登録日:2011/04/01 Fri 23:43:31ではありません
更新日:2025/04/01 Tue 12:04:23ではありません
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「
ウソ800」とは、『
ドラえもん』のひみつ道具の一つ。
概要
『帰ってきたドラえもん』というエピソードで登場。
ドラえもんが未来に帰る時に
のび太にあげた、ドラえもんを象ったような箱に入っていた。
この箱は、「どうしても困ったことがあったら開けろ」と渡されたもので、その時本人に一番必要な道具が出てくる仕組みである。
この道具の特徴は
中身を飲んだあとはその人の言ったことが全てウソになることである。つまり劇中(後述)でもあったように『今日はいい天気だ』と言えば雨が降る。
つまり「あの子と付き合ってない」と言えばあらビックリ!
リア充にもなれる。
更に言うと「君は今日も死なない」と言えば
あらかじめ日記と同様に
某ノートの如く、
相手を合法的かつ容易く殺せたりも出来ると言う作中最恐のひみつ道具にもなりえる。
だからこそうっかり変なことを言わないようにしないといけないし、そういった意味でも、後々この道具で仕返しされた
ジャイアンと
スネ夫も扱いを自粛してくれたのび太には感謝するべきとも言える。
ちなみにこの道具の主成分は森羅万象強制逆転エキスというらしい。
総じて、
ドラえもんの出したひみつ道具の数々の中でもトップクラスの強力さと万能さを持つ。
似た道具に
ソノウソホント&アトカラホントスピーカーという道具もある。
なお名前の由来は、
嘘だらけであることを表す「嘘八百」。
劇中の活躍
この話は小学四年生の1974年4月号に掲載された作品。そして前号にあたる小学三年生の1974年3月号に『
さようなら、ドラえもん』が掲載されていた。
年度を跨いで話が直接続いている事がこのエピソード最大の特徴。
小学館の学年誌では読者が次学年誌へと移行する3月号に伴って、次学年誌に掲載されない
漫画の
最終回が描かれる事が多かった。
事実、小学五年生・六年生にドラえもんの連載がまだなかった頃、小学四年生で二回
ドラえもんが未来へ帰ってのび太と別れる作品が最終回として描かれている。
アニメスペシャルや映画だとこの二つのエピソードは一本に纏められている。
おっ、のび太、ここにいたか。お、お、おまえ…………、お、お、おちついて聞けよ。い、いまそこで、だ、だれにあったと思う。
ド、ラ、え、も、ん。
ドラえもん!?
大はしゃぎして家に帰るのび太。しかし、ドラえもんはどこにもいない。
のび太はドラえもんが照れくさく、どこかに隠れているのだと思い、貯金を全部下ろしてドラえもんの大好きな
どら焼きを買いに行く。
しかし、これは「
四月バカ」。まんまとジャイアンのウソに引っかかったのだった。あまりにも酷い仕打ちである。
ドラえもんが帰ってきたなんてもちろんウソ。
のび太はしかえしにと、ジャイアンやスネ夫に一生懸命ウソをつくが、その内容があまりにも幼稚すぎたためバカにされる。
思いだした!!
ぼくが行ったあとで……。がまんできないことがあったらこれをひらけ。
そのとき、きみに必要なものが、出てくる。
とドラえもんが残した最後の道具を開いた。
出てきた道具は「ウソ800」。
これを飲んで、のび太はスネ夫に『君は
犬に噛まれない』、ジャイアンに『君はママに怒られない』と言って仕返しをする。結果スネ夫は犬に追い回され、ジャイアンは怒った
母ちゃんに引きずられていった。
やめろよ母ちゃん、暴力反対!いでで…。
(劇場版ではその後虚しい気持ちになり、「今のはほんと!」と叫んで制裁をやめている)
でも、家に帰るとのび太は「ドラえもんはやはり帰っては来ない」と言う現実を改めて思い知りしょんぼりして、
ママの「ドラちゃんいた?」という問いに、「
ドラえもんがいる訳ないでしょ」と返した。
ドラえもんは帰ってこないんだから。もう、二度とあえないんだから。
しかし、部屋に戻ると、そこにはドラえもんがいた。
そう、彼はウソ800を飲んでいたので、しゃべった言葉がウソになってドラえもんが帰ってきたのだ。
ウソ800を見つけてその事実に気付いたドラえもんはのび太に問い質すが、のび太はひたすらそれを否定し、号泣しながらドラえもんに抱きつくのであった。
うれしくない。これからまた、ずうっとドラえもんといっしょにくらさない。
(うれしい。これからまた、ずうっとドラえもんといっしょにくらしたい)
名シーンである。
劇場版では途中に「絶対別れたい(絶対別れたくない)」という言葉が入っており、さらに最後の言葉として「ドラえもんなんて大嫌い(ドラえもん大好き)」と続き、その様子を1階からママとパパが見届け、最後にはいつもの仲間たちが集結、ジャイアンとスネ夫からも謝罪を受けて和解し、感動さを増している。
