ソノウソホント

登録日:2025/04/01 Tue 11:42:00
更新日:2025/04/20 Sun 16:45:46
所要時間:約 9 分で読めます






のび太のはなに、花がさく。


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ソノウソホントとは、漫画ドラえもん』に登場するひみつ道具。




【概要】

鳥の黄色いくちばしのような形をした機械。口に取り付けた状態で何か物事を話すと、その喋った内容通りに現実が変化する
「その嘘本当」のネーミングが示す通り、どんなにデタラメで非現実的な事象であっても無条件で実現させることができる。

あまりにも強大な現実改変能力を制限・制約なく得られることから、作中最強候補に挙げられるひみつ道具の一つとして有名。


【特徴】

これを口に取り付けた状態で、真実でない物事の内容を発言すると、その内容が即座に実現する。

作中での描写や設定を見る限り、実現できるウソの内容に制約はないと見られる。
人体の一部に植物を発生させるとか、並の人間に大ぶりの石を軽いパンチで粉砕させるぐらいはお手の物で、科学・物理・生物等あらゆる法則の全てを超越した上で発動させることが可能となる。

また、一度実現させたウソは、道具を装着した状態で「今のはウソ」などと言うだけですぐに取り消しできる。
少なくとも言語化が可能な事象であれば大抵のものは具現化させることができるということになる。
わさドラ版『ソノウソホント』では、相手への直接的な命令文でも効果を発揮するとされている。


もはやヘタな難癖の付けようなどない次元だが、想定される欠点を強いて挙げるとすれば、
  • オモチャみたいな見た目が目立って恥ずかしい(=秘匿性に欠ける)*1
  • より複雑な事象を実現させたい場合、高度な文章力が要求される。単純な言い間違いや要点漏れなどで予期せぬ結果が生じるリスクもある
  • 音声入力に限定されるため、使用者が何らかの事情で発声できないと使用自体を封じられる
…などが考えられる。
もっとも、1番目は事前に「ソノウソホントは他の人には見えない(認識できない)」とでも言っておけばバレないし、本体のデザインを変えるのも自由だろう。2番目についても何度もやり直せる仕様で万一のミスをカバーできなくもない。


【登場エピソード】

神に匹敵するトップクラスのチート性能を持った道具だが、それ故に話が作りづらいためか原作では以下の一話しか登場していない。

●『ソノウソホント』
友達に「自分のパパはげんこつで石を割れるぐらい強い」とウソをついてしまい困り果てたのび太ドラえもんはのび太にソノウソホントを貸す。
その後、発言通りパパに石を素手で破壊させ、ジャイアンから話を聞いた彼の父ちゃんから挑まれた相撲勝負にもあっさり勝たせてしまう。
調子づいたのび太は、その後もソノウソホントの力でパパをスーパーダンに変身させたり、望遠鏡と自転車を買って来させてしまうのだった。

のび太の欲張りな性分とそれによって再三振り回されるパパの受難が描かれているが、一人の中年を操るどころか世界さえ支配できかねない道具で叶えた願望としては、よくその程度のスケールで満足してくれたと言えるだろう。

大山版では『スーパーサラリーマン』の題でリメイク版が作られた。
ソノウソホントの外見はたらこ唇のようなデザインに変更され、試しに着けたドラえもんはのび太に「フグみたい」と笑われた。
また、パパの相撲相手が町内相撲の横綱に変更され、終盤で道具の存在がバレてしまったのび太が、咄嗟にジャイアンを赤ん坊に変えるシーンが追加されている。パパの正体は「スーパーダン」から「スーパーサラリーマン」に差し替えられ、のび太の無茶振りも増えている。

●『妖界大決戦』
ザ☆ドラえもんズ スペシャル』第1巻収録。必ず嘘をつく人面樹にドラえもんがこの道具を取り付けることで、発言通りの出口を出現させている。

●『月のサイエンス』
ドラえもんの学習まんが「ふしぎのサイエンス」シリーズより。ドラえもんがこの道具で「真空の月でも音が聞こえる」というウソを実現させた。


【関連するひみつ道具】

ウソ800
液体飲み薬タイプの道具。
ソノウソホントと同じく強力な現実改変能力を得られるが、こちらは薬品タイプである点と「言ったことと反対の内容が現実になる(発言内容をウソにしてしまう)」性質が大きく異なる。
詳細は当該項目を参照。

◯アトカラホント/アトカラホントスピーカー
極小サイズのスピーカー型の道具。
これを口に入れた状態で喋るとその内容が後から本当になる。
一度実現した内容を取り消すには、スピーカーにあるキャンセルボタンを押す必要がある*2

その仕様・用法ゆえに秘匿性は高い一方、虫歯や傷口などの隙間に入り込んだり誤飲してしまうと取り出せなくなるリスクも高い。
また、改変できる範囲はあくまで「使用した後」(数分後)であり、即時効果は得られないと見られる。
先述した利便性の低さと合わせると、ソノウソホントと比較して使い勝手は悪いと言える。

あらかじめ日記
日記帳型の道具で、書いた内容が現実のものとなる。
こちらもソノウソホントと双璧を成す最強ひみつ道具候補のひとつ。
詳細は当該項目を参照。

◯しあわせトランプ
◯のぞみ実現機
願いを叶えるひみつ道具の項目を参照。
いずれもソノウソホントのような「嘘を本当にする」「現実改変」とは用途上の意味合いが異なり、それぞれに重大なリスクを孕んでもいるが、叶えられる夢そのものの範囲は決して引けを取らない影響力を持っていると言える。

◯うそつ機
見た目はソノウソホントによく似たくちばし型の道具。
名称に「うそ」が織り込まれているなどネーミングも若干似ているが、肝心の機能は「相手に言ったウソを信じ込ませる」というもので現実改変効果は持たないという点が大きく異なる*3


【余談】

  • 椎名高志の4コマ漫画『Dr.椎名の教育的指導!!』には、「ドラえもんの道具を一つもらえるとしたら」と友人に聞かれた男が「他の道具が全て無意味になる」という理由で「ソノウソホント」と答えたところ、スルーされたまま話の輪から外されるという回がある。
    ちなみにこの4コマのサブタイトルは「禁句」。事実、ドラえもんファンの間でも「欲しいひみつ道具」の話題で真っ先に禁止カードにされがちな道具である。無闇にこれら現実改変系を猛プッシュした挙句「他の道具不要論」を振りかざすのは、無粋過ぎるあまり相手をシラけさせるだけなので気をつけよう。数多ある道具の魅力を尊重してこそ、この手の話は夢と想像が膨らみ盛り上がるのである。

  • 原作漫画での扱いこそささやかだったが、小学館 ドラえもんルームによる著書『ド・ラ・カルト ~ドラえもん通の本~』は、上記の『ウソ800』、『アトカラホント』と合わせて「究極の秘密道具」「他のひみつ道具が何も要らなくなるはず」と解説されている。公式をして「他の道具いらなくね?」と禁句を言わしめてしまうのだった。



じつはひみつだけど、うちのとうさんはスーパーWiki篭りなんだ。

画面をひらけば、弾丸よりもはやく追記や修正を……。


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最終更新:2025年04月20日 16:45

*1 この欠点は大山版アニメで強調されている。

*2 ソノウソホントのように発言による帳消しが有効なのかは不明。

*3 ただし、イヌに自分が人間だと思い込ませ二足歩行をさせるなど、ソノウソホントのようなありえない現象を起こす手段もある。