サイバトロン/オートボット(トランスフォーマー)

登録日:2021/03/01 Mon 19:50:00
更新日:2024/09/24 Tue 08:55:03
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サイバトロン戦士、突撃!

Autobots, roll-out!

サイバトロン/オートボット(Autobots)とは、変形玩具シリーズ「トランスフォーマー」における正義の軍団である。

以下の作品は個別記事もあるのでそちらも参照。


概要

トランスフォーマーシリーズでは、一部を除き善悪二元論である作品が多い。
そのうちの善側にあたるのがサイバトロン/オートボットである。悪側はデストロン/ディセプティコン

シリーズによって結成理由などは様々だが、デストロン/ディセプティコンの破壊活動などによる被害者が結成した自警団だったり母星の正式な軍隊、警察組織という設定が多い。

サイバトロン/オートボットのリーダーが大半の作品で「リーダーのマトリクス」を保有するためほぼイコールでその者がセイバートロン星/サイバトロン星の正統な指導者ということになっている。

オートボット(Autobots)は「自動車ロボット」という意味であり、実際に車に変形するトランスフォーマーが多いが、エアーボット(全員飛行機に変形)のように車でないものに変形するキャラも結構存在する。

初期作品では、「君が選ぶ、君のヒーロー!」というコンセプトがあり、サイバトロンはもちろんデストロンも活躍させるというスタンスだったが、実際にはデストロンが敗北する勧善懲悪型のストーリーも多かったりする。
以降の作品でも基本的に最終的にこちらが勝つストーリーが基本であり、またサイバトロン/オートボットのみがキービジュアルなどにうつる事も少なくない。


名称について

名称が「サイバトロン」「オートボット」と二つあるのは、海外ではAutobotsと呼ばれていた組織を、初期からしばらくの間は原語版における母星の名である*1「サイバトロン」という名称で呼んでいたことに由来する。
ディセプティコン(デストロン)と異なり、何故変更されたのかに関しては今のところ分かっていない。
原語版の母星の名前と同一であることを考えると、母星の名前を軍団名と勘違いして、気づいたときには後の祭りになったのかもしれない。
ちなみに「オートボット」の方の名称は、所属するサブグループが存在しない一般サイバトロン戦士の意味で使われる事もある。

実写版の時に字幕版で違和感*2が出るのを防ぐために、「コンボイ」→「オプティマスプライム」などのようにキャラクター名と共に海外名である「オートボット」に統一された。
実写版後に初めて行われたアニメ作品である「トランスフォーマー アニメイテッド」は実写版人気にあやかるため実写版の前日譚という日本独自の設定が追加され*3、それに伴い「オートボット」など海外名が続けて使われている。ついでにバルクヘッドの名称がアイアンハイドになって本来のアイアンハイドがアーマーハイドにされた。
そして特に実写版との関連がない「トランスフォーマープライム」以降でも実写版により名称が定着したためか、「オートボット」などの名称が完全に定着している。

玩具展開における古い商品のリメイクでは、「サイバトロン」の名称が使われることもあったが、海外の商品と仕様統一した現在においては、日本独自の名前が使われることは少ないだろう*4

多くの作品に登場するトランスフォーマー

同名のTFであっても続編モノを除き作品によって似た別人であるため、多くの作品に共通する特徴を記す。

  • コンボイ/オプティマス・プライム
大抵の作品におけるサイバトロン/オートボットの総司令官。
作品によって配色にある程度差はあるが、概ね赤と青のカラーリングのトランスフォーマーである。
ビークルモードもトレーラーや消防車などの大型車両が多い。
ビーストウォーズシリーズのコンボイ達は称号として「コンボイ」を名乗っており、何らかの部隊のリーダーではあるが、これらの特徴は当てはまらない。

  • バンブル/バンブルビー
サイバトロン/オートボットの斥候。
明るい黄色が目印の小柄なトランスフォーマー。大衆車かスポーツカーなどの差はあれど、黄色い車に変形する。
多くの作品で人間と最も仲良くなるトランスフォーマーとなる。
実写映画では事実上の主役を張っており、同作の影響か喋れないキャラクターとして登場する事もしばしば。
その場合は内蔵されたラジオ等の音声をブロリーMADみたいに繋ぎ合わせて擬似的に会話する。

  • アイアンハイド
サイバトロン/オートボットの戦闘員。
カラーリングは初代では赤いが、その後の作品においてはまちまち。変形モチーフも車という事を除けばバラバラ。
「ベテラン戦士」「武器のスペシャリスト」という設定で登場する事が多く、性格も血の気が多く好戦的。唯一マイ伝ではデストロンに名前が使われた。
アニメイテッドの彼?彼は本来「バルクヘッド」という別キャラなので…。*5