もし、のび太が最後にあまりの嬉しさにうっかり「これからはずっと一緒だ」なんていったら大変なことになっていただろう。
相変わらず、のび太はひみつ道具の使い方の達者さと強靭な精神力に定評がある。
ちなみに、小学六年生1985年9月号に掲載された『45年後…』では、現代に来た45年後ののび太が、ドラえもんと会話するシーンがあるが、ごく普通に接している。
どうやらドラえもんが未来に帰ったあとも、ドラえもんとは交流は続いているようだ。
劇場版
- スネ夫が犬を使った嘘をつかずに、ドラえもんのコスプレを着てジャイアンの嘘に手を貸す
- ジャイアンが自分の嘘を「ドラえもんが帰った夜の時の仕返し」と話す
- 2人の嘘で傷ついたのび太をしずかが気遣う
- 仕返しを達成したのび太が「今のは全部、本当」と言ってジャイアン達を解放する
- 家に帰る前に、花が散り始め枯れかけている桜の老木に「桜の季節も、もう終わりだね」とつぶやく。すると元気を失っていた桜の老木が蘇り、花が再び咲き誇った。そしてこの桜の木は、ドラえもんのいる22世紀になってもなお生きており、重大な伏線となっていた
- ママに「ドラえもんは二度と帰ってこないんだから」と答えるのび太の反応が前向きなものになっている
- ラストで再会を1階からママとパパが見届け、ママが3人分あった夕飯のハンバーグの肉をもう1個用意する
- のび太を心配したしずかと、反省したスネ夫とジャイアンが野比家にやって来て、ドラえもんとの再会を喜ぶ。この時のジャイアンは、どら焼きの詰まった風呂敷包みを持ってきている
といった変更が見られる。
余談
この道具が使われた「さようならドラえもん」と「帰ってきたドラえもん」は感動的なエピソードとして有名であり、それと同時に「いくら何でものび太に対するジャイアン達の仕打ちは無神経すぎないか」と度々指摘されるが、これには少し訳がある。
このエピソードが掲載されたのは『小学四年生』の1974年4月号で、ドラえもんの連載期間が1969年~1996年であることを考えると、序盤も序盤。
当時のドラえもんはアニメはおろか、まだ単行本化の予定すらなかった時期である。
ジャイアン達の「質の悪いいじめっ子ではあるけど苦楽を共にした友達でもある」といった方向性が本格的に固まっていくのは1979年に大長編・映画がシリーズ化して以降の話であり、当時の彼らはただ単に「質の悪いいじめっ子」として扱われることが殆どだった。
要するに「あんなひどい仕打ちをするなんてのび太とドラえもんに対する友情はないんですか!?」という問いに対しては「当時はまだそんなに友情を感じているわけではなかった」というのが答えとなる。
そして面倒なことに「帰ってきたドラえもん」が先生の没後の1998年に原作エピソードを再構築する形で映画化されたせいで、
元々漫画だけ見れば原作序盤でそこまで違和感がなかった話だったものを、ドラえもん全体の展開で見ると中期ごろに持ってくる形になってしまったため、
「苦楽を共にした姿を読者・視聴者に見せてきたジャイアン達が原作序盤だから許されたような悪さをする」という絵面になってしまったのである。
同映画でも原作と違って最後にジャイアンとスネ夫がのび太の元に申し訳なさそうに謝罪に赴くのもその辺のフォローを込めての事なのだと思われる。
まぁスネ夫の着ぐるみはいくら何でも嫌がらせに気合が入りすぎているが。
うれしくない。これからまた、ずうっとドラえもんといっしょに追記・修正しない。
- さようならドラえもんのことだけど、単行本版では、その単行本表紙も別れを意識したものだったな。 -- 名無しさん (2018-01-03 22:35:58)
- 提案のあったコメント欄のリセットを行いました。 -- 名無しさん (2018-01-04 00:12:08)
- いわゆる「任意全能」スキルなのでドラえもんの道具を使ってガチバトルするときにはよくお呼びがかかる -- 名無しさん (2018-06-26 12:14:31)
- ウソ810に見えたゾ -- 名無しさん (2018-06-26 12:25:59)
- にわかはよくもしもボックスを最強道具に挙げるが、どう考えても手軽に任意全能になれるウソ800のが最強 -- 名無しさん (2018-07-01 11:45:05)
- いっそ相手に一服盛ったらどうなるだろうか。「ククク、何を申すかと思えば……!上様がこのようなところにおられるはずがない!ええいものども、切り捨てい!」 -- 名無しさん (2018-08-23 23:25:59)
- スタンドバイミーだと今のび太に必要なものとしてこれが出てきたな -- 名無しさん (2018-08-24 20:06:36)
