あらかじめ日記

登録日:2011/01/10 Mon 22:36:37
更新日:2025/04/07 Mon 09:48:50
所要時間:約 5 分で読めます




漫画「ドラえもん」に登場するひみつ道具。

日記は本来「過去」を記すものだが、この道具は逆。
この日記帳にあらかじめ予定を書き込むことによって、その予定を現実にすることができる。
自他の意思に関わらず日記に書き込んだことは必ず実行され、失敗することがない
たとえ現実として起こり得ないことを書いても、あらゆる偶然を重ねることによって実現させる。


そう、言い換えるならこれは




なのである。


類似品として『タイマー』が存在するが、あらかじめ日記の強制力はタイマーの比ではなく、
自分はもとより、他人、事故、事件、果ては自然現象の運命をねじ曲げる。これなんて岸辺露伴?

作中でのび太は、何度も家族旅行を企画させたり、輸送機のトラブルによって空から飴玉を降らせたり、スネ夫の旅行の日程に合わせて天候を雨にした。


ただし、これだけ便利な道具には当然問題がある。
この道具の弱点は、持ち主のみならず、誰でも追記可能というところであり、他人が予定当日に追記したことも即日適用される。
また、後述のわさドラの通り誤字脱字により使用者の意図しないことがおこる場合も。

そして、この道具の本当に恐ろしいところは、キャンセル不可能という点。
人間の意思で日記の予定に背くことはもちろん、日記に書いた文章を削除することもできない。
たとえ鉛筆で書いても、消しゴムで消すことができない。
実際のび太はハイキングから帰ってきた後、ドラえもんによって「すぐ勉強を始める」と追記された時、消せなかった。
のび太は根性で数秒間運命に抗い、「すぐやめる」と追記することによって事実上キャンセルを果たした。


しかし、のび太は愚かにもあらかじめ日記をあろうことかスネ夫に見せびらかした。


するとスネ夫は日記を奪い取り、

「のび太はジャイアンに殴られ、しずかちゃんに首を絞められ、ライオンに食べられる」

と、キラ様もびっくりの死亡方法を書き加えた。


もちろんこれはスネ夫があらかじめ日記の効果を信じていなかったが故の冗談だったが、
直後にのび太がジャイアンに顔面を凹まされしずかちゃんに縄跳びの事故で首を絞められ、テレビで動物園からライオンが脱走したとのニュースを見て戦慄。

逃 走 し た


事態を重く見たのび太はすぐにドラえもんに助けを乞う。


しかし、『食べられる』と書かれた以上、『すぐやめる』作戦でも無事では済まない。


刻一刻と迫るライオン。


悩んだ末、ドラえもんは最終手段をとる。それは……











日 記 の 焼 却



日記は灰になったが、のび太は一命を取り留めた(ライオンはすぐに捕獲された)。

タイムふろしきでどうにかなったんじゃね? と思わなくもない。


ここまで見ると分かるとおり、デスノート的運用が可能な代物。
「殺人以外にも使えるデスノート」と考えるとむしろ完全上位互換と言っても過言では無いだろう。

さらに殺人だけに用途を限定するにしたっても、デスノートでは不可能な死因も実現可能に出来てしまう。

たとえば「コンビニで溺死」という容易でない死因を指定した場合
デスノートなら基本的に「不可能な死因」と見なされ*1心臓マヒで処理されてしまうのだが、
この日記にかかれば、なにかしら運命すら捻じ曲げ、洪水などが起こってコンビニ溺死してしまうのだ。

雪山や冷凍コンテナで「ワニに襲われて死亡」「熱中症で死亡」という死因も、デスノートなら「不可能な死因」として心臓麻痺扱いなのも
なにかしら急な異常気象などでそのような強引な死に方をする。
その他、デスノートの方は「人数に関わらず一人一人*2名前を書く必要がある」「本名をフルネームで描かないと殺せない」「被害者の顔を浮かべて書かないと死なない」などと言った理由から「微妙なひみつ道具」と同じ扱いになりかねない。

重箱の隅要素として、山崎邦正が『ものまねバトル』でデスノートのパロディで、すべての役を山崎氏が演じた題目での
デスノートに「ザ・たっち」と書いただけで、二人同時に「ちょっと!ちょっとちょっと!」と言葉を残して息絶えたシーンがあったが
デスノートで実際に実行する場合、たとえばライト魅上が(おそらく海砂では能力上実行不可)息を合わせて
「ちょっと!ちょっとちょっと!と持ちネタのギャグを披露した上で死亡」と、最後に死因を書く前提でたくや氏とかずや氏の本名を、それぞれのノートで一人ずつ書かなければならない。
死因まで書き切るタイミング含めて許される誤差は±0.06秒以内であることを承知で二人がかりではじめて成し得る殺害方法なのだが
あらかじめ日記の場合、そこまで細かい指定もなしに、特に技術も必要なくしかも一人で誤差なく複数人同時殺害を実行してしまえるのだ。
そう説明すれば、いかにこのあらかじめ日記が恐ろしい存在か、改めてよくお判りいただけるであろう。

一応、デスノートには「焼却してもを打ち消せない」という利点はある。


危険性の高いひみつ道具の一つであるが、すでに消滅してよかったことだろう…

と思われていたのだがわさドラの「ドラえもん たった一日の恋」や「謎のピラミッド!? エジプト大冒険」で まさかの再登場

前者ではドラえもんがタレントねこのファンになり、のび太がドラえもんとタレントねこをデートさせようとするが、「恋」を「変」、「ゆかい」を「ゆうかい」と書き間違えたことでドラえもんとタレントねこが散々ふりまわされてしまう。

後者ではワルエヘブに奪われ、預言書のように使われたがのび太が放った空気砲により落とされ、再び燃やされた。


そして映画『ドラえもん のび太の地球交響楽』では



因みに類似品に「いつでも日記」というひみつ道具があるが、こちらはあくまで過去に起こったことやこれから起こることを自動で書く道具であり、あらかじめ日記ほどのチートさはない。



追記・修正は、誤字、脱字に気をつけてお願いします。

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最終更新:2025年04月07日 09:48

*1 実写映画版のやり方に代表されるように、それが成立するような細かい状況も記載あるいは、操作しなければならない。

*2 「大量殺人をして死刑になる(その前に殺人をした場合を除く)」「自爆テロをして周りの人間諸共死亡)」なども効かない

*3 もしもボックスのようなパターンではなく、機械の不調、体調不良、緊急の呼び出し、旅行など様々な偶然を同時発生させることでこれを実現させていた。小説版を参考にすると効力が切れると旅行などはスケジュールの勘違いとして処理されている。