武内崇

登録日:2009/05/29 Fri 20:59:25
更新日:2024/02/02 Fri 11:20:07
所要時間:約 7 分で読めます




武内(たけうち)(たかし)とは、TYPE-MOON代表であり、有限会社ノーツ代表取締役。そして、イラストレーター。

人物

本名は竹内(たけうち)友崇(ともたか)
1973年8月28日生まれ。46歳。愛称は「武ちゃん」。千葉県八千代市出身。
また、OKSGからは社長ということもあり「TYPE-MOONの偉い人」と呼ばれたり、ひびちからじおで「親分(ビッグボス)」なるあだ名が生まれたりした。
自画像は「作務衣を着た熱血野郎」として描かれ、メルブラで特定の条件を満たせば彼の姿を見ることができる。

当初は漫画家を目指しており、新人賞に入選したことがあるが、せいぜい短編程度で、連載の話は来なかった。
その後コンパイルにデザイナーとして入社し、映像編集等の仕事をしていたが、倒産騒動の際に退社。
後に中学時代からの友人である奈須きのこと同人サークル「竹箒」を結成。これにコンパイル時代の同僚である清兵衛、KateらとTYPE-MOONを結成する。

かなりのメイド好きで月姫翡翠は彼の好みが120%詰まっている。そのため、勝手に翡翠の立ち絵を仕上げたりしている。
彼女への愛は『MELTY BLOOD』を製作する際にも影響を与えた。
以下一部抜粋

キャラの攻撃モーションに関しては余計な口など挟まず渡辺製作所さんの解釈にお任せしております。

「秋葉はこんな感じどどうでしょうか」
「あ、いいですね」
「琥珀はこう」
「うんうん」
「じゃあ、翡翠はこんな感じで…」
「翡 翠 は こ う 動 い て く れ な きゃ イ ヤ ザ マ ス !ド ラ ラ ァ !!」

Fate/stay nightに登場するイリヤスフィール・フォン・アインツベルンのお付きのメイド、リーゼリットとセラも武内の熱意によるもので、
そもそも初期は存在すらしていなかったのに武内が趣味でメイドを出したがり、
「諦めろ」と諌める奈須きのこたちとすったもんだした末に武内が勝利して登場することになった。

メイド以外にも金髪美女が好きで、TYPE-MOON公式サイトで行われた全作品対象の人気投票では翡翠ではなくセイバーに投票したと明かしている。

『Fate/stay night』の企画を渋った奈須に対して放った、
「セイバー女の子にしちゃえばいいじゃん!」
はエロゲ界の歴史を揺るがした。
この斜め上の発想に関して奈須きのこは「コイツ、俺のセイバーを女にしやがった」と発言している。
(旧Fateではセイバーはだった)
この一件は後に奈須きのこ曰くFate三大武内発言とされている。(ちなみに他の二つは、「バーサーカーのマスターを幼女に」と「アーチャー(の役)を諏訪部さんに」との事)
ちなみに『Fate/strange Fake』を担当している成田良悟氏は、打ち合わせの際に同作品に登場するセイバーについて
「成田さん、セイバー女の子にしない?」とやたら武内に提案されたという。
(※なお、同席していた奈須きのこは「嫌なら嫌と断っていいんだよ!」と成田氏に言っていたという)

その後も事ある事にセイバーとセイバー顔のキャラを増殖させまくっている。特にオルタ系列。
その結果セイバー絶対殺すウーマンからは「セイバーばっかり増やす神」と言われ歯向かわれている。

セイバー顔のキャラの中だとSN時にセイバーの正体として有力視されていたジャンヌ・ダルクにも妙に執着しており、
「ジャンヌ・ダルクが女子高生って良くない?」とTYPE-MOON内で発言しては「なにを言ってるんだこいつは」とスタッフから生暖かい目を向けられていたらしい。
なお、後に『Fate/Apocrypha』が小説化された際、この武内の発言からかジャンヌは
「フランスの片田舎の女子高生に憑依する形で召喚された」という設定になっている*1
Fate/EXTELLA』に参戦したジャンヌの第二衣装が日本の女子高生の制服なのも、もしかしたらそのせいかもしれない。

Fate/Zero』ではアイリスフィール・フォン・アインツベルン遠坂葵といった可愛らしいママさんキャラをデザインし、著者の虚淵玄らを喜ばせた。
武内自身も葵はお気に入りらしいが、上記の金髪好きを知るファンからは「金髪じゃない…だと……!?」と驚かれた。
ちなみに第4次聖杯戦争のアサシンの一人に女性がいるのは武内氏の趣味の産物であり、虚淵は想定していなかった。曰く「先にデザイン見てたら出番増えた」とか。