- ドラえもんは必ずしも全ての話が教訓話になってるとは限らないんだよな。悪いことをしたジャイアンとスネ夫が罰を受けてない事も少なからずあるんだし。アンパンマンでいうならばいきんまんが悪いことをしたのに罰を受けずにアンパンマンを倒したようなものだし。 -- 名無しさん (2018-08-24 21:08:05)
- ↑基本はギャグだし必ず教訓入れなきゃいけないこともないし -- 名無しさん (2018-08-25 19:06:07)
- 歓喜の瞬間に逆の言葉でスイスイ話せるのび太のなんて冷静で的確な精神力なんだ! -- 名無しさん (2018-09-26 15:17:08)
- のび太はフリスクくん並みの決意持ってそう -- 名無しさん (2018-10-22 13:17:20)
- 小学生の時は皆最後のセリフで笑ってたな -- 名無しさん (2019-06-29 15:02:11)
- ↑なのに最近の解説はここといいピクシブ百科事典といいわざわざカッコ付きで解説してあるあたり、やっぱり子供の読解力って落ちてるのかも -- 名無しさん (2019-12-20 08:07:00)
- 今の状況でこれを飲んで「新型コロナウイルスで人類は滅亡する!誰も助からない!」と言えば救世主になれる……かな? -- 名無しさん (2020-04-03 10:59:18)
- 地獄先生ぬ~べ~でも、ぬ~べ~が一度死ぬけど言ったことを嘘にする妖怪のおかげで生き返った -- 名無しさん (2020-04-14 14:16:30)
- 無視虫並みにジャイスネにガチ -- 名無しさん (2020-06-08 02:09:26)
- で殺意沸いたわ -- 名無しさん (2020-06-08 02:09:40)
- ↑4 誰がそれを証明するんよ? 歴史ってのは主観じゃどうにもできない... -- 名無しさん (2020-07-06 21:05:41)
- 飲んで空き地に向かう時の台詞、「あいつらゆるせない。ドラえもんが帰ったなんて。ぼくにとってはざんこくなうそだ。ゆるせない!!」というのが、今となっては興味深い。 -- 名無しさん (2020-10-07 20:08:02)
- ↑6 アリだと思う。核戦争とか気候大変動とか、直に人類滅亡に繋がるような大事件を無視して、人類の歴史からすればとてつもなくちっちゃい一過性のビョーキにこんな万能ひみつ道具を使おうとする発想がとてもドラっぽい。 -- 名無しさん (2020-10-18 20:39:01)
- ↑2自分がというより「君たちにとってドラえもんはその程度の存在だったのか」っていう怒りだよね -- 名無しさん (2020-11-23 11:19:57)
- ここには書かれてないけど、劇場版でのび太が帰ってきた時にのびママがちょうど三人分の夕食(確かハンバーグか何か)の準備してて、のび太の声でドラえもんが帰ってきたのを察したのびママがそっと四個目を作るシーンも好きだわ。四個目がすぐ作られてたから多分のびママもいつもの癖で四人分作っちゃってたと思うと -- 名無しさん (2021-03-03 18:36:20)
- ウソ800の読み方が「ウソエイトオー」だと知ったときは驚いた -- 名無しさん (2021-03-05 15:48:48)
- 「きみは犬を噛む」でもよいのでは? -- 名無しさん (2021-04-01 08:44:25)
- ↑それだと「君は犬を噛まない」が反対になるから何も起こらないと思うけど -- 名無しさん (2021-04-29 20:25:44)
- ↑5だからこそ同時上映の映画でジャイアンとスネ夫を最後に謝罪に来させたんだろうな。あのままじゃ悪者のままだし -- 名無しさん (2021-04-29 20:28:47)
- 正直ジャイアンには「ジャイ子に二度と口を聞いてもらえなくなる」「ジャイ子が漫画家になる夢が叶う(叶わなくなる)」って嘘の方がよっぽどジャイアンのメンタルにキツいダメージを与えられたと思う。ジャイアンにとって真の弱点なのは寧ろ母親ではなくジャイ子の方なのだから。まぁのび太の性格から流石にそこまで陰湿な事は考えられなかったのも単純に母親にボコられるジャイアンを見てスカッとしたかったんだろうが。 -- 名無しさん (2021-07-25 23:11:35)
- 正直この程度で済むのは大分甘いよね、のび太だから良かったものの -- 名無しさん (2021-09-03 17:01:37)
- ↑小学生とはいえもう2度と会えないかもしれない友達をからかいのネタにするのは流石に不謹慎すぎる、自分らだって色々助けてもらったろうに -- 名無しさん (2021-09-03 19:41:03)
- ↑普通に現実のジャイアンスネ夫の着ぐるみに石ころ投げられるレベルの所業だと思う -- 名無しさん (2021-09-03 22:08:27)