  • ラチェット
サイバトロン/オートボットの軍医。
カラーリングは作品によってバラバラだが(白系が多い)、共通して救急車に変形する。
軍医なのに前線で戦う事が多かったり、妙に武闘派なのもお約束。

  • アーシー
サイバトロン/オートボットの女戦士。
オートバイなどの小型車両に変形し、女性だけにロボットモードも他のトランスフォーマーより細身。
初登場は2010だが「男児向け玩具で女性キャラは売れない」という風潮のためメインキャラでありながら一人だけ商品化されず、その後もなかなか登場の機会に恵まれなかったが、実写版以降は出番が増えた。
特にプライム版は秀逸な変形ギミックもあって、女性型トランスフォーマーの完成形という呼び声も高い。初登場のG1版は女性TFの商品化が当たり前になってようやく発売された。

  • ジェットファイヤー
サイバトロン/オートボットの航空防衛戦士(作品によっては科学者も兼任)。
車両に変形する者が多いオートボットでは珍しく航空機に変形する。商標の都合か、名前は「スカイファイヤー」だったり「ジェットファイア」だったりとちょくちょく表記揺れする。
初代アニメではあのスタースクリームの旧友であり、以降の作品でもスタースクリームとの関係が描かれる事が多い。
また作品によっては航空部隊「エアーボット」の一員とされたりもする。

  • ダイノボット
ティラノサウルスやトリケラトプスなど恐竜型ロボットに変形するサイバトロン/オートボットの一部隊。ビーストウォーズでは個人名。
恐竜だけあって知能は低い反面、それを補って余りあるパワーと戦闘能力を誇る。
殆どの作品では他のサイバトロンとは異なる出自に設定される事が多い。

代表的な作品における活躍

いくつかの作品におけるサイバトロン/オートボットの活躍を記述する。

初代~2010におけるサイバトロン

初代アニメ、「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」におけるサイバトロンは、デストロンによる非道(笑)な破壊行為により被害を受けた*6トランスフォーマーの集まりである。要は義勇軍である。
そのためかデストロンに対する憎悪はすさまじく、中にはデストロンに悪役と大差ないセリフを吐き捨てるものもいる。
大抵、体色が赤いことから、「サイバトロン赤組」と呼称される。
一方地球人に対しては友好的な態度をとるトランスフォーマーが多く、また人類側もサイバトロンの護衛を要請したり、協力したり、像を建設するなど関係は良好。一度デストロンに騙されたとはいえ追い出したけど。
また本来軍隊ではなくあくまで民間人の集まりだからかレクリエーションに理解を示す者も多く、平時はスポーツやテレビ鑑賞などを楽しんでいる様子がしばしば見られる。ただし音楽はそうでもない。
リーダーは「私にいい考えがある」で有名なコンボイ司令官

続編の「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010」では映画版にて多くの死者を出したからか、メンバーが大きく変更。
リーダーはひよっ子野郎若き戦士であるロディマスコンボイ
また今作において、トランスフォーマーの原型がクインテッサ星人の製造していた奴隷ロボットであり、そのうちの民間用ロボットがサイバトロンである事が判明した。
元が民間用ロボットのため高い攻撃力・戦闘能力を持つメンバーは限られている一方、技術者や科学者などの層が極めて厚いのが特徴。
またリーダー不在の状況下に陥ると途端に瓦解しがちなデストロンとは違い、例え不測の事態が起きてもその場にいるメンバーのみで窮地を切り抜ける事も多い。

作中ではデストロン防衛参謀・レーザーウェーブの執拗な掃討によって激減しているものの、エリータ・ワンやアーシーなど女性型トランスフォーマーも所属し、戦士として活動している。
機械生命体のトランスフォーマーに性差など本来不要の筈だが、サイバトロンの母体が民間用ロボットである事を考えれば、第三次産業などの需要のために製造されていた名残なのかも知れない。

CGビーストウォーズシリーズにおけるサイバトロン

今作におけるサイバトロンは、海外では「オートボット」ではなく「マクシマルズ」と呼称されている。
リーダーはいずれもゴリラに変身するイボンコビーストコンボイ
ビーストのサイバトロン(マクシマルズ)と従来のサイバトロン(オートボット)は厳密には別種族であり、一部の過激派を除けば、デストロン(ディセプティコン、プレダコンズ)も穏健派となっているため、4種族間の間で平和が保たれている。

惑星探査船「アクサロン号」に乗る隊員を中心に構成され、追跡部隊として唯一アドリブ芸人軍団デストロンとともに「惑星エネルゴア」に墜落そこでコント激しい戦いを繰り広げる。

ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー」の終盤、千葉トロンの罠で一度は死亡したコンボイだったが、「超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズメタルス」で新たな体を得て復活。
一部キャラ達を除き強力な「トランスメタルスボディ」を手に入れ再度デストロンとコント戦いを繰り広げることとなる。
ビーストウォーズリターンズ」ではセイバートロン星に戻るも、捕らわれの身から脱出した千葉トロンによりセイバートロン星が侵略され、取り戻すこととなる。
その際にトランスメタルスボディに続く新しいボディ「テクノオーガニックボディ」を獲得しパワーアップするが代償でキモくなる
新たな敵、「ヴィーコンズ」及び千葉トロンとのパワーアップしたコント三度の戦いを繰り広げることとなる。

実写版におけるオートボット

言語が統一され、名称が「オートボット」となる。
リーダーはこれまたコンボイから名称が変更されたオプティマスプライム

本作では惑星サイバトロン出身の金属生命体は基本的に全て「オートボット」という種族名であるが、劇中ではディセプティコンとの差別化のため組織名として呼ばれる事が殆ど。
地球来訪後は対ディセプティコンのため人類と共同戦線を張るも、シリーズの途中からは人類に危険視され、敵対することになってしまう…。

プライムにおけるオートボット

超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム」ではひろし声メガトロンの武装蜂起に立ち向かうために結成された。リーダーはやはりオプティマスプライム
余談だが、今作のオプティマスの声優も後にひろしを演じており、プライムは「ひろしvsひろし」という作品だったりする。
今作でのオートボットは比較的穏健派であり、少数精鋭部隊である。第一話で早速死者が出たが…

日本限定の続編である「参乗合体 トランスフォーマーGo!」では「ソードボット」というサブチームが2人の少年と共に新たなる敵「プレダコン」に挑む。

アドベンチャーにおけるオートボット

プライムの英語版に続く続編「トランスフォーマーアドベンチャー」では警察組織「チーム・バンブルビー」をメインに描いている。
リーダーはチーム名からわかるようにプライムから大きく成長したあげく見た目も別人っぽくなったバンブルビー。

今作のディセプティコンは従来とは全く異なり、単独あるいは徒党を組んだ犯罪者という設定であり、それに伴いオートボットも警察のような役割になっている。

アーススパークにおけるオートボット

トランスフォーマー アーススパークにおいても人類と共存する道を選びディセプティコンと戦っていた集団として登場。
更にはこの時間軸ではディセプティコンのリーダーであったメガトロンもドット・マルトの漢気に心打たれ改心しして離反し、人類やオートボットと手を取り合う道を取る。
そのためリーダー不在で各地に潜伏している野良ディセプティコンの犯罪に対して対抗するため、オートボットの一部メンバーは人類側の対トランスフォーマー組織であるGHOSTに所属している。
また、トッド・マルトの子供であるロビーとモー兄妹が地球まれの新しいトランスフォーマーである”テラン”と邂逅したため、大人世代として彼らを育てる役割も担う。

一方でマルド一家は信頼しているものの、GHOSTに対しては表向きは協調体制を取りつつも完全には信頼しているわけではない。そのため一部オートボットは所属しておらずそのため野良ディセプティコンと同様に捕獲対象となっている。

ちなみにテランが5名いる上に上述の通りメガトロンもこちら側のためか、生き残っていることが現在判明しているオートボットは、オプティマスプライム・エリータ1・バンブルビー・ホイルジャック・アーシー・グリムロックとわずか六名しかいない。

シャッタード・グラスにおけるオートボット

G1をモチーフに善悪が逆転した世界を描いた「シャッタード・グラス」では悪のオートボットが登場。
テロリスト集団として結成されており本家のデストロン以上に悪者してる。不思議と違和感はない。
リーダーは死体をコレクションするのが趣味なオプティマスプライム。


追記・修正はサイバトロン/オートボット派にお願いします。

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最終更新:2024年09月24日 08:55

*1 「サイバトロン」が軍団名として使われていた時は「セイバートロン星」と呼ばれていた。

*2 言葉ではオートボットと呼ばれているのに字幕でサイバトロンと書かれてしまう。

*3 あの映画がアニメになった、などの宣伝が行われていた。流石に無理がありすぎるため設定としては後になかったことになったが。

*4 2023年現在はタカラトミーから販売しているものではマスターピースやビーストウォーズアゲインくらいのもの。

*5 原語版における「アイアンハイド」は別に居るが、日本語版では(何故か)「アーマーハイド」という別名になった。

*6 住んでいた町や職場を破壊される、家族や友人を傷つけられるか洗脳される、自分が襲われたなど。中には「エンブレムが気に入らない」なんてのもいるが。