奈須きのことの関係

前述の通り奈須きのこ氏とは親友で、その付き合いは中学一年の時に奈須が隣の席(武内)に消しゴムを借りた時まで遡る。
当時は小説を読まなかった奈須に菊地秀行の小説を奨めたことが、作家奈須きのこの原点である。
ある意味現在まで続く奈須の中二病をこじらせさせた張本人(武内も相当だが)。
ちなみに高校・大学は別であった。

また、奈須きのこの最初のファンでもあり、高校時代に書かれた『Fate/Prototype(旧Fate)』や、
約15年前に書き上げた『魔法使いの夜』の原本を現在でも保管している(奈須のは紛失したらしい)。

TYPE-MOONを結成し、『月姫』を作ったのも、奈須の文章をより多くの人に見てもらうため。
月姫製作時は当時勤めていたゲーム会社を辞めていた奈須に「生活費は出すから、月姫に没頭してくれ」と、彼を養ったという逸話も。
だが、その友情が本気で崩れかけたことがある。詳しくはきのこ氏の項目にて。

TYPE-MOONの大抵の発起人はこの人。奈須の火付け人でもある。

また『空の境界』を講談社ノベルス化する際、自分のためだけに書いた小説がこれ以上拡がる必要はないんじゃないか……と迷っていた奈須に、
「おまえが恥をかきたくないだけじゃないか、もっと恥をかいていい」と背中を押したり、
TYPE-MOONが大きくなっていき、しがらみに縛られそうになった際も
「最近の奈須きのこはユーザーを喜ばせるとか、待たせただけの責任とか、そういうコトを第一にしすぎている。
 昔の好き勝手やっていた、とんがってたころの奈須きのこはどこへいったんだ」
と最古参のファンならではの、誰よりも奈須きのこを知っているからこその熱いことばをぶつけたりした。

そして、Fate/hollow ataraxiaの次は何を作るかで奈須が悩んでいた際、
原画家のこやま氏から「王道がやりたい」と言われたものの、自分の中で王道は品切れだと思っていた彼に向かって、
「じゃあ『魔法使いの夜』をリメイクすればいい」
と提案し「まほよプロジェクト」を始動させるきっかけを作り、
「これを今出してもユーザーの共感を得られないのではないか」と奈須が迷う際も、
「逆にこの昭和感がいいんじゃない」
と背中を押している。

更に、空の境界 未来福音が劇場公開される際、ufotableの近藤代表から
「来場者特典として何か1本書いてほしい」
との依頼があったものの、奈須は蛇足になる恐れがあると最初断ったが、後日その事を武内に話すと
「確かに正論だが、お前の気持ちはどうでもいい。新作を読みたがっている読者がいる。たとえば、今お前の目の前にいるこの俺だ。
と言われた事で気持ちが変わって執筆する事になり、完成したのが劇場来場者に配布された終末録音である。

上記のとおり、思い出を共有し、自分の作品をずっと支持し、プロデュースしてくれる存在のおかげで物作りに専念できるきのこはまったく果報者である。
虚淵玄もこのコンビについて、「本当に羨ましい」と評し、
奈須も「唯一無二のパートナー」、「いつでも第一の読者」と言い、
武内自身も奈須に対して「こいつにはかなわない」、「奈須と知り合えたのが、人生最大の幸運」と語っている。

そんな長年の友情がカリー・ド・マルシェ事件で崩壊しかかったというのもある意味有名


その他

また、TYPE-MOONのオフィシャルモバイルサイト『まほうつかいの箱』も武内氏の思いつきで作られたもの。
ひびちからじおの「親分」呼ばわりは割と間違っていない。
ツインテール描きたい』という動機で桂木千鍵をデザインしたり、多忙にも関わらずTOP絵を描いたりとやる気に満ち溢れている。
DJCDでも声こそ収録されていないが収録現場に駆けつけ、
ひびき役の本多陽子、千鍵役の仙台エリ、ケータイさん役の岸尾だいすけ、須方スナオ役の辻あゆみの大喜利の判定をしていた。
なお、笑いの沸点が低いのか、早く大喜利で点数を稼いで豪華会席料理を食べたいという声優陣の心情を慮ってか、
仙台氏が「チョロすぎる」と思わず本人に言ってしまうほどに続々と「面白い」という判定を下している。

ちなみに、『Fate/EXTRA』の赤セイバー役に当時声優業復帰直後くらいであった丹下桜氏を挙げたのは武内氏らしい。

実はこの人、本気で絵を書くとMtGのクリーチャーみたいなタッチになる事は意外と知られてない。


主な作品

―ゲームキャラクターデザイン―


―小説イラスト―


―漫画(竹箒)―

  • Valkyriaシリーズ
  • clowick canaan-vail
  • メイドさんは魔女
  • 空の境界「未来福音」

―アニメキャラクターデザイン―

  • CANNAN

―その他―






追記・修正したい? 金髪じゃないヤツは帰れ!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2024年02月02日 11:20

*1 念のために記しておくと、史実では享年19歳なので1年留年したとすればあり得ない年齢ではない。だから何だって話だが