- ↑ジャイアン単体だったらドラえもんとの別れに号泣してただろうけど、自分の自慢を何度も邪魔されたスネ夫の嫉妬からの入れ知恵だったんだろうか。 -- 名無しさん (2021-09-03 22:16:24)
- ↑5 無関係のジャイ子にまで危害加えるようなことしたらジャイアンスネ夫以上の下衆野郎だよ。 -- 名無しさん (2022-01-01 10:58:20)
- 帰って来たの次回作である結婚前夜のジャイスネが大人になってものび太の友人であり続けたいい奴って言う善の描写がされてたのはこれの反動ってのもあったのかもな。 -- 名無しさん (2022-01-28 20:38:24)
- ↑何かの話でのび太が外国に引っ越す(秘密道具使用)時に謝罪と変わらぬ友情を誓ってたからね。 大人になって三人とも落ち着いてきちんと成長してる描写があって良い。 -- 名無しさん (2022-01-28 20:45:25)
- コメ欄強い言葉使う奴ばっかだな -- 名無しさん (2022-02-04 20:08:39)
- これの同時公開作品だった南海大冒険のベティがこっちのジャイアンを見たらどう思うのか気になる。幻滅まではしなくても叱りつけてはくれるかな -- 名無しさん (2022-02-28 22:09:54)
- ラストのコマを見てのび太の頭の良さを感じるけど、空き地に向かう時の「あいつらゆるせない」云々も、薬を飲んだ後なんだよな -- 名無しさん (2022-03-12 01:27:59)
- 不謹慎なのを承知で言うけどこれの後に海底鬼岩城で実際にジャイスネが溺死する場面がトラウマからメシウマシーンになったのは自分だけはないない気がする。 -- 名無しさん (2022-04-06 23:08:43)
- 一時期、箱の中身を別のものにしたコラ画像がやたらヒットしていたことがあった。個人的にはストロングゼロがツボだった。 -- 名無しさん (2022-04-06 23:55:30)
- アンクル・シュガー・オリバー・エイト・ゼロ・ゼロ -- 名無しさん (2022-07-21 15:13:37)
- ↑3 不謹慎って分かってんなら何で態々言うの?って話なんだけど -- 名無しさん (2022-07-21 17:59:17)
- 効果期間75分間だったのか……。初めて知った -- 名無しさん (2022-08-13 08:00:56)
- 劇場版ってスタンドバイミーの終盤の描写かと思ったら、大長編と同時上映のミニで存在したのか… -- 名無しさん (2022-08-13 08:16:34)
- もしもボックスは並行世界に行く道具だからウソ800とは全然違うよね -- 名無しさん (2023-06-17 09:52:47)
- ↑7いくらいじめっこだからって○まで望むのはさすがに… -- 名無しさん (2023-06-17 11:04:33)
- エイプリルフールで今や鉄板となったネタ、ドラえもんでは50年も前にやってたのか。 -- 名無しさん (2024-01-31 21:08:53)
- その時のび太にとって一番必要な物としてウソ800がでてきたのはジャイアンとスネ夫に仕返しするためじゃなくのび太にドラえもんはもうかえってこないと言わせることで帰って来るようにするためだったのだろうな -- 名無しさん (2024-06-26 22:19:48)
- 大山ドラ最終回で描かれてた「ドラえもんがついてないといじめ甲斐がない」と言っていたジャイスネはこれのIFだったんでないかと思ってる。大山末期のあいつらならこうなってたと言うか。 -- 名無しさん (2024-08-03 14:55:24)
- 特別回のスペシャル道具のイメージがある。ドラえもんが去った時の箱はこのクラスの強い道具だったのか気になる。石ころ帽子とかも可能性あったのかな…… -- 名無しさん (2024-08-15 00:18:21)
- さようならドラえもんの完成度が素晴らしいだけに帰ってきたが本当に蛇足なんだよな…非常に残酷な外道行為を笑いながら行う友達でも何でもない屑に成り下がったジャイスネに結局ドラえもんの道具を頼り全話の感動をぶち壊すのび太 -- 名無しさん (2024-09-29 18:31:39)
- ↑終われるレベルの人気じゃなかったから仕方ない -- 名無しさん (2024-09-29 18:40:04)
- 主成分的にも嘘って言うよりは全て真反対になるってのに近い気がする。推理ゲームでよくあるが、嘘=反対とは限らないし -- 名無しさん (2025-01-31 12:15:13)
- ↑ そこはわかりやすさを重視したんだろうね。 -- 名無しさん (2025-04-01 12:04:23)
最終更新:2025年04月01日 12:04