がれるトランのレースに対する真摯な思い。
意気投合した同行の士だからこそ読み切れたトレーナーの先読みに応えるような語ったソレ。
入着狙いなんて安全圏も、勝利という名のある種の約束された予定調和も、その先さえも超えた予測不能な領域、ゾクゾクする走り。
それこそがトランセンドというウマ娘がレースに真に求めるものだった。

ウチはねぇ、楽しみたいだけ。
イメージができる範囲って決まってるじゃん? 走りにはまぁ、限界とかあるし?
……でも、レースならそれを超えられる気がする。
走る相手がいるってだけで、想像も追いつかなくなる。
それって、めっちゃワクワクしない?

イメージできるものだけじゃ、物足りない

……うん、わかる。予想も予測もできないような、最高のレースで。
ゾクゾク、したいよね。

そして後日更に目にしたレース場におけるトランの走り。
普段の飄々とした情報通の彼女とはまるで違う、イメージする向こう側のゾクゾクを求める泥臭くも本気で力強いその走りを見たトレーナーは、
その後のトランとの語らいも含め、そこに自分が担当を決められない理由の本質があるんじゃないかと思う程に惹き込まれていた。

そんなやり取りから幾数日、夜の闇が周囲を覆う程にトレーニングに没頭するトランもまた、トレーナーと同じ思いを抱えていた。
幼少の頃から見たことないもの、知らないもの、未知の世界に対する憧れ、ゾクゾクを求め続けた先、出会ったのがレースという世界。
コースの状態、対戦相手、情報だけじゃ足りない運の要素、結果はいつでも未知のモノ。
そしてここは数多のエリート集う中央トレセン学園、自分が求めているモノを与えてくれるたくさんのライバルたちがいる。
そんな子たちと鎬を削り合い、自らの身で、脚で、ゾクゾクしたレースを味わいたいという抑えきれない欲求が渦巻いている。

が、そんなゾクゾクするレースの世界──トゥインクル・シリーズに参加するために必要不可欠なのは、担当トレーナーの存在。
トランもまた、自身と思いを共有し、わかり合える相手を探していたが、何度かスカウトを受けてもしっくりくる相手が見つからず、
いっそのこと好きに走らせてくれる人なら誰でもいいかくらいに思い始めてもいたのだが、

(……トレちゃんがウチのトレーナーになったらって考えると、割としっくりきちゃうんだよね)

これは、先日の答えだ。今目の前にいるのは──自分が求めていたウマ娘の姿だった。

走りに没入しながらそんなことを考えるトランセンドに、彼女の走りを眺めながら心内で呟くトレーナー。
知らず知らずの内に両者の想いは既に同じ方を向いていたのである。

数日後、トレーナーはトランセンドをスカウトしようと心を決めていたのだが、
気軽に共通の趣味を話し合える軽いノリが定着しきってしまっているせいで、却ってスカウトを切り出しにくいという状況に陥ってしまっていた。

トレちゃん、お疲れ顔じゃん。スカウト疲れ?
ふむりふむり。仕方ない、
そんなお疲れトレちゃんに、とっておきのウマ娘の情報を教えてあげましょう。

が、トレーナーの様子を見てトランがそんな話を切り出してくる。
困惑のまま連れ出されたトレーナーはトランの案内で、アンティークカフェや遊園地内のヒミツのお店など様々な場所に案内される。
曰く、それはそのとっておきのウマ娘が好きなこと、好きな場所、そういった情報とのこと。
そしてそれらはトレーナーである自分にとっても興味深く、趣味に合うものばかり。
…つまるところそれが何を意味するのか、わからないほどトレーナーも鈍くは無かった。

その先の終着点、とある花畑でトランはいつもの砕けた笑顔で少しは心が和んたかな? と訪ねてくる。
全てお見通しだったのかと内心で思いつつも、彼女の気遣いを素直に受け入れた上でトレーナーはその言葉を紡いでいた。

スカウトしたいウマ娘を見つけた

……ほほう。名前は? どんな子だって、ウチが情報を持ってきてあげるよん。
もちろん、報酬は必要だけど。

トランからの問いかけ。トレーナーが答えた相手はもちろんその視線の先にいる相手。
一見するとおっとりしているが、その実、油断ならない鋭い視線をした情報屋。
けれど根は優しく気遣いの出来る、そんなウマ娘。

ゾクゾクするような想像の範囲外の世界、共に全力でレースを楽しみたい。
イメージだけでは収まらない、そんな場所を目指していける存在。
それこそがトレーナーがスカウトしたいウマ娘──トランセンドなのだと。

だったらアドバイス。スカウト成功率を上げるには……トレちゃん側の情報も必要だと思うなぁ。
相手の子にも、トレちゃんがどんな人なのか……ちゃんと伝えた方がいいしさ?

そうだな、それなら──

ん。帰って、お茶とお菓子を用意しよ。今日はちゃんと、ウチも手伝う。等価交換だもん。
いつもより、たくさんの時間が必要になるけど……トレちゃん、準備はいいかい?
……貴重な情報、期待してるよん。

いつものように自信満々に笑って見せるトランセンド。
イメージの先、ゾクゾクするレースを求めて2人は新たに歩み始めるのである。

育成シナリオ

とまあ、イレギュラーなスタートから何ともオシャレなやり取りの先で正式契約が結ばれてから……
もとい開始時に「今更だけど契約してないと不便だししよっか」という話題から始まる*8というまたもや前代未聞の展開で幕を開ける育成シナリオ。

まず特筆すべきは実装時のウマ娘公式アカウントで、実装当日の告知直後に以下の通りの告知がなされた。
【「[ZOKU-ZOKU GIZMO]トランセンド」の育成イベントについて】
育成ウマ娘「[ZOKU-ZOKU GIZMO]トランセンド」の育成イベントには、地震災害のシーンおよびシナリオが一部含まれております。
予めご了承の上プレイいただきますよう、お願いいたします。


史実のトランセンド号と彼が活躍した当時の情勢を覚えているプレイヤーはこの時点で全てを察した事だろう。

トランが得意とするダートレースをメインに走ることになるのだが、
今まで裏方メインで表の世界での注目に慣れていなかったために、メイクデビューでは周囲の熱気に呑まれて思うような走りができなかったという課題が発生。
それを克服するためにまずは場数を踏むという意味のファン数集めから始まり、
課題克服の傍ら、エアシャカールとアグネスタキオンという理系コンビの協力を得て、データ収集用の新ガジェット「シネマガン」を開発。
レパードステークス、みやこステークスなどの重賞戦線を経て、チャンピオンズカップやフェブラリーステークスといったG1レースに挑んでいく。
そんなレースも含めたイメージの先にあるゾクゾク、それを求めてトレーナーと共に充実した日々を送っていくことになる。

…しかし、フェブラリーステークスのその直後(3月前半)、突如としてそれは訪れた。


◆関連キャラクター

  • トレちゃん(トレーナー)
トランセンドのストーリー及び育成シナリオにおける最大級のキーパーソンは、やはりパートナーたるトレーナーであると言っても過言ではない。
何かとぶっ飛んだ連中ばかりの育成シナリオのトレーナーたちであるが、
彼or彼女もまた、他のウマ娘とトレーナーにはまず見られない独特の距離感を持っている超個性派。
まずマニアックな趣味のトランと趣味嗜好が合う(ので出会えた)という、一般的なトレーナー達には追従できない特徴を持つ。
というだけでなくレースにおいてもゾクゾクを求めて、トランのもたらす情報を材料に日々のトレーニングやライバルの研究を怠らない理論派。
双方非常に仲の良い、固い絆で結ばれたベストパートナーという意味ではトップクラスのコンビと言ってもいい。

もちろん単に視線が合うだけでなく、上述のネタバレ以降の時期においては、
転機直後に錯乱するトランのことを宥め、その後も無力感に苛まれる彼女のことを支え続け、
元のゾクゾクを求める姿勢を思い出させるために尽力するなど、一指導者として見てもやはり新人離れした逸材であることも間違いはない。
因みにシネマガンで走力を測ったところ、たったの「5」だった。

  • フリオーソ
トランセンドと共にウマ娘として新規発表された、同時代におけるダート強豪の一角。
地元船橋のために駆ける誠実で物静かながら熱い情熱も秘めた交換留学生。

育成シナリオ内ではフェブラリーステークスで固定ライバルとして登場。
情報収集も込みでトランが話しかけた所、自分は船橋レース場の白塵と共に在ると語り、地元への情愛と勝利に対する執着を表していた。
そしてレース後に気づいたフリオーソの持つ大切な何かのために走るという強さの源に対し、トランも思う所があったようである。

  • エスポワールシチー
こちらも同じくトランセンドと共に新規登場した、同時代のダート強豪の一角。
ツンツンした跳ねっ返り、反抗期全開のギャル系ウマ娘。でも根の部分はピュアッピュアで、悪い子というわけではない。

育成シナリオ内ではチャンピオンズカップにおいて後述のワンダーアキュート共にライバルとして登場。
既にいくつものG1レースで勝ち続けてきた自分こそが今のダート界における最強であるという自負と共に真っ向から挑んでくる。
トランが勝利した場合、目に見えて落ち込みこそすれ敗北は素直に受け止める潔さを見せる。
そして勝利後、「実は、すごくいい子」と分析された際には思いっきりタジタジになって逃げだしてしまった。かわいい。

寮におけるルームメイト。彼女もまたトランと同じダート界における強豪。
長きに渡りダート界を走り続けることになる、おばあちゃんのようなのんびりゆったりウマ娘。
新しいもの好きで現代っ子オーラ全開のトランとのやり取りは、まんまおばあちゃんと孫状態。

育成シナリオ内でも度々ライバルとして出走。
みやこステークス後にはトランが自分の求めるゾクゾクを与えてくれる存在として、1番のライバルになってくれないかと頼む一幕もあるが、
アキュートには既に『絶対ライバルになるから待っててほしい』という先約たちがいたため、やんわりと断られることになった。

ちなみに、アキュートの育成シナリオのエンディングでは先んじてトランセンドがモチーフであろうモブの「ウマ娘T」が登場していた。

ご存知、ウマ娘界におけるダートの最先端を駆け続ける最強ウマドルにして砂のハヤブサ。
同じく史実のトランセンド号との対戦経験のあるライバルの1頭…と言いたい所だが、
双方の主戦場が根本から異なっていたために、総合的な実力の比較が意外と難しいとされることも。

育成シナリオ内においてもフリオーソやエスポワールシチー、ワンダーアキュートらと並ぶ強豪ライバルとしてトランが注目していたものの、
本格的にぶつかることになる帝王賞では、トランは「転機」の影響でモチベーションを失っていたのに対して、
人一倍「ファンのため」を大事にするウマ娘ながら、いつもと変わらぬ明るい笑顔を振りまき迷いのない走りを見せたファル子に、どうしてこんな大変な時でもレースの意味を信じられるのかという疑問をぶつけるのだが、

スポットを浴びるウマドルは、いつだって笑顔じゃなきゃいけないって。
だから私はどんな時でも笑うし、歌うし、走れる限り、先頭で走り続ける。
それが私のできる、たった1つのことだから!

笑顔を一切崩さずに眩しすぎるくらいの明るさで堂々とそう答えるファル子。

この時のトランは自分にはとても信じられないと消沈したままだったものの、
後のマイルCS南部杯前後における地元住民とのやり取りで嘗ての在り方を取り戻した後、
JBCクラシックで再度激突した際には、今までとは違う力強いトランの走りに驚愕を見せていた。




……とまあ、これだけなら今までのダートウマ娘のシナリオと同様、
最強メンタルのウマドルとして同輩を導き株をまた上げた、くらいの感想に収まったのだが、
それ以上にあらゆる意味で注目が集まったのがシナリオ内目標レースでライバルとして出走した際の話。

固定ライバルとして登場したネームドウマ娘は、他の出走ウマ娘よりもステータスが強化されることが殆どで、
中には勝利が非常に難しい別格の強さのライバルが立ち塞がることも度々あるが、
トランセンドの育成シナリオで登場したファル子もまた、そんな嘗てのライバルたちに負けず劣らずの…寧ろ頭一つ抜けたとんでもない強豪として立ち塞がってきたのである。

……これについては文字で説明するよりも、実際に見てもらった方が早い。






アニヲタのみんなのゾクゾクする追記・修正、期待してるよん♪

この項目が面白かったなら……\ゾクゾク/

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最終更新:2025年01月21日 12:29

*1 元ネタはやたら実馬の写真で変顔が多いところからだと思われる。因みに見学者が面白がるのを覚えたのか結構な頻度でやる模様。

*2 なおトランセンドと同時に他のノースヒルズ出身馬からは幸治氏の弟前田晋二氏の持ち馬ノーリーズン、「ノースヒルズマネジメント」名義の持ち馬スティルインラブのウマ娘化も情報発表されている。

*3 一方、目に泥が跳ねるトレーニング失敗演出でロブロイやイクノ同様「メガネに跳ねる」描写になるので、そちらに準じると度なしレンズは入っているということになるが。

*4 更に言うとガチャ更新の情報はその前日に発表されるため、トランセンドの育成実装の報が前日=3月11日になるように調整したと考えられる。

*5 演出ムービーでもぱくついている描写がある。

*6 クラシック級11月前半はみやこSが目標に据えられていることからこちらで条件達成を先取りするといった抜け道も使えないため、本当にシニア級の目標レースで勝つ以外に方法が無いのである。

*7 チャンピオンズカップは12月開催なので連覇できない。

*8 ただし「書類は(困った時の言い訳用としてトランから渡されたものを)もう出しておいた」と返すので、厳密に言えば開始時点で契約してはいる。

*9 これも史実再現であり、復興がまだ完全でなかったために集客率を上げ復興費用を稼ぐのも兼ねて東京での開催となった。…ただ史実ではトランセンド勝利の裏で、岩手競馬所属のロックハンドスター号(父マーベラスサンデー)が未知の芝・ダート混合馬場に対応出来ず負傷し予後不良となる悲劇も発生してしまったのだが…。

*10 が、史実のスマートファルコン号の全盛期の活躍を知る競馬ファンの視点では、これですら適性Sがないだけまだ慈悲があるという見解が多